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第二章 魔王様、小学校六年生をお過ごしになる
55 魔王様、仲間たちと異世界憧れ少年と対峙する④
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思わぬ勇者の一言により、アキラは目を見開いて驚き、ハガネは何を言われたのか理解できずに固まった。
【繁殖期のサル】とまで呼ばれたハガネは次第に理由を理解したのか、顔を真っ赤にして俯いている。
「頭に下半身が生えたような考えであることは良く解った。だが、そんな男に誰が心を許すだろうな? 女を食物や所有物のように語る男に、何の魅力があるんだろうな? 将来結婚すればDVだのモラハラだのと言われるような男と付き合いたい、もしくは結婚したい女が居るとすれば顔を見てみたいものだ。敢えて言わせてもらうが、お前……私の兄や恵やアキラのような、人を引き付けるようなナニカを持っているのか? 持ってないだろう? 少なくとも、お前がクズであり、女の敵であることは否応なしに理解は出来たが、そんな奴を支えたいと思えるような女が自分に沢山出来るとでも思っているのか? だとしたら、余程の愚か者だな」
この場では唯一の女性視点……ではないが、勇者は大変ご立腹のようだ。
「話を黙って聞いていれば、女性の人権など全く無視して自分本位の考えのみで突き進んでなんと情けないことか。これが自分の浪漫であり妄想だけで済ませられる内容なら、こちらとしてもスルーできる問題だし、今後一切、お前には関わらないと決めることが出来るだけの内容だが、妄想で終わらせれば誰も傷つかないような内容を、現実世界で起こしたいと言う願望があるのなら、社会的抹殺も視野に入れないとな」
「「「「社会的抹殺」」」」
「女社会を甘く見るなよ。女とは幅広い付き合いを持ち、情報を素早く周囲に広めるだけのスキルが備わっている。つまり……私がクラスの女子の誰か一人にでもこの話題を話せば、一気に同じ学年に広がり、その話は兄弟姉妹に広がり、更に各家庭にその話題は広がる。そしてジワジワと学校全体に広がるのが――社会的抹殺だ」
つまり、勇者はハガネに対し「お前の人生の生きる場所を奪ってやろう」と言う宣言に近い事を口にしたのだ。
女社会の恐ろしさを改めて妹として転生してきた勇者から聞くことになろうとは……勇者も成長したものだな……。
「アキラが純愛で何が悪い。私が幼少期、命の危機にさらされた時……アキラは本当に命を賭して私を守り切った。アキラの言葉はとても重い……。だからこそ、上っ面の言葉だけではない事を私はよく知っている。だが、原田ハガネ! 貴様の言葉は薄っぺらい! お前のような男を愛する女が出来ると思っているのか!? そんな妄想は夢の中だけにしておけ! そんな魅力もない度胸もない覚悟もない男など、女が近づく筈もなければ、好きになる理由になることは一切無い事を脳裏に刻んでおくことだな!!」
勇者の一言により――原田ハガネは顔面蒼白で膝から崩れ落ちた。
両手を腰に当ててフンスと息を吐く勇者に、魔法使いは「怒るとコワイけど可愛い」と口にし、アキラは苦笑いし、我は勇者の隣に立つと床に崩れ落ちたままのハガネを見つめて溜息を零した。
事実――女社会とは、男社会よりも恐ろしいのだ。
何処から聞いたのか解らない裏ルートの話を持っているのは、大抵女の方である。
それを最大限に活用した場合、圧倒的不利になるのは目に見えて分かる事だろう。
【草の根運動】と揶揄されることもある出来事であっても、その根は深く広く長いのだ。
「ハガネさん。貴方の浪漫を否定するつもりはありません。ですが……この世は異世界ではありません。貴方の言うクソのような現実世界です。貴方の年齢では解らないかも知れませんが、貴方の起こした言動により、貴方の価値は決まります。もし仮に私達に価値を見出したのであれば、それは私たちが地道に積み上げてきた実績です。最初から持っているスキル等は些末な事です。要は使い方次第……。貴方の今後のスキルは、貴方が育てて周りに認めて貰って初めて発揮するものだと思いますよ」
この一言でハガネは目から大粒の涙を零し、小さく頷いた。
結局、異世界であろうとも、現実世界であろうとも、自分自身の頑張りを誰が評価するのかと言えば、周囲の人間だ。
更に言えば、この世界では結果が全てと言う、かなりハードルの高い評価となっている。
頑張っている経過は経過であって、評価には繋がらない。
確かにハガネの言う通り、クソのような世界なのかもしれないと、我は口に出さないにしても思ってしまった。
だが――。
「勇者と魔王兄妹……尊すぎるっ」
――両手で顔を覆い震える原田ハガネに、我たちは遠い目をして静かのその場を去ったのは、言うまでもない。
後日談だが、原田ハガネは結果的に言えば、異世界を諦めることは無かった。
それでも、勇者の痛恨の一撃が効いてはいるようで、女性軽視の発言を改め、常に勇者の傍に立ち【現実世界に降り立った勇者を補佐する有能な男】を今は目指しているらしい。
「最終目標は魔王と勇者兄妹を補佐する、有能補佐官らしいぞ」
「それはそれは。記憶と中身はオル・ディール産ですが、生まれも育ちもこの異世界の寺なんですがね」
「仏門に入るならソレでもいいんじゃない? それに本人が満足して変な動きをしないなら放っておくに限るし。でも勇者に弊害が起きるならこちらで対処するよ?」
魔法使いの言葉に勇者は小さく首を横に振ると、溜息を吐きつつ言葉を続けた。
「確かにウザい時はあるが、今までの態度を改め改心したと言っても過言ではない動きをしているから大丈夫だ。周囲からもハガネの変わりように色々聞かれたが、魔王軍三人に呼ばれて諭されたと伝えてある。周りの皆は納得した様子だったぞ」
「「「魔王軍三人」」」
「だから至って平和だ。寧ろ、平和で無くなるのは今からじゃないのか魔王」
その一言にハッとしカレンダーを見た。
もう直ぐ夏休み……夏休みに入れば、裏社会生まれの裏社会育ちである僧侶と武道家がこっちに引っ越してくるエックスデーが近づいていた。
「魔王、落ち着いて。君がスマホのマナーモードになってどうするんだい」
「ブルブル震える姿を動画で撮ればよかった」
「そんな事をしたら勇者のスマホを庭の池に沈めます。……とにかく、作戦を練らねば」
――我の貞操が危ない。
【繁殖期のサル】とまで呼ばれたハガネは次第に理由を理解したのか、顔を真っ赤にして俯いている。
「頭に下半身が生えたような考えであることは良く解った。だが、そんな男に誰が心を許すだろうな? 女を食物や所有物のように語る男に、何の魅力があるんだろうな? 将来結婚すればDVだのモラハラだのと言われるような男と付き合いたい、もしくは結婚したい女が居るとすれば顔を見てみたいものだ。敢えて言わせてもらうが、お前……私の兄や恵やアキラのような、人を引き付けるようなナニカを持っているのか? 持ってないだろう? 少なくとも、お前がクズであり、女の敵であることは否応なしに理解は出来たが、そんな奴を支えたいと思えるような女が自分に沢山出来るとでも思っているのか? だとしたら、余程の愚か者だな」
この場では唯一の女性視点……ではないが、勇者は大変ご立腹のようだ。
「話を黙って聞いていれば、女性の人権など全く無視して自分本位の考えのみで突き進んでなんと情けないことか。これが自分の浪漫であり妄想だけで済ませられる内容なら、こちらとしてもスルーできる問題だし、今後一切、お前には関わらないと決めることが出来るだけの内容だが、妄想で終わらせれば誰も傷つかないような内容を、現実世界で起こしたいと言う願望があるのなら、社会的抹殺も視野に入れないとな」
「「「「社会的抹殺」」」」
「女社会を甘く見るなよ。女とは幅広い付き合いを持ち、情報を素早く周囲に広めるだけのスキルが備わっている。つまり……私がクラスの女子の誰か一人にでもこの話題を話せば、一気に同じ学年に広がり、その話は兄弟姉妹に広がり、更に各家庭にその話題は広がる。そしてジワジワと学校全体に広がるのが――社会的抹殺だ」
つまり、勇者はハガネに対し「お前の人生の生きる場所を奪ってやろう」と言う宣言に近い事を口にしたのだ。
女社会の恐ろしさを改めて妹として転生してきた勇者から聞くことになろうとは……勇者も成長したものだな……。
「アキラが純愛で何が悪い。私が幼少期、命の危機にさらされた時……アキラは本当に命を賭して私を守り切った。アキラの言葉はとても重い……。だからこそ、上っ面の言葉だけではない事を私はよく知っている。だが、原田ハガネ! 貴様の言葉は薄っぺらい! お前のような男を愛する女が出来ると思っているのか!? そんな妄想は夢の中だけにしておけ! そんな魅力もない度胸もない覚悟もない男など、女が近づく筈もなければ、好きになる理由になることは一切無い事を脳裏に刻んでおくことだな!!」
勇者の一言により――原田ハガネは顔面蒼白で膝から崩れ落ちた。
両手を腰に当ててフンスと息を吐く勇者に、魔法使いは「怒るとコワイけど可愛い」と口にし、アキラは苦笑いし、我は勇者の隣に立つと床に崩れ落ちたままのハガネを見つめて溜息を零した。
事実――女社会とは、男社会よりも恐ろしいのだ。
何処から聞いたのか解らない裏ルートの話を持っているのは、大抵女の方である。
それを最大限に活用した場合、圧倒的不利になるのは目に見えて分かる事だろう。
【草の根運動】と揶揄されることもある出来事であっても、その根は深く広く長いのだ。
「ハガネさん。貴方の浪漫を否定するつもりはありません。ですが……この世は異世界ではありません。貴方の言うクソのような現実世界です。貴方の年齢では解らないかも知れませんが、貴方の起こした言動により、貴方の価値は決まります。もし仮に私達に価値を見出したのであれば、それは私たちが地道に積み上げてきた実績です。最初から持っているスキル等は些末な事です。要は使い方次第……。貴方の今後のスキルは、貴方が育てて周りに認めて貰って初めて発揮するものだと思いますよ」
この一言でハガネは目から大粒の涙を零し、小さく頷いた。
結局、異世界であろうとも、現実世界であろうとも、自分自身の頑張りを誰が評価するのかと言えば、周囲の人間だ。
更に言えば、この世界では結果が全てと言う、かなりハードルの高い評価となっている。
頑張っている経過は経過であって、評価には繋がらない。
確かにハガネの言う通り、クソのような世界なのかもしれないと、我は口に出さないにしても思ってしまった。
だが――。
「勇者と魔王兄妹……尊すぎるっ」
――両手で顔を覆い震える原田ハガネに、我たちは遠い目をして静かのその場を去ったのは、言うまでもない。
後日談だが、原田ハガネは結果的に言えば、異世界を諦めることは無かった。
それでも、勇者の痛恨の一撃が効いてはいるようで、女性軽視の発言を改め、常に勇者の傍に立ち【現実世界に降り立った勇者を補佐する有能な男】を今は目指しているらしい。
「最終目標は魔王と勇者兄妹を補佐する、有能補佐官らしいぞ」
「それはそれは。記憶と中身はオル・ディール産ですが、生まれも育ちもこの異世界の寺なんですがね」
「仏門に入るならソレでもいいんじゃない? それに本人が満足して変な動きをしないなら放っておくに限るし。でも勇者に弊害が起きるならこちらで対処するよ?」
魔法使いの言葉に勇者は小さく首を横に振ると、溜息を吐きつつ言葉を続けた。
「確かにウザい時はあるが、今までの態度を改め改心したと言っても過言ではない動きをしているから大丈夫だ。周囲からもハガネの変わりように色々聞かれたが、魔王軍三人に呼ばれて諭されたと伝えてある。周りの皆は納得した様子だったぞ」
「「「魔王軍三人」」」
「だから至って平和だ。寧ろ、平和で無くなるのは今からじゃないのか魔王」
その一言にハッとしカレンダーを見た。
もう直ぐ夏休み……夏休みに入れば、裏社会生まれの裏社会育ちである僧侶と武道家がこっちに引っ越してくるエックスデーが近づいていた。
「魔王、落ち着いて。君がスマホのマナーモードになってどうするんだい」
「ブルブル震える姿を動画で撮ればよかった」
「そんな事をしたら勇者のスマホを庭の池に沈めます。……とにかく、作戦を練らねば」
――我の貞操が危ない。
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