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商品No.110:一から作るダンジョン
16:慰めはいりません
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「道具屋で飲んでた薬、媚薬じゃないんだよね」
さらりと落とされた言葉を理解するまで、数秒かかった。
身体が金縛りにあったように動かない。心臓が弾けそうに脈打って、それとは対称的に背筋がすうっと冷えていく。
……薬が、媚薬じゃなかった?
「あれ、利尿剤に近い薬なんだよね。よくフェリちゃんおもらしするから、そういうのあったら楽しいじゃんって仕込んでたんだ。だから何度もおしっこや潮噴いてもおかしくはないんだけど……」
「感度に関してはそのままだったので、まさか……、媚薬がなくてもあんなに喘いで射精するフェリアスが見れるとは思わなかったよ」
「それで、もしかして……って思って探したら、普通の淫魔は使わない、性欲や感度を抑える鎮静薬があったんだよね」
ちゃぷん、と、リーヴァンの指に摘まれた小瓶の中で、コロンに似せた液体が揺れる。もう、そこまでバレてしまっているのなら……、きっと。
「フェリアス。君、淫乱魔だろう?」
「フェリちゃんって淫乱魔じゃない?」
……全部、バレてしまっている。
「うっ……、ううううぅ…………っ!!」
がばりと布団を被って、発火した顔を隠す。こんなことをしても意味なんてないのに、恥ずかしくて、とにかく恥ずかしくて、どうにかなってしまいそうだ。まともに二人の顔が見れない……!
「恥ずかしがらないでよ、フェリちゃん。馬鹿になんてしたりしねぇし、寧ろすっごい嬉しいんだからさ」
布団越しにぎゅっと抱きしめられて、鎮静薬を服用していない身体が疼く。
「う、嬉しい、なんて……っ、慰めはいりません……!」
「本当のことだよ。顔を見せて、フェリアス」
「嫌です……っ! こ、こんな情けない顔、見られたく……っあ!」
問答無用で剥ぎ取られた布団が、俺の手が届かない所まで飛ばされる。このまま溶けて消えてしまいたくなる程羞恥で燃えていた俺の目に、舌をぺろりと出した二人の姿が飛び込んできた。
「え…………?」
舌の付け根の辺りにちょこんと浮かぶ、黒いハート。その模様は、俺のそれと全く同じモノ。つまり、そう、淫乱魔であると、いう、ことで……?
「え、……は? どうし、て……、え……っ?」
「オレ達も同じ、ってこと。鎮静薬の見分けがついたのも証拠になっかな?」
「隠していてごめん。フェリアスに対して、無様に喘ぐ姿を見せたくなかったんだよ」
「ぶ、無様なんて、そんなの思うわけ……っ!」
「僕達も、フェリアスがどれだけ喘ごうが気にしないよ。寧ろ、君の乱れる姿を好きなだけ味わいたいくらいだ。出来れば今すぐに」
「エ、エドガー……!?」
恍惚とした表情でこんなに性急な言葉を言われるとは思わなくて、思わずどもってしまった。胸とケツまんこは勝手にきゅんきゅんときめいてしまっている。
「ダンジョン内の自分にずっと嫉妬してたから、その反動かな~♡」
にやにやと茶々を入れるリーヴァンが、ぐっと握りしめていた俺の指を解くように手を這わしてくる。
「あ……」
「リーヴァンだって、ずるいずるいと愚痴っていたじゃないか」
「んは、そーだったね」
するりと絡められる、二人の温かな手のひら。胸がぽかぽかと火照って、兆し始めた下半身がむずむずと疼く。手を、握られているだけなのに。
「ね。オレ等も一緒」
そっと視線をずらすと、二人の下肢も緩く膨らんでいた。……感じている、一緒に、同じ想いを。抱いていた羞恥心が、歓喜のそれに変わっていく。
……きっと彼等が淫乱魔じゃなくても、俺のことを受け入れてくれたと思う。だけど、そんなのはもしもの話。今はただ、目の前の恋人達から与えられる想いを受け取りたい。
「……はい。一緒、ですね」
きゅう、と、強めに握り返した手の温度が、絡み合って、解けて、溶け合っていく。
「っう……!」
「……ふ、ぅ」
「んぁ……っ♡」
それと同時に、三人揃って小さく達してしまって。恥ずかしさを誤魔化すように、俺達は何度も口付けを交わした。
指も尻尾も身体も絡め合って、淫乱魔らしくない、子供のようなキスを。
*****
さらりと落とされた言葉を理解するまで、数秒かかった。
身体が金縛りにあったように動かない。心臓が弾けそうに脈打って、それとは対称的に背筋がすうっと冷えていく。
……薬が、媚薬じゃなかった?
「あれ、利尿剤に近い薬なんだよね。よくフェリちゃんおもらしするから、そういうのあったら楽しいじゃんって仕込んでたんだ。だから何度もおしっこや潮噴いてもおかしくはないんだけど……」
「感度に関してはそのままだったので、まさか……、媚薬がなくてもあんなに喘いで射精するフェリアスが見れるとは思わなかったよ」
「それで、もしかして……って思って探したら、普通の淫魔は使わない、性欲や感度を抑える鎮静薬があったんだよね」
ちゃぷん、と、リーヴァンの指に摘まれた小瓶の中で、コロンに似せた液体が揺れる。もう、そこまでバレてしまっているのなら……、きっと。
「フェリアス。君、淫乱魔だろう?」
「フェリちゃんって淫乱魔じゃない?」
……全部、バレてしまっている。
「うっ……、ううううぅ…………っ!!」
がばりと布団を被って、発火した顔を隠す。こんなことをしても意味なんてないのに、恥ずかしくて、とにかく恥ずかしくて、どうにかなってしまいそうだ。まともに二人の顔が見れない……!
「恥ずかしがらないでよ、フェリちゃん。馬鹿になんてしたりしねぇし、寧ろすっごい嬉しいんだからさ」
布団越しにぎゅっと抱きしめられて、鎮静薬を服用していない身体が疼く。
「う、嬉しい、なんて……っ、慰めはいりません……!」
「本当のことだよ。顔を見せて、フェリアス」
「嫌です……っ! こ、こんな情けない顔、見られたく……っあ!」
問答無用で剥ぎ取られた布団が、俺の手が届かない所まで飛ばされる。このまま溶けて消えてしまいたくなる程羞恥で燃えていた俺の目に、舌をぺろりと出した二人の姿が飛び込んできた。
「え…………?」
舌の付け根の辺りにちょこんと浮かぶ、黒いハート。その模様は、俺のそれと全く同じモノ。つまり、そう、淫乱魔であると、いう、ことで……?
「え、……は? どうし、て……、え……っ?」
「オレ達も同じ、ってこと。鎮静薬の見分けがついたのも証拠になっかな?」
「隠していてごめん。フェリアスに対して、無様に喘ぐ姿を見せたくなかったんだよ」
「ぶ、無様なんて、そんなの思うわけ……っ!」
「僕達も、フェリアスがどれだけ喘ごうが気にしないよ。寧ろ、君の乱れる姿を好きなだけ味わいたいくらいだ。出来れば今すぐに」
「エ、エドガー……!?」
恍惚とした表情でこんなに性急な言葉を言われるとは思わなくて、思わずどもってしまった。胸とケツまんこは勝手にきゅんきゅんときめいてしまっている。
「ダンジョン内の自分にずっと嫉妬してたから、その反動かな~♡」
にやにやと茶々を入れるリーヴァンが、ぐっと握りしめていた俺の指を解くように手を這わしてくる。
「あ……」
「リーヴァンだって、ずるいずるいと愚痴っていたじゃないか」
「んは、そーだったね」
するりと絡められる、二人の温かな手のひら。胸がぽかぽかと火照って、兆し始めた下半身がむずむずと疼く。手を、握られているだけなのに。
「ね。オレ等も一緒」
そっと視線をずらすと、二人の下肢も緩く膨らんでいた。……感じている、一緒に、同じ想いを。抱いていた羞恥心が、歓喜のそれに変わっていく。
……きっと彼等が淫乱魔じゃなくても、俺のことを受け入れてくれたと思う。だけど、そんなのはもしもの話。今はただ、目の前の恋人達から与えられる想いを受け取りたい。
「……はい。一緒、ですね」
きゅう、と、強めに握り返した手の温度が、絡み合って、解けて、溶け合っていく。
「っう……!」
「……ふ、ぅ」
「んぁ……っ♡」
それと同時に、三人揃って小さく達してしまって。恥ずかしさを誤魔化すように、俺達は何度も口付けを交わした。
指も尻尾も身体も絡め合って、淫乱魔らしくない、子供のようなキスを。
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