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第三章 魔王様、中学時代をお過ごしになる
第99話 GW明けにあると言う1年生の軍隊行動イベント③
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その夜――クラスや他クラスの女子が来たりとウザったいことこの上なく、三人が寝込んでいるのを見て「看病して上げる!」なんて言われたが魔法使いが追い払い、「そんだけ元気なら面の皮も厚いんだろうね! 俺達は繊細なんだよ!」と激しくドアを閉めて切れていた。
いや、実際我たちは全員重症患者である。
「あ――クソ、日焼けイテェ……」
「激痛ですね。熱は……38度5分。普通なら家に帰宅レベルですよ」
「三人で看護室行く?」
「行きますか」
「行こうぜ……流石にねぇよ」
そう言って起き上がり外に出ると、看護室は人だかりが出来ていて並んで待つしかなく、数名は救急車に乗って運ばれ、我たちの番になると熱を測り「兎に角安静に」と明日の山登りも居なくていい事になった。
「毎年先生たちにはお願いしてるだけど、本当人の話を聞かない人たちだわ!!」
「で、今頃酒盛りでしょ? 先輩たちから聞いてますよ。呆れてモノも言えない。これ、教育委員会とPTAにバレたらクビだけではすみませんね」
「あの殴られた竹内さん達は……言うでしょうね」
「そりゃ言いますよ」
「来年からは無くなるかもな」
「そっちの方が良い」
「はぁ……兎に角三人安静に。痛みで寝れないかもしれないけど」
「そうします」
「正直辛いわ……帰って横になろうぜ」
「そうしますか」
こうして我たちも部屋に戻り各自ベッドに横になる。
救急車がその後も行ったり来たりしていたが、大分倒れた女子が多かったのもあるだろう。
今まで取り沙汰されなかった方が可笑しいのだ。
時代錯誤にも程がある。
「まぁ、明日はゆっくり此処で過ごせますし、山登りも行かずにすみましたし」
「初めからハードだったわ……」
「時代錯誤野郎が多すぎだろう学校……」
「そもそも学校そのものが時代錯誤の場じゃないですか、何を仰ってるんです。協調性を云々言いつつ、その協調性をぶち壊すのが教師ですよ? 愚かな人の子だ」
「祐一郎、素が出てるぞ」
「ははは! まるで魔王だな。魔王が現代社会の教師に説教!」
「出来るなら、やりたいですね」
「ま、学校方針事態が古臭いんだよ。校則みた? 女子の下着は全て白でなくてはならないって書いてあった」
「俺も見た。下着売り場に白専用コーナーがあったからなんだろうと思ってたけど、下着にまで難癖つけんのかよ。今の学校って」
「クソだろ。マジ上死ねよ」
「恵さん落ち着きなさい。身体が辛いからとアレコレに怒りをぶつけていても仕方ないです。心頭滅却。こういう時こそ無の境地」
「魔王が悟りを開くな」
そんな事を言われつつ暫く話し込んでいると部屋をノックされ、「東君いる?」と女子が入ってきた。
「なんです? この通り重症ですが?」
「ちょっと呼んでる人たちがいて……」
「今何時だと思ってるんです、夜中の0時過ぎてますよ?」
「でも呼んでて……」
思わず舌打ちすると起き上がりついて行くことになった。
一々呼び出し? この我の状態で? ふざけてるのか?
そう思いながら向かった場所は女子エリアで「ちょっとこれは」と言うと部屋を開けて中に通された。
すると――中には箒やらなにやらで武装した女性達……と言うより、育ちの悪い、いや、ヤンキーたちに囲まれて正座させられているクラスの女子が居た。
「は~~~~……で? 何故呼ばれたんです?」
「ねぇ、この子アンタの部屋にもきた?」
「来ましたよ」
「嘘よ! 行って無いわ!!」
「来たうえで、私達三人の様子がこの有様なので帰って貰いました。証言は三人取れますよ」
「部屋に入れてないのね」
「あのですね? こっちは三人重傷で明日の山登りもいけないんですよ。そんな自分達で精一杯の時にこういう場に呼ばないで頂きたいですね。……帰ってよろしいか?」
「っ……ごめんね。コイツが男の部屋で変な事してたらしくてさ」
「ああ、盛ってたんでしょう。男も男だ、みっともない」
「流石寺生まれだと違うわ……ごめん、帰っていいよ」
「ええ、そうします。今後関りは持ちたくないものですね」
イライラしつつ部屋を後にして二人の待つ部屋へ行くと、「どうだったの?」と言われありのままを語ると二人が溜息を吐いたのが分かった。
厳しい規律の中での生活なので、男性が女性の部屋、女性が男性の部屋に入り浸って一緒に寝る等言語道断なのだが――それが出来ない一部がやはりいる。
で、ウチのクラスの尾崎が捕まってあの様だ。
「こういう時だからこそって盛るクソ女も男もいるよね」
「中学生や高校生何て盛ってナンボとは思いますが、TPOは守って頂きたい」
「そう言うアキラも小雪相手に盛ってんだろうなぁ……くそ」
「さ、盛ってない!! 小雪まだ小学生だぞ!? 手も足も出ないし、そもそも祐一郎の妹だぞ!?」
そもそも勇者は元男である。
いいのか勇者、それで。
まぁ、女に生まれた性と言うのもあるのだろうし、アキラ自信が理想の勇者像らしいので仕方ないのだろうが……こう、前世も含めて考えると複雑だ。
勇者がそれでいいと言う事でお付き合いを許しているし、アキラも早々手を出さないと約束しているからこそ認めているというのもある。
キスくらいは許すが、それ以上は流石にアウトだ。
「アキラ」
「ん?」
「キスくらいは許しますが、それ以上は誘われてもアウトですよ」
「さそっ!! キ……ッ」
「ちょっとその年で初心な反応やめてよ」
「う、煩いな!! はぁ……小雪に会いたい。癒されたい、大丈夫? って言われたい」
「心が弱ってますねぇ」
「祐一郎が小雪の事思い出させたりするから!!」
「はいはい、小雪の時代にはこの悪習が無くなっているといいですね」
「全くだな」
「ほんとそれ」
ガチギレの我たちは溜息を吐きつつ、寝落ちするまで喋りとおしたのは言うまでもない。
いや、実際我たちは全員重症患者である。
「あ――クソ、日焼けイテェ……」
「激痛ですね。熱は……38度5分。普通なら家に帰宅レベルですよ」
「三人で看護室行く?」
「行きますか」
「行こうぜ……流石にねぇよ」
そう言って起き上がり外に出ると、看護室は人だかりが出来ていて並んで待つしかなく、数名は救急車に乗って運ばれ、我たちの番になると熱を測り「兎に角安静に」と明日の山登りも居なくていい事になった。
「毎年先生たちにはお願いしてるだけど、本当人の話を聞かない人たちだわ!!」
「で、今頃酒盛りでしょ? 先輩たちから聞いてますよ。呆れてモノも言えない。これ、教育委員会とPTAにバレたらクビだけではすみませんね」
「あの殴られた竹内さん達は……言うでしょうね」
「そりゃ言いますよ」
「来年からは無くなるかもな」
「そっちの方が良い」
「はぁ……兎に角三人安静に。痛みで寝れないかもしれないけど」
「そうします」
「正直辛いわ……帰って横になろうぜ」
「そうしますか」
こうして我たちも部屋に戻り各自ベッドに横になる。
救急車がその後も行ったり来たりしていたが、大分倒れた女子が多かったのもあるだろう。
今まで取り沙汰されなかった方が可笑しいのだ。
時代錯誤にも程がある。
「まぁ、明日はゆっくり此処で過ごせますし、山登りも行かずにすみましたし」
「初めからハードだったわ……」
「時代錯誤野郎が多すぎだろう学校……」
「そもそも学校そのものが時代錯誤の場じゃないですか、何を仰ってるんです。協調性を云々言いつつ、その協調性をぶち壊すのが教師ですよ? 愚かな人の子だ」
「祐一郎、素が出てるぞ」
「ははは! まるで魔王だな。魔王が現代社会の教師に説教!」
「出来るなら、やりたいですね」
「ま、学校方針事態が古臭いんだよ。校則みた? 女子の下着は全て白でなくてはならないって書いてあった」
「俺も見た。下着売り場に白専用コーナーがあったからなんだろうと思ってたけど、下着にまで難癖つけんのかよ。今の学校って」
「クソだろ。マジ上死ねよ」
「恵さん落ち着きなさい。身体が辛いからとアレコレに怒りをぶつけていても仕方ないです。心頭滅却。こういう時こそ無の境地」
「魔王が悟りを開くな」
そんな事を言われつつ暫く話し込んでいると部屋をノックされ、「東君いる?」と女子が入ってきた。
「なんです? この通り重症ですが?」
「ちょっと呼んでる人たちがいて……」
「今何時だと思ってるんです、夜中の0時過ぎてますよ?」
「でも呼んでて……」
思わず舌打ちすると起き上がりついて行くことになった。
一々呼び出し? この我の状態で? ふざけてるのか?
そう思いながら向かった場所は女子エリアで「ちょっとこれは」と言うと部屋を開けて中に通された。
すると――中には箒やらなにやらで武装した女性達……と言うより、育ちの悪い、いや、ヤンキーたちに囲まれて正座させられているクラスの女子が居た。
「は~~~~……で? 何故呼ばれたんです?」
「ねぇ、この子アンタの部屋にもきた?」
「来ましたよ」
「嘘よ! 行って無いわ!!」
「来たうえで、私達三人の様子がこの有様なので帰って貰いました。証言は三人取れますよ」
「部屋に入れてないのね」
「あのですね? こっちは三人重傷で明日の山登りもいけないんですよ。そんな自分達で精一杯の時にこういう場に呼ばないで頂きたいですね。……帰ってよろしいか?」
「っ……ごめんね。コイツが男の部屋で変な事してたらしくてさ」
「ああ、盛ってたんでしょう。男も男だ、みっともない」
「流石寺生まれだと違うわ……ごめん、帰っていいよ」
「ええ、そうします。今後関りは持ちたくないものですね」
イライラしつつ部屋を後にして二人の待つ部屋へ行くと、「どうだったの?」と言われありのままを語ると二人が溜息を吐いたのが分かった。
厳しい規律の中での生活なので、男性が女性の部屋、女性が男性の部屋に入り浸って一緒に寝る等言語道断なのだが――それが出来ない一部がやはりいる。
で、ウチのクラスの尾崎が捕まってあの様だ。
「こういう時だからこそって盛るクソ女も男もいるよね」
「中学生や高校生何て盛ってナンボとは思いますが、TPOは守って頂きたい」
「そう言うアキラも小雪相手に盛ってんだろうなぁ……くそ」
「さ、盛ってない!! 小雪まだ小学生だぞ!? 手も足も出ないし、そもそも祐一郎の妹だぞ!?」
そもそも勇者は元男である。
いいのか勇者、それで。
まぁ、女に生まれた性と言うのもあるのだろうし、アキラ自信が理想の勇者像らしいので仕方ないのだろうが……こう、前世も含めて考えると複雑だ。
勇者がそれでいいと言う事でお付き合いを許しているし、アキラも早々手を出さないと約束しているからこそ認めているというのもある。
キスくらいは許すが、それ以上は流石にアウトだ。
「アキラ」
「ん?」
「キスくらいは許しますが、それ以上は誘われてもアウトですよ」
「さそっ!! キ……ッ」
「ちょっとその年で初心な反応やめてよ」
「う、煩いな!! はぁ……小雪に会いたい。癒されたい、大丈夫? って言われたい」
「心が弱ってますねぇ」
「祐一郎が小雪の事思い出させたりするから!!」
「はいはい、小雪の時代にはこの悪習が無くなっているといいですね」
「全くだな」
「ほんとそれ」
ガチギレの我たちは溜息を吐きつつ、寝落ちするまで喋りとおしたのは言うまでもない。
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