【完結】転移魔王の、人間国崩壊プラン! 魔王召喚されて現れた大正生まれ104歳のババアの、堕落した冒険者を作るダンジョンに抜かりがない!

うどん五段

文字の大きさ
上 下
49 / 74
人間界の国王が彼是やらかしに来る? 迎え撃ってやろうじゃないか!!!

第49話 じわじわと崩壊し始めた人間国に笑みを零し、ドワーフ王には溜息が出る

しおりを挟む
 勇者達がそんな事を言い合っているなど全く気にも留めていないアタシは、いつも通りの日常を送りつつ、人間共の冒険者ギルドも確認をしていた。
 冒険者を多くこの魔王領のダンジョンに送り付けた冒険者ギルドと国。
 そのおかげで、魔物たちによる被害は広がって行っており、甚大な被害が出た村もあるようだ。


「いい傾向だね」
「頼りの冒険者は魔王領のダンジョンにいますからね。低レベルの冒険者に駆除を頼もうにもレベルが足りない……。いい感じに被害が拡大しています」
「ダンジョンはどうだい?」
「こちらも同じですね、適正レベルが足りない冒険者を投入する訳にはいきませんから」
「これからジワジワとだよ……ヒヒヒ」


 こうやってジワジワと国を追い込んでいるが、まだ大きな波にはなっていない。
 これが大きな津波となった時に、国は亡びるんだ。例え勇者がいたとしてもね……。
 たった一人の勇者如きでは国を守り切ることは出来ないのを理解するがいいさ。
 魔王との和平を拒んだんだ。そのツケってのは来るもんだよ? ヒヒヒ。

 国中に沢山いた中レベルから高レベルの殆どがこの魔王領のダンジョンで【活動】している。
 戻るように言ってもどうしようもできない。
 さてさて、どうなるかねぇ?
 楽しみで仕方ないよ。

 戻ったとしてもドルの町に戻って金策だろうし、ドルの町でも視察にいくかねぇ?
 支店なんて出しはしないが、今あのドルの町が一番活気づいているだろう。
 行きたいが――。


「ドワーフ王からドワーフ王国に拠点を作らないかと言う提案が来てるんだよねぇ」
「曾婆様随分と気に入られましたね」
「そうなんだよ……。アタシは未亡人だっていうのにねぇ?」
「多分そこがまたドワーフ王にとってはそそるんでしょうね」
「やだねぇ。104歳のババア捕まえて何が楽しいんだか」
「見た目が40代ですからね……いつまでも若い妻を持ちたいという者はいるでしょう。再婚は考えないんですか?」
「何言ってるんだい。考えやしないよ」


 そう呆れ笑いしながら答えると、カナデも「そうでしょうねぇ」と呟きつつ、小さく「曾爺様が好きですもんね?」と言われ、「まぁ、あの人とは別居婚していたが、悪い爺様ではなかったよ」と答えると苦笑いされた。


「曾婆様が男性に求めるものとはどういうものです?」
「男性に求めるもの? 健康だね」
「健康ですか」
「人の人生、健康があってこそ色々成り立つんだよ。病弱な男よりは健康な男の方がいいだろう?」
「ささやかな求めるものですね」
「年とりゃね、嫌でも色々出てくんだよ。人間40超えれば特にね」


 そういって溜息を吐くと、「その中で104歳生きている曾婆様は凄いですね」と言われ「馬鹿にするんじゃないよ」と告げると苦笑いしていた。
 だが、実際アタシが夫に求めたのは『健康』だったのは確かだ。
 70そこらで死んじまって……全く馬鹿な男だよ。
 酒だってね、一人で飲んでもつまらないんだよ。


「ま、アタシは年寄り連中と飲んだ方が気が楽だね」
「ドワーフ王はお可哀そうに」
「再婚はしないって言ってるだろう?」
「ドワーフ王はだいぶ本気みたいですが」
「やだねぇ。タイプじゃないよ」
「曾爺様がタイプなんですよね?」
「馬鹿言うんじゃないよ」
「ふふふ」


 嬉しそうに笑う曾孫にどことなく夫の姿が重なって見えるのは、やはり血筋かねぇ。


「いいかいカナデ。一度操を立てた相手を裏切ることをアタシはしない。それが大正生まれのアタシの意地で誇りだよ」
「ご立派な考えです」
「だから、アタシの夫はあんなんでも曾爺様だけでいいのさ」
「曾爺様、曾婆様をいつも守ってたそうですもんね」
「ハッ! 守って貰わないといけないような女じゃないってのが分かんない男だったねぇ!」
「全くですね!!」


 そういって笑う曾孫の頭を小突き、アタシはドワーフ王に返事を書く。
 再度愛を乞われても、一度操を立てた相手を裏切る真似は一切しない事。
 それが自分の意地であり誇りである事。
 酒飲み友達ならまだしも、それ以上は求めるなと言う内容で手紙を返したが、その後もドワーフ王は諦める事はなかったのは言う迄もないね。
 全く、困った坊やだよ。

 それより、飢饉が起きている筈だが大丈夫なのかと手紙でやり取りすると、人工栽培が完成していて国の民が飢えない程度に何とかなっているらしく、ホッと安堵の息を吐く。
 知り合いの国が大変っていうのは嫌だからねぇ。
 無論、人間の国はどうなろうとしったことじゃないが。


「それはそうと、第三層はどうだい?」
「人数は増えていると思います。必死にポイントを貯めてやってきた場所は娼館だらけのパラダイス。男女共にのめり込んでますよ」
「そいつは僥倖」
「ショッピングモールを作ったのも大きいですね。理性を緩くする香のお陰でドンドン商品が売れてますし、女性だと化粧品に群がるとか」
「ははは! そいつはいいねぇ! 一階の化粧品売り場は小さいからねぇ」


 そういって笑うと、群がっているのは人間だけじゃなくサキュバスやインキュバスもだというのだから笑っちまう。
 美への追及は男女ともに変わりがないのかもしれないねぇ。


「さて、アタシも次に動くべく――」
「失礼します! 大変です魔王様!!」


 そういって扉を開けて入ってきたのはモーダンで、何事かとアタシとカナデが立ち上がると――。


「人間の国王から書状が届いて……」
「へぇ……。なんて書いてあったんだい?」
「キヌマートを人間の国にもとの要請です」
「ハッ! 御断りの手紙を書こうかね」
「宜しいので?」
「魔王との契約で人間の国には出さない契約になっていると返すさ」


 そういうとアタシは書状への返事を返し、キッパリとお断りの手紙を書いた数日後――。人間の国の王の使者というものたちが押し寄せ、キヌマートのアタシとの面会を希望していたが、全て突っぱねた。

 そして、冒険者たちが攻略をしている訳ではなく、楽しそうに過ごしている姿に驚愕した使者たちは、この事を王家に持って帰る事になるのだが――その時はすでに遅し。


 ――冒険者の殆どが、ダンジョンの中毒性に掛かっていて、元の生活に戻ることは不可能になっていたのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

処理中です...