【完結】転移魔王の、人間国崩壊プラン! 魔王召喚されて現れた大正生まれ104歳のババアの、堕落した冒険者を作るダンジョンに抜かりがない!

うどん五段

文字の大きさ
上 下
17 / 74
婆さんは若返り、銃を片手に冒険者を狩ってレベルアップだよ!!

第17話 ハイエーナのキャンピングカーに乗って勇者を撃ち殺す!!

しおりを挟む
 聞けば、この狐の女性は元々獣人族の王を支える宰相を生み出す家の産まれだったそうだ。
 語学の為当時は友好的だった人間族の国に留学したが、そこで奴隷の首輪をつけられ奴隷落ちしたらしい。
 それも無理やりだったそうだ。
 それがきかっけで獣人族と人間族は仲違いし、獣人族は彼を探すために捜索隊も出したらしい。
 だが――冒険者に売り飛ばされた彼はポーターとして働き、このダンジョンに入り、ダンジョンボスで仲間がやられたが、自分だけは何故か助かって長い事操られていたそうだ。


「それで5代前の魔王の事を……」
「取り敢えずアンタは獣人族に帰らせようかと思うが、少々こちらも訳アリでね。直ぐには帰せないんだよ」
「5代も前ならもう私の事すら忘れている者も多いでしょう……。何処か隠れて住める場所があればそこで静かに暮らしたい……」
「それならいい所があるよ」


 戦闘向きではないのは【鑑定】で分かった。
 寧ろ神格持ちになっているからこそ人間を殺すなんて事をしたら闇落ちしちまう。
 そこで、最果ての村にあるアタシ達の拠点で暫く生活して欲しいと伝えると、了承して貰えた。
 最果ての村には獣人も住んでいる為、尻尾と神格さえ隠せば隠れ住むにはもってこいだろう。

 何時でもアタシ達の元に来れるようにもするし、それなら問題はないだろうと伝えると、彼は嬉しそうに頷いた。
 そこで、扉をもう一つつけてそこから最果ての村にあるアタシ達の最初の拠点に入って貰い、使い方なんかをトッシュがレクチャーしてくれるそうで、アタシとピアは外の声を聴きながらアイテム整理を始めた。

 ガーゴイルが落としたのは金塊の山とアクセサリーが5つに巻物が4枚。
 金塊は全部で50個もあった。美味いねぇ!!
 アクセサリーは【命中アップ】【幸運アップ】【トラップ避け人形の指輪】【詠唱速度アップ】が二つだ。
 この【トラップ避け人形の指輪】は、ダンジョン等のトラップがどんなトラップか分かるように、自分に似せた煙の分身を行かせてどんなトラップか判別するというものらしい。
 正直いらないが……。落とし穴だけはハイエーナでも難しいからねぇ。
 ごり押しすれば何とかなるが、あって損はない。
 誰が着けるかに寄るが。

 巻物に関しては、魔法スクロールは残念ながら無かった。
 回復魔法でもあれば違ったんだけどねぇ……と思いつつも、【会心の一撃】があったので是非トッシュに覚えさせようと思う。
 他にあった物は――。


【発狂の始まり】に【降り注ぐ恐怖】に【消えゆく足元】と言う何とも邪悪なスキルスクロールだった。
【発狂の始まり】はパーティー全員が発狂寸前の精神状態に持って行くことが可能。
 えげつないねぇ。
【降り注ぐ恐怖】は今すぐ死にたくなるような恐怖が迫ってくる心理状態へおとす事が可能。これもエゲツナイ。
 最後の【消えゆく足元】は意識を混濁させることが出来る最悪なスキルスクロールだった。


「これ使えれば、勇者なんてあっという間にゴミじゃないかい?」
「凶悪過ぎて言葉が出ませんわ」
「勇者に最も恨みがありそうな孫に持たせたいねぇ……」
「それは良いかもしれませんわ!」
「これらはアイテムボックスに仕舞いこんでっと……」


 それらを全部アイテムボックスに仕舞うと、トッシュが狐の女性を連れて戻ってきた。
 そいえば名前を聞いていなかったね。


「狐の女性の名を聞いてなかったね。名は?」
「フォルスター・ファンブリス。ファンブリス家の者です。もし獣人国に行くことがあれば教えて下さい」
「あいよ、フォルって呼ばせて貰うよ」
「ありがとう御座います、キヌ様」
「その前に暫くの生活費と服を渡しておくから、足りなくなったら言いな」
「ありがとう御座います!!」


 こうしてフォルの生活する為の服やタオル一式と暫く生活する為のお金を手渡し、フォルにはご飯の時間以外でも狩り拠点に入れれば入れるようにして置き、基本最果ての村で生活して貰うことなった。
 まぁ、獣人の女性一人に大元の本拠地を守って貰うんだからいいだろう。
 それに、保護したのだし何時かは帰しに行かないとねぇ。


「さて、外のざわめきが変わってきたね?」
「ええ」
「勇者の言葉が聞こえます」
「そうかい……来やがったかい」


 どうやら勇者が現れたらしい。
 アタシ達は人ごみに紛れて木の中からコッソリ出てくると、冒険者ギルド前で騒ぎ立てる勇者がいる事に気づいた。


「だ――か――ら――よおおおおお!! なんで俺達が来る前にダンジョン壊すかなぁ!?」
「いえ、ダンジョンには今日はBランクしか入っておらず……。彼らも命からがら下層から戻ってきたばかりで!!」
「じゃあ誰がダンジョンコア壊したって言うのよ!!」
「可笑しいじゃない!!」


 あの騒いでる三人がどうやら勇者とそのクソ野郎その1と2のようだ。
 回復役に魔法使い……ステータスは……しょぼいねぇ。これで勇者かい?
 確かにレベルは高いがデバフ効果が余りにも強すぎて60レベルあっても実質の力は40程度しか出せないって出てるよ。


「アイツ等……実質レベル40だね」
「わたくしもそこまでデバフが掛かっているとは思いも寄りませんでしたわ……」
「あの黒髪に眼鏡をかけた方……キヌ姉様に似ています」
「孫のカナデ。一年前行方不明になったアタシの可愛い曾孫息子だよ。デバフに掛かっているね……それでスキルが読めないんだ」
「その様ですね……デバフは奴隷の首輪が元凶の様です」


 その言葉にアタシはハイエーナキャンピングカーを取り出すと、タリスに運転をお願いして、トリスは孫の保護をお願いし、子供達が乗ったのを確認してドアを閉める。
 運転席に乗り込み窓を開け、身体を乗り出すとスナイパーライフルを取り出すと――。


「タリス! 多少荒い運転でも構いやしない。吹かして勇者を狙いな!!」
「我、了解した成り!」


 ブフォオオオオン!!!


 という音と共にタイヤの悲鳴が鳴り響き、アタシはパンパン!! と空に向けて発砲した!
 途端木霊す悲鳴や鳴き声、スライムが運転するハイエーナなんてイカスだろう!?
 ギョッとした目でこっちを見る三人に狙いを定め、先ずは回復役の脳天をダムダム弾で撃ち落とし破壊すると、続けて魔法使いの脳を狙い撃ってゴドン!! と地面に倒れる。
 盾を使おうとした勇者には悪いが――そんな盾は通用しないんだよ!!


「喰らいな!!」


 ダムダム弾ではなく貫通力の高い球を用意して一気に脳天を狙い撃ちするとクリティカルヒット! そのまま3発ほど脳天にブチあてれば勇者は脳汁吹き出しながら地面に倒れ、つんざく悲鳴が木霊する。
 そして勇者とその仲間二人をハイエーナで踏みつけて車を停めると、既に移動したトリスが横の扉から呆然と返り血を浴びて立っているカナデを捕まえて車に引き込み、アタシはサングラスをかけ直して一気に死体の上でタイヤを急速回転させながら吹かし走り去る。


「ちょいと揺れるよ、身の安全に注意しな」
「「ひいいいい!!」」
「我! 魔王の曾孫を守る成り!!」
「我! 従者二人を守る成り!!」


 そう言って身体に取り込むと、激しい揺れでもスライム中なら平気へっちゃら。
 ドンドン吹かして飛ばし、途中歩いている冒険者を数名撥ねたが――。


「あ――経験値はうまいけど、アイテムが取れないのが残念だねぇ、ひひひ! さて、5分ギリギリは此処だね」


 そう言うとギャッとサイドブレーキを使って車を停め、タリスから孫を引き抜かせ奴隷の首輪を魔王権限で外す。
 すると――……。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

処理中です...