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03 新しい国に行った時の職場の推薦状もゲット出来そう! ん? 私に客ですか?
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寝袋を購入し、ペットボトル2リットルのお水とタオルを取り出して足と手と顔を洗い、ホッとしてから眠りについたその翌日――。
朝はご飯を食べた後歯磨きをし、置き鏡を前に髪を綺麗にセットし、ゴムとシュシュで可愛らしく仕事出来るようにし、少しだけ化粧も施す。
身だしなみは大事よね。
後は仕事に取り掛かろうと立ち上がると、ノックする音が聞こえてギルマスが入ってきた。
「おはよう、えーっと名前は」
「ユリです」
「ユリ、俺はダンだ」
「ダンさんですね」
「お、銅鉱石100個出来てたんだな」
「はい、今日も少し話をしながらですか?」
「おう、何せこんな風にアイテムを生成する奴なんて初めて見たからな。宝石の国でも重宝されると思うぜ。商業ギルドも宝石の国はいい奴が多いって話だ」
「そうなんですね」
「俺もギルマスじゃなけりゃこんな国出てくんだけどよう」
「では今日は宝石の国の話をお願いします。その間にプラチナ鉱石出すので」
「ああ、頼んだ」
何も入っていない箱の前に椅子を持って来て座り、「アイテム生成、プラチナ鉱石」と言うと、鉱石がガラガラと作られ始める。作業の傍らダンさんは色々教えてくれた。
宝石の国では彫金師と付与師がとても多いらしく、そこから付与されたアクセサリーなどが他国に輸出されたりするらしい。
ただ、付与師はとても数が少ない為何処でも引っ張りだこだとか。
私のように石が出せる人間も希少な為、殆どは商業ギルドでアイテムを購入したり、冒険者ギルドで頼んで出して貰っているらしい。
「私、宝石の国にいったら何処かに就職しようかと思っていて」
「それならいい所がある。【アルメリア】って女性がいる【ガーネット】って店が良い。アルメリアさんには俺も世話になったからな」
「【アルメリア】って女性と【ガーネット】ってお店ですね」
「ああ、付与師として超一流なのに、気取った態度も取らず凛としていて綺麗な女性だった。旦那と息子が二人いて家族で経営してるんだ」
「へぇ……」
「何時か恩返しがしたいって思ってるんだが、ギルマスになっちまって行けなくてな」
「じゃあ、ダンさんからの推薦状貰って良いです?」
「おう、良いぜ」
「ありがとう御座います!」
やった! これで働き口はなんとかなりそう!!
宝石の国に行った時の働き口探しで苦労しそうって思っていたのよね……推薦状があれば受け入れてもらえるかも!
よし、希望が見えて来た。頑張ろう!!
その後も宝石の国について色々話を聞くと、宝石だけでも商業ギルドは買い取ってくれるし、金の延べ棒なんてあったら大喜びだとか言われたので、大量に作った金の延べ棒は商業ギルドに卸そうと思った。
また、鉄鉱石やプラチナ鉱石等、そう言うのは冒険者ギルドで買い取って貰えるらしく、もし働けなくとも冒険者ギルドで雇って貰えるのだと聞き、ホッとした。
ギルドは世界で繋がっている為、遠隔で手紙のやり取りが出来る魔道具、これも付与アイテムらしいが、それで連絡を取っていてくれるらしい。
「ダンさん人が良すぎるって言われません?」
「異世界転移無理やりさせられたのに、外に放り出す王太子が悪い。人道的立場から見ても次の王は駄目だなって思うよ」
「ええ、弟さんの方は優しかったです」
「ノヴァ様だな」
「ノヴァ様? 弟の方の王子様ですか?」
「ああ、そっちの方が王に向いてるって皆言ってるし、正直国王も兄のクラヴィシス王子よりもノヴァ王子の方が王太子に向いていると考えてきているらしい。戦争が長引いているからな」
「なるほど」
何でも、本能的に直ぐ動く頭の軽いのがクラヴィシス王太子で、ノヴァ様はそんな兄上にとても苦労させられているのだとか。
国の重鎮たちも殆どがノヴァ様を推薦しているらしく、この戦争で勝てば安泰と思っているクラヴィシスが異世界転移をさせたと堂々と報告をしたらしい。
その際、私抜きの四人を召喚したと伝えており、ダンさんはそれについても怒っていた。
「もう一人いるだろう!?」と言いたかったらしいが、私のこの便利スキルを知ったら奴隷扱いされると言う事で言えないらしい。
「全く厄介な王太子だよ。皆そう言ってる」
「でしょうねぇ……」
「そういやアンタ年齢幾つなんだ? 随分と若そうだが18くらいか?」
「……23歳です」
「嫁の貰い手がドンドンきそうな年齢だな」
「貰い手があれば行くんですけど……まだこの世界の事何も知らないので」
「俺が立候補してやろうか!」
「冗談がお上手ですこと」
「ははははは! 振られちまったな! だがお前さんは中々の上物だと思うぞ。行く時に護衛一人付けてやるから、そいつから離れないようにしろよ」
「何から何まですみません」
「この世界の事を知らないっていうなら、そのまま一人は危険だ。俺の信用できる護衛でいい奴がいるから付けてやるよ。世話になったお礼だ」
「ありがとう、ダンさん」
こうしてどんどんプラチナ鉱石を作り上げ、スキルも上がっているので形のいいプラチナ鉱石が溜まって行き、【鉱石加工レベル6】と脳内で出てきた頃にはプラチナ鉱石の箱の山が出来上がっていた。
全部で20個だ。
スキルは5までは上がりやすく、それ以上となると上がりにくいらしい。
ダンさんはまだ来なさそうなので、鉄鉱石を100個作って用意しておいた。
これはお話のお礼だ。
明日で此処ともお別れだが、髪は毎日洗いたいので2リットルの水を段ボールで二つ購入しアイテムボックスに入れ、シャンプーとコンディショナーも購入し、ボディーソープと垢スリも購入。夜はダンさんが確認に来たら誰も来ないので、ゆっくりは無理でも身体は洗えそうだ。大きなタライの上に座って身体を流せば地面にある下水に流れるので問題はない。
そう言えば生活魔法とは何だろうかと鑑定してみると、何でも髪を乾かしたり、洗濯も出来るらしい。
しかも乾燥までしてくれる素晴らしい魔法だった。言うなれば生活魔法でドライヤーや洗濯機が出来ると言う訳だろうか。後で試してみよう。
部屋の掃除も生活魔法で「綺麗になーれ」と言えば綺麗になるらしく、スキルが高いほど部屋は綺麗になるそうだ。
そうと決まれば寝る用の真っ白な着物と下着類を用意しアイテムボックスに入れた所でダンさんがやってきた。
「おお、沢山出来たな。しかもこの鉄鉱石は?」
「色々お世話になったお礼です。明日はバタバタすると思うので用意だけでも」
「ありがてぇ……。鉄鉱石も不足してたんだ。これだけありゃなんとかなりそうだ」
「良かったです」
「そういやユリに客が来てるぞ」
「客……ですか?」
「秘密で来ていらっしゃるんだ。内緒だぞ」
「え?」
そう言うとドアからマントを深くかぶった男性がやってきて、私の所までくると頭を下げてマントから顔をだす。
その方はノヴァ第二王子だった。
驚き固まる私にノヴァ様は苦笑いし、「座っても?」と聞かれたので頷くと椅子に座り、私は立って話を聞くことになった。
「兄上が申し訳ない……君も異世界召喚されたと言うのに、人数にすら入れないなんて」
「私は屑らしいので仕方ないですよ。頭に来ましたが」
「申し訳ない」
「いえいえ」
「これだけの鉱石を出せるのに屑なんて……兄上の頭は残念なのだな」
「頭も顔も残念そうでしたね」
「あ――……うん、辛辣だな」
「頭にきてるので辛辣です」
「それもそうか、君は被害者な訳だしな」
「それで、ノヴァ様は何しに此処へ?」
「君が明日までしかいないと聞いて、冒険者ギルドと連絡し合っているのは俺なんだ」
「そうだったんですね。それで私の事を聞いたと。言っておきますがここには残りませんよ」
「うん、君は兄上のいない場所にいた方が良い。止めはしない」
少し苦痛の顔をして口にするノヴァ様には悪いけれど、奴隷になんてなりたくないし、自由に働き口のある国へ逃げたいのだ。
戦争真っただ中の国なんてとんでもない。
「でも、時折俺に手紙を出してくれないか?」
「手紙……ですか?」
「ちゃんと無事に宝石の国に着いたらとか、落ち着いてからでいい」
「はぁ……それくらいなら」
「今は戦争中だが、俺も近いうちに宝石の国へ行く予定なんだ。手紙の宛先はノヴァ第二王子で着く筈だ」
「分かりました。魔道具って便利なんですね」
「ははは」
「宝石の国へは何しに行かれるんです?」
「付与魔法を勉強しに。付与魔法が俺もスキルであるんだが、実際に専門家がいるところで勉強した方が良いと思ってね」
「戦争中なのに?」
「兄上は勝つ気でいる。だからこれから先を考えて覚えてこい……との命令だ。まぁ有難く避難させて貰おう」
そう語るノヴァ様に、この戦争は負けるのだと感じた。
それはダンさんも同じで「負け戦ですからねぇ」と語っている。
「君と宝石の国で出会えたら、詫びをさせて欲しい」
「分かりました。いつ頃来られる予定なんです?」
「君が発って二週間後くらいだろうか?」
「分かりました。その後にお手紙出せたら出します」
「うん、一応君が働く場所も教えてくれ」
「はい」
「では失礼するよ。夜に女性の所にいたら要らぬ噂が立ってしまうからね」
「ここ、冒険者ギルドの倉庫ですよ」
「はは、そうだった! 君と話すのは楽しい、また話そう」
そう言ってノヴァ様は去って行き、ダンさんもメモを取り終えると「明日もプラチナで頼む」と言って鍵を閉めて去って行った。
さて、念願のお風呂タイムだ!
朝はご飯を食べた後歯磨きをし、置き鏡を前に髪を綺麗にセットし、ゴムとシュシュで可愛らしく仕事出来るようにし、少しだけ化粧も施す。
身だしなみは大事よね。
後は仕事に取り掛かろうと立ち上がると、ノックする音が聞こえてギルマスが入ってきた。
「おはよう、えーっと名前は」
「ユリです」
「ユリ、俺はダンだ」
「ダンさんですね」
「お、銅鉱石100個出来てたんだな」
「はい、今日も少し話をしながらですか?」
「おう、何せこんな風にアイテムを生成する奴なんて初めて見たからな。宝石の国でも重宝されると思うぜ。商業ギルドも宝石の国はいい奴が多いって話だ」
「そうなんですね」
「俺もギルマスじゃなけりゃこんな国出てくんだけどよう」
「では今日は宝石の国の話をお願いします。その間にプラチナ鉱石出すので」
「ああ、頼んだ」
何も入っていない箱の前に椅子を持って来て座り、「アイテム生成、プラチナ鉱石」と言うと、鉱石がガラガラと作られ始める。作業の傍らダンさんは色々教えてくれた。
宝石の国では彫金師と付与師がとても多いらしく、そこから付与されたアクセサリーなどが他国に輸出されたりするらしい。
ただ、付与師はとても数が少ない為何処でも引っ張りだこだとか。
私のように石が出せる人間も希少な為、殆どは商業ギルドでアイテムを購入したり、冒険者ギルドで頼んで出して貰っているらしい。
「私、宝石の国にいったら何処かに就職しようかと思っていて」
「それならいい所がある。【アルメリア】って女性がいる【ガーネット】って店が良い。アルメリアさんには俺も世話になったからな」
「【アルメリア】って女性と【ガーネット】ってお店ですね」
「ああ、付与師として超一流なのに、気取った態度も取らず凛としていて綺麗な女性だった。旦那と息子が二人いて家族で経営してるんだ」
「へぇ……」
「何時か恩返しがしたいって思ってるんだが、ギルマスになっちまって行けなくてな」
「じゃあ、ダンさんからの推薦状貰って良いです?」
「おう、良いぜ」
「ありがとう御座います!」
やった! これで働き口はなんとかなりそう!!
宝石の国に行った時の働き口探しで苦労しそうって思っていたのよね……推薦状があれば受け入れてもらえるかも!
よし、希望が見えて来た。頑張ろう!!
その後も宝石の国について色々話を聞くと、宝石だけでも商業ギルドは買い取ってくれるし、金の延べ棒なんてあったら大喜びだとか言われたので、大量に作った金の延べ棒は商業ギルドに卸そうと思った。
また、鉄鉱石やプラチナ鉱石等、そう言うのは冒険者ギルドで買い取って貰えるらしく、もし働けなくとも冒険者ギルドで雇って貰えるのだと聞き、ホッとした。
ギルドは世界で繋がっている為、遠隔で手紙のやり取りが出来る魔道具、これも付与アイテムらしいが、それで連絡を取っていてくれるらしい。
「ダンさん人が良すぎるって言われません?」
「異世界転移無理やりさせられたのに、外に放り出す王太子が悪い。人道的立場から見ても次の王は駄目だなって思うよ」
「ええ、弟さんの方は優しかったです」
「ノヴァ様だな」
「ノヴァ様? 弟の方の王子様ですか?」
「ああ、そっちの方が王に向いてるって皆言ってるし、正直国王も兄のクラヴィシス王子よりもノヴァ王子の方が王太子に向いていると考えてきているらしい。戦争が長引いているからな」
「なるほど」
何でも、本能的に直ぐ動く頭の軽いのがクラヴィシス王太子で、ノヴァ様はそんな兄上にとても苦労させられているのだとか。
国の重鎮たちも殆どがノヴァ様を推薦しているらしく、この戦争で勝てば安泰と思っているクラヴィシスが異世界転移をさせたと堂々と報告をしたらしい。
その際、私抜きの四人を召喚したと伝えており、ダンさんはそれについても怒っていた。
「もう一人いるだろう!?」と言いたかったらしいが、私のこの便利スキルを知ったら奴隷扱いされると言う事で言えないらしい。
「全く厄介な王太子だよ。皆そう言ってる」
「でしょうねぇ……」
「そういやアンタ年齢幾つなんだ? 随分と若そうだが18くらいか?」
「……23歳です」
「嫁の貰い手がドンドンきそうな年齢だな」
「貰い手があれば行くんですけど……まだこの世界の事何も知らないので」
「俺が立候補してやろうか!」
「冗談がお上手ですこと」
「ははははは! 振られちまったな! だがお前さんは中々の上物だと思うぞ。行く時に護衛一人付けてやるから、そいつから離れないようにしろよ」
「何から何まですみません」
「この世界の事を知らないっていうなら、そのまま一人は危険だ。俺の信用できる護衛でいい奴がいるから付けてやるよ。世話になったお礼だ」
「ありがとう、ダンさん」
こうしてどんどんプラチナ鉱石を作り上げ、スキルも上がっているので形のいいプラチナ鉱石が溜まって行き、【鉱石加工レベル6】と脳内で出てきた頃にはプラチナ鉱石の箱の山が出来上がっていた。
全部で20個だ。
スキルは5までは上がりやすく、それ以上となると上がりにくいらしい。
ダンさんはまだ来なさそうなので、鉄鉱石を100個作って用意しておいた。
これはお話のお礼だ。
明日で此処ともお別れだが、髪は毎日洗いたいので2リットルの水を段ボールで二つ購入しアイテムボックスに入れ、シャンプーとコンディショナーも購入し、ボディーソープと垢スリも購入。夜はダンさんが確認に来たら誰も来ないので、ゆっくりは無理でも身体は洗えそうだ。大きなタライの上に座って身体を流せば地面にある下水に流れるので問題はない。
そう言えば生活魔法とは何だろうかと鑑定してみると、何でも髪を乾かしたり、洗濯も出来るらしい。
しかも乾燥までしてくれる素晴らしい魔法だった。言うなれば生活魔法でドライヤーや洗濯機が出来ると言う訳だろうか。後で試してみよう。
部屋の掃除も生活魔法で「綺麗になーれ」と言えば綺麗になるらしく、スキルが高いほど部屋は綺麗になるそうだ。
そうと決まれば寝る用の真っ白な着物と下着類を用意しアイテムボックスに入れた所でダンさんがやってきた。
「おお、沢山出来たな。しかもこの鉄鉱石は?」
「色々お世話になったお礼です。明日はバタバタすると思うので用意だけでも」
「ありがてぇ……。鉄鉱石も不足してたんだ。これだけありゃなんとかなりそうだ」
「良かったです」
「そういやユリに客が来てるぞ」
「客……ですか?」
「秘密で来ていらっしゃるんだ。内緒だぞ」
「え?」
そう言うとドアからマントを深くかぶった男性がやってきて、私の所までくると頭を下げてマントから顔をだす。
その方はノヴァ第二王子だった。
驚き固まる私にノヴァ様は苦笑いし、「座っても?」と聞かれたので頷くと椅子に座り、私は立って話を聞くことになった。
「兄上が申し訳ない……君も異世界召喚されたと言うのに、人数にすら入れないなんて」
「私は屑らしいので仕方ないですよ。頭に来ましたが」
「申し訳ない」
「いえいえ」
「これだけの鉱石を出せるのに屑なんて……兄上の頭は残念なのだな」
「頭も顔も残念そうでしたね」
「あ――……うん、辛辣だな」
「頭にきてるので辛辣です」
「それもそうか、君は被害者な訳だしな」
「それで、ノヴァ様は何しに此処へ?」
「君が明日までしかいないと聞いて、冒険者ギルドと連絡し合っているのは俺なんだ」
「そうだったんですね。それで私の事を聞いたと。言っておきますがここには残りませんよ」
「うん、君は兄上のいない場所にいた方が良い。止めはしない」
少し苦痛の顔をして口にするノヴァ様には悪いけれど、奴隷になんてなりたくないし、自由に働き口のある国へ逃げたいのだ。
戦争真っただ中の国なんてとんでもない。
「でも、時折俺に手紙を出してくれないか?」
「手紙……ですか?」
「ちゃんと無事に宝石の国に着いたらとか、落ち着いてからでいい」
「はぁ……それくらいなら」
「今は戦争中だが、俺も近いうちに宝石の国へ行く予定なんだ。手紙の宛先はノヴァ第二王子で着く筈だ」
「分かりました。魔道具って便利なんですね」
「ははは」
「宝石の国へは何しに行かれるんです?」
「付与魔法を勉強しに。付与魔法が俺もスキルであるんだが、実際に専門家がいるところで勉強した方が良いと思ってね」
「戦争中なのに?」
「兄上は勝つ気でいる。だからこれから先を考えて覚えてこい……との命令だ。まぁ有難く避難させて貰おう」
そう語るノヴァ様に、この戦争は負けるのだと感じた。
それはダンさんも同じで「負け戦ですからねぇ」と語っている。
「君と宝石の国で出会えたら、詫びをさせて欲しい」
「分かりました。いつ頃来られる予定なんです?」
「君が発って二週間後くらいだろうか?」
「分かりました。その後にお手紙出せたら出します」
「うん、一応君が働く場所も教えてくれ」
「はい」
「では失礼するよ。夜に女性の所にいたら要らぬ噂が立ってしまうからね」
「ここ、冒険者ギルドの倉庫ですよ」
「はは、そうだった! 君と話すのは楽しい、また話そう」
そう言ってノヴァ様は去って行き、ダンさんもメモを取り終えると「明日もプラチナで頼む」と言って鍵を閉めて去って行った。
さて、念願のお風呂タイムだ!
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