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第二章 魔王様、小学校六年生をお過ごしになる
41 魔王様、ある意味真理を得られる
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長崎での修学旅行も終わり、帰路につくバスの中。
魔法使いの暴走の限りを尽くした旅路だったようにも感じつつ、多少の疲労感を感じもしたが、最後の日の枕投げの際、魔法使いはアキラに対して「裏切り者」と口にした。
ふむ、やはりアキラは勇者の事が好きだったか。
気がついてないのは本人だけのようだが、勇者もアキラも鈍感なところがある。
相思相愛なのにお互いその事に気がつかないのは、見ているこちらは悶々とする場合も多いのだが、今回は親友、そして敵でありながら我が妹の事だ。
静かに見守る方向でいようと決めた。
そもそも、オル・ディールの世界ならば我らくらいの年齢の人間の子供は成人して働きに出ているか、中には結婚しているものがいても可笑しくなかったと記憶している。
寿命がこの異世界ほど長くなかったからと言うのもあるし、戦争が多かったと言う理由もあるが、オル・ディールの人間達は早熟だったと思うし、生き急いでいた様にも思える。
この異世界――地球では様々な国があるが、オル・ディールほどの激しい戦争を起こしている国は少なく感じる。
それと同時に、この日本という国に転生したのは運が良かったとも取れるだろう。
安易に命を奪われる世界ではないのだから。
<PBR>
それは魔法使いも同じ様に思っている様だし、転生して社会人という荒波に入るまでは、シッカリと自分を律して、そして時に息抜きをしながら成長して行こうと今回の修学旅行で思った。
<
バスが学校に着くと、後は帰路に着くだけだ。
見慣れた寺の門を潜り、引き戸を開けて中に入ると置くからバタバタとこちらに駆け寄る足音が聞こえてくる。
「帰って来たか魔王!」
「只今戻りました」
「ボクも帰って来たよ!」
「お帰り魔法使い。さぁ二人とも、その手に持っている菓子を私に渡してもらおうか!」
本当に、本当に良い笑顔で両手を差し出した勇者。
思わずその手を思い切りパァン!と叩くと、勇者は蹲って涙目で「何て事をするんだ!」と叫んできた。
「酷いじゃないか魔王!」
「何を仰っているんです? どちらの方が悪いとでも? 貴方は盗賊か追いはぎですか? 勇者が聞いて呆れる」
「なんだと!?」
「ボクのハートも一緒に貰ってくれると最高に幸せだよ勇者!」
「それはいらない! 腹は膨れないから!」
「愛で腹は膨れない……真理ですね」
我の言葉に魔法使いは肩を落として溜息を吐き、勇者は頬を膨らませて怒っている。
此処まで来ると、魔法使いが哀れに思えてくる。頑張れ。
「さぁ、皆で茶でも飲みつつお土産を広げようじゃありませんか。勇者、それでいいですね?」
「そうだな……ついつい気が急いてしまったようだ」
「反省したのなら結構。魔法使いも行きますよ」
「そうだね……」
「そう落ち込まず。愛で腹が膨れないのは真理です」
トドメをさした気もしなくも無いが、三人で茶の間まで向かうと、今回の修学旅行での思い出話でもしながらお土産を広げ、茶菓子に使えそうなものは母が別の部屋へと持って行き、我達は食後のデザートにと、カステラを食べることにした。
あぁ、カステラ。
嗚呼、カステラ。
何故君は、ザラメが最高に美味しいんだ。
脳内でそんな事を考えつつ美味しく頂く。
濃い目の茶に合うこのハーモニー……最早奇跡の出会いだ。
「やはり甘味は最高ですね」
「祐一郎は甘いものが好きだからねぇ」
「美味しいならもう少し美味しそうに食べれば良いのに、顔が無表情だから解りにくいよ」
「無表情ですか?」
「「一度鏡を見ながら甘いものを食べると良い」」
勇者と魔法使い二人の声が揃って我に飛んできた。
我の表情は分かりやすいと聖女はよく言ってくれるのだが……流石聖女と言うべきか、生まれた時から我を見てきたからと言うべきか。
いや、否。
愛の力であろう、そうに違いない。
それ以外は認めない。
「祐一郎、眉間にシワ寄ってるけど何を考えながら食べてるんだ?」
「小雪、お兄ちゃんにあんまりキツイ言葉を使わないのよ?」
「私は本当の事しかいってない!」
「まぁまぁ、確かに祐一郎って基本表情変わらないからさ、慣れてないと何考えてるか解らないもんだよ」
そんな会話を聞きながらも、脳内は再度ザラメの美味しいカステラに集中。
外野の言葉など無視して美味しくカステラを頂いた幸せな日。
修学旅行が終われば夏休みまでもう少し。生徒会長の立候補なども行われる時期になってくるだろう。
そうなれば、また忙しい日々に逆戻りするのだから、平和なひと時を大事にしよう。
「そう言えばバスの中で先生が、夏休みは学校に集まってイベントするって言ってたね」
「そう言えば……一体何を為さるんでしょうね」
「楽しみじゃない? スイカ割りはあるっぽいし」
「それって、六年生だけなのか?」
我と魔法使いの会話に勇者が入ってきたが、残念ながら六年生限定の保護者付きと言うイベントだと伝えると残念そうにしていた。
「お兄ちゃんたちのクラス担当、凄い尖ってる人だからイベントとか楽しそうで羨ましいなぁ」
「まぁ尖ってるというか」
「ヤンキーだよね」
魔法使いの言葉に三人で頷く。
そう、我たちのクラス担当は本当に色々生徒もしでかしたが、担任自体も色々やらかしてる人でもある。
理由は知らないが、教頭と揉めたという話も何度も聞いた。
何より、この時代に珍しくも、小学校の先生であると言うのにリーゼントである。
薄っすら後ろのほうが薄くなってる事は指摘しないでいてあげているクラスメイトの優しさ。
何だかんだと生徒には好かれている担任でもあった。
「私もイベント何か無いかなー」
「なら、花火大会でもしますか」
「お、良いね」
「お寺の駐車場で花火大会とかしますか。その前に七夕イベントがありますが」
「「あー」」
そう、修学旅行が終われば子ども会で短冊だの、忌まわしき思い出の蘇る七夕イベントが毎年行われている。
我と魔法使いは最後のイベント。やっと子ども会と言う訳の解らない集まりから解放される。
だが今年は少し違うようだ。
「そうそう、祐一郎と小雪ちゃん! お母さんの話聞いて聞いて!」
「どうなさったんです?」
「ふふふっ 今年の子ども会の七夕にね! あなた達の従姉妹がやってくるの! 双子で丁度年齢は小雪と一緒かしら」
「おおおおお!!」
喜ぶ勇者と、そう言えば極道に嫁いだ父の妹が居るという話を聞いた事があったなと思い出す。
そうか、従姉妹がやってくるのか。
「それは是非、可愛がってあげなくていけませんね」
「今度の子ども会は何時もと違って楽しくなりそうだね」
初めて会う従姉妹が、勇者の様に可愛くない者ではなく、本当に普通の可愛らしい従姉妹ならば幾らでも可愛がれるんだがな。
正直――嫌な予感がする。
「学校も休んで何泊かするらしいから楽しみね!」
「ええ、今から楽しみです」
「ちょっと緊張するけど楽しみ!」
「ボクはいつも通りだよ」
そんな会話をしながら、七夕祭りのある子ども会までの日々は、平和に過ぎていった――。
魔法使いの暴走の限りを尽くした旅路だったようにも感じつつ、多少の疲労感を感じもしたが、最後の日の枕投げの際、魔法使いはアキラに対して「裏切り者」と口にした。
ふむ、やはりアキラは勇者の事が好きだったか。
気がついてないのは本人だけのようだが、勇者もアキラも鈍感なところがある。
相思相愛なのにお互いその事に気がつかないのは、見ているこちらは悶々とする場合も多いのだが、今回は親友、そして敵でありながら我が妹の事だ。
静かに見守る方向でいようと決めた。
そもそも、オル・ディールの世界ならば我らくらいの年齢の人間の子供は成人して働きに出ているか、中には結婚しているものがいても可笑しくなかったと記憶している。
寿命がこの異世界ほど長くなかったからと言うのもあるし、戦争が多かったと言う理由もあるが、オル・ディールの人間達は早熟だったと思うし、生き急いでいた様にも思える。
この異世界――地球では様々な国があるが、オル・ディールほどの激しい戦争を起こしている国は少なく感じる。
それと同時に、この日本という国に転生したのは運が良かったとも取れるだろう。
安易に命を奪われる世界ではないのだから。
<PBR>
それは魔法使いも同じ様に思っている様だし、転生して社会人という荒波に入るまでは、シッカリと自分を律して、そして時に息抜きをしながら成長して行こうと今回の修学旅行で思った。
<
バスが学校に着くと、後は帰路に着くだけだ。
見慣れた寺の門を潜り、引き戸を開けて中に入ると置くからバタバタとこちらに駆け寄る足音が聞こえてくる。
「帰って来たか魔王!」
「只今戻りました」
「ボクも帰って来たよ!」
「お帰り魔法使い。さぁ二人とも、その手に持っている菓子を私に渡してもらおうか!」
本当に、本当に良い笑顔で両手を差し出した勇者。
思わずその手を思い切りパァン!と叩くと、勇者は蹲って涙目で「何て事をするんだ!」と叫んできた。
「酷いじゃないか魔王!」
「何を仰っているんです? どちらの方が悪いとでも? 貴方は盗賊か追いはぎですか? 勇者が聞いて呆れる」
「なんだと!?」
「ボクのハートも一緒に貰ってくれると最高に幸せだよ勇者!」
「それはいらない! 腹は膨れないから!」
「愛で腹は膨れない……真理ですね」
我の言葉に魔法使いは肩を落として溜息を吐き、勇者は頬を膨らませて怒っている。
此処まで来ると、魔法使いが哀れに思えてくる。頑張れ。
「さぁ、皆で茶でも飲みつつお土産を広げようじゃありませんか。勇者、それでいいですね?」
「そうだな……ついつい気が急いてしまったようだ」
「反省したのなら結構。魔法使いも行きますよ」
「そうだね……」
「そう落ち込まず。愛で腹が膨れないのは真理です」
トドメをさした気もしなくも無いが、三人で茶の間まで向かうと、今回の修学旅行での思い出話でもしながらお土産を広げ、茶菓子に使えそうなものは母が別の部屋へと持って行き、我達は食後のデザートにと、カステラを食べることにした。
あぁ、カステラ。
嗚呼、カステラ。
何故君は、ザラメが最高に美味しいんだ。
脳内でそんな事を考えつつ美味しく頂く。
濃い目の茶に合うこのハーモニー……最早奇跡の出会いだ。
「やはり甘味は最高ですね」
「祐一郎は甘いものが好きだからねぇ」
「美味しいならもう少し美味しそうに食べれば良いのに、顔が無表情だから解りにくいよ」
「無表情ですか?」
「「一度鏡を見ながら甘いものを食べると良い」」
勇者と魔法使い二人の声が揃って我に飛んできた。
我の表情は分かりやすいと聖女はよく言ってくれるのだが……流石聖女と言うべきか、生まれた時から我を見てきたからと言うべきか。
いや、否。
愛の力であろう、そうに違いない。
それ以外は認めない。
「祐一郎、眉間にシワ寄ってるけど何を考えながら食べてるんだ?」
「小雪、お兄ちゃんにあんまりキツイ言葉を使わないのよ?」
「私は本当の事しかいってない!」
「まぁまぁ、確かに祐一郎って基本表情変わらないからさ、慣れてないと何考えてるか解らないもんだよ」
そんな会話を聞きながらも、脳内は再度ザラメの美味しいカステラに集中。
外野の言葉など無視して美味しくカステラを頂いた幸せな日。
修学旅行が終われば夏休みまでもう少し。生徒会長の立候補なども行われる時期になってくるだろう。
そうなれば、また忙しい日々に逆戻りするのだから、平和なひと時を大事にしよう。
「そう言えばバスの中で先生が、夏休みは学校に集まってイベントするって言ってたね」
「そう言えば……一体何を為さるんでしょうね」
「楽しみじゃない? スイカ割りはあるっぽいし」
「それって、六年生だけなのか?」
我と魔法使いの会話に勇者が入ってきたが、残念ながら六年生限定の保護者付きと言うイベントだと伝えると残念そうにしていた。
「お兄ちゃんたちのクラス担当、凄い尖ってる人だからイベントとか楽しそうで羨ましいなぁ」
「まぁ尖ってるというか」
「ヤンキーだよね」
魔法使いの言葉に三人で頷く。
そう、我たちのクラス担当は本当に色々生徒もしでかしたが、担任自体も色々やらかしてる人でもある。
理由は知らないが、教頭と揉めたという話も何度も聞いた。
何より、この時代に珍しくも、小学校の先生であると言うのにリーゼントである。
薄っすら後ろのほうが薄くなってる事は指摘しないでいてあげているクラスメイトの優しさ。
何だかんだと生徒には好かれている担任でもあった。
「私もイベント何か無いかなー」
「なら、花火大会でもしますか」
「お、良いね」
「お寺の駐車場で花火大会とかしますか。その前に七夕イベントがありますが」
「「あー」」
そう、修学旅行が終われば子ども会で短冊だの、忌まわしき思い出の蘇る七夕イベントが毎年行われている。
我と魔法使いは最後のイベント。やっと子ども会と言う訳の解らない集まりから解放される。
だが今年は少し違うようだ。
「そうそう、祐一郎と小雪ちゃん! お母さんの話聞いて聞いて!」
「どうなさったんです?」
「ふふふっ 今年の子ども会の七夕にね! あなた達の従姉妹がやってくるの! 双子で丁度年齢は小雪と一緒かしら」
「おおおおお!!」
喜ぶ勇者と、そう言えば極道に嫁いだ父の妹が居るという話を聞いた事があったなと思い出す。
そうか、従姉妹がやってくるのか。
「それは是非、可愛がってあげなくていけませんね」
「今度の子ども会は何時もと違って楽しくなりそうだね」
初めて会う従姉妹が、勇者の様に可愛くない者ではなく、本当に普通の可愛らしい従姉妹ならば幾らでも可愛がれるんだがな。
正直――嫌な予感がする。
「学校も休んで何泊かするらしいから楽しみね!」
「ええ、今から楽しみです」
「ちょっと緊張するけど楽しみ!」
「ボクはいつも通りだよ」
そんな会話をしながら、七夕祭りのある子ども会までの日々は、平和に過ぎていった――。
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