50 / 107
第二章 魔王様、小学校六年生をお過ごしになる
46 魔王様、勇者たちとのウォーターガン戦争を始められる①
しおりを挟む
――翌朝。
朝のお勤めを終わらせ、簡単な朝食を作り終えるころ、勇者と武闘家、僧侶が起きてきた。
今日の夜には武闘家と僧侶はお迎えの車が来るようだが、それまでは沢山遊ぶつもりらしい。
今日は一般的な朝食。雑穀ご飯に米味噌で作った海苔とネギの簡単な味噌汁、付け合わせの漬物は昨日の夜から漬け込んだもので、良い塩加減だ。更に鮭を焼いてそこに大根おろしを添えている。
「おお! 凄いなお兄ちゃん! 私の大根おろしは犬だ!」
「まぁ! 可愛らしいですわ!」
「ワシのは犬の尻じゃな……」
「今日は料理本に載っていた、ウェルシュ・コーギーを大根おろしで表現してみました。お気に召しましたか?」
「「かわいい――!!」」
「尻か~……」
そうは言いつつも味は美味しいのだろう。
シッカリと朝食を取った三人は各々部屋に戻るや否や、スクール水着の上にTシャツを着てやってきた。
勇者に至ってはゴーグルを頭に装備している所を見ると、全力で遊びつくすつもりなのだろう。子供らしくて良いものだな。
「何かの本で読みましたわ。世の男性はスクール水着が大好きなんですってね」
「そうなのか?」
「スクール水着のどこが良いのかのう? ワシとしてはもっと露出の高い水着の方がグッとくるが……」
「幼さとエロさが合わさって最高なのですって。魔王様、どう思われます?」
洗物をしていた我の許までやってきて何を話すかと思えば……僧侶の頭の中は意外とピンクピンクしているのやもしれんな。
「好きでもない女性の水着姿何て、ただのマネキンですよ」
「マ……マネキンっ!?」
「魔王は手ごわいのう……」
「ええ、ええ。わたくしたちの、あられもない姿を見たとしても股間に響かないなんて」
「もっと乳も尻も大きくならねば振り向いてもらえぬやもしれんな」
「お屋敷に帰ったらお母様たちにご相談しましょう」
「うむ」
「サラッと私の人生が傾きそうな相談はお止めなさい」
そう言って後ろを振り返ると、見事にペッタンコ――な体の三人が立っている。
うむ、ペッタンコなのだ。
何処がとは言わなくても分かるだろう?
聖女にもこんな時期があったのだろうが、聖女の体は四年生を超えたあたりからイイ感じに膨らんできたのを我は覚えている。
この三人も小学校四年生、五年生になれば凹凸くらいは出てくるのやもしれないが、結局はマネキンなのだ。
「魔王、そろそろ家事終わる?」
「ええ、洗い物は済ませました」
そんな三人の上から話しかけてきたのは魔法使い。
魔法使いは我が洗い物をしている間に、部屋の掃除やお風呂掃除といった手伝いをしてくれているため、何かと助かっている。勇者にも家事を覚えさせようとしたが、勇者が覚えたのは寺の周辺を箒で掃く位だった。まぁ、それも場所が広いだけあって助かってはいる。
「昼は焼きそばを作ります。お祭り気分を味わえるような味付けにしますからお楽しみに」
「いいね! 魔王の作るお祭り風シリーズって美味しいから大好きだよ!」
「そう言っていただけると嬉しいですね。作り甲斐があります」
魔法使いとは学校でも家でも長く過ごすため、一番打ち解けているやもしれない。
エプロンを脱ぎ、作務衣を整えると玄関からアキラの声が聞こえてきた。どうやらアキラも本日のイベント参加のために早めに来たようだ。
アキラの許に駆け寄っていく三人、そして聞こえてくるのはアキラの叫び声だ。
「ちょ! 小雪! その恰好はやばいって!!」
「何を言う! 今日はウォーターガンで撃ち合うのだろう? ずぶ濡れ対応に水着装備だぞ!」
「だからって水着の上にTシャツ一枚はダメだって! それはイケナイお兄さんたちが見たら大変だから!! 大変だから!!」
「あらあらまぁまぁ! お姉様ご覧になって?」
「ふはははは! キノコニョッキか!」
「きゃああああああ!!!」
乙女のような悲鳴をあげるアキラ……。
そして、アキラは『イケナイお兄さん』だったのかと魔法使いと頷きあった。
「何というか、ご愁傷様……なのかな?」
「アキラにとってはご褒美かも知れませんよ?」
「見てご褒美、見られてご褒美か……変態だね」
「どちらも幸せそうで何よりですね」
そんな会話をしながら玄関に行くと、股間に手を当てて蹲っているアキラの顔は真っ赤なトマトの様だ。
何とも情けない恰好である。
「あれー? アキラってば、どうしちゃったの~?」
「ちょ、恵いいところに!! 三人引きはがして!!」
「アキラは股間のキノコがニョッキしたらしいぞ!」
「それは大変ですね。取り合えず三人は倉庫から私たちのウォーターガンを水場に持ってきておいてください。アキラは動けそうなら椅子に腰かけて収まるのを待ちましょう」
「ユウが優しい……泣けてくる」
「恥ずかしさでね」
我の指示で水着っこ三人娘は隣にある納屋へと走っていき、アキラは股間を抑えつつ内股で椅子に腰かけ、真っ赤な顔を鎮めるために、うちわを手渡した。
アキラ曰く、朝から強烈なものを見たし強烈な経験をしたと語る。
「まぁ、小雪の水着姿は可愛いよね。あれで来年か再来年には凹凸ができ始めるかと思うと、僕もドキドキするよ」
「おい、やめろよそう言う言い方!」
「想像する方が悪くない?」
「年頃の男子とは過敏なんですよ。ちょっとした女性らしい動きにドキッとするとか、濡れた姿にドキッとするとか、うなじにドキッとするとか、色々な女性の仕草にドキドキするのが男性と言う生き物だと思いますよ。男性の本能です、抑えきれませんよね」
「冷静に分析するなよ……」
「冷静に見るのはタダですよ。手を出せば犯罪ですが」
この異世界には、『YES・ロリータ、NO・タッチ』と言う言葉がある。
つまり、見るのはOKなのだ。
お触りはNGなのだ。
しかし近年、男性が無暗に女性、それも年齢問わずに、じっと見るのはご法度になりつつあるらしい。
見ることもNGになった場合、溜まった性欲はどこに発散されるのか心配である。
「アキラのその様子が一般的なのか、僕たちが一般的じゃないのか、心配になってくるね」
「それはありますね」
「いや、どう考えてもお前たち達観しすぎだろ? 今度性教育が男女別れてあるのに、お前ら二人だけ全然ニヤニヤもしなかったしな」
「あれ、周りの男子がちょっと気持ち悪かったね」
「世間一般的には、女性の体に興味が出始める年齢なのは間違いない事でしょう。そこでシッカリと性教育があるのなら、将来的に困らないので心配ないのでは?」
「中途半端な性教育は害悪だけどね」
「お前ら達観しすぎだって」
そんな事を語っていればアキラも頭も股間も冷めたらしく、背中をトントンと叩いて立ち上がった。
収まったようで何よりだ。
「でも正直、来週ある性教育の授業は、ちょこっとだけ楽しみでもあるよね」
「女子と男子で生物的に見ても色々違いますからね」
「そうだね、女子は生理とかあるから」
「あぁ……」
「だから何でそこまで達観してんの?」
最早アキラは呆れ半分諦め半分と言った様子で苦笑いしている。
オル・ディールの世界では女性は初潮を迎えた時点で成人とみなされ、結婚することが出来たし、男性も精通したら成人とみなされていた節がある。
故に、あの世界では性教育と言うのは早めになされ、早く結婚し子を産み育てると言うのが人間社会のルール的な部分はあった。
寧ろ、女性で16歳まで結婚していなかった場合、行き遅れとさえ言われていた世界だ。
それらを考えると、この異世界とは、随分と緩い世界なのかもしれない。
「お兄ちゃんー! 用意できてるよ~!!」
「ああ、すみません。少々話し込んでおりました。直ぐ向かいますよ」
そんな事をツラツラと思っていると勇者がウォーターガンを手に玄関まで駆け寄ってきた。
うむ、見事に平らである。
コレを見てアキラが何故あんなにも狼狽えて股間のキノコが大きくなったのかは謎であるが、そこは触れてはいけないナニカがあるのだろう。
「アキラ」
「ん?」
「ぶちかましますか?」
「――ああ! 一緒に沢山濡れようぜ!!」
「「言い方」」
天然アキラの発言に我と魔法使いが思わず突っ込んでしまったが、そこは清らかアキラが不思議そうな顔をしながら首を傾げていた。
……我と魔法使いは、汚い大人なのかもしれないな。
そんな事を思いながら玄関から出た瞬間、三人揃ってウォーターガンを喰らった。
「1ポイントゲットー!」
「やりましたわー!」
「ずぶ濡れ祭りじゃー!」
そう言って飛びはねる三人平たい娘に我たちは目を向けると――。
「……やってくれましたね」
「さぁ……僕たちも本気で戦おうか」
「負けられないなっ!」
玄関に置かれていたウォーターガンを手に取り、反撃を開始するのだった。
朝のお勤めを終わらせ、簡単な朝食を作り終えるころ、勇者と武闘家、僧侶が起きてきた。
今日の夜には武闘家と僧侶はお迎えの車が来るようだが、それまでは沢山遊ぶつもりらしい。
今日は一般的な朝食。雑穀ご飯に米味噌で作った海苔とネギの簡単な味噌汁、付け合わせの漬物は昨日の夜から漬け込んだもので、良い塩加減だ。更に鮭を焼いてそこに大根おろしを添えている。
「おお! 凄いなお兄ちゃん! 私の大根おろしは犬だ!」
「まぁ! 可愛らしいですわ!」
「ワシのは犬の尻じゃな……」
「今日は料理本に載っていた、ウェルシュ・コーギーを大根おろしで表現してみました。お気に召しましたか?」
「「かわいい――!!」」
「尻か~……」
そうは言いつつも味は美味しいのだろう。
シッカリと朝食を取った三人は各々部屋に戻るや否や、スクール水着の上にTシャツを着てやってきた。
勇者に至ってはゴーグルを頭に装備している所を見ると、全力で遊びつくすつもりなのだろう。子供らしくて良いものだな。
「何かの本で読みましたわ。世の男性はスクール水着が大好きなんですってね」
「そうなのか?」
「スクール水着のどこが良いのかのう? ワシとしてはもっと露出の高い水着の方がグッとくるが……」
「幼さとエロさが合わさって最高なのですって。魔王様、どう思われます?」
洗物をしていた我の許までやってきて何を話すかと思えば……僧侶の頭の中は意外とピンクピンクしているのやもしれんな。
「好きでもない女性の水着姿何て、ただのマネキンですよ」
「マ……マネキンっ!?」
「魔王は手ごわいのう……」
「ええ、ええ。わたくしたちの、あられもない姿を見たとしても股間に響かないなんて」
「もっと乳も尻も大きくならねば振り向いてもらえぬやもしれんな」
「お屋敷に帰ったらお母様たちにご相談しましょう」
「うむ」
「サラッと私の人生が傾きそうな相談はお止めなさい」
そう言って後ろを振り返ると、見事にペッタンコ――な体の三人が立っている。
うむ、ペッタンコなのだ。
何処がとは言わなくても分かるだろう?
聖女にもこんな時期があったのだろうが、聖女の体は四年生を超えたあたりからイイ感じに膨らんできたのを我は覚えている。
この三人も小学校四年生、五年生になれば凹凸くらいは出てくるのやもしれないが、結局はマネキンなのだ。
「魔王、そろそろ家事終わる?」
「ええ、洗い物は済ませました」
そんな三人の上から話しかけてきたのは魔法使い。
魔法使いは我が洗い物をしている間に、部屋の掃除やお風呂掃除といった手伝いをしてくれているため、何かと助かっている。勇者にも家事を覚えさせようとしたが、勇者が覚えたのは寺の周辺を箒で掃く位だった。まぁ、それも場所が広いだけあって助かってはいる。
「昼は焼きそばを作ります。お祭り気分を味わえるような味付けにしますからお楽しみに」
「いいね! 魔王の作るお祭り風シリーズって美味しいから大好きだよ!」
「そう言っていただけると嬉しいですね。作り甲斐があります」
魔法使いとは学校でも家でも長く過ごすため、一番打ち解けているやもしれない。
エプロンを脱ぎ、作務衣を整えると玄関からアキラの声が聞こえてきた。どうやらアキラも本日のイベント参加のために早めに来たようだ。
アキラの許に駆け寄っていく三人、そして聞こえてくるのはアキラの叫び声だ。
「ちょ! 小雪! その恰好はやばいって!!」
「何を言う! 今日はウォーターガンで撃ち合うのだろう? ずぶ濡れ対応に水着装備だぞ!」
「だからって水着の上にTシャツ一枚はダメだって! それはイケナイお兄さんたちが見たら大変だから!! 大変だから!!」
「あらあらまぁまぁ! お姉様ご覧になって?」
「ふはははは! キノコニョッキか!」
「きゃああああああ!!!」
乙女のような悲鳴をあげるアキラ……。
そして、アキラは『イケナイお兄さん』だったのかと魔法使いと頷きあった。
「何というか、ご愁傷様……なのかな?」
「アキラにとってはご褒美かも知れませんよ?」
「見てご褒美、見られてご褒美か……変態だね」
「どちらも幸せそうで何よりですね」
そんな会話をしながら玄関に行くと、股間に手を当てて蹲っているアキラの顔は真っ赤なトマトの様だ。
何とも情けない恰好である。
「あれー? アキラってば、どうしちゃったの~?」
「ちょ、恵いいところに!! 三人引きはがして!!」
「アキラは股間のキノコがニョッキしたらしいぞ!」
「それは大変ですね。取り合えず三人は倉庫から私たちのウォーターガンを水場に持ってきておいてください。アキラは動けそうなら椅子に腰かけて収まるのを待ちましょう」
「ユウが優しい……泣けてくる」
「恥ずかしさでね」
我の指示で水着っこ三人娘は隣にある納屋へと走っていき、アキラは股間を抑えつつ内股で椅子に腰かけ、真っ赤な顔を鎮めるために、うちわを手渡した。
アキラ曰く、朝から強烈なものを見たし強烈な経験をしたと語る。
「まぁ、小雪の水着姿は可愛いよね。あれで来年か再来年には凹凸ができ始めるかと思うと、僕もドキドキするよ」
「おい、やめろよそう言う言い方!」
「想像する方が悪くない?」
「年頃の男子とは過敏なんですよ。ちょっとした女性らしい動きにドキッとするとか、濡れた姿にドキッとするとか、うなじにドキッとするとか、色々な女性の仕草にドキドキするのが男性と言う生き物だと思いますよ。男性の本能です、抑えきれませんよね」
「冷静に分析するなよ……」
「冷静に見るのはタダですよ。手を出せば犯罪ですが」
この異世界には、『YES・ロリータ、NO・タッチ』と言う言葉がある。
つまり、見るのはOKなのだ。
お触りはNGなのだ。
しかし近年、男性が無暗に女性、それも年齢問わずに、じっと見るのはご法度になりつつあるらしい。
見ることもNGになった場合、溜まった性欲はどこに発散されるのか心配である。
「アキラのその様子が一般的なのか、僕たちが一般的じゃないのか、心配になってくるね」
「それはありますね」
「いや、どう考えてもお前たち達観しすぎだろ? 今度性教育が男女別れてあるのに、お前ら二人だけ全然ニヤニヤもしなかったしな」
「あれ、周りの男子がちょっと気持ち悪かったね」
「世間一般的には、女性の体に興味が出始める年齢なのは間違いない事でしょう。そこでシッカリと性教育があるのなら、将来的に困らないので心配ないのでは?」
「中途半端な性教育は害悪だけどね」
「お前ら達観しすぎだって」
そんな事を語っていればアキラも頭も股間も冷めたらしく、背中をトントンと叩いて立ち上がった。
収まったようで何よりだ。
「でも正直、来週ある性教育の授業は、ちょこっとだけ楽しみでもあるよね」
「女子と男子で生物的に見ても色々違いますからね」
「そうだね、女子は生理とかあるから」
「あぁ……」
「だから何でそこまで達観してんの?」
最早アキラは呆れ半分諦め半分と言った様子で苦笑いしている。
オル・ディールの世界では女性は初潮を迎えた時点で成人とみなされ、結婚することが出来たし、男性も精通したら成人とみなされていた節がある。
故に、あの世界では性教育と言うのは早めになされ、早く結婚し子を産み育てると言うのが人間社会のルール的な部分はあった。
寧ろ、女性で16歳まで結婚していなかった場合、行き遅れとさえ言われていた世界だ。
それらを考えると、この異世界とは、随分と緩い世界なのかもしれない。
「お兄ちゃんー! 用意できてるよ~!!」
「ああ、すみません。少々話し込んでおりました。直ぐ向かいますよ」
そんな事をツラツラと思っていると勇者がウォーターガンを手に玄関まで駆け寄ってきた。
うむ、見事に平らである。
コレを見てアキラが何故あんなにも狼狽えて股間のキノコが大きくなったのかは謎であるが、そこは触れてはいけないナニカがあるのだろう。
「アキラ」
「ん?」
「ぶちかましますか?」
「――ああ! 一緒に沢山濡れようぜ!!」
「「言い方」」
天然アキラの発言に我と魔法使いが思わず突っ込んでしまったが、そこは清らかアキラが不思議そうな顔をしながら首を傾げていた。
……我と魔法使いは、汚い大人なのかもしれないな。
そんな事を思いながら玄関から出た瞬間、三人揃ってウォーターガンを喰らった。
「1ポイントゲットー!」
「やりましたわー!」
「ずぶ濡れ祭りじゃー!」
そう言って飛びはねる三人平たい娘に我たちは目を向けると――。
「……やってくれましたね」
「さぁ……僕たちも本気で戦おうか」
「負けられないなっ!」
玄関に置かれていたウォーターガンを手に取り、反撃を開始するのだった。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
【完】ノラ・ジョイ シリーズ
丹斗大巴
児童書・童話
✴* ✴* 母の教えを励みに健気に頑張る女の子の成長と恋の物語 ✴* ✴*
▶【シリーズ1】ノラ・ジョイのむげんのいずみ ~みなしごノラの母の教えと盗賊のおかしらイサイアスの知られざる正体~ 母を亡くしてみなしごになったノラ。職探しの果てに、なんと盗賊団に入ることに! 非道な盗賊のお頭イサイアスの元、母の教えを励みに働くノラ。あるとき、イサイアスの正体が発覚! 「え~っ、イサイアスって、王子だったの!?」いつからか互いに惹かれあっていた二人の運命は……? 母の教えを信じ続けた少女が最後に幸せをつかむシンデレラ&サクセスストーリー
▶【シリーズ2】ノラ・ジョイの白獣の末裔 お互いの正体が明らかになり、再会したノラとイサイアス。ノラは令嬢として相応しい教育を受けるために学校へ通うことに。その道中でトラブルに巻き込まれて失踪してしまう。慌てて後を追うイサイアスの前に現れたのは、なんと、ノラにうりふたつの辺境の民の少女。はてさて、この少女はノラなのかそれとも別人なのか……!?
✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴*
荒川ハツコイ物語~宇宙から来た少女と過ごした小学生最後の夏休み~
釈 余白(しやく)
児童書・童話
今より少し前の時代には、子供らが荒川土手に集まって遊ぶのは当たり前だったらしい。野球をしたり凧揚げをしたり釣りをしたり、時には決闘したり下級生の自転車練習に付き合ったりと様々だ。
そんな話を親から聞かされながら育ったせいなのか、僕らの遊び場はもっぱら荒川土手だった。もちろん小学生最後となる六年生の夏休みもいつもと変わらず、いつものように幼馴染で集まってありきたりの遊びに精を出す毎日である。
そして今日は鯉釣りの予定だ。今まで一度も釣り上げたことのない鯉を小学生のうちに釣り上げるのが僕、田口暦(たぐち こよみ)の目標だった。
今日こそはと強い意気込みで釣りを始めた僕だったが、初めての鯉と出会う前に自分を宇宙人だと言う女子、ミクに出会い一目で恋に落ちてしまった。だが夏休みが終わるころには自分の星へ帰ってしまうと言う。
かくして小学生最後の夏休みは、彼女が帰る前に何でもいいから忘れられないくらいの思い出を作り、特別なものにするという目的が最優先となったのだった。
はたして初めての鯉と初めての恋の両方を成就させることができるのだろうか。
盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。
桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。
山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。
そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。
するとその人は優しい声で言いました。
「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」
その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。
(この作品はほぼ毎日更新です)
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。

剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?ただいまお相手募集中です!
月芝
児童書・童話
国の端っこのきわきわにある辺境の里にて。
不自由なりにも快適にすみっこ暮らしをしていたチヨコ。
いずれは都会に出て……なんてことはまるで考えておらず、
実家の畑と趣味の園芸の二刀流で、第一次産業の星を目指す所存。
父母妹、クセの強い里の仲間たち、その他いろいろ。
ちょっぴり変わった環境に囲まれて、すくすく育ち迎えた十一歳。
森で行き倒れの老人を助けたら、なぜだか剣の母に任命されちゃった!!
って、剣の母って何?
世に邪悪があふれ災いがはびこるとき、地上へと神がつかわす天剣(アマノツルギ)。
それを産み出す母体に選ばれてしまった少女。
役に立ちそうで微妙なチカラを授かるも、使命を果たさないと恐ろしい呪いが……。
うかうかしていたら、あっという間に灰色の青春が過ぎて、
孤高の人生の果てに、寂しい老後が待っている。
なんてこったい!
チヨコの明日はどっちだ!
夢の中で人狼ゲーム~負けたら存在消滅するし勝ってもなんかヤバそうなんですが~
世津路 章
児童書・童話
《蒲帆フウキ》は通信簿にも“オオカミ少年”と書かれるほどウソつきな小学生男子。
友達の《東間ホマレ》・《印路ミア》と一緒に、時々担任のこわーい本間先生に怒られつつも、おもしろおかしく暮らしていた。
ある日、駅前で配られていた不思議なカードをもらったフウキたち。それは、夢の中で行われる《バグストマック・ゲーム》への招待状だった。ルールは人狼ゲームだが、勝者はなんでも願いが叶うと聞き、フウキ・ホマレ・ミアは他の参加者と対決することに。
だが、彼らはまだ知らなかった。
ゲームの敗者は、現実から存在が跡形もなく消滅すること――そして勝者ですら、ゲームに潜む呪いから逃れられないことを。
敗退し、この世から消滅した友達を取り戻すため、フウキはゲームマスターに立ち向かう。
果たしてウソつきオオカミ少年は、勝っても負けても詰んでいる人狼ゲームに勝利することができるのだろうか?
8月中、ほぼ毎日更新予定です。
(※他小説サイトに別タイトルで投稿してます)

こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1、ブザービートからはじまる恋〜
おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。
とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。
最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。
先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?
推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕!
※じれじれ?
※ヒーローは第2話から登場。
※5万字前後で完結予定。
※1日1話更新。
※第15回童話・児童書大賞用作品のため、アルファポリス様のみで掲載中。→noichigoさんに転載。
山姥(やまんば)
野松 彦秋
児童書・童話
小学校5年生の仲良し3人組の、テッカ(佐上哲也)、カッチ(野田克彦)、ナオケン(犬塚直哉)。
実は3人とも、同じクラスの女委員長の松本いずみに片思いをしている。
小学校の宿泊研修を楽しみにしていた4人。ある日、宿泊研修の目的地が3枚の御札の昔話が生まれた山である事が分かる。
しかも、10年前自分達の学校の先輩がその山で失踪していた事実がわかる。
行方不明者3名のうち、一人だけ帰って来た先輩がいるという事を知り、興味本位でその人に会いに行く事を思いつく3人。
3人の意中の女の子、委員長松本いずみもその計画に興味を持ち、4人はその先輩に会いに行く事にする。
それが、恐怖の夏休みの始まりであった。
山姥が実在し、4人に危険が迫る。
4人は、信頼する大人達に助けを求めるが、その結果大事な人を失う事に、状況はどんどん悪くなる。
山姥の執拗な追跡に、彼らは生き残る事が出来るのか!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる