13 / 15
双子の霹靂
②晴天
しおりを挟む
「うん。お願い。……ぎゅって、してほしい」
「ふふ、嬉しい。好きだよ、ハルヒ」
「っ、い、今、そんなこと、言われたら。だめ、流されるから……っ」
「流されちゃいなよ。オレはアサヒに靡かないくらい、ずーっとハルヒ一筋だったんだから。昔からハルヒのことしか見てないよ」
甘くて、とけそうで、身体が熱くなってくる。
本当に?
本当に、僕だけを好きでいてくれる?
嬉しい、という気持ちが湧き上がってきたのが、答えだった。自分からも抱きしめ返すと、凛くんの力も強くなる。
「……凛くんのこと、信じてもいい?」
「もちろん。寧ろハルヒが嫌って言っても別れてあげないから。はー……、うれし。ずっとこうしていたいな」
ああ、僕もだいぶ現金だな。恋人を奪われて怒っていたはずなのに、全部凛くんで塗り替えられていく。感じる体温が心地よくて、僕もずっとこのままでいたいなんて思ってしまう。首筋に軽く唇を押し当てられたのは、そんな時だった。
「わひゃ!?り、凛くんっ」
「ごめん、美味しそうだったから」
「理由になってないよ!」
「口にはしないからさ。ハルヒ、そういう触れ合いは苦手って言ってたからね」
「あ」
確かに、凛くんに愚痴を聞いてもらっている時に何度か零したことがあるけど。苦手なのはもっと深い繋がりであって、凛くんとキスするのは……。
「……や、じゃ、ない」
「え?」
「嫌じゃないよ。く、くちに、キスされるの。凛くんになら……」
「うわ、可愛すぎ。その顔、オレ以外に見せちゃ駄目だからね。え、本当にするけど、……いいの?」
「うん。嫌だったら、言わないよ」
そっと腕を解かれて、顎と後頭部に手が添えられる。凛くんの睫毛、長いなぁなんて。恥ずかしさを誤魔化すように視線をさ迷わせて、結局閉じてしまった。
ふっ、と軽く息が当たって、そのすぐ後に柔らかい熱が重なってきた。何度も、何度も。形を確かめるように、触れ合うだけの優しいキス。
うっとりと蕩けていく僕の耳に、一際大きな雷の音が届いてきた。
「ふふ、嬉しい。好きだよ、ハルヒ」
「っ、い、今、そんなこと、言われたら。だめ、流されるから……っ」
「流されちゃいなよ。オレはアサヒに靡かないくらい、ずーっとハルヒ一筋だったんだから。昔からハルヒのことしか見てないよ」
甘くて、とけそうで、身体が熱くなってくる。
本当に?
本当に、僕だけを好きでいてくれる?
嬉しい、という気持ちが湧き上がってきたのが、答えだった。自分からも抱きしめ返すと、凛くんの力も強くなる。
「……凛くんのこと、信じてもいい?」
「もちろん。寧ろハルヒが嫌って言っても別れてあげないから。はー……、うれし。ずっとこうしていたいな」
ああ、僕もだいぶ現金だな。恋人を奪われて怒っていたはずなのに、全部凛くんで塗り替えられていく。感じる体温が心地よくて、僕もずっとこのままでいたいなんて思ってしまう。首筋に軽く唇を押し当てられたのは、そんな時だった。
「わひゃ!?り、凛くんっ」
「ごめん、美味しそうだったから」
「理由になってないよ!」
「口にはしないからさ。ハルヒ、そういう触れ合いは苦手って言ってたからね」
「あ」
確かに、凛くんに愚痴を聞いてもらっている時に何度か零したことがあるけど。苦手なのはもっと深い繋がりであって、凛くんとキスするのは……。
「……や、じゃ、ない」
「え?」
「嫌じゃないよ。く、くちに、キスされるの。凛くんになら……」
「うわ、可愛すぎ。その顔、オレ以外に見せちゃ駄目だからね。え、本当にするけど、……いいの?」
「うん。嫌だったら、言わないよ」
そっと腕を解かれて、顎と後頭部に手が添えられる。凛くんの睫毛、長いなぁなんて。恥ずかしさを誤魔化すように視線をさ迷わせて、結局閉じてしまった。
ふっ、と軽く息が当たって、そのすぐ後に柔らかい熱が重なってきた。何度も、何度も。形を確かめるように、触れ合うだけの優しいキス。
うっとりと蕩けていく僕の耳に、一際大きな雷の音が届いてきた。
33
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる