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第二章 魔王様、小学校六年生をお過ごしになる
39 魔王様、修学旅行に行かれる③
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オル・ディールの世界は、魔族との戦争以外にも人間同士の戦争も頻繁に起きていた。
寧ろ、人間同士の戦争を一旦止める為に魔族と戦争をしていたと言っても過言ではない。
領土争いもあれば、国同士の仲が悪いと言う理由もあったと思う。
魔族視点からみれば、何とも情けないお粗末な戦争だったと思っているが、魔法使いはその人間同士の戦争の犠牲者でもあるのだろう。
「正直、魔王に言う台詞じゃないけどさ、魔族相手の戦争は楽で良かったよ」
そう口にした魔法使いは外をぼんやりと眺めながら小さく溜息を吐いた。
「人間同士はさ、相手の事を人間と思わないんだ。子供だろうが女だろうが老人だろうが関係ない、強い弱い関係なく命を奪い奪われる」
「人間同士の戦争は余り興味がありませんでしたが、孤児の多くが殺されたと言う話は耳にしていますよ」
我の言葉に魔法使いは一瞬だけ眉を寄せた。
だが憂いの顔は直ぐに止め、我の瞳をジッと見つめてくる。
「ボクも戦争孤児さ。逃げて逃げて逃げて、逃げついた先で残党兵に数人に襲われて……初めて魔法を使った」
「……」
「こいつら皆化け物、怖い!! ……そう思ったら残党兵は皆爆発して体がバラバラになってボクの上に落ちてきたよ」
「……それは」
「ザマァミロって思った。自分の力が怖くなった。でも生きて行くためには、生き残る為には魔法に頼るしかなかった……魔法が使えれば国に保護される、どこの国であっても魔法を使える子供は良い兵器になるから。あり難かったよ、毎日三食の温かいご飯が食べれて教育も受けることが出来た。魔力が強いボクは将来的に勇者と共に戦いに出るんだって教え込まれた」
――当時、オル・ディールでは魔力の強い子供を勇者と共に魔王討伐に向かわせていたのは確かだ。
彼らの殆どは魔法使いのような知性的ではなく、欲に駆られた愚者が多かったように思える。勇者であっても村娘を犯して殺すような者すらたまに居たくらいだ。
「勇者の性格、人格次第で旅路が随分変ると聞いてたからね。勇者がまともな人格者で本当に良かったと今でも思ってる。無論他の皆もそれぞれ良い性格をしていたし、仲良く旅が出来たと思ってる。ボクのオル・ディールの生活の中で、魔王城への旅路は最高に幸せな時間だった……と、思う」
「思うとは?」
歯切れ悪く口にした魔法使いに問い掛けると、小さく「聖女が」と口にした。
「戦争を知らない、戦争がどんなものかも知らない聖女が一時期憎かったこともある」
「貴方のように孤児で戦争を経験していれば仕方の無い事でしょう」
「そうかい? ボクは自分の人生を呪ったりはしなかったけど、実際聖女を疎ましく思う輩は多かったのは事実だよ。だから彼女は隔離された部屋でしか生活をしていない。他の子供達との接点を持つ事は禁止されていたからね」
初めて知る聖女の情報に目を見開くと、魔法使いは我から目を逸らした。
「羨ましい気持ちはある、今だってそうだ。勇者は聖女が好きで、今ではアキラに夢中で、けど気持ちは一方通行で。ボクの気持ちは前世も今も一方通行なのが辛くて勇者が憎くなることがある」
「……」
「そろそろボクだって……報われても良いじゃないか」
今にも泣きそうな表情で口にした魔法使いに、我は何も言えなかった。
いや、我が言葉を口にしたところで、それはとても安っぽい言葉しか出ないのが解りきっていたからだ。
きっと魔法使いの欲しい言葉は我では口にする事は出来ない。求めている相手だって違うのだと直ぐに解る。
「魔王に話す内容ではなかったかな?」
自虐的に口にした魔法使いに我は小さく溜息を吐くと「私は話を聞くだけです」と淡々と答えた。
「あなたが味わった苦痛は貴方にしか解りません。私が解ると理解を示す事は貴方への冒涜でしょう」
「はは!本当に魔王だったのかってくらい悟ってるね!」
「少なくとも、私が貴方の人生に口出しするべきことでは無いと判断しました。だって貴方は私の言葉ではなく、自分の気持ちを一番に理解できる“誰か”に聞いて欲しいのでしょう?勇者でもなく、聖女でもなく、アキラでもなく……貴方の苦しい気持ちを一番理解してくれる“誰か”に」
そう伝えると魔法使いは「ご名答だね」と口にし「参ったな」と笑った。
「今の魔王のままオル・ディールで知り合ってたら惚れてたよ」
「おやおや、私は高いですよ?」
「ならボクも同じ値段に上がるだけだろう?」
「違いないですね」
ようやく笑うことが出来た魔法使いは椅子から立ち上がると背伸びをし、大きく深呼吸すると我に向き合った。
「ボクは祐一郎としての魔王を気に入ってるんだ。恋だって応援するし将来の事だって応援する。ボクはまだ新しい一歩を踏み出せないけど、少しだけスッキリしたからね」
「それは僥倖、私も今の恵と言う魔法使いの事は気に入ってますよ」
「だと嬉しいな!」
そこまで話したところで心配になったアキラが部屋に入ってきた。
魔法使いはバス酔いだと心配するアキラの背を叩き、スッカリいつも通りの魔法使いに戻っていた。
――魔法使いが口にした言葉は、全てが本音だったんだろう。
だが、誰にも吐き出せないまま過ごしていて、今日戦争の爪あとを見てフラッシュバックしたのかも知れない。
それでも、一人で乗り越えようとした姿は魔法使いらしくなく、本来孤独な人間だったのかも知れないと思ってしまった。
我もこの世界に転生してから随分と他人を気に掛ける様になったものだ。
僧侶だからなのか、はたまた元々そう言う性格だったのか……周囲の優しさに触れて育ってきたからなのかも知れない。
目の前で何時もの魔法使いとアキラのやり取りを聞きながら、少しだけ安堵の溜息を吐くことができた。
が――。
「さて、先にお風呂だよね? ハハッ!ボクがお風呂に入ってきて何人の男子が股間隠すかな!!楽しみだな!!」
「「外道な」」
何時もの魔法使いはやっぱり、時々、手に負えないなとアキラと語り合った修学旅行の旅館での事。
寧ろ、人間同士の戦争を一旦止める為に魔族と戦争をしていたと言っても過言ではない。
領土争いもあれば、国同士の仲が悪いと言う理由もあったと思う。
魔族視点からみれば、何とも情けないお粗末な戦争だったと思っているが、魔法使いはその人間同士の戦争の犠牲者でもあるのだろう。
「正直、魔王に言う台詞じゃないけどさ、魔族相手の戦争は楽で良かったよ」
そう口にした魔法使いは外をぼんやりと眺めながら小さく溜息を吐いた。
「人間同士はさ、相手の事を人間と思わないんだ。子供だろうが女だろうが老人だろうが関係ない、強い弱い関係なく命を奪い奪われる」
「人間同士の戦争は余り興味がありませんでしたが、孤児の多くが殺されたと言う話は耳にしていますよ」
我の言葉に魔法使いは一瞬だけ眉を寄せた。
だが憂いの顔は直ぐに止め、我の瞳をジッと見つめてくる。
「ボクも戦争孤児さ。逃げて逃げて逃げて、逃げついた先で残党兵に数人に襲われて……初めて魔法を使った」
「……」
「こいつら皆化け物、怖い!! ……そう思ったら残党兵は皆爆発して体がバラバラになってボクの上に落ちてきたよ」
「……それは」
「ザマァミロって思った。自分の力が怖くなった。でも生きて行くためには、生き残る為には魔法に頼るしかなかった……魔法が使えれば国に保護される、どこの国であっても魔法を使える子供は良い兵器になるから。あり難かったよ、毎日三食の温かいご飯が食べれて教育も受けることが出来た。魔力が強いボクは将来的に勇者と共に戦いに出るんだって教え込まれた」
――当時、オル・ディールでは魔力の強い子供を勇者と共に魔王討伐に向かわせていたのは確かだ。
彼らの殆どは魔法使いのような知性的ではなく、欲に駆られた愚者が多かったように思える。勇者であっても村娘を犯して殺すような者すらたまに居たくらいだ。
「勇者の性格、人格次第で旅路が随分変ると聞いてたからね。勇者がまともな人格者で本当に良かったと今でも思ってる。無論他の皆もそれぞれ良い性格をしていたし、仲良く旅が出来たと思ってる。ボクのオル・ディールの生活の中で、魔王城への旅路は最高に幸せな時間だった……と、思う」
「思うとは?」
歯切れ悪く口にした魔法使いに問い掛けると、小さく「聖女が」と口にした。
「戦争を知らない、戦争がどんなものかも知らない聖女が一時期憎かったこともある」
「貴方のように孤児で戦争を経験していれば仕方の無い事でしょう」
「そうかい? ボクは自分の人生を呪ったりはしなかったけど、実際聖女を疎ましく思う輩は多かったのは事実だよ。だから彼女は隔離された部屋でしか生活をしていない。他の子供達との接点を持つ事は禁止されていたからね」
初めて知る聖女の情報に目を見開くと、魔法使いは我から目を逸らした。
「羨ましい気持ちはある、今だってそうだ。勇者は聖女が好きで、今ではアキラに夢中で、けど気持ちは一方通行で。ボクの気持ちは前世も今も一方通行なのが辛くて勇者が憎くなることがある」
「……」
「そろそろボクだって……報われても良いじゃないか」
今にも泣きそうな表情で口にした魔法使いに、我は何も言えなかった。
いや、我が言葉を口にしたところで、それはとても安っぽい言葉しか出ないのが解りきっていたからだ。
きっと魔法使いの欲しい言葉は我では口にする事は出来ない。求めている相手だって違うのだと直ぐに解る。
「魔王に話す内容ではなかったかな?」
自虐的に口にした魔法使いに我は小さく溜息を吐くと「私は話を聞くだけです」と淡々と答えた。
「あなたが味わった苦痛は貴方にしか解りません。私が解ると理解を示す事は貴方への冒涜でしょう」
「はは!本当に魔王だったのかってくらい悟ってるね!」
「少なくとも、私が貴方の人生に口出しするべきことでは無いと判断しました。だって貴方は私の言葉ではなく、自分の気持ちを一番に理解できる“誰か”に聞いて欲しいのでしょう?勇者でもなく、聖女でもなく、アキラでもなく……貴方の苦しい気持ちを一番理解してくれる“誰か”に」
そう伝えると魔法使いは「ご名答だね」と口にし「参ったな」と笑った。
「今の魔王のままオル・ディールで知り合ってたら惚れてたよ」
「おやおや、私は高いですよ?」
「ならボクも同じ値段に上がるだけだろう?」
「違いないですね」
ようやく笑うことが出来た魔法使いは椅子から立ち上がると背伸びをし、大きく深呼吸すると我に向き合った。
「ボクは祐一郎としての魔王を気に入ってるんだ。恋だって応援するし将来の事だって応援する。ボクはまだ新しい一歩を踏み出せないけど、少しだけスッキリしたからね」
「それは僥倖、私も今の恵と言う魔法使いの事は気に入ってますよ」
「だと嬉しいな!」
そこまで話したところで心配になったアキラが部屋に入ってきた。
魔法使いはバス酔いだと心配するアキラの背を叩き、スッカリいつも通りの魔法使いに戻っていた。
――魔法使いが口にした言葉は、全てが本音だったんだろう。
だが、誰にも吐き出せないまま過ごしていて、今日戦争の爪あとを見てフラッシュバックしたのかも知れない。
それでも、一人で乗り越えようとした姿は魔法使いらしくなく、本来孤独な人間だったのかも知れないと思ってしまった。
我もこの世界に転生してから随分と他人を気に掛ける様になったものだ。
僧侶だからなのか、はたまた元々そう言う性格だったのか……周囲の優しさに触れて育ってきたからなのかも知れない。
目の前で何時もの魔法使いとアキラのやり取りを聞きながら、少しだけ安堵の溜息を吐くことができた。
が――。
「さて、先にお風呂だよね? ハハッ!ボクがお風呂に入ってきて何人の男子が股間隠すかな!!楽しみだな!!」
「「外道な」」
何時もの魔法使いはやっぱり、時々、手に負えないなとアキラと語り合った修学旅行の旅館での事。
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