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第一章 魔王様、少年期をお過ごしになる
4 魔王様、忍者村で聖女とイチャイチャされる
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五月と言えばGWもあり、世の中は家族で出かけたりと賑やかなものだ。
しかし、それらは一般的な家庭を言うのであって、寺にはあまり関係のないことであったりもする。
この世界でもそうだが、毎日人が産まれれば、毎日どこかで人が死ぬ。
どこかで葬式はあるもので、寺が休みになることは無いに等しい。
ゆえに、子供のうちは遊べるうちに遊べと言うのが我の家の教育だ。
遊ぶ? その様な暇など無い。
御経を覚え、御経を書き、祖父や父に色々な事を教わる。
そんな普通の子供とは離れた生活をしいれば、悟りを開く事も早いと言えよう。
いや、悟りを開くなどと魔王が言うべき言葉では無いな。
もっと俗物にまみれるべきだと思うが、我の頭の中は常に聖女の事で一杯だ。
欲にまみれていると言って過言ではない。
その一部に、勇者を掌で遊ばせると言う楽しみも付け加えておこうか。
とは言え、今日はこどもの日。
朝から母が作ったお弁当を持って、母と勇者と我とで子ども会のバス遠足へと向かう。
無論、聖女の隣はゲットしてある。
他の男共が我を睨み付けているが気にすることではない。
攻撃を仕掛けられれば捻り潰せる程度の相手だ。
早速バスに乗り込み聖女の隣に座っていると、後ろの席からアキラが声を掛けてきた。
どうやらアキラの姉と一緒に乗っているらしく、聖女も楽しそうに会話をしている。
「祐ちゃんお菓子食べる?」
「いただきます」
「本当礼儀正しいのね、うちのアキラとは大違いだわ」
「ユウは礼儀正しいって言っただろ~?」
「心寿が自慢するのもわかるな~」
聖女が我を自慢している?
アキラの姉の言葉に「そうなのですか?」と問い掛けると、聖女は顔を赤くしながら「ちょっとミユちゃん!」と慌てている。
「そうよ~? 何かあると祐一郎君の事ばかり話すんだから。他の男子が可哀想よね~」
――他の男子!?
「もう!私は精神的に大人の男性が好きなの!」
「でも祐一郎君とは十一歳も年離れてるじゃない」
「ん~ギャップ萌え?」
「あ~それは仕方ないわ。解るわソレ」
女にしか解らぬことの様だ。
考えるだけ無駄であろう。
しかし、我を自慢する聖女か……悪くない、寧ろ、実に良い。
隣で小さく勇者が舌打ちしたのが聴こえたが、我は目線だけ隣に座る勇者を見つめニヤリと笑った。
そうこうしている内に忍者村に到着し、我たちは皆で集まると荷物を置き、昼過ぎまで過ごすことになった。
しかし――。
「わたしもあそぶ~!!」
「小雪ちゃんはまだ三歳だから、動物さんと遊ぼうか」
「おかあさんとじゃな――い!!」
勇者の哀れな叫び声。
我は勇者を無視して聖女の手を取りその場から離れた。
沢山の子供達で賑わう忍者村と言う場所は、どうやら他の小学校から来ている所も多いらしい。
とは言え……うむ、実に見るものが少ない。
いや、楽しい場所であることには違いないのだろう。
アキラなど率先して駆け回っている。
まるで犬だな。
魔王城の周りを走るケルベロスのほうがまだ幾分大人しいとさえ思うぞ。
「チャンバラごっこまで時間あるし忍者屋敷いってみよっか? 迷路みたいで面白いよ!」
「それは良いですね。心寿は屋敷の中を覚えているのでしょう?」
「ん――」
目を逸らす聖女。
我はニッコリと微笑んだ。
「以前墓参りに来た方がお茶を飲んで行かれたのですが、その際面白い話を御聞きしました」
「へ……へぇ~!」
「ええ、貴女が忍者屋敷で出られなくなってスタッフの方が連れてきたと。何でもバスに乗り遅れるほど長い時間迷っていたようですね」
「はは……祐ちゃん情報通~」
「貴女の事に関しては」
優しく微笑み聖女の手を握り締めると、聖女は頬を染めながら我を見つめた。
「一緒なら怖くはありませんよね? こう見えて私は記憶力には自信があります」
「じゃあ、忍者屋敷にいる間は手を握っててね?」
「幾らでも」
こうして我と聖女は忍者屋敷なるモノを堪能した。
ココに隠し扉がある等と説明をしていたら子供達ですら感心してついてきた。
邪魔なことこの上ないが、子供から発せられる「アイツすげぇ!」は中々良いものがあるな。
聖女も「祐ちゃん凄い!」と我を褒め称える。
忍者屋敷と言えば罠などが多いイメージを持っていたが、どうやらその辺りは子供に合わせて作られていないようだな。
魔王城なら色々と仕掛けを作るのも楽しい遊びの一つだったが……思い返せばよく聖女は無事に我の元へと来れたものだ。
精神的苦痛を与えるものも多くおいていた筈だが……。
意外に聖女は精神的鈍感なのかもしれないな。
「一度攻略すると面白く感じるね!」
「そうですか? 私には少々物足りなくあります」
「祐ちゃんはシュミレーターゲームとかRPGとか好きそうだなぁ」
「ゲームですか? 祖父となら囲碁や将棋を嗜みますが」
「そう言うゲームじゃなくって、テレビゲームだよ」
そう言えば父が購入して居間に置いてあるのを思い出す。
育成ゲームとか言うのにハマっていたような気がするが、それは娘を育てるゲームだったと記憶している。
我の好みではないな……それに、実際目の前にいる聖女を育成中だ。
これ以上の育成相手は他にいないだろう。
「私はRPGが好きなんだ~! 冒険しながらレベル上げて、ストーリー進めて、キャラ達のやり取りに萌えて」
「最後は聞かなかったことにしたほうが宜しいでしょうか?」
「BLも好きだけどネタとしてだよ!?」
素直に答えるところがまた良い。
そうか、聖女は男色好きか。
些か問題はあるが、個人の趣味ならばそっとしておいたほうが良いだろうが、我は違う。
「男色は日本では古来から存在していましたし、戦国武将でも男色は多かったと聞いていますよ。珍しいことでは無いでしょう?」
「うう……祐ちゃん物分りよすぎるよ……」
実際前の世界でも男色は多く見られた。
流石に所構わず発情するのだけは禁止にしたが、男同士だけではなく女同士でも多く見かけたものだ。
つまり、この世界の軟弱な人間達とは最初のスタートラインが違うのだ。
「誰にも言わないでね?」
可愛らしくお願いしてくる聖女に微笑み「お約束は出来ませんが」とだけ口にする。
そうすれば、ほらこの通り。
必死に私に口止めしようとする聖女が余りにも可愛らしい。
「祐ちゃんの意地悪!」
「すみません、貴女が可愛らしすぎて……思わずいじめてしまいました」
「もう……っ! 笑いながら謝罪されても信憑性ないなー」
「そうやって怒る貴女も可愛らしいですよ」
聖女の手を取り口付けをすると、顔を真っ赤させながら「わかったから!」と慌てふためいている。
本当に可愛らしい聖女だ。
「全く、小さい頃は可愛かったのに」
「私は精神的には大人ですから。僧侶となる為の修行を欠かしたことが無いのも貴方はご存知でしょう?」
「まぁ……そうだね」
「全ては貴女のためですよ」
聖女を見つめ本心からの言葉を告げると、耳まで真っ赤に染めた聖女が我を見つめている。
「フフ、そこまで硬直せずとも宜しいのに」
「祐ちゃんが悪いんだから!」
「はいはい、私が悪いですよ。さぁ、そろそろ昼食の時間ですし皆さんの所へ向かいましょう」
そう告げると我は聖女の手を握り歩き出した。
午後はチャンバラごっこだ。
ステージに上がり子供同士や大人も混ざって戦うのだとアキラから聞いている。
この世界にきて初めての戦闘だ。我も手加減はするものの楽しませてもらおう。
しかし――このチャンバラごっこが後に敵を生むことになるとは、今は誰も知らない。
しかし、それらは一般的な家庭を言うのであって、寺にはあまり関係のないことであったりもする。
この世界でもそうだが、毎日人が産まれれば、毎日どこかで人が死ぬ。
どこかで葬式はあるもので、寺が休みになることは無いに等しい。
ゆえに、子供のうちは遊べるうちに遊べと言うのが我の家の教育だ。
遊ぶ? その様な暇など無い。
御経を覚え、御経を書き、祖父や父に色々な事を教わる。
そんな普通の子供とは離れた生活をしいれば、悟りを開く事も早いと言えよう。
いや、悟りを開くなどと魔王が言うべき言葉では無いな。
もっと俗物にまみれるべきだと思うが、我の頭の中は常に聖女の事で一杯だ。
欲にまみれていると言って過言ではない。
その一部に、勇者を掌で遊ばせると言う楽しみも付け加えておこうか。
とは言え、今日はこどもの日。
朝から母が作ったお弁当を持って、母と勇者と我とで子ども会のバス遠足へと向かう。
無論、聖女の隣はゲットしてある。
他の男共が我を睨み付けているが気にすることではない。
攻撃を仕掛けられれば捻り潰せる程度の相手だ。
早速バスに乗り込み聖女の隣に座っていると、後ろの席からアキラが声を掛けてきた。
どうやらアキラの姉と一緒に乗っているらしく、聖女も楽しそうに会話をしている。
「祐ちゃんお菓子食べる?」
「いただきます」
「本当礼儀正しいのね、うちのアキラとは大違いだわ」
「ユウは礼儀正しいって言っただろ~?」
「心寿が自慢するのもわかるな~」
聖女が我を自慢している?
アキラの姉の言葉に「そうなのですか?」と問い掛けると、聖女は顔を赤くしながら「ちょっとミユちゃん!」と慌てている。
「そうよ~? 何かあると祐一郎君の事ばかり話すんだから。他の男子が可哀想よね~」
――他の男子!?
「もう!私は精神的に大人の男性が好きなの!」
「でも祐一郎君とは十一歳も年離れてるじゃない」
「ん~ギャップ萌え?」
「あ~それは仕方ないわ。解るわソレ」
女にしか解らぬことの様だ。
考えるだけ無駄であろう。
しかし、我を自慢する聖女か……悪くない、寧ろ、実に良い。
隣で小さく勇者が舌打ちしたのが聴こえたが、我は目線だけ隣に座る勇者を見つめニヤリと笑った。
そうこうしている内に忍者村に到着し、我たちは皆で集まると荷物を置き、昼過ぎまで過ごすことになった。
しかし――。
「わたしもあそぶ~!!」
「小雪ちゃんはまだ三歳だから、動物さんと遊ぼうか」
「おかあさんとじゃな――い!!」
勇者の哀れな叫び声。
我は勇者を無視して聖女の手を取りその場から離れた。
沢山の子供達で賑わう忍者村と言う場所は、どうやら他の小学校から来ている所も多いらしい。
とは言え……うむ、実に見るものが少ない。
いや、楽しい場所であることには違いないのだろう。
アキラなど率先して駆け回っている。
まるで犬だな。
魔王城の周りを走るケルベロスのほうがまだ幾分大人しいとさえ思うぞ。
「チャンバラごっこまで時間あるし忍者屋敷いってみよっか? 迷路みたいで面白いよ!」
「それは良いですね。心寿は屋敷の中を覚えているのでしょう?」
「ん――」
目を逸らす聖女。
我はニッコリと微笑んだ。
「以前墓参りに来た方がお茶を飲んで行かれたのですが、その際面白い話を御聞きしました」
「へ……へぇ~!」
「ええ、貴女が忍者屋敷で出られなくなってスタッフの方が連れてきたと。何でもバスに乗り遅れるほど長い時間迷っていたようですね」
「はは……祐ちゃん情報通~」
「貴女の事に関しては」
優しく微笑み聖女の手を握り締めると、聖女は頬を染めながら我を見つめた。
「一緒なら怖くはありませんよね? こう見えて私は記憶力には自信があります」
「じゃあ、忍者屋敷にいる間は手を握っててね?」
「幾らでも」
こうして我と聖女は忍者屋敷なるモノを堪能した。
ココに隠し扉がある等と説明をしていたら子供達ですら感心してついてきた。
邪魔なことこの上ないが、子供から発せられる「アイツすげぇ!」は中々良いものがあるな。
聖女も「祐ちゃん凄い!」と我を褒め称える。
忍者屋敷と言えば罠などが多いイメージを持っていたが、どうやらその辺りは子供に合わせて作られていないようだな。
魔王城なら色々と仕掛けを作るのも楽しい遊びの一つだったが……思い返せばよく聖女は無事に我の元へと来れたものだ。
精神的苦痛を与えるものも多くおいていた筈だが……。
意外に聖女は精神的鈍感なのかもしれないな。
「一度攻略すると面白く感じるね!」
「そうですか? 私には少々物足りなくあります」
「祐ちゃんはシュミレーターゲームとかRPGとか好きそうだなぁ」
「ゲームですか? 祖父となら囲碁や将棋を嗜みますが」
「そう言うゲームじゃなくって、テレビゲームだよ」
そう言えば父が購入して居間に置いてあるのを思い出す。
育成ゲームとか言うのにハマっていたような気がするが、それは娘を育てるゲームだったと記憶している。
我の好みではないな……それに、実際目の前にいる聖女を育成中だ。
これ以上の育成相手は他にいないだろう。
「私はRPGが好きなんだ~! 冒険しながらレベル上げて、ストーリー進めて、キャラ達のやり取りに萌えて」
「最後は聞かなかったことにしたほうが宜しいでしょうか?」
「BLも好きだけどネタとしてだよ!?」
素直に答えるところがまた良い。
そうか、聖女は男色好きか。
些か問題はあるが、個人の趣味ならばそっとしておいたほうが良いだろうが、我は違う。
「男色は日本では古来から存在していましたし、戦国武将でも男色は多かったと聞いていますよ。珍しいことでは無いでしょう?」
「うう……祐ちゃん物分りよすぎるよ……」
実際前の世界でも男色は多く見られた。
流石に所構わず発情するのだけは禁止にしたが、男同士だけではなく女同士でも多く見かけたものだ。
つまり、この世界の軟弱な人間達とは最初のスタートラインが違うのだ。
「誰にも言わないでね?」
可愛らしくお願いしてくる聖女に微笑み「お約束は出来ませんが」とだけ口にする。
そうすれば、ほらこの通り。
必死に私に口止めしようとする聖女が余りにも可愛らしい。
「祐ちゃんの意地悪!」
「すみません、貴女が可愛らしすぎて……思わずいじめてしまいました」
「もう……っ! 笑いながら謝罪されても信憑性ないなー」
「そうやって怒る貴女も可愛らしいですよ」
聖女の手を取り口付けをすると、顔を真っ赤させながら「わかったから!」と慌てふためいている。
本当に可愛らしい聖女だ。
「全く、小さい頃は可愛かったのに」
「私は精神的には大人ですから。僧侶となる為の修行を欠かしたことが無いのも貴方はご存知でしょう?」
「まぁ……そうだね」
「全ては貴女のためですよ」
聖女を見つめ本心からの言葉を告げると、耳まで真っ赤に染めた聖女が我を見つめている。
「フフ、そこまで硬直せずとも宜しいのに」
「祐ちゃんが悪いんだから!」
「はいはい、私が悪いですよ。さぁ、そろそろ昼食の時間ですし皆さんの所へ向かいましょう」
そう告げると我は聖女の手を握り歩き出した。
午後はチャンバラごっこだ。
ステージに上がり子供同士や大人も混ざって戦うのだとアキラから聞いている。
この世界にきて初めての戦闘だ。我も手加減はするものの楽しませてもらおう。
しかし――このチャンバラごっこが後に敵を生むことになるとは、今は誰も知らない。
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