上 下
2 / 10

玩具箱『チンボックス』

しおりを挟む
 か、買っちゃった……♡
 ついに買っちゃった!チンボックス……!

 このちっちゃい箱の中に、人間が封印されてるんだよなぁ……。封印されてる人間はランダムだから、どんなチンポが入ってるのかは分からないって店長さんが言ってたっけ。でっかいチンポが当たった子は、叩いたりして遊んだりしてたけど、僕のはどんなチンポなんだろう……。えいっ、開けちゃえ!

「え……?」

 宝石箱みたいな綺麗な内装の中心から生えてるチンポ……、え、これ、チンポ?小さすぎない?皮も被ってるし、こんなのクリチンポじゃん……。もしかして子供なのかな?
 確か蓋の裏に人間の特徴が書いてあるんだっけ。一体このクリチンポの持ち主はどんな人間なんだろう。

「えっと……、……は!?嘘っ、勇者ぁ!?」

 何度確認しても、そこには勇者ラグトって書いてある。24歳で、人間からしてみれば立派な大人だ。魔王様の領地まで辿り着いたって話は聞いてたけど、そっかぁ……、負けてチンボックスにされちゃったんだね。勇者のチンボックスなんてレア中のレアだから、周りに自慢したいけど……。

「こんな粗末すぎるチンポじゃ、誰も羨ましがってくれないよ~……」

 文句を言いながらクリチンポを指で弾くと、たったそれだけの刺激で精液をとろとろとおもらししてしまった。粗末な上に早漏だなんて、可哀想な勇者チンポ。
 うーん、どうしようかなこれ……。チンボックスって高い上に返品出来ないんだよね。だからといって、捨てるのもなぁ。

「あれ、キールじゃん!お前もチンボックス買ったのかよ」
「アラン……。そうだよ、買ったんだけど、ハズレちゃってさぁ……」
「ハズレ?なんだよ、クソ雑魚粗チンでも引いたのか?」
「んー……、まあアランならいっか。ほら、見てよこのクリチンポ」
「うっわ、ちっっっさ!!おいおい、そこらのガキよりちっせぇじゃん。ほんとにこれチンポか?クリボックスと間違えてね?」
「一応ちゃんとしたチンボックスだよ。それに、見てこの名前」
「名前?人間の名前なんて見ても……、……はああぁ!?勇者!?あの冷徹で魔法も剣の腕もやばいくらい強いって噂だった勇者のチンポ!?こんなのが!?」
「しーっ!声が大きいって!」
「あ、わり……。いやでも、これは酷すぎんだろ……。射精能力ついてんのか?」
「さっき指で弾いたら射精したよ」
「ぷっ、マジかよ。そんだけで?……あ、なぁなぁキール、俺のチンボックスも見てくれよ」

 そう言ってアランが見せてくれたチンボックスは、びっくりする程の巨根だった。勇者チンポが豆粒に見えてしまいそうな程、太く雄々しく天を向いて、だらだらと大量のカウパーを零している。

「すっご……、いいなぁ、強そうなチンポで」
「しかも勇者より年下なんだぜ」
「嘘っ。……わ、ほんとだ……。18歳って書いてある……。勇者なのに年下にも負けちゃって可哀想……」
「折角だし、並べてみようぜ。こっちのチンポ、そっちに送るわ」

 一度蓋を閉じたアランが、箱をこつりと合わせてくる。その瞬間、僕の手の中のチンボックスに、さっきの巨根がにょっきりと生えてきた。チンボックスは、封印されている人間を一定の時間移動させることが出来るんだ。
 あーあ、それにしても、横にぴったり並ぶと余計に勇者チンポが惨めに見えてくるや。

「あははっ、見ろよ、勇者のクリチンポがカウパーで溺れてるぜ」
「もうっ、巨根のカウパーが多いせいだよ」
「しかもな、こいつ勇者のことがすっげぇ好きだったらしいぜ。勇者のことオカズにして抜いてたって書いてあった」
「ふーん。こんな粗末なチンポだって知ったら幻滅したかもね。……そろそろそっちに戻すよ」

 開けていた蓋を閉じると、巨根が元に戻る……はずだったのに。

「あれ?」
「ん……?戻んねぇな」
「待って、蓋の裏の文字が変わってる……?」

 さっきまでは、勇者のことについてしか書いてなかったのに。

「『セイクと番になったため、離れることが出来なくなった』……セイクって?」
「その巨根の名前だよ。うわ、マジかぁ……、たったこんだけで番になんのかよ」
「チンボックス同士で番に……?嘘、どうしよう、アランが買ったチンポなのに、返せなくなっちゃった……。……あ、これごとあげればいいのか。ごめんねアラン」
「や、それはお前が買ったもんだろ。それに、キールだったら別にいーよ。俺とお前の仲だろ?」
「アラン……」

 優しいアランにきゅんとしてしまう。普通だったら、こんなに強そうなチンポを手放すなんて考えられない。
 嬉しそうに寄り添うデカいチンポとクリチンポを見て、僕はハッとして口を開いた。

「じゃあ、僕とアランの……二人のチンボックスってことにしよう?」
「ん、分かった。番になるチンボックスなんて珍しいし、他の奴等に自慢してやろうぜ」
「うんっ」

 伸ばされた手を繋いで、ドキドキしながら翼をはためかせる。粗末なクリチンポが当たった時はどうしようかと思ったけど……、二人だけの特別なボックスになったから結果オーライ、かな?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神殿に現れた触手!

ミクリ21 (新)
BL
神殿に現れた触手の話。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う

hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。 それはビッチングによるものだった。 幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。 国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。 ※不定期更新になります。

学園の卒業パーティーで卒業生全員の筆下ろしを終わらせるまで帰れない保険医

ミクリ21
BL
学園の卒業パーティーで、卒業生達の筆下ろしをすることになった保険医の話。 筆下ろしが終わるまで、保険医は帰れません。

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

処理中です...