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命乞い勇者は魔王のペット
後編
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『おら、謝れよ貧乏人。ゴズ様の指輪を盗みやがったのはテメーだろ』
『いだ……っ!ぼ、僕、そんなこと、してない……っ!』
『誤魔化しても無駄無駄。オレ見ちゃったもん。お前がゴズ様にぶつかった時にスっていくとこをさ』
『ぶ、ぶつかりは、したけどっ、僕は盗んでないっ!う゛ぐっ!』
『うっせぇな。テメーの鞄から指輪が出てきた時点でクロなんだよ』
『こら、お前達。暴力はいかんぞ暴力は。ボクにも領主の息子として慈悲の心があるからね。そこの貧乏人くんが誠意をこめて謝るのなら許してやろう』
『げほっ、う……、ぼ、僕は……』
『ほんと、ゴズ様は優しすぎます』
『ほらほら、ゴズ様がこう言ってくださってるんだから、さっさと謝っちゃいなよ』
『う……、う゛ぅ……、ご、ごめ……』
『は?何をそのまま謝ろうとしているんだい、貧乏人くん。ボクは誠意をこめろと言ったんだ。服を全部脱いで、地べたに頭を擦り付けるくらいしたらどうだい?』
『そっ、そんな、こと……っ』
『早くしろよ。ぐずぐずしていると大声出して見物人を増やしてやるけど?』
『まあ、この状況でお前の味方をする人なんていないだろうけどね~』
『ぁ、う゛……、ぐすっ、ふ、ううぅ……』
『うっわ、貧相な身体。目が腐りそう』
『実際腐ってるんじゃない?臭いもん』
『お前達、本当のことを言ってやるな。可哀想だろう?』
『ぅ、っあぁ……、ご、ごめん、なさ……』
「──成程な。アオがあんな謝り方をするのはお前等のせいか」
『……?おい、こいつどこから出てきた?村の人間じゃな……っぐぶ!?』
『はぁっ!?なんで蹴っ、ひぶっっ!』
『なっ、なな何だ貴様!ボクは領主の息子だぞ!ボクに逆らえばどうなるか……っぎゃああぁ!!』
「魔法を使うまでもないな、クソガキ共」
『ぁ……、あ、あなた、は……』
「……アオ。こんな夢見てねぇで、今すぐ戻ってこい。お前は俺のことだけ考えてろ」
『アオ……?』
ぼやけていた世界が明滅する。傷だらけで薄汚れた裸のまま見上げた彼の姿は、やけに輝いて見え、次第に視界がホワイトアウトしていき──。
「──起きたか、アオ」
「ん、ぇ……?……まお、う……様……?」
魔王の腕の中でもったりと目を開けたハインリヒは、ぱちりと瞬きをして現状を把握しようとする。
そう、魔王に抱いてほしいと願って、ひとつになったはいいものの、あまりの剛直に意識が飛んでしまっていたのだ。ぐちゅ、と肉壺に埋まったペニスが、ハインリヒの薄い腹をぽこりと押し上げている。
「あ……。ぼ、僕……、意識が、飛んでいたんですね……」
「しかも魘されていたから、夢の中を覗いてみれば……。いいか、アオ。今後何かの折に謝る時、全裸になる必要も頭を下げる必要もない。分かったか?」
夢の中、と言われ、悪夢を見ていたことを思い出す。実際にあった、過去の出来事。貧乏で親がいないという理由で虐められ、ストレスの捌け口にされ、何度も土下座で謂れもない罪を謝っていた、あの頃の。
勇者だということが判明してからは、そんなイジメはピタリとなくなったが、それでもハインリヒの心に深く傷をつけていた。
「誠意を……、こめなくても、いいんですか……?」
「ああ。つーかそれはあのクソガキ共の嘘だ。今はもうお前と同じ年齢ぐらいか……、御礼はしっかりしておかないとな」
「ま、魔王様、顔が怖く……っひゃうっ♡」
もぞ、と動いた拍子にナカの肉棒がしこりを潰す。そう、今は繋がっている真っ最中。改めて意識してしまうと、ハインリヒは途端に恥ずかしくなって身を縮こめた。
「あ……♡魔王様のちんぽ、あったかくて、おっきくて……どくどくしてる……♡すごい……♡♡」
うわ言のように呟いたのはほぼ無意識だ。恥ずかしがりながらも、陰茎の形がうっすら分かる下腹を、うっとりと撫でるハインリヒ。対面座位のため、負担は相当あるはずなのだが、キツさよりも多幸感の方が勝っていた。
「……アオ、あまり煽る真似をするな。俺がどれだけ我慢して動かないでいると思ってる……?」
「そんな、我慢しないでください、魔王様。魔王様と、……こんなに深く繋がれて、僕、すごく嬉しいんです。んっ♡は、ぁ……♡♡」
「……っ!」
ぱちゅん♡ぽちゅっ♡
慣れないながらもゆっくりと腰を揺らめかせるハインリヒに、魔王は思わず息を呑む。決してテクニックがあるわけではないが、ぐつぐつと煮え滾る欲が溢れ出しそうになってしまった。
「……俺の目の呪いが効かない、ただそれだけの珍しい人間だったはずなのに、」
「ひうっ♡は、んぅっ♡魔王様っ♡……すき、すきです……♡♡」
「いつからこんなに……、手離したくない程、好きになっていたんだろうな」
「んぷっ♡ん、……ちゅ、ふ……ぁ♡♡」
「は……、愛しているぞ、アオ。俺のハインリヒ」
「んんんっっ♡♡♡まお、さま……っ♡べる、さまぁ♡♡♡」
両手の指を絡め合い、唇を深く合わせた彼等は、甘くじっとりとした蜜事に溺れていく。
その日の夜、部屋の中から水音が絶えることはなかった。
【命乞い勇者は魔王のペット】
(ペット?いいえ、お嫁さんです)
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