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オープニング!
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俺は、6人組アイドルグループ『SIX DRUG』の一人、三笠ケイト。
俺様系、クール系、ツッコミ系、キュート系、ダウナー系、チャラい系とキャラを分けている中の俺様系を担当している。
というか、そもそも俺は別に俺様系キャラを作ってるわけじゃないのに、何故か割り振られたんだよな。素がそんな風に見えてたってことか?
「ケイト、そろそろ時間だから行かねぇと」
「ああ、クラマ」
クラマからもらったお気に入りをぐいっと飲んで、鞄に戻す。残りは番組が終わった後のお楽しみだ。
……同じメンバーの四道クラマは、ダウナー系担当の退廃的なイケメンだ。ダウナーとはいうものの、それこそ俺様みたいな雰囲気もするから俺の存在意義が危うくなってしまいそうだ。
ただ、6人の中でも俺とクラマはセットで使われることが多い。歳も近いし、黒髪の俺と銀髪のクラマで画面もくっきり映えるし、何より……ステージで昂るとクラマがよくキスをしてくるから……。
「……ふ、ガン見しすぎ」
「え」
「何?キスしてぇの?」
「っ……!?ち、違う!からかってないで行くぞ!」
もう、普通にバレてる気がする。
俺がクラマのことを好きなのが分かった上で、からかってきてるんだ。ステージでのキスもそうだし、雛壇に座ってる時に腰を抱いて密着してくるのもそう。一々反応する俺が面白いんだろう。
恋愛となるとポンコツになってしまう自分が悔しい。こういう時に『俺様』が発揮出来ればいいのに。
今の俺に出来ることといえば、これ以上クラマからからかわれないよう、早足でスタジオに向かうことだけだった。
*****
「──本日の特別企画はこちら!『ケイトくんに一週間ドッキリ仕掛けてみた』です!」
「は……?」
つつがなく進んでいったバラエティの途中で、寝耳に水な発言が飛んできた。隣に座っているクラマを見ても、にやりとしたしたり顔しか返ってこない。それどころか、雛壇の下にいるゲスト達は全員楽しそうに拍手している。この場で何も分かってないのは俺だけのようだ。
「お……、俺に、ドッキリだと?身に覚えがないぞ」
「ふはっ、嘘だろ!あれだけされて気づいてなかったのかよ、ケイト」
「まさか、可愛がってたはずの猫にひっかかれたのがドッキリ……?」
「何だよその可愛いエピ。まあいーぜ、一緒に答え合わせしような」
身を寄せてきたクラマに肩を抱かれて、もう片方の手で恋人繋ぎをされた。
ただでさえ突然のドッキリ発言についていけないのに、これ以上ドキドキさせてどうするんだ……!
「ちなみに、今から流す映像は全てクラマくんが編集してくれました!ケイトくんが一体どんなドッキリにかけられたのか……、みんなで楽しみながら観ていきましょう!それではVTRスタート!」
*****
俺様系、クール系、ツッコミ系、キュート系、ダウナー系、チャラい系とキャラを分けている中の俺様系を担当している。
というか、そもそも俺は別に俺様系キャラを作ってるわけじゃないのに、何故か割り振られたんだよな。素がそんな風に見えてたってことか?
「ケイト、そろそろ時間だから行かねぇと」
「ああ、クラマ」
クラマからもらったお気に入りをぐいっと飲んで、鞄に戻す。残りは番組が終わった後のお楽しみだ。
……同じメンバーの四道クラマは、ダウナー系担当の退廃的なイケメンだ。ダウナーとはいうものの、それこそ俺様みたいな雰囲気もするから俺の存在意義が危うくなってしまいそうだ。
ただ、6人の中でも俺とクラマはセットで使われることが多い。歳も近いし、黒髪の俺と銀髪のクラマで画面もくっきり映えるし、何より……ステージで昂るとクラマがよくキスをしてくるから……。
「……ふ、ガン見しすぎ」
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「っ……!?ち、違う!からかってないで行くぞ!」
もう、普通にバレてる気がする。
俺がクラマのことを好きなのが分かった上で、からかってきてるんだ。ステージでのキスもそうだし、雛壇に座ってる時に腰を抱いて密着してくるのもそう。一々反応する俺が面白いんだろう。
恋愛となるとポンコツになってしまう自分が悔しい。こういう時に『俺様』が発揮出来ればいいのに。
今の俺に出来ることといえば、これ以上クラマからからかわれないよう、早足でスタジオに向かうことだけだった。
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「──本日の特別企画はこちら!『ケイトくんに一週間ドッキリ仕掛けてみた』です!」
「は……?」
つつがなく進んでいったバラエティの途中で、寝耳に水な発言が飛んできた。隣に座っているクラマを見ても、にやりとしたしたり顔しか返ってこない。それどころか、雛壇の下にいるゲスト達は全員楽しそうに拍手している。この場で何も分かってないのは俺だけのようだ。
「お……、俺に、ドッキリだと?身に覚えがないぞ」
「ふはっ、嘘だろ!あれだけされて気づいてなかったのかよ、ケイト」
「まさか、可愛がってたはずの猫にひっかかれたのがドッキリ……?」
「何だよその可愛いエピ。まあいーぜ、一緒に答え合わせしような」
身を寄せてきたクラマに肩を抱かれて、もう片方の手で恋人繋ぎをされた。
ただでさえ突然のドッキリ発言についていけないのに、これ以上ドキドキさせてどうするんだ……!
「ちなみに、今から流す映像は全てクラマくんが編集してくれました!ケイトくんが一体どんなドッキリにかけられたのか……、みんなで楽しみながら観ていきましょう!それではVTRスタート!」
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