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第一章 魔王様、少年期をお過ごしになる
24 魔王様、素敵な仲間と出会われる
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寺とは本来神聖な場所……そう、言うなれば神殿の様な場所の筈。
でも今、ボクが向かっている場所は神聖とは程遠い……まるで魔王城に乗り込むような感覚さえ感じる。寺の厳かな門ですら魔王城の扉のようだ。
父にばれない様に何時ものポーカーフェイスで門を潜り、歩く道はまるで魔王の玉座に向かうかのようだった。
――何故?
私はこの世界に、この異世界に転生してきた筈。
――何故?
この神聖な寺と言う場所が魔王の気配で包まれていること。
――何故?
下手な真似をすればボクなど直ぐに殺されてしまうだろう。
まだ父の実家に向かうほうがマシだ。
「恵は覚えてないだろうけれど、生まれて少しの間はこの寺でお世話になったんだよ」
「へぇ……」
「お前の母さんが亡くなって、代わりに副住職のお嫁さんがお前に母乳を与えてくれた。懐かしいなぁ」
呑気な父親の言葉など頭に殆ど入ってこない。
出迎えてくれたのはボクに母乳を分け与えてくれたと言う副住職の嫁である政代さんだった。もし当時から記憶が戻っているのなら彼女の事だって覚えていたはずだ。
けれど、ボクの記憶が戻ったのはつい最近――今年の初めの事だった。
最初は困惑したけれど、勇者だってこの世界に転生しているはず。
ボクは彼を探すために自由に動けるようになったら旅に出ようとさえ思っていた。
勇者の為にボクは存在する。
勇者の為にボクは偉大なる魔法使いになった。
ボクのおかげで魔王を追い詰めることが出来たとさえ思ってる。
勇者にボクを認めてもらうためなら何でもやった。
けれど――勇者はいつも聖女の事で頭がいっぱいだった。
ボクのことなんか気にもしない……。
ボクがいくら想いを告げても「大切な仲間だと思ってる」と言ってはぐらされた。
――聖女さえいなければ。
――聖女さえ死んでくれれば。
そしてあの時、魔王と共に聖女が封印された瞬間、ボクは喜びというものを噛み締めた。
あぁ、これで勇者はボクのモノだ。
もう誰にも渡さない。
そう思ったのに、勇者は聖女を救い出すために旅に出るといって報告が終わり次第動き出した。
ボクは慌てて勇者について行った。
僧侶と武闘家だってついてきた。
戦士は残ったけれど、ボクたちは必死な勇者を支える為に頑張って――結果がコレだ。
魂だけの転生。
肉体はまだオル・ディールにあるのだろうがきっと封印されてしまっている。
戻ることが出来るかどうかも怪しいところだが、一先ずはこの異世界で勇者を探すことがボクの記憶が戻ってからのやりたい事になった。
記憶が戻ったボクに魔法は使えない、けれど脳から情報を聞き出すような技は使えた。
ボクは【毒電波】と名付けた。
相手の精神を蹂躙することが出来る素敵な魔法だ。
その力を使い情報収集の為に色々やったのは間違いない。
おかげでボクは地区で恐れられる子供になってしまった。
「あの子に近付くと廃人になってしまう」
「あの子は呪いを使えるらしい」
「この前、不良グループが恵に殺されたらしいよ」
そんな噂話が出回ったが、得られた勇者の情報は何も無かった。
もっと遠い場所にいるんだろうか。
いや、そっちも気になるが取りあえずはこの気配だ。
間違いなく魔王の気配……ボクと父は案内された部屋で待ちながらお茶を飲んだ。
すると、これからボクが世話になるというご住職と副住職、そしてその妻達がやって来た。
彼らからは魔王の気配は無い、となると――誰が魔王なのだろうか?
「もうそろそろ祐一郎が来るはずだ。茶菓子を作ってくれていてね」
「おぉ、良い香りがしますね」
「祐一郎は我が家では料理担当なの。妹の小雪にも毎日お昼はお弁当を作ってくれるし」
「小雪ちゃんはお元気ですか?」
「もう直ぐ昼寝から起きて来ると思うわ」
魔王が料理をするはずが無い。
ましてや妹思いの魔王など想像も出来ない。
となると――小雪と言う奴が魔王か?
そんな事を思っていると、ズンッと重い空気が圧し掛かる。
いや、近付いてくる。
――小雪という魔王が起きたのか!?
だが、ここは異世界……慌てる事無く今後の行動を見極めなくてはならない。
魔王と一緒に生活する事になるのなら、一歩間違えばボクなんか簡単に殺されるだろう。
汗が流れ落ちる……喉が渇く。
震えそうになる足を押さえつけ開かれた襖からは――ボクと同じくらいの年齢の少年が立っていた。
「お茶菓子をお持ちしました」
「おお、すまんな祐一郎」
そっちか――!!
魔王が作った茶菓子なんか食えるか――!!
寧ろ料理担当の魔王とかあの時のイメージが崩れる――!!
内心叫んだが、ボクと目が合うと魔王はフッと笑みを零した。
ボクはと言うと表情一つ崩さずポーカーフェイスだ。
「皆様の御口に合うと宜しいのですが」
「おぉ、おはぎですか」
「甘さは控えめにしてあります」
「祐一郎の作る料理は何でも美味しいのよ~! 恵くんも食べて食べて!」
「いただきます」
平静を保ち一口食べると――なんと言う事でしょう、今まで食べたおはぎの中で一番美味しい。
組で出された高級菓子よりも更に上を行く美味さ……コレも魔王の持つ力なのか?
「どうです? 恵さん」
「美味しいです」
「御口にあって良かったです。そろそろ小雪も起きてきますよ、あの子は菓子には敏感なんです」
その言葉どおり廊下からパタパタと足音が聞こえてくる。
そして開かれた襖からは可愛らしい女の――勇者!?
ボクと勇者が目が合った瞬間、勇者は目を見開きボクを見つめて固まっている。
そして次第に顔面蒼白になり口をパクパクと動かしているじゃないか。
反対にボクの顔は父親ですら驚くほど喜びに満ちた顔をしている。
「――おかしはいらな」
「お待ちなさい小雪、今日から一緒に住む恵さんです。ご挨拶なさい」
「!?」
勇者の腕を握り引き止めた魔王に、今度は魔王を見て震える勇者。
なんて愛らしい少女に生まれ変わったんだ勇者よ!
ボクは生まれて初めて男に生まれてきて良かったと思ったよ!?
「初めまして小雪ちゃん、ボクは恵。これから一緒に住むけど宜しくね?」
「は……じめまして、小雪……です」
「名前も愛らしいね」
「アリガトウゴザイマス」
頬を染めてボクが勇者の事を褒めると、勇者は驚いたことに魔王の後ろに隠れた。
ボクより生前戦った魔王のほうが良いの?
なにそれ、許せないんだけど?
「それでは、大人同士の会話に子供が入るのもなんでしょうし、子供は子供だけで過ごさせていただいても宜しいですか?」
「それもそうね」
「恵、失礼の無い様にするんだぞ?」
「はい!」
ボクはおはぎを食べ終え立ち上がると二人のもとへ駆け寄った。
怯える勇者の姿にゾクゾクする……今にも下半身に備わりし聖剣が奮い立ちそうだ。
「では、オススメの場所で会話をしましょう。鐘打ち堂は私のお気に入りの場所です」
「良いね、是非案内してよ」
「では皆さんごゆっくり、私達は鐘打ち堂で会話を楽しんでまいります」
そう言うとボクは二人と共に鐘打ち堂へとやって来た。
震える勇者が本当に可愛くって、既にそそり立ってるんだけどね。
ボクの最初の目的は一応果たした、さて……問題は魔王と勇者がなぜ兄妹なのかという事。
興奮する気持ちを抑え、ボクは二人に向き合った。
でも今、ボクが向かっている場所は神聖とは程遠い……まるで魔王城に乗り込むような感覚さえ感じる。寺の厳かな門ですら魔王城の扉のようだ。
父にばれない様に何時ものポーカーフェイスで門を潜り、歩く道はまるで魔王の玉座に向かうかのようだった。
――何故?
私はこの世界に、この異世界に転生してきた筈。
――何故?
この神聖な寺と言う場所が魔王の気配で包まれていること。
――何故?
下手な真似をすればボクなど直ぐに殺されてしまうだろう。
まだ父の実家に向かうほうがマシだ。
「恵は覚えてないだろうけれど、生まれて少しの間はこの寺でお世話になったんだよ」
「へぇ……」
「お前の母さんが亡くなって、代わりに副住職のお嫁さんがお前に母乳を与えてくれた。懐かしいなぁ」
呑気な父親の言葉など頭に殆ど入ってこない。
出迎えてくれたのはボクに母乳を分け与えてくれたと言う副住職の嫁である政代さんだった。もし当時から記憶が戻っているのなら彼女の事だって覚えていたはずだ。
けれど、ボクの記憶が戻ったのはつい最近――今年の初めの事だった。
最初は困惑したけれど、勇者だってこの世界に転生しているはず。
ボクは彼を探すために自由に動けるようになったら旅に出ようとさえ思っていた。
勇者の為にボクは存在する。
勇者の為にボクは偉大なる魔法使いになった。
ボクのおかげで魔王を追い詰めることが出来たとさえ思ってる。
勇者にボクを認めてもらうためなら何でもやった。
けれど――勇者はいつも聖女の事で頭がいっぱいだった。
ボクのことなんか気にもしない……。
ボクがいくら想いを告げても「大切な仲間だと思ってる」と言ってはぐらされた。
――聖女さえいなければ。
――聖女さえ死んでくれれば。
そしてあの時、魔王と共に聖女が封印された瞬間、ボクは喜びというものを噛み締めた。
あぁ、これで勇者はボクのモノだ。
もう誰にも渡さない。
そう思ったのに、勇者は聖女を救い出すために旅に出るといって報告が終わり次第動き出した。
ボクは慌てて勇者について行った。
僧侶と武闘家だってついてきた。
戦士は残ったけれど、ボクたちは必死な勇者を支える為に頑張って――結果がコレだ。
魂だけの転生。
肉体はまだオル・ディールにあるのだろうがきっと封印されてしまっている。
戻ることが出来るかどうかも怪しいところだが、一先ずはこの異世界で勇者を探すことがボクの記憶が戻ってからのやりたい事になった。
記憶が戻ったボクに魔法は使えない、けれど脳から情報を聞き出すような技は使えた。
ボクは【毒電波】と名付けた。
相手の精神を蹂躙することが出来る素敵な魔法だ。
その力を使い情報収集の為に色々やったのは間違いない。
おかげでボクは地区で恐れられる子供になってしまった。
「あの子に近付くと廃人になってしまう」
「あの子は呪いを使えるらしい」
「この前、不良グループが恵に殺されたらしいよ」
そんな噂話が出回ったが、得られた勇者の情報は何も無かった。
もっと遠い場所にいるんだろうか。
いや、そっちも気になるが取りあえずはこの気配だ。
間違いなく魔王の気配……ボクと父は案内された部屋で待ちながらお茶を飲んだ。
すると、これからボクが世話になるというご住職と副住職、そしてその妻達がやって来た。
彼らからは魔王の気配は無い、となると――誰が魔王なのだろうか?
「もうそろそろ祐一郎が来るはずだ。茶菓子を作ってくれていてね」
「おぉ、良い香りがしますね」
「祐一郎は我が家では料理担当なの。妹の小雪にも毎日お昼はお弁当を作ってくれるし」
「小雪ちゃんはお元気ですか?」
「もう直ぐ昼寝から起きて来ると思うわ」
魔王が料理をするはずが無い。
ましてや妹思いの魔王など想像も出来ない。
となると――小雪と言う奴が魔王か?
そんな事を思っていると、ズンッと重い空気が圧し掛かる。
いや、近付いてくる。
――小雪という魔王が起きたのか!?
だが、ここは異世界……慌てる事無く今後の行動を見極めなくてはならない。
魔王と一緒に生活する事になるのなら、一歩間違えばボクなんか簡単に殺されるだろう。
汗が流れ落ちる……喉が渇く。
震えそうになる足を押さえつけ開かれた襖からは――ボクと同じくらいの年齢の少年が立っていた。
「お茶菓子をお持ちしました」
「おお、すまんな祐一郎」
そっちか――!!
魔王が作った茶菓子なんか食えるか――!!
寧ろ料理担当の魔王とかあの時のイメージが崩れる――!!
内心叫んだが、ボクと目が合うと魔王はフッと笑みを零した。
ボクはと言うと表情一つ崩さずポーカーフェイスだ。
「皆様の御口に合うと宜しいのですが」
「おぉ、おはぎですか」
「甘さは控えめにしてあります」
「祐一郎の作る料理は何でも美味しいのよ~! 恵くんも食べて食べて!」
「いただきます」
平静を保ち一口食べると――なんと言う事でしょう、今まで食べたおはぎの中で一番美味しい。
組で出された高級菓子よりも更に上を行く美味さ……コレも魔王の持つ力なのか?
「どうです? 恵さん」
「美味しいです」
「御口にあって良かったです。そろそろ小雪も起きてきますよ、あの子は菓子には敏感なんです」
その言葉どおり廊下からパタパタと足音が聞こえてくる。
そして開かれた襖からは可愛らしい女の――勇者!?
ボクと勇者が目が合った瞬間、勇者は目を見開きボクを見つめて固まっている。
そして次第に顔面蒼白になり口をパクパクと動かしているじゃないか。
反対にボクの顔は父親ですら驚くほど喜びに満ちた顔をしている。
「――おかしはいらな」
「お待ちなさい小雪、今日から一緒に住む恵さんです。ご挨拶なさい」
「!?」
勇者の腕を握り引き止めた魔王に、今度は魔王を見て震える勇者。
なんて愛らしい少女に生まれ変わったんだ勇者よ!
ボクは生まれて初めて男に生まれてきて良かったと思ったよ!?
「初めまして小雪ちゃん、ボクは恵。これから一緒に住むけど宜しくね?」
「は……じめまして、小雪……です」
「名前も愛らしいね」
「アリガトウゴザイマス」
頬を染めてボクが勇者の事を褒めると、勇者は驚いたことに魔王の後ろに隠れた。
ボクより生前戦った魔王のほうが良いの?
なにそれ、許せないんだけど?
「それでは、大人同士の会話に子供が入るのもなんでしょうし、子供は子供だけで過ごさせていただいても宜しいですか?」
「それもそうね」
「恵、失礼の無い様にするんだぞ?」
「はい!」
ボクはおはぎを食べ終え立ち上がると二人のもとへ駆け寄った。
怯える勇者の姿にゾクゾクする……今にも下半身に備わりし聖剣が奮い立ちそうだ。
「では、オススメの場所で会話をしましょう。鐘打ち堂は私のお気に入りの場所です」
「良いね、是非案内してよ」
「では皆さんごゆっくり、私達は鐘打ち堂で会話を楽しんでまいります」
そう言うとボクは二人と共に鐘打ち堂へとやって来た。
震える勇者が本当に可愛くって、既にそそり立ってるんだけどね。
ボクの最初の目的は一応果たした、さて……問題は魔王と勇者がなぜ兄妹なのかという事。
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