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お荷物アイドルくんがわからせラブハメされるまで
その①
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ちん♂が粗末な人が蔑まれる常識がバグった世界のおはなし
隠れイケメンファン×お荷物粗チンアイドルくん
☆☆☆☆☆
「いつも応援ありがと~!」
「わ、また来てくれたんですね。嬉しいです」
「ん、あんま強く握らんどってぇ」
……がらんとした俺のレーンの隣からは、そんな明るい声ばかりが聞こえてくる。
さながらモーゼのようになっているこの光景は、今に始まったことじゃない。
アイドルグループ11cute(イレブンキュート)の中で、俺は所謂不人気キャラってやつだからだ。
着こなせていない可愛いステージ衣装、どれだけ練習してもぱっとしない歌やダンス、頑張っているものの成長しないトークスキル。
イレキューのお荷物担当、なんて言葉もSNSに書かれていたっけ。
それでも、俺自身努力して、たとえ端っこで見切れようともここまで来れたんだ。
だから、ライブ終わりの俺のレーンで閑古鳥が鳴いていようと、笑顔は絶対に崩さない。それに……、少なくとも一人は、こんな俺を応援してくれる人がいるんだ。
「リアくん!」
「あ……」
「きょ、今日も最高に可愛かったよ。え、へへ、CDたくさん買えたから、リアくんといっぱいお話出来るね」
「メガネさん、来てくれて嬉しいです。いつも応援ありがとうございます」
「ん゛んっ、推しからの認知さいっこう……♡あ、今日もプレゼント贈っておいたよ。リアくん最近疲れてるみたいだから、ホットアイマスクとかリラックス系のやつ!よ、よかったら使ってほしいな、なんて」
「心配してくれて嬉しいです。帰ったら使わせてもらいますね」
「んぎゅ、天使すぎ……。かわ……」
顔を押さえて悶えている、俺の唯一のファン、通称メガネさん。彼のことは直接会う前から間接的に知っていた。デビュー当時から、ずっとファンレターを送り続けてきた人の名前が『メガネ』だったからだ。
初めて対面した時に思い切って本人かどうか聞いてみたら、メガネさんは涙を流しながら何度も頷いてくれた。認知嬉しいと何回言われたか分からない。
俺以外のメンバー宛には箱いっぱいのプレゼントが届いていて、それを羨ましく思った日もあるけど……、メガネさんのおかげで気持ちが落ちぶれることはなかった。
だって、便箋いっぱいに俺の好きなところを書いてくれるんだ。嘘でもお世辞でも嬉しいに決まってる。
正直、本人か聞かなくてもメガネさんだってすぐに分かった。目が見えないくらい長い前髪で、分厚い眼鏡をかけてもっさりとした印象の彼。
俺のコンプレックスを優しく解しながら応援してくれる彼の声は、ファンレターから感じるものと同じあったかいものだった。
随分昔のオタクルックをしているせいか、彼は周りから随分浮いているようだけど。俺にとっては大事なファンで、恥ずかしくて口には出来ないけど……王子様みたいな存在だ。
隠れイケメンファン×お荷物粗チンアイドルくん
☆☆☆☆☆
「いつも応援ありがと~!」
「わ、また来てくれたんですね。嬉しいです」
「ん、あんま強く握らんどってぇ」
……がらんとした俺のレーンの隣からは、そんな明るい声ばかりが聞こえてくる。
さながらモーゼのようになっているこの光景は、今に始まったことじゃない。
アイドルグループ11cute(イレブンキュート)の中で、俺は所謂不人気キャラってやつだからだ。
着こなせていない可愛いステージ衣装、どれだけ練習してもぱっとしない歌やダンス、頑張っているものの成長しないトークスキル。
イレキューのお荷物担当、なんて言葉もSNSに書かれていたっけ。
それでも、俺自身努力して、たとえ端っこで見切れようともここまで来れたんだ。
だから、ライブ終わりの俺のレーンで閑古鳥が鳴いていようと、笑顔は絶対に崩さない。それに……、少なくとも一人は、こんな俺を応援してくれる人がいるんだ。
「リアくん!」
「あ……」
「きょ、今日も最高に可愛かったよ。え、へへ、CDたくさん買えたから、リアくんといっぱいお話出来るね」
「メガネさん、来てくれて嬉しいです。いつも応援ありがとうございます」
「ん゛んっ、推しからの認知さいっこう……♡あ、今日もプレゼント贈っておいたよ。リアくん最近疲れてるみたいだから、ホットアイマスクとかリラックス系のやつ!よ、よかったら使ってほしいな、なんて」
「心配してくれて嬉しいです。帰ったら使わせてもらいますね」
「んぎゅ、天使すぎ……。かわ……」
顔を押さえて悶えている、俺の唯一のファン、通称メガネさん。彼のことは直接会う前から間接的に知っていた。デビュー当時から、ずっとファンレターを送り続けてきた人の名前が『メガネ』だったからだ。
初めて対面した時に思い切って本人かどうか聞いてみたら、メガネさんは涙を流しながら何度も頷いてくれた。認知嬉しいと何回言われたか分からない。
俺以外のメンバー宛には箱いっぱいのプレゼントが届いていて、それを羨ましく思った日もあるけど……、メガネさんのおかげで気持ちが落ちぶれることはなかった。
だって、便箋いっぱいに俺の好きなところを書いてくれるんだ。嘘でもお世辞でも嬉しいに決まってる。
正直、本人か聞かなくてもメガネさんだってすぐに分かった。目が見えないくらい長い前髪で、分厚い眼鏡をかけてもっさりとした印象の彼。
俺のコンプレックスを優しく解しながら応援してくれる彼の声は、ファンレターから感じるものと同じあったかいものだった。
随分昔のオタクルックをしているせいか、彼は周りから随分浮いているようだけど。俺にとっては大事なファンで、恥ずかしくて口には出来ないけど……王子様みたいな存在だ。
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