石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

寿明結未

文字の大きさ
43 / 106

43 王様たちへのプレゼンも終わり、またまた忙しくなり始めたけれど、結婚はどうするのかと聞かれてしまい。

しおりを挟む
 そうノヴァ様が仰ると、私はプレゼンを開始した。


「これは腕に着ける腕時計ですね。凄く作るのが大変なので、彫金レベル10ないと作れない代物になります。こちらは腕に付けたくない人が服のポケットに入れて使う懐中時計です」
「それは凄い」
「王族は使わないでしょうが、日々仕事に追われる方々にはいいかと。あとは医療関係になるんですが、今度工場を作ってこちらのメガネを作るんですが、目が見えにくい方々が目が見やすくする為の物ですね」
「「なんと!!」」
「陛下、もう食らいつかないで下さい。困ります、俺が宣伝する物が――」
「「ワシにも是非作って欲しい」」
「「ありがとう御座います」」
「はぁ……」


 と溜息を吐くノヴァ様。
 さぁ、宣伝する物が少なくなってきましたよ? 大丈夫ですか?


「後は日差しが強い国なのでそれで目が痛くならないように作ったサングラスと、耳が聞こえづらい方に用意した補聴器です」
「なるほど、確かに医療系だし、この国には必要だね。良ければ眼鏡とサングラスを俺に作ってくれないか? 俺も付与魔法をする時に部屋から太陽の光が入って目が辛い時があるんだ」
「分かりました」
「しかもそんな時に限って夜は目が霞む。室内でも眼鏡を付けて置けば見えやすくなるだろうか」
「視力が落ちている人用なので分かりかねますが」
「ふふ、ノヴァはまだ若いからね」
「まぁそうですが。夜に本を読むのが楽しくて目は悪い方ですよ。だとしたら腕時計がある方が良いのか。腕時計も一つシンプルなのを頼む。後は俺と王太子とで歩きながら宣伝するから、それでいいかい?」
「ええ、構いません」
「財務部なんて喜びそうだよね」
「そうだな」


 なんて会話しているので、そのうち注文は来そうである。
 フウッと溜息を吐くと、取り敢えずエンジュさんは自分の持っているアイテムボックスからガラスペンとメモ帳を取り出し「ガラスペン、王族のブルーで二本。透明で一本。眼鏡三つ、サングラス一つ、腕時計一つ」と注文を忘れないように書いていた。


「出来上がり次第持って参ります」
「ありがとう。それと出来れば早急に宝石の方も頼みたい」
「暫く不自由させておけばいい気がしますが……アイテムが直ぐ出来上がると思うのでそれ次第で持って行きます。後陛下、贈り物ではありませんからね」
「分かっておる。後で財務部に請求してくれ……王太子になった祝い品だと」
「父親から息子へ、息子から父へって言うのは素敵じゃと思うぞ? 親子仲をアピールするには良い品だと思ぞい」
「そうですね」


 こうして、明日には城に行くと伝えるとホッと安堵して貰えたので、取り敢えず問題は無さそうだ。
 今から作業を始める事になり、陛下たちは見慣れない工場を見てから帰って行った。
 全く持って驚かされるばかりだ。


「そう言えば、前の馬鹿王太子何処に行ったのかしらね?」
「なんじゃ、ワシの方が情報通のようじゃな。まぁあっちこっち飛んでおるからじゃが。なんでも前の王太子とワシ等に喧嘩を売った姫ガキと王妃は幽閉されたらしい」
「へぇ~」
「で、今は側室だった現王太子の母上が王妃として頑張っておられる。大変頭のいい優しい方らしいぞ」
「流石ですね。王太子様は今回の方はとても優しそうでした。頭も良さそう」
「ふぉっふぉっふぉ! 正にそうじゃな」
「アノコガ ツギノオウ ナラ モンダイ ナサソー」


 そう語り合うお爺ちゃんたちに私も頷きつつ、男性用メガネのフレームを三人分各種類5本、軽15本作り、更にサングラスのフレームを作っているエンジュさんの手伝いをしながら会話しつつ過ごしていると、センジュさんが上がってきて「凄いお客が来てたそうですね」と苦笑いしている。


「ええ、しっかり注文をされて行きましたよ」
「ガラスペンと眼鏡とサングラスと腕時計をな」
「なるほど、それでガラス系の材料が多かったんですね。眼鏡は金ですか?」
「王族の髪は金髪だろう? 銀よりは金が合うと思ってな」
「兄上も父上も今では銀ブチ眼鏡付けてますものね」
「まぁな」
「魔導士さんは白髪でしたからプラチナですか?」
「プラチナだろうなぁ」
「シンプルな腕時計って言われましたけど、どうします?」
「腕の太さに合わせて付けられる腕の部分があっただろう? 魔物の皮を使って付ける方が効率的だし意外とシンプルで締まって見える」


 そう言いながらセンジュくんもシッカリ眼鏡とサングラスに付与をしていき、ガラスペンにも付与を行うと、エンジュさんはアイテムボックスから腕時計を取り出し見せてくれた。
 プラチナで作られていて中には秒針がしっかりあって小粒のダイヤが0時と3時と6時と9時に嵌められている。
 中々にシンプルでいいものだと分かる品だ。


「ノヴァ様にはこれで良いだろう」
「そうですね」
「うちの店の名は刻んでおいてくださいね」
「もう刻んでる」


 そう言うと、側面に名前がシッカリ書かれてあった。
 相変わらず仕事早いな~。でも仕事出来る人は大好きです。


「ふふ」
「ん? どうした?」
「いえ、仕事が出来る男性は素敵だと思って」
「そうか?」
「ええ」
「もっと頑張ろうと思うよ」
「期待してます。でも無理は駄目ですよ」
「ああ」


 そう微笑みあっていると――タキちゃんが机に昇り私たちを見つめてから。


「ハヤク オヨメニ モラッチャイナヨ」
「こら!」
「ダッテー」
「そうじゃな、婚約者になって長いのにまだ結婚せんのは何故じゃ」
「忙しいからに決まってるでしょ!」
「確かに忙しさにかまけて結婚出来ないのは困るな! すまないユリ!!」
「落ち着いてからでも構いませんよ?」
「しかし」
「工場更に立ちますし」
「そうだが!!」
「はよ結婚せんと、ユリは引く手あまたじゃぞ」
「二つの工場が軌道に乗ったら結婚しましょう!」
「是非そうしよう!」
「やれやれ、ユリからプロポーズしておるではないか」
「う……」
「プロポーズなんて私が居た世界だと男性からと言う決まりはなかったですよ。女性からだってしても良いですよね?」
「ああ、無論だ。ユリ、必ず幸せにするからな」
「ええ!」


 こうしてこれから出来上がる工場が軌道に乗ったら結婚するという約束を取り付けた。
 後は問題なく進めばいいけど……。
 その後いつも通り各工場を回って足りない素材をアイテム生成で出しながら過ごし、就業のチャイムが鳴ると最後のアイテムを生成し終わり、出来上がったアイテムを確認したりと動き回る。
 あと一時間で家に帰る! 必ずだ!! なんて思いつつ、黒板も書き換えていく。
 するとロザリオスさんがやってきて、溜息を吐きながらアイテムチェックの内容を聞いてきた。
 すると――。


「ねぇユリちゃん」
「はい?」
「結婚相手、エンジュさんでいいの?」
「と言うと?」
「さっき女の子達に言い寄られてたけど」
「あー…モテる顔してますもんね」
「まだ婚約者って言う立場だと、イマイチ弱いのかしら?」
「次に建つ工場での生産ラインが落ち着いたら結婚しますよ?」
「あら、そうなの?」
「ええ」
「なら良かったわ。何時までも結婚しないからどうしたのかしらって思ってたの。そうよね、忙しいものね」
「そうなんですよね~」
「後で確認して欲しい書類もきてるから、一緒に帰りましょう」
「ええ」


 こうして本社に上がって行き皆さん集まっていると、書類整理担当のカラクさんとロザリンドさんからの連絡が始まった。


「えーっと、まずレインコートなどの撥水アイテムですが、他国にも輸出して欲しいという依頼が来ております。特に雪国である鉱石の国ノシュマン王国からは熱烈に連絡が来ております。現在船にてノシュマン王国の行商船が来ているのですが、是非売って欲しいとの事ですが、如何しましょう?」
「輸出は考えていなかったな。輸出税が掛かるんだったか」
「はい、なので試算したのですが――」


 そう語りだしたのはウィスパーさんで、ある程度の試算で叩きだしたようで私達も詳しい事は分からないので、会計士に任せようという事になった。
 無論儲けが出るようにしてくれるそうなので、「しっかり儲けを出させて貰いますね。でも無理なく買ってもらえるよう頑張ります」と笑顔で答えていた。


「それとユリちゃんに冒険者ギルドから連絡よ。また週一でのアイテム納品で良いとの事だったわ」
「良かったです。結構時間いっぱいでしたから」
「それこそ、ユリにこそサングラスは必要じゃろう。なぁ? エンジュ」
「そう思って作ってある。プラチナに留め具にピンクダイヤを使ったちょっと可愛い感じのだが」
「あら可愛い」
「俺の方からも連絡です。彫金師で眼鏡が欲しい方が結構な数いらっしゃいます。これはお買い上げして貰うにしても、従業員価格として安くしていいと思うんですが」
「そうだな、5割安くしていいだろう」
「頑張って貰わないといけませんからね」


 こうして話し合いは終わり、仕事も終わったことで戸締りをしっかりして魔道具を起動させてから家路へと着き、ご飯を食べてゆっくりお風呂で汗を流して眠った翌日は城への納品で――。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

捨てられた地味な王宮修復師(実は有能)、強面辺境伯の栄養管理で溺愛され、辺境を改革する ~王都の貴重な物が失われても知りませんよ?~

水上
恋愛
「カビ臭い地味女」と王太子に婚約破棄された王宮修復師のリディア。 彼女の芸術に関する知識と修復師としての技術は、誰からも必要性を理解されていなかった。 失意の中、嫁がされたのは皆から恐れられる強面辺境伯ジェラルドだった! しかし恐ろしい噂とは裏腹に、彼はリディアの不健康を見逃せない超・過保護で!? 絶品手料理と徹底的な体調管理で、リディアは心身ともに美しく再生していく。 一方、彼女を追放した王都では、貴重な物が失われたり、贋作騒動が起きたりとパニックになり始めて……。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

妹が聖女に選ばれました。姉が闇魔法使いだと周囲に知られない方が良いと思って家を出たのに、何故か王子様が追いかけて来ます。

向原 行人
ファンタジー
私、アルマには二つ下の可愛い妹がいます。 幼い頃から要領の良い妹は聖女に選ばれ、王子様と婚約したので……私は遠く離れた地で、大好きな魔法の研究に専念したいと思います。 最近は異空間へ自由に物を出し入れしたり、部分的に時間を戻したり出来るようになったんです! 勿論、この魔法の効果は街の皆さんにも活用を……いえ、無限に収納出来るので、安い時に小麦を買っていただけで、先見の明とかはありませんし、怪我をされた箇所の時間を戻しただけなので、治癒魔法とは違います。 だから私は聖女ではなくて、妹が……って、どうして王子様がこの地に来ているんですかっ!? ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」 そう、第二王子に言われました。 そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…! でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!? ☆★☆★ 全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。 読んでいただけると嬉しいです。

【完結】婚約破棄はいいですよ?ただ…貴方達に言いたいことがある方々がおられるみたいなので、それをしっかり聞いて下さいね?

水江 蓮
ファンタジー
「ここまでの悪事を働いたアリア・ウィンター公爵令嬢との婚約を破棄し、国外追放とする!!」 ここは裁判所。 今日は沢山の傍聴人が来てくださってます。 さて、罪状について私は全く関係しておりませんが折角なのでしっかり話し合いしましょう? 私はここに裁かれる為に来た訳ではないのです。 本当に裁かれるべき人達? 試してお待ちください…。

精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。 聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。 暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!? 一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

処理中です...