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23 戦争は金の国シャース王国の負けで、今私を血眼で探しているようでして。
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これで、我が家では【迷わずの鈴】【帰還の護符】はオパールのテリーに付与させる事となり、年末に向けて色々と作業が進んでいくことになるのだが、私個人の仕事も変わりなく続けている。
今日は冒険者ギルドでの仕事だ。
あれからギルドマスターと話し合って、もう少し鉱石を出す事が決まった。
また、ギルドマスターには秘密にして下さいと約束をして貰い、タキが私の物まねでアイテムを生成出来ることを知り、その分更に追加分が増えた感じだ。
そんな今日、いつも通り魔道具を置いて作業をしていると、ノックする音が聞こえギルマスであるドナンさんが入ってきた。
「精が出るな! 今日も各種1500個ずつ。本当に助かっている」
「いえいえ、どうなさいました?」
「ああ、戦争がようやく終わりそうなんだ。復興に時間は掛かるだろうが、シャース王国の負けだな」
「あらら」
「敗戦国となるが鉄の国サカマル帝国が間に入り、今後戦争を行わないと言う取り決めが決まったらしい。これにより暫くは平和が続くだろう」
「それは良い事ですね。という事は鉱石類はもう余り必要ありませんか?」
「いや、直ぐに復興はしないだろう。これからも続けて欲しいし、何より冒険者の数も多ければ、魔物討伐隊からの受注もある」
「なるほど」
「それに魔道具師と呼ばれる人たちもこの国では兎に角多い。どれだけあっても足りないな」
「そうなんですねぇ」
「値段が下がる事があるだろうが、それでも出してくれたら助かるが」
「それは構いませんよ。ただ飽和状態になる前に止めたいので、それだけはお願いします」
「ははは、飽和状態になることだけはこの国ではないな」
「そうでしたか」
中々に鉱石を使う人達は多いらしい。
まぁ、仕方ないけれどドンドン作って行こう。
それに、魔物討伐隊が使うと言うのなら惜しみなく出したいしね。
「今後鉄の国サカマル帝国から鉄鉱石は沢山入って来る予定らしいが、その他の素材は不透明だ。鉱石を一手に持っている帝国からすれば、まずは復興するべき国にあてるだろうからな」
「確かに」
「結局、勇者召喚しても肝心の勇者たちが戦えず敗戦。どうなるのかねぇ」
「さぁ……どうなるんでしょうね。無能な王太子は廃嫡を希望しますが」
「辛辣だなぁ。だが俺もそう思うよ。今回戦争をしようと吹っかけたのは王太子だからね」
なら責任は取らされる事にはなりそうかな。
それでものうのうとしていたら流石に国民も許さないだろうし。
「それに、四人の召喚だったが五人の召喚であったと報告があった。もう一人は君だろうが既にあの国にはいない。今王太子は血眼になっているそうだよ」
「何故でしょう?」
「戦争に勝てなかったのは、その者の所為である! とか言ってるらしい」
「うわ、最悪」
「ただ、ノヴァ王子がそれを否定している。追い出したのは王太子であると。国民も王もそれは正しいだろうと思っているようで、国中探してもいないから王太子は詰問されているらしい。だが返事が出来ない。八方塞がりで発狂しているとか」
「ザマァないですね」
「しかし、勇者だった四人が『確かに王太子が召喚したその日に追い出した』と更に口にした為、もう言い逃れが出来ないらしい。本当にどこまで言っても愚かな王太子だよ」
あの四人も事実を言ってくれたのは助かる。
そして今私がどこにいるのか探したところで、戻る気はないんだけれど。
「君がシャース王国に戻る気が無いのは知っているが、暫くはアルメリアさんの血縁者で通しておくといい」
「そうですね。と言うか近所の人たちは皆さんそう思ってます」
「ははは、アルメリアさんと同じ黒髪に黒い瞳、着物姿だからね」
「ダンさんからは何か連絡は?」
「ユリの事は秘密にしてくれって頼まれたよ。無論こんな金の卵を産むような女性を他国にやるつもり此方はないけどね」
「ありがとう御座います」
そう言われるとホッとする。
やはりスキルは身を助けるんだなと改めて実感した。
そもそもあのアホ王太子の所為で色々苦労もしたんだから、シッカリと責任は取って貰いたいものだわ。
「これでノヴァ王子に次の王太子の地位が転がり込むだろうな。今の王太子は良くて幽閉、悪くて廃嫡……もう取返しが付かないからね」
「ザマァですね」
そう会話しながら全ての鉱石を1500個用意し終わると、フウッと息を吐いて今日の代金を貰いアイテムボックスに仕舞いこむ。
そう言えば――。
「そう言えば、ここって銀行にお金を預けるとか出来ます?」
「出来るよ」
「個人でも?」
「ああ、個人でも出来るし、他国からお金を引き出すことも可能だ。確かにユリはお金を稼いでいるからそろそろアイテムボックスがキツイか」
「ん――正直この国に骨を埋めるつもりなので、銀行は登録したいなと思っていたんです。帰りに行ってこようかな」
「銀行なら商業ギルドの隣にあるだろう? 身分証明で商業ギルドか冒険者ギルドのカードを出すといい。沢山お金を貯金していれば、それだけでシャース王国は手を出せない。だってそれだけ稼げる人間をダイヤ王国は外に出したがらないからね」
「それは有難いです。では帰りに銀行に行ってきます」
「この時間なら人も少ないから沢山預けても大丈夫だよ。預ける金額が凄い場合は応接室に案内して貰うといい」
「はい、そうします」
こうして私はお爺ちゃんとタキと一緒に銀行に行き、応接室に通されると今まで溜めたお金の半分を預けた。
無論ビックリされたけれど「今後も御贔屓に」と良い笑顔で言われたので上客と思ったのだろう。
軽く屋敷を建てるくらいのお金はあったが、うちの隣の家がお年寄りで引っ越したので買いたい
その事をお父様たちに相談してみようかなと思いつつ家路についた。
そして――。
「隣の家をか?」
「ええ、作業スペースも欲しいですし、広くしたいなと思いまして」
「それなら隣の家を購入すればいい。結構広い店だったから作業スペースにはなるだろうし、隣の家との通路を用意すれば出入りは自由だ」
「そうですよね。うーん……やっぱり近々買おうかな」
「まさかユリはそこで一人暮らしを……」
「それは考えていませんけど、いつかはエンジュさんと二人で新婚時代くらいは過ごしたいなと」
「!」
「思っているんですが?」
「それなら俺もお金を出そう! 折半で出し合えばいいか?」
「そうですね、出来ればそうして頂ければ」
こうして次の日商業ギルドに私とエンジュさんが向かい、隣の空き家になった店を購入し、通路を付けたり内装を変えたりしたいというお願いを伝えると、工事する業者も教えてくれることになった。
隣は元々喫茶店な為、広いスペースは確保できているのだ。
一階は作業と注文を受ける応接室、二階はプライベートルームにしたい。
それに一階を作業スペースにする事で、彫金師を雇ったり付与師を雇う事があっても、来て貰って作業してくれたら助かるしね。
こうして隣の家を二人で半分ずつ出し合い、二人の名義にして購入。
この時初めてエンジュさんは私の苗字を知ったが、「サクラギと言う名字だったのか、母上と同じだな」と驚いていた。
なんでも鉄の国サカマル帝国では大事にされる名字らしい。
「詳しい事は母上からは聞かされていないが」と口にしていて、私もそうなのかと思った程度だった。
こうして隣の一軒家を購入した次の日から工事が始まった。
一階同士を繋ぐ為の通路と扉を作ったり、新しく買った家の一階の要らない物を綺麗に崩したり、その代わりに小さな応接室を用意した。二階はお風呂が小さかったので少し大きめの物に変えてリフォームして、部屋数は四つあって結構広く4LDKくらいあった。
台所もあるし食事をするリビングダイニングも完備。
残りの三つの部屋は夫婦用の寝室と子供部屋みたいな感じだろうか。
「この二つはまだ使う予定がないわね」と笑うと「夫婦の部屋は?」と問われ、「まだ婚約指輪も貰ってないんですが?」と微笑むと、明日から作ってくれることになった。
工事は勝手に進む中、後はお任せする事になり、私は一人宝石の本とにらめっこしていた。
確かに誕生石のガーネットが良いのだけれど、在り来たりなガーネットは余り好きじゃない。
もっと別のガーネットは無いかなと考えていると、ふと脳に浮かんだのは【パイロープガーネット】だった。
ガーネットらしいガーネットではあるが、燃えるように赤いガーネットで情熱的な色をしている。
うん、それなら良いかな?
「作って欲しい石があればそれで作る」と言われてた為、私は迷わず【パイロープガーネット】を生成し、宝石細工を始めた。
つい最近5まであがったので、店に出せる程度の見た目は作れるようになったのだ。
それでも、まだ簡単なカットしか出来ないが、キラキラ輝くガーネットが出来上がると満足した。
後は周囲に小さなダイヤを入れたい。
小さいダイヤも宝石細工で綺麗にキラキラさせて用意が終わると、仕事をしているエンジュさんの元へと向かう。
「エンジュさん、此方でお願いします」
「分かった。でも本当に付与とかは要らないのか?」
「ええ、生成する時に干渉したら不味いので」
「なら頑丈にプラチナで作ろう」
――こうして、私の右手薬指に、やっと【婚約指輪】が付けられたのであった――。
今日は冒険者ギルドでの仕事だ。
あれからギルドマスターと話し合って、もう少し鉱石を出す事が決まった。
また、ギルドマスターには秘密にして下さいと約束をして貰い、タキが私の物まねでアイテムを生成出来ることを知り、その分更に追加分が増えた感じだ。
そんな今日、いつも通り魔道具を置いて作業をしていると、ノックする音が聞こえギルマスであるドナンさんが入ってきた。
「精が出るな! 今日も各種1500個ずつ。本当に助かっている」
「いえいえ、どうなさいました?」
「ああ、戦争がようやく終わりそうなんだ。復興に時間は掛かるだろうが、シャース王国の負けだな」
「あらら」
「敗戦国となるが鉄の国サカマル帝国が間に入り、今後戦争を行わないと言う取り決めが決まったらしい。これにより暫くは平和が続くだろう」
「それは良い事ですね。という事は鉱石類はもう余り必要ありませんか?」
「いや、直ぐに復興はしないだろう。これからも続けて欲しいし、何より冒険者の数も多ければ、魔物討伐隊からの受注もある」
「なるほど」
「それに魔道具師と呼ばれる人たちもこの国では兎に角多い。どれだけあっても足りないな」
「そうなんですねぇ」
「値段が下がる事があるだろうが、それでも出してくれたら助かるが」
「それは構いませんよ。ただ飽和状態になる前に止めたいので、それだけはお願いします」
「ははは、飽和状態になることだけはこの国ではないな」
「そうでしたか」
中々に鉱石を使う人達は多いらしい。
まぁ、仕方ないけれどドンドン作って行こう。
それに、魔物討伐隊が使うと言うのなら惜しみなく出したいしね。
「今後鉄の国サカマル帝国から鉄鉱石は沢山入って来る予定らしいが、その他の素材は不透明だ。鉱石を一手に持っている帝国からすれば、まずは復興するべき国にあてるだろうからな」
「確かに」
「結局、勇者召喚しても肝心の勇者たちが戦えず敗戦。どうなるのかねぇ」
「さぁ……どうなるんでしょうね。無能な王太子は廃嫡を希望しますが」
「辛辣だなぁ。だが俺もそう思うよ。今回戦争をしようと吹っかけたのは王太子だからね」
なら責任は取らされる事にはなりそうかな。
それでものうのうとしていたら流石に国民も許さないだろうし。
「それに、四人の召喚だったが五人の召喚であったと報告があった。もう一人は君だろうが既にあの国にはいない。今王太子は血眼になっているそうだよ」
「何故でしょう?」
「戦争に勝てなかったのは、その者の所為である! とか言ってるらしい」
「うわ、最悪」
「ただ、ノヴァ王子がそれを否定している。追い出したのは王太子であると。国民も王もそれは正しいだろうと思っているようで、国中探してもいないから王太子は詰問されているらしい。だが返事が出来ない。八方塞がりで発狂しているとか」
「ザマァないですね」
「しかし、勇者だった四人が『確かに王太子が召喚したその日に追い出した』と更に口にした為、もう言い逃れが出来ないらしい。本当にどこまで言っても愚かな王太子だよ」
あの四人も事実を言ってくれたのは助かる。
そして今私がどこにいるのか探したところで、戻る気はないんだけれど。
「君がシャース王国に戻る気が無いのは知っているが、暫くはアルメリアさんの血縁者で通しておくといい」
「そうですね。と言うか近所の人たちは皆さんそう思ってます」
「ははは、アルメリアさんと同じ黒髪に黒い瞳、着物姿だからね」
「ダンさんからは何か連絡は?」
「ユリの事は秘密にしてくれって頼まれたよ。無論こんな金の卵を産むような女性を他国にやるつもり此方はないけどね」
「ありがとう御座います」
そう言われるとホッとする。
やはりスキルは身を助けるんだなと改めて実感した。
そもそもあのアホ王太子の所為で色々苦労もしたんだから、シッカリと責任は取って貰いたいものだわ。
「これでノヴァ王子に次の王太子の地位が転がり込むだろうな。今の王太子は良くて幽閉、悪くて廃嫡……もう取返しが付かないからね」
「ザマァですね」
そう会話しながら全ての鉱石を1500個用意し終わると、フウッと息を吐いて今日の代金を貰いアイテムボックスに仕舞いこむ。
そう言えば――。
「そう言えば、ここって銀行にお金を預けるとか出来ます?」
「出来るよ」
「個人でも?」
「ああ、個人でも出来るし、他国からお金を引き出すことも可能だ。確かにユリはお金を稼いでいるからそろそろアイテムボックスがキツイか」
「ん――正直この国に骨を埋めるつもりなので、銀行は登録したいなと思っていたんです。帰りに行ってこようかな」
「銀行なら商業ギルドの隣にあるだろう? 身分証明で商業ギルドか冒険者ギルドのカードを出すといい。沢山お金を貯金していれば、それだけでシャース王国は手を出せない。だってそれだけ稼げる人間をダイヤ王国は外に出したがらないからね」
「それは有難いです。では帰りに銀行に行ってきます」
「この時間なら人も少ないから沢山預けても大丈夫だよ。預ける金額が凄い場合は応接室に案内して貰うといい」
「はい、そうします」
こうして私はお爺ちゃんとタキと一緒に銀行に行き、応接室に通されると今まで溜めたお金の半分を預けた。
無論ビックリされたけれど「今後も御贔屓に」と良い笑顔で言われたので上客と思ったのだろう。
軽く屋敷を建てるくらいのお金はあったが、うちの隣の家がお年寄りで引っ越したので買いたい
その事をお父様たちに相談してみようかなと思いつつ家路についた。
そして――。
「隣の家をか?」
「ええ、作業スペースも欲しいですし、広くしたいなと思いまして」
「それなら隣の家を購入すればいい。結構広い店だったから作業スペースにはなるだろうし、隣の家との通路を用意すれば出入りは自由だ」
「そうですよね。うーん……やっぱり近々買おうかな」
「まさかユリはそこで一人暮らしを……」
「それは考えていませんけど、いつかはエンジュさんと二人で新婚時代くらいは過ごしたいなと」
「!」
「思っているんですが?」
「それなら俺もお金を出そう! 折半で出し合えばいいか?」
「そうですね、出来ればそうして頂ければ」
こうして次の日商業ギルドに私とエンジュさんが向かい、隣の空き家になった店を購入し、通路を付けたり内装を変えたりしたいというお願いを伝えると、工事する業者も教えてくれることになった。
隣は元々喫茶店な為、広いスペースは確保できているのだ。
一階は作業と注文を受ける応接室、二階はプライベートルームにしたい。
それに一階を作業スペースにする事で、彫金師を雇ったり付与師を雇う事があっても、来て貰って作業してくれたら助かるしね。
こうして隣の家を二人で半分ずつ出し合い、二人の名義にして購入。
この時初めてエンジュさんは私の苗字を知ったが、「サクラギと言う名字だったのか、母上と同じだな」と驚いていた。
なんでも鉄の国サカマル帝国では大事にされる名字らしい。
「詳しい事は母上からは聞かされていないが」と口にしていて、私もそうなのかと思った程度だった。
こうして隣の一軒家を購入した次の日から工事が始まった。
一階同士を繋ぐ為の通路と扉を作ったり、新しく買った家の一階の要らない物を綺麗に崩したり、その代わりに小さな応接室を用意した。二階はお風呂が小さかったので少し大きめの物に変えてリフォームして、部屋数は四つあって結構広く4LDKくらいあった。
台所もあるし食事をするリビングダイニングも完備。
残りの三つの部屋は夫婦用の寝室と子供部屋みたいな感じだろうか。
「この二つはまだ使う予定がないわね」と笑うと「夫婦の部屋は?」と問われ、「まだ婚約指輪も貰ってないんですが?」と微笑むと、明日から作ってくれることになった。
工事は勝手に進む中、後はお任せする事になり、私は一人宝石の本とにらめっこしていた。
確かに誕生石のガーネットが良いのだけれど、在り来たりなガーネットは余り好きじゃない。
もっと別のガーネットは無いかなと考えていると、ふと脳に浮かんだのは【パイロープガーネット】だった。
ガーネットらしいガーネットではあるが、燃えるように赤いガーネットで情熱的な色をしている。
うん、それなら良いかな?
「作って欲しい石があればそれで作る」と言われてた為、私は迷わず【パイロープガーネット】を生成し、宝石細工を始めた。
つい最近5まであがったので、店に出せる程度の見た目は作れるようになったのだ。
それでも、まだ簡単なカットしか出来ないが、キラキラ輝くガーネットが出来上がると満足した。
後は周囲に小さなダイヤを入れたい。
小さいダイヤも宝石細工で綺麗にキラキラさせて用意が終わると、仕事をしているエンジュさんの元へと向かう。
「エンジュさん、此方でお願いします」
「分かった。でも本当に付与とかは要らないのか?」
「ええ、生成する時に干渉したら不味いので」
「なら頑丈にプラチナで作ろう」
――こうして、私の右手薬指に、やっと【婚約指輪】が付けられたのであった――。
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