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桜羽根ねね

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商品No.110:一から作るダンジョン

02:出ることが出来ればクリア

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 俺には、二人に秘密にしていることがある。

 俺が、快楽を愛する淫魔のなかでも、一際感度が高くどこもかしこも性感帯と化している性欲狂い……淫乱魔であるということだ。身体のどこかに浮かぶハートを模した黒い淫紋がその証で、俺の場合は……陰嚢の裏に現れている。ただ、パッと見はホクロのような小ささだから早々バレることはない。

 普段は鎮静薬で感度も淫紋も抑えているから、乳首を弄られるだけで雑魚アクメすることもないし、辺り一面びしょ濡れにする程の大量の潮を噴くこともない。

 例の番組の時だけ、鎮静薬を服用しない代わりに媚薬と称したただの水を飲んでいる。彼等は俺が媚薬のせいで乱れていると思っているが、なんてことはない、あっちが俺の本当の姿だ。
 はしたない言葉ばかり叫んで、おちんぽを求めてやまない、本能の塊。他種族の間で『淫乱魔は肉便器』なんて下卑た言葉があるくらいだ。

 ただ、もし二人にバレたとしても、蔑まれるとは微塵も思わない。
 けれど、蔑まれなくても引かれるかもしれないし……、俺自身が羞恥で死にそうだから絶対にバレたくないだけだ。

「(……大丈夫。我慢出来ないわけじゃない……はずだ)」

 せめて早く媚薬の類が手に入れば、いくら乱れても問題ない。きっと彼等には俺の様子が丸分かりだろうから、ボロを出さないようにしないと……。

 改めて辺りを見渡すと、想像していた洞窟や塔ではなく、洋風でファンタジーじみた街並みが広がっていた。空間魔法の類と分かっているものの、なかなか凝った造りだ。そういえば、俺の格好も変わっている。角や翼、尻尾は消えていて、ワンピース一枚の心許ない姿。下着の感触はあるものの、妙に窮屈だからきっと女物だろう。

「ダンジョン『街』へようこそ、フェリアス」
「っわ!? エ、エドガー?」

 さっきまで、誰もいなかったはずなのに。
 重厚な扉の前、きっとこの街の出入口らしきそこに、エドガーが立っていた。その隣にはリーヴァンの姿もあって、二人揃って傭兵のような格好をしている。かっこよくてときめいてしまうし、おまんこが疼いて……、いや、自重しろ。この程度で欲に負けてどうする。

 察するに、登場人物に実在の人物を反映しているといったところだろう。いわば二人の姿をしたNPCだ。

「この扉から出ることが出来ればクリアだよ。魔法や暴力は禁止、ゲームオーバーはないからね」
「頑張ってね~、フェリちゃん」
「……説明はそれだけですか?」
「そうだよ。脱出方法はフェリアス自身で導き出してね」

 それだけ告げると、扉の前に立ちはだかったまま動かなくなってしまう。何らかの条件を満たさないと、出れないということらしい。
 試しに横を通ろうとすると、下から生えてきた触手に捕まりそうになった。流石にそう簡単にはいかないようだ。

「今は初回だったから牽制で済んだけど、また同じことしたらフェリちゃんが射精するまで触手責めだからね~」
「……それは、ご親切にどうも」

 あんなにねっとりしていて気持ちよさそうな触手に責められたら、絶対即イキする。無理矢理通ることは諦めて、街の中を確認する方がよさそうだ。
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