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第一章 魔王様、少年期をお過ごしになる
21 魔王様、現代日本に馴染まれる
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土曜、アキラだけではなく聖女とミユも泊まりにきた。
二人増えたが、家族は喜んで受け入れてくれた。
皆を客間に案内し、作務衣を渡すと女性陣はピンク系の作務衣に、アキラは紺色の作務衣に着替えた。
ピンク系の作務衣は小雪も愛用している。
我の作務衣の色は黒が多いのだ。
「は――……作務衣って本当動きやすくて快適だよなぁ。オレも家用に買ってもらおうかなぁ」
「学校に着ていけないのが残念ですね」
朝から泊まりに来た聖女たちは、お世話になるお礼にと我の好きな某所のドーナツを買ってきてくれた。
余り周囲にはバレテいないが、我は甘いものに目がない。
饅頭や大福も大好きだ。
和洋問わず甘いものとは幸せにしてくれる。
その後、女性陣は小雪と過ごしアキラは我と一緒に庭に出て太極拳で身体をほぐしている。
太極拳はアキラが習っていることの一つで、我に教えてくれたものだ。
あの事件以降、アキラは習い事を増やした。
太極拳も含め、空手、柔道、合気道も習っているらしい。
日々習い事で疲れないかと問い掛けた時「将来なりたい職業の為なんだぜ!」と笑っていたのを思い出す。
何より、最近我より身長が伸び始めたアキラに少しだけ負けた気がするのだ。
今までは一番背が高かったのに、夏休み以降アキラにすっかり抜かれてしまった。
由々しき事態である。
「なぁなぁ」
「なんです? 呼吸が乱れますよ」
「土日だけでも寺の広場で太極拳とかできねぇの? 結構人気でると思うけど」
「ふむ、確かに太極拳は身体に良いですね」
ゆっくりとした動きと呼吸、我には合うようだ。
「ですが、市民センターでも太極拳はやっているではないですか」
「やっぱソコだよなぁ。何度か行ったけど同年代いねぇんだもん」
「そこは致し方ないでしょう」
こうして、身体をほぐした我達は聖女達と合流するべく寺に戻った。
昼の三時には楽しいイベントをする予定だが、それまでは祖父の頼みもあり明日の昼二時まで宿坊体験をしてもらう事になっている。
とは言っても、既に時計の針は十時を過ぎていた。
昼になれば精進料理を出すことになっているのだが……現代人には食べる事を見つめなおすチャンスとも言えるだろう。
精進料理とは、解りやすく言えば肉や魚など動物性の食材を使わず、植物性の食材だけを用いた料理の事だ。
野菜の中でもニラ、ネギ、ニンニクなど、臭いがきつい食材は使ってはならず、更に五つの味付けである、甘い、辛い、すっぱい、苦い、塩辛いと、五つの色である赤、白、緑、黄、黒を使ったものの事を言う。
【人間とは、生きる為には命を奪わなければ生きていけない存在である】事を知り、感謝をしなくてはならないと言う教えも含まれているのだ。
近年食事の前に「いただきます」そして食後の「ごちそうさま」が言えない若者が増えていると言うが、実に嘆かわしいものだと我は思っている。
オル・ディールでも食べるものを得ることが出来ない場合も多々あったと聞くが、この異世界の者たちは餓えると言う事が解らないようだな。
食べ物があると言うのは、それだけで心を豊かにしてくれると言うのに。
そう悪態ついても現実を受け入れるしかない今、せめて宿坊に来る者達には理解して貰いたい所だ。
しかし我も元魔王ながら、スッカリこの世界に馴染んでしまったな。
昔の部下が今の我を見れば理解できずに混乱するであろう。
無論、オル・ディールとこの世界が繋がりでもすればの話だが。
「お帰りなさい」
「ただ今帰りました、明日の予定のチェックですか?」
「そうそう! 宿坊がまだ出来てないとはいえ、体験ができるんだからちょっとお得よね」
「でも夜はユウが作ったカレーなんだよな!」
「カレーおいしいよね~!」
嬉しそうに両頬を触る小雪は先程までお絵かきをしていたらしく、机の上には小雪が描いた絵が置かれていた。
主に我と手を繋いでいる絵が多い、こういうのを見ると可愛い妹だと思ってしまう。
「六時四十五分から朝の御勤めって何だろう」
「ああ、御経を上げるので皆さんにも参加してもらうのです。私が読経(どきょう)いたします」
「読経……祐一郎君の読経!!」
「落ち着いてくださいませ」
問い掛けたミユに返事を返したが、安定の発作が出て「萌えを一気に補充してしまう」と震えている。
そんなに萌える要素がどこにあるのだろうか……。
そんなミユの言動に慣れている聖女が我に問い掛けてくる。
「七時十五分からは坐禅なのね」
「ええ、私は寝る前にも坐禅を組む習慣をつけるほど良いものですよ」
「瞑想とは違うの? 似たようなものに感じるけど」
「眼を閉じて思考する瞑想と坐禅は別概念なのです。簡単にご説明するなら坐禅とは姿勢を正して坐って(すわって)精神統一を行う禅の基本的修行方法なのですよ」
「なるほど……」
「呼吸法とやり方については、明日ご説明致しますね」
ミユと聖女は坐禅の坐り方を「テレビで見たけどこんな感じだっけ?」と語りながら語り合っている。禅に興味がある事は良いことだと思っていると昼になり、別室に用意された部屋にて精進料理が出された。
味付けこそまだ手を入れる余地はありそうだが、中々美味しい。聖女達もゆっくり噛んで味わっているようだ。
食事が終われば我は片付けついでに台所に向かい精進料理を作った母と祖母に味付けに関しての感想を言う。これも我にとっては需要な役目なのだ。
「さて、そろそろアレの準備をしますか」
「ワシも手伝おうかのう」
「お爺様もアレ、頂きますか?」
「美味いからなぁ……」
台所の我専用の冷蔵庫の上から取り出したソレを見て嬉しそうに微笑む祖父の言葉。
そう、我が手にしているのは――銀色のアルミホイルに包まれたモノだ。
「「フフフ……」」
祖父と顔を見合わせて笑い、これから始まる楽しいお楽しみ会に胸が踊る。
落葉(おちば)を集めておいて良かったとシミジミ思うのだ。
「お爺様、バターも後で出しましょうか」
「うむ、それは素晴らしい味となるじゃろう」
「本当は十一月頃が一番美味しい時期なのですが、その頃またやりましょう」
作っておいた分だけのソレを取り出し聖女達の元へ祖父と向かう。
皆にアルミホイルに包まれたソレを見せた時アキラからは「何だこれ」と言われたが、コレが今から最高に美味しくなる食べ物になるのだ。
「祐ちゃんコレってもしかして……」
「心寿は思い当たるものがあったようですね」
「なになに?」
「これは……今から落葉で焼き芋をするのですよ」
「「「おおおお!!」」」
「その為に数日落葉を集めました、さぁ、裏庭に行きましょう」
こうして裏庭に向かい山になった落葉を見てアキラはテンションが上がったようだ。
今日は風も穏やかで丁度良いし風向きも安全そうだ。
うむ、これなら七輪を今度出してキノコを焼いても良いやも知れんな。
特性タレでもいいが、醤油と塩のどちらかをつけて……更に鰹節(かつおぶし)も忘れてはならぬな。
あぁ、七輪で焼くサンマも捨てがたい……。
我の食へ対する冒険心はまだまだ止まりそうにないな。
高校は自分で作物を育てて料理も出来るという近くの農業高校にでも進もうか……。
そんな事を思いながらバケツに水を用意し、落葉を幾つか分けて中にアルミホイルに包んだ芋を入れて新聞紙に火を着ける。
「こう言う事が出来るのって贅沢ね!」
「ええ、私もそう思います」
「そうだねぇ、一般の家で落葉で焼き芋なんて早々出来ないしね、貴重だわ」
「オレ、ユウと友達で良かったわ」
本当にシミジミと口にするアキラに思わず笑ってしまったが、焼きあがるまでは暫く時間が掛かる。
それまでは皆で火を見つめながら楽しく雑談していたのだが――。
二人増えたが、家族は喜んで受け入れてくれた。
皆を客間に案内し、作務衣を渡すと女性陣はピンク系の作務衣に、アキラは紺色の作務衣に着替えた。
ピンク系の作務衣は小雪も愛用している。
我の作務衣の色は黒が多いのだ。
「は――……作務衣って本当動きやすくて快適だよなぁ。オレも家用に買ってもらおうかなぁ」
「学校に着ていけないのが残念ですね」
朝から泊まりに来た聖女たちは、お世話になるお礼にと我の好きな某所のドーナツを買ってきてくれた。
余り周囲にはバレテいないが、我は甘いものに目がない。
饅頭や大福も大好きだ。
和洋問わず甘いものとは幸せにしてくれる。
その後、女性陣は小雪と過ごしアキラは我と一緒に庭に出て太極拳で身体をほぐしている。
太極拳はアキラが習っていることの一つで、我に教えてくれたものだ。
あの事件以降、アキラは習い事を増やした。
太極拳も含め、空手、柔道、合気道も習っているらしい。
日々習い事で疲れないかと問い掛けた時「将来なりたい職業の為なんだぜ!」と笑っていたのを思い出す。
何より、最近我より身長が伸び始めたアキラに少しだけ負けた気がするのだ。
今までは一番背が高かったのに、夏休み以降アキラにすっかり抜かれてしまった。
由々しき事態である。
「なぁなぁ」
「なんです? 呼吸が乱れますよ」
「土日だけでも寺の広場で太極拳とかできねぇの? 結構人気でると思うけど」
「ふむ、確かに太極拳は身体に良いですね」
ゆっくりとした動きと呼吸、我には合うようだ。
「ですが、市民センターでも太極拳はやっているではないですか」
「やっぱソコだよなぁ。何度か行ったけど同年代いねぇんだもん」
「そこは致し方ないでしょう」
こうして、身体をほぐした我達は聖女達と合流するべく寺に戻った。
昼の三時には楽しいイベントをする予定だが、それまでは祖父の頼みもあり明日の昼二時まで宿坊体験をしてもらう事になっている。
とは言っても、既に時計の針は十時を過ぎていた。
昼になれば精進料理を出すことになっているのだが……現代人には食べる事を見つめなおすチャンスとも言えるだろう。
精進料理とは、解りやすく言えば肉や魚など動物性の食材を使わず、植物性の食材だけを用いた料理の事だ。
野菜の中でもニラ、ネギ、ニンニクなど、臭いがきつい食材は使ってはならず、更に五つの味付けである、甘い、辛い、すっぱい、苦い、塩辛いと、五つの色である赤、白、緑、黄、黒を使ったものの事を言う。
【人間とは、生きる為には命を奪わなければ生きていけない存在である】事を知り、感謝をしなくてはならないと言う教えも含まれているのだ。
近年食事の前に「いただきます」そして食後の「ごちそうさま」が言えない若者が増えていると言うが、実に嘆かわしいものだと我は思っている。
オル・ディールでも食べるものを得ることが出来ない場合も多々あったと聞くが、この異世界の者たちは餓えると言う事が解らないようだな。
食べ物があると言うのは、それだけで心を豊かにしてくれると言うのに。
そう悪態ついても現実を受け入れるしかない今、せめて宿坊に来る者達には理解して貰いたい所だ。
しかし我も元魔王ながら、スッカリこの世界に馴染んでしまったな。
昔の部下が今の我を見れば理解できずに混乱するであろう。
無論、オル・ディールとこの世界が繋がりでもすればの話だが。
「お帰りなさい」
「ただ今帰りました、明日の予定のチェックですか?」
「そうそう! 宿坊がまだ出来てないとはいえ、体験ができるんだからちょっとお得よね」
「でも夜はユウが作ったカレーなんだよな!」
「カレーおいしいよね~!」
嬉しそうに両頬を触る小雪は先程までお絵かきをしていたらしく、机の上には小雪が描いた絵が置かれていた。
主に我と手を繋いでいる絵が多い、こういうのを見ると可愛い妹だと思ってしまう。
「六時四十五分から朝の御勤めって何だろう」
「ああ、御経を上げるので皆さんにも参加してもらうのです。私が読経(どきょう)いたします」
「読経……祐一郎君の読経!!」
「落ち着いてくださいませ」
問い掛けたミユに返事を返したが、安定の発作が出て「萌えを一気に補充してしまう」と震えている。
そんなに萌える要素がどこにあるのだろうか……。
そんなミユの言動に慣れている聖女が我に問い掛けてくる。
「七時十五分からは坐禅なのね」
「ええ、私は寝る前にも坐禅を組む習慣をつけるほど良いものですよ」
「瞑想とは違うの? 似たようなものに感じるけど」
「眼を閉じて思考する瞑想と坐禅は別概念なのです。簡単にご説明するなら坐禅とは姿勢を正して坐って(すわって)精神統一を行う禅の基本的修行方法なのですよ」
「なるほど……」
「呼吸法とやり方については、明日ご説明致しますね」
ミユと聖女は坐禅の坐り方を「テレビで見たけどこんな感じだっけ?」と語りながら語り合っている。禅に興味がある事は良いことだと思っていると昼になり、別室に用意された部屋にて精進料理が出された。
味付けこそまだ手を入れる余地はありそうだが、中々美味しい。聖女達もゆっくり噛んで味わっているようだ。
食事が終われば我は片付けついでに台所に向かい精進料理を作った母と祖母に味付けに関しての感想を言う。これも我にとっては需要な役目なのだ。
「さて、そろそろアレの準備をしますか」
「ワシも手伝おうかのう」
「お爺様もアレ、頂きますか?」
「美味いからなぁ……」
台所の我専用の冷蔵庫の上から取り出したソレを見て嬉しそうに微笑む祖父の言葉。
そう、我が手にしているのは――銀色のアルミホイルに包まれたモノだ。
「「フフフ……」」
祖父と顔を見合わせて笑い、これから始まる楽しいお楽しみ会に胸が踊る。
落葉(おちば)を集めておいて良かったとシミジミ思うのだ。
「お爺様、バターも後で出しましょうか」
「うむ、それは素晴らしい味となるじゃろう」
「本当は十一月頃が一番美味しい時期なのですが、その頃またやりましょう」
作っておいた分だけのソレを取り出し聖女達の元へ祖父と向かう。
皆にアルミホイルに包まれたソレを見せた時アキラからは「何だこれ」と言われたが、コレが今から最高に美味しくなる食べ物になるのだ。
「祐ちゃんコレってもしかして……」
「心寿は思い当たるものがあったようですね」
「なになに?」
「これは……今から落葉で焼き芋をするのですよ」
「「「おおおお!!」」」
「その為に数日落葉を集めました、さぁ、裏庭に行きましょう」
こうして裏庭に向かい山になった落葉を見てアキラはテンションが上がったようだ。
今日は風も穏やかで丁度良いし風向きも安全そうだ。
うむ、これなら七輪を今度出してキノコを焼いても良いやも知れんな。
特性タレでもいいが、醤油と塩のどちらかをつけて……更に鰹節(かつおぶし)も忘れてはならぬな。
あぁ、七輪で焼くサンマも捨てがたい……。
我の食へ対する冒険心はまだまだ止まりそうにないな。
高校は自分で作物を育てて料理も出来るという近くの農業高校にでも進もうか……。
そんな事を思いながらバケツに水を用意し、落葉を幾つか分けて中にアルミホイルに包んだ芋を入れて新聞紙に火を着ける。
「こう言う事が出来るのって贅沢ね!」
「ええ、私もそう思います」
「そうだねぇ、一般の家で落葉で焼き芋なんて早々出来ないしね、貴重だわ」
「オレ、ユウと友達で良かったわ」
本当にシミジミと口にするアキラに思わず笑ってしまったが、焼きあがるまでは暫く時間が掛かる。
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