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婆さんは若返り、銃を片手に冒険者を狩ってレベルアップだよ!!
第8話 新しい仲間、トッシュタリス
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拾ったポーターの獣人少年のスキルを見て、とんだ拾いものだと思ったが……まぁ、拾ったものはしょうがない。
大事に育てていくしかないだろう。
子供は6人育てたんだ、1人増えたくらいならそう難しい事じゃない。
「お風呂から上がりましたわ!」
「あの、あの……」
「湯上りサッパリだね。さ、牛乳と水どっちが飲みたい?」
「ぎゅ、牛乳何てそんな高価な物……」
そう、この世界では牛乳は王族や貴族が飲めるだけで一般市民には少々お高い飲み物らしい。だが、アタシは【ネットスーパー】のお陰で何時でも飲めるんだがねぇ……。
この辺りは秘密として口止めし、教えて行かなきゃならないだろう。
「あの、お、おば様は」
「あ゙? なんだって? お姉様、だろう?」
「はひ! あの、お姉さま方は一体……お貴族様なのでしょうか?」
そうビクビクしながら聞いてきた少年に、アタシは笑顔で答えた。
「聞きたければまずはそっちが先に名乗りな?」
「あっ! えっと、僕はマッシュ。オオカミ獣人の子供です」
「何故奴隷に?」
「親に売り飛ばされました……」
「まぁ……」
「……嘘ではない。けど、半分嘘、だね?」
そうアタシが告げるとマッシュは頷き「そう聞いています」と答えた為、アタシはフウッと溜息を零すとマッシュ用のコップを用意して牛乳を注ぎ目の前に置いた。
「飲みながらお話し?」
「あ、ありがとう御座います!」
「床に座らない!」
「はい!」
思わず床に座ろうとしたマッシュを怒鳴り、ソファーを指さすとプルプルと震えていたが、敢えて「ソファーに座りな」と命令口調で言うとおずおずと座った。
そして牛乳を飲んで目を輝かせ、アタシを見つめる目が可愛くて笑っちまったけど、そう言えば子供ってのは、生意気なくせに可愛いのだと思い出す。
まったく、孫やひ孫を思い出すよ。
「そのマッシュと言う名もさっきのアタシ達が殺した男たちが名付けた。違うかい?」
「そうです。力持ちの男っていう絵本があって、そこにマッシュと言うのがいたからと」
「なら、本名じゃない。だったらアタシが新しい名をつけても問題は?」
「ありません、ご主人様」
「その呼び方は魅力的だけど、奴隷を連れ歩くつもりはないんだよ。だから、キヌお姉様とお呼び、いいね?」
「は、はい!」
「わたくしの事はピアお姉様で良いですわ!」
「はい!」
こうして呼び名を覚えさせ、更に名をつけるつもりなんだけど、ピアも彼を鑑定したのか驚いた顔をして固まっている。
それもそうだろう、だってこの子は――【アレ】だものねぇ?
「よし、アンタの名はこれからトッシュタリスだよ。長いだろうけど覚えな」
「トッシュタリス」
「普通はトッシュと呼ぶからそのつもりで」
「あの、何故僕の本当の名を?」
そう、元々の名はトリッシュタリス。
だから元の名に戻っただけなのだが、どうにも色々と話をしないと納得し無さそうだ。
仕方ないねぇ……。そう思いつつも、まずは服を着せることから始めた。
この異世界の服を着るより、元の世界の服を中に着た方が、防御力が上がる上にバフが掛かりやすい。
蒸れないというのはそれだけで意識をすっきりと保てるし、暑すぎないというだけで違ってくるものだ。
その点アタシの元居た世界での服はしっかりその辺は出来ている。
下着一つでバフが違ったんだから笑ったもんだね!
「まず肌着、下につける下着。後は動きやすい男の子用の服だけど、アンタは14歳に割には小さく見えるからね。栄養が足りてないんだろうさ、それじゃまるで10歳だよ。でもお洒落で動きやすいのを選んだつもりだよ」
「あ、ありがとう御座います」
「後はブーツ。きつくなったら直ぐ言いな? 新しいのを用意してやるからね」
「こんな真新しい靴……」
「服も何もかも新品ですよ!」
「髪も長いから可愛らしくポニーテールにしようかね。今度美容室に連れて行ってやるから、それまでの辛抱だよ」
長い間奴隷生活だった為か、トッシュの髪は銀色でとても長かった。
美しいと言えば美しいが、銀色の狼だなんて珍しいんだよねぇ。
まぁ、当たりなんだけど。
しかし美少女みたいな男の子だねぇ。
こうして全身コーディネートが終われば、髪の長いポニーテールしたオオカミ獣人のちょっといとこの坊や……? かねぇ?
ただ、尻尾は仕方ないとして耳は何とかしないといけない。
「ああ、そう言えばお宝部屋でいいのを見つけたんだったね」
「そうでしたわ! バーミニクローク!」
そう言ってアイテムボックスからアタシ達が来ている真っ赤なバーミリクロークを取り出すと、トッシュに着せてフードで耳を隠せば問題なし! 尻尾もいい具合に隠れている。
「体系に合わせて縮んだり出来るみたいだねぇ。便利なもんだ」
「でも、ちょっとブカッとしているくらいが丁度いいですね」
「これくらいでしょうか?」
「そうそう、それくらいですわ」
と、伸縮自在の魔法の糸で出来たバーミリクロークのお陰で耳も尻尾もばっちりだ。
ウンウンと頷き今度はアタシ達の方から話をする事になった。
まぁ、長い話だけど付き合って貰おうという事になり、アタシが魔王である事や、ピアが元魔王の曾孫であること。そして冒険者を狩って、レベルを上げている事を伝えた。
その上で、倒した冒険者から金品を奪い、金を得ている事も。
「ま、魔王様ですか!?」
「そう、異世界から召喚されたのさ。このピアにね」
「わたくしが召喚したんですの。キヌ様の元の姿は104歳のお婆ちゃまですわ!」
「ええええ!?」
「スキルで若返ってるだけだよ。驚く事ないだろうに」
「驚きました……。魂の匂いは確かに熟練の達人のような匂いがしますが、その見た目の美しさからすればまだまだお若いのだと」
「お世辞でも嬉しいねぇ!」
ケタケタと笑い牛乳のお替りを入れて上げると喜んでいたのがまた可愛い。
このトッシュタリスの事だがスキルはと言うと、こうなっている。
『トッシュタリス:獣人王の隠し子(14歳)』
【遠吠え(仲間を呼び寄せる)】【テイム(敵をテイムする事が出来る)】【俊足の足】【罠回避率100%】【アイテムボックス】【鑑定】【生活魔法10】【料理スキル8】【危険察知7】【悪意察知8】【体力10】【力10】【命中率5】【運の良さ7】
意外に悪くない。獣人王の隠し子さえ無ければだが。
獣人族も人間と対立しているが、殆どの矢面を魔王軍にさせた狡賢い野郎だと聞いている。
その隠し子ともなれば、何かしら事情はあるのは間違いないだろう。¥
それにスキル的にも銃を使わせればいい感じにいけそうだ。
後はアクセサリーを整えさせたいが、魔王城に行かないと持っていけないのが辛い所だね。
「あの、僕はポーターの仕事しか分かりません……」
「色々教えてあげるから気にするんじゃないよ」
「はい!!」
「アタシから使いやすそうな銃を貸してやろう。後は前の薄汚いバックは捨ててこっちを持って行きな。見た目だけでもポーターっぽくね」
そう言うとアタシはランドセルを取り出して手渡した。
前は大人用のランドセルがあったとか聞いた気がするけど、どうだったかねぇ?
「丈夫な鞄です……」
「アイテムボックスには倒した敵がホームに帰る5分の間にどれだけ奪えるかに掛かってる。気合を入れてついてきな!」
「はい!!」
「でも、前のリーダーたちにはアイテムボックスの事は伝えなかったの?」
「容量がとても少ないとしか伝えて無くて、だったら鞄をと」
それで体力が着いたならそれはそれで僥倖。
アタシ達は新しい仲間、トッシュタリスを得たのだった。
大事に育てていくしかないだろう。
子供は6人育てたんだ、1人増えたくらいならそう難しい事じゃない。
「お風呂から上がりましたわ!」
「あの、あの……」
「湯上りサッパリだね。さ、牛乳と水どっちが飲みたい?」
「ぎゅ、牛乳何てそんな高価な物……」
そう、この世界では牛乳は王族や貴族が飲めるだけで一般市民には少々お高い飲み物らしい。だが、アタシは【ネットスーパー】のお陰で何時でも飲めるんだがねぇ……。
この辺りは秘密として口止めし、教えて行かなきゃならないだろう。
「あの、お、おば様は」
「あ゙? なんだって? お姉様、だろう?」
「はひ! あの、お姉さま方は一体……お貴族様なのでしょうか?」
そうビクビクしながら聞いてきた少年に、アタシは笑顔で答えた。
「聞きたければまずはそっちが先に名乗りな?」
「あっ! えっと、僕はマッシュ。オオカミ獣人の子供です」
「何故奴隷に?」
「親に売り飛ばされました……」
「まぁ……」
「……嘘ではない。けど、半分嘘、だね?」
そうアタシが告げるとマッシュは頷き「そう聞いています」と答えた為、アタシはフウッと溜息を零すとマッシュ用のコップを用意して牛乳を注ぎ目の前に置いた。
「飲みながらお話し?」
「あ、ありがとう御座います!」
「床に座らない!」
「はい!」
思わず床に座ろうとしたマッシュを怒鳴り、ソファーを指さすとプルプルと震えていたが、敢えて「ソファーに座りな」と命令口調で言うとおずおずと座った。
そして牛乳を飲んで目を輝かせ、アタシを見つめる目が可愛くて笑っちまったけど、そう言えば子供ってのは、生意気なくせに可愛いのだと思い出す。
まったく、孫やひ孫を思い出すよ。
「そのマッシュと言う名もさっきのアタシ達が殺した男たちが名付けた。違うかい?」
「そうです。力持ちの男っていう絵本があって、そこにマッシュと言うのがいたからと」
「なら、本名じゃない。だったらアタシが新しい名をつけても問題は?」
「ありません、ご主人様」
「その呼び方は魅力的だけど、奴隷を連れ歩くつもりはないんだよ。だから、キヌお姉様とお呼び、いいね?」
「は、はい!」
「わたくしの事はピアお姉様で良いですわ!」
「はい!」
こうして呼び名を覚えさせ、更に名をつけるつもりなんだけど、ピアも彼を鑑定したのか驚いた顔をして固まっている。
それもそうだろう、だってこの子は――【アレ】だものねぇ?
「よし、アンタの名はこれからトッシュタリスだよ。長いだろうけど覚えな」
「トッシュタリス」
「普通はトッシュと呼ぶからそのつもりで」
「あの、何故僕の本当の名を?」
そう、元々の名はトリッシュタリス。
だから元の名に戻っただけなのだが、どうにも色々と話をしないと納得し無さそうだ。
仕方ないねぇ……。そう思いつつも、まずは服を着せることから始めた。
この異世界の服を着るより、元の世界の服を中に着た方が、防御力が上がる上にバフが掛かりやすい。
蒸れないというのはそれだけで意識をすっきりと保てるし、暑すぎないというだけで違ってくるものだ。
その点アタシの元居た世界での服はしっかりその辺は出来ている。
下着一つでバフが違ったんだから笑ったもんだね!
「まず肌着、下につける下着。後は動きやすい男の子用の服だけど、アンタは14歳に割には小さく見えるからね。栄養が足りてないんだろうさ、それじゃまるで10歳だよ。でもお洒落で動きやすいのを選んだつもりだよ」
「あ、ありがとう御座います」
「後はブーツ。きつくなったら直ぐ言いな? 新しいのを用意してやるからね」
「こんな真新しい靴……」
「服も何もかも新品ですよ!」
「髪も長いから可愛らしくポニーテールにしようかね。今度美容室に連れて行ってやるから、それまでの辛抱だよ」
長い間奴隷生活だった為か、トッシュの髪は銀色でとても長かった。
美しいと言えば美しいが、銀色の狼だなんて珍しいんだよねぇ。
まぁ、当たりなんだけど。
しかし美少女みたいな男の子だねぇ。
こうして全身コーディネートが終われば、髪の長いポニーテールしたオオカミ獣人のちょっといとこの坊や……? かねぇ?
ただ、尻尾は仕方ないとして耳は何とかしないといけない。
「ああ、そう言えばお宝部屋でいいのを見つけたんだったね」
「そうでしたわ! バーミニクローク!」
そう言ってアイテムボックスからアタシ達が来ている真っ赤なバーミリクロークを取り出すと、トッシュに着せてフードで耳を隠せば問題なし! 尻尾もいい具合に隠れている。
「体系に合わせて縮んだり出来るみたいだねぇ。便利なもんだ」
「でも、ちょっとブカッとしているくらいが丁度いいですね」
「これくらいでしょうか?」
「そうそう、それくらいですわ」
と、伸縮自在の魔法の糸で出来たバーミリクロークのお陰で耳も尻尾もばっちりだ。
ウンウンと頷き今度はアタシ達の方から話をする事になった。
まぁ、長い話だけど付き合って貰おうという事になり、アタシが魔王である事や、ピアが元魔王の曾孫であること。そして冒険者を狩って、レベルを上げている事を伝えた。
その上で、倒した冒険者から金品を奪い、金を得ている事も。
「ま、魔王様ですか!?」
「そう、異世界から召喚されたのさ。このピアにね」
「わたくしが召喚したんですの。キヌ様の元の姿は104歳のお婆ちゃまですわ!」
「ええええ!?」
「スキルで若返ってるだけだよ。驚く事ないだろうに」
「驚きました……。魂の匂いは確かに熟練の達人のような匂いがしますが、その見た目の美しさからすればまだまだお若いのだと」
「お世辞でも嬉しいねぇ!」
ケタケタと笑い牛乳のお替りを入れて上げると喜んでいたのがまた可愛い。
このトッシュタリスの事だがスキルはと言うと、こうなっている。
『トッシュタリス:獣人王の隠し子(14歳)』
【遠吠え(仲間を呼び寄せる)】【テイム(敵をテイムする事が出来る)】【俊足の足】【罠回避率100%】【アイテムボックス】【鑑定】【生活魔法10】【料理スキル8】【危険察知7】【悪意察知8】【体力10】【力10】【命中率5】【運の良さ7】
意外に悪くない。獣人王の隠し子さえ無ければだが。
獣人族も人間と対立しているが、殆どの矢面を魔王軍にさせた狡賢い野郎だと聞いている。
その隠し子ともなれば、何かしら事情はあるのは間違いないだろう。¥
それにスキル的にも銃を使わせればいい感じにいけそうだ。
後はアクセサリーを整えさせたいが、魔王城に行かないと持っていけないのが辛い所だね。
「あの、僕はポーターの仕事しか分かりません……」
「色々教えてあげるから気にするんじゃないよ」
「はい!!」
「アタシから使いやすそうな銃を貸してやろう。後は前の薄汚いバックは捨ててこっちを持って行きな。見た目だけでもポーターっぽくね」
そう言うとアタシはランドセルを取り出して手渡した。
前は大人用のランドセルがあったとか聞いた気がするけど、どうだったかねぇ?
「丈夫な鞄です……」
「アイテムボックスには倒した敵がホームに帰る5分の間にどれだけ奪えるかに掛かってる。気合を入れてついてきな!」
「はい!!」
「でも、前のリーダーたちにはアイテムボックスの事は伝えなかったの?」
「容量がとても少ないとしか伝えて無くて、だったら鞄をと」
それで体力が着いたならそれはそれで僥倖。
アタシ達は新しい仲間、トッシュタリスを得たのだった。
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