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第四章 これからも世紀末覇者で心乙女な君と一緒に!

第62話 神隠しに遭っていた叔父との再会!!

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 そして翌日の昼――僕の屋敷の前にキャンピングカーが停まった。
 門を開けて貰い馬車を入れるようにキャンピングカーを入れて貰い、降りてきたモコリーヌにシュライ元国王陛下、そして手紙に会ったユリと言う女性とわらわら出てきたペットたち、そして――。


「姉さん!! 義兄さん!! カズマ!!」


 40過ぎているのに若々しく見えるアツシ叔父さんは、駆け寄ると母を抱きしめ、義兄さんと呼んだ父を抱きしめ、最後に僕を抱きしめた。
 妻のマリリンと娘のマリシアを紹介すると驚かれたけれど「幸せいっぱいの家族だな!」と言われてホッとした。

 積もる話もあるだろうと、前もって用意していた飲み物などがある大部屋に案内し、まずは自己紹介となった。


 シュノベザール元国王、シュライの元の名は「中村キョウスケ」というらしく、転生してこちらに来たらしい。
 元は何もないナイナイだらけのシュノベザール王国を何とか国民が飢えないようにと尽力した結果、賢王と呼ばれるようになったのだとか。
 その後、テリサバース教会と揉めて、叔父さんのいる神々の島に亡命したらしい。
 使えるスキルはそうなく、『天候を操られる程度の能力』なのだとか。


 宝石の国ダイヤにて『ガーネット店』を営むユリさんは、本名「桜木ユリ」というらしく、勇者転移に巻き込まれてきたらしい。
 能力は『石しか出せない程度の能力』だったらしいが、石なら宝石やこちらの世界にあるミスリル等は出せないが、銅、銀、金、ガラスと出せるらしく、夫の家族と一緒に健康に優しい生活しやすくする為の魔導具を作っているらしい。
 ペットは全部『レジェンド』様らしく、ユリをとても気に入っているのだという。


 最後に兄だが、兄も生徒たちと一緒に勇者転移に巻き込まれ、外れスキルと言われて妻のカナエさんと追い出されたのだとか。
 でも、『拠点』等のスキルを使い、店を切り盛りして何とか名声を上げたり村を作ったりと色々あったらしいが、最終的に神々の島のジュノリス大国の王から、養子にと言われて「アツシ・ジュノリス王」と今は名乗っているそうだ。
 子沢山で皆それぞれ結婚したりと今は落ち着いているらしい。


「国は息子夫婦に任せてきた。妻は来たがったが、孫が生まれたばかりでな」
「なるほど。そうだったのね……神隠しは本当にあったのね……」
「母さん……」
「それで、あちらに行ける魔法の鏡があるそうだけど」
「ええ、通れる人と通れない人とで別れますが……」
「なるほど、それは気になるね」
「ええ、でも、戻ったところでどうにもならないから、こちらの世界にはいるだろうけど」
「俺もです」


 ユリさんとキョウスケさんはこちらの世界に留まる予定らしい。
 アツシ叔父さんはというと――。


「もう一度でいい、あちらの空気が吸いたい」


 そう言ってしみじみと口にした。


「異世界とあちらの世界の空気ってのは随分と違う。俺は慣れているけれど、やはりな」
「そうですね、神々の国はどちらかと言えば日本の空気に近いです」
「私も行った時は日本の空気かと思ったわ」
「ははは! 四季がある島だからな」
「では、皆さまは一応元の世界の臭いを思い切り吸いたいというのが鏡を使う理由で宜しいんですか?」
「ああ、俺達はこちらに骨を埋める覚悟だ」
「ええ、その通りよ」
「俺はあちらに行っても仕方ないので」


 確かに転生したのなら意味はないか……。
 そう思い直し、俺はアイテムボックスから異世界とあちらの世界を通す鏡を出した。


「一応戻れなくなると困るので、手と顔だけ出せたらと言う事で」
「そうだな」
「あと、もう一つの鏡は納屋に置いてあるので外の空気は分からないです」
「ははは、それは仕方たない。通じる道があるというだけでも心持が違ってくる」


 こうしてまずはキョウスケさんが、顔と手を中に入れて暫くしてから涙を流しつつ「もう一度戻れるとは思いませんでした」と感動を露わにしていた。
 次にユリさんで、「もう二度と会えないと解っていたから、妹の名前を叫んできたわ」と笑顔で告げ、最後にアツシ叔父さんの番になった。
 顔と手を入れ、暫く時間は掛ったものの、涙を拭って顔と手を戻したアツシ叔父さんは――。


「当時の生徒たちの名を口にして、『卒業おめでとう』って言ってきたんだ」
「アツシ……」
「アツシ叔父さん……」
「嗚呼、ようやく夢が叶った……」


 そう言って涙を流し嬉しそうに笑うアツシ叔父さんは、ずっと先生の心が生きたままこの世界で生きてきたんだろう。
 そして、母は父と数名の生徒は神隠しにあったが、他の生徒たちは全員無事だったことを伝えるとこの上なく嬉しそうに笑った。
 明日は謁見が控えているけれど、皆は深夜まで楽しく会話を楽しみ、夜は更けていった。

 翌朝、屋敷の一室をアツシ叔父さんの部屋にするべく神々の島への扉を作った叔父さんは、「これでいつでも行き来が出来る!」と喜び、「一日遅れで悪いけど」と娘の誕生祝いを山のように貰い、マリリンが恐縮しまくっていたが、可愛らしい服もかなり多かった。
 本来なら育児休暇を取っているが、今回はアツシ叔父さんたちがいる為僕も城へ久々に出向くことになり、尚且つ娘がパパっこな為、護衛はマリリンとなり向かう事になったのだが――、思わぬことに、会談は直ぐに終わった。
 やはり神々の島の王に何かを言うのは得策ではないとムギーラ王は考えていたようだ。
 しかし――。
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