ラブハメパークは年中無休で営業中♡

ラブハメパークに初来店♡

そのいち

ゆるチャラ美形×ウブな平凡

トンチキエロ施設を初めて訪れた客のおはなし

☆☆☆☆☆


　す、すごい……！ラブハメパークってこんなに自由にしていいんだ……。やっぱり恋人同士の人達が多いけど、僕と同じようにソロの人もいるみたい。

　僕ももっとえっちで可愛い格好してもいいのかな……。……ううん、弱気になっちゃ駄目だ。ここには僕のことを馬鹿にする人なんていない。堂々としていればいいんだ。

　……とは思ったものの、どのお店に入ろうかな。透け透けなランジェリーは攻めすぎだし、かといってフリルたっぷりのスカートも僕が着たらお遊戯会みたいになっちゃいそうだ。背伸びして大人っぽい服のお店とか、コスプレ系とか？

　普通の服ですら悩むのに、こんなに色々あったら決められそうにないなぁ……。

「お兄さん。難しい顔してるね。気分悪い？」
「え……、あっ、だ、大丈夫です！その、どの服屋さんに行こうか迷っていただけなので……」
「なんだ、そういうことなら私の店来るといいよ」
「え？」

　話しかけてくれた人は、どうやらスタッフの人だったみたいだ。深い紺色のチャイナ服を着ているから、そういったコンセプトのお店なのかな。

「うちのスタッフは優秀だからね、君にぴったりの商品を選んであげるよ」
「あ……。じ、じゃあ、お願いします」

　朗らかな笑みを向けられて、気がつけばつられるように頷いていた。えっちで可愛い格好も惹かれるけど、この人が着ているような男性用のチャイナ服もいいかもしれない。……似合うかどうかは置いといて。

「こっちだよ。案内するね」
「は、はいっ」

　そうして僕は、糸目で優し気な店員さんの後をついていくことにした。