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第三章 結婚して新たな人生のスタートには波乱がつきもので!?
第49話 勘違いの欲深い女性には、それなりに僕も制裁を
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その様子が可愛くてニッコリ微笑むと、「愛してるよ、僕のたった一人の奥さん」と伝えて手を取り、僕たちは飲み物や食べ物のあるスペースへと向かったのである。
王族主催のパーティーにしか出席しないと決めているが、他国の王族も多い為気が抜けない。
すると――。
「カズマ様、マリリン様、ご機嫌麗しゅうですわ!」
「「ダメリシア様」」
なんと、『ミセス・マッチョス』と唯一契約したダメリシアがやってきて、ニコニコ笑顔で話しかけてきた。
昔はとりまきを連れてきていたが、今は大勢のファンがついてきている様だ。
今では僕たちと同じ時の人であるダメリシアだが、昔のようにツンツンしている訳では無く、大分落ち着いているように見える。
「ミセス・マッチョスさん達はお元気ですか?」
「ええ、現在クエストを達成させつつ、本の作成に取り掛かっておりますわ」
「あまり身体を酷使するなと伝えてくれ。冒険者も小説家も体が資本だろうからな!」
「ええ、伝えますわ」
マリリンですら不安になる程の忙しさの『ミセス・マッチョス』の三人だが、時折手紙が来るが「萌えが燃えてモエモエなんです」と来ていたので、元気なのだろう。
今度温泉でゆっくり執筆活動が出来るようにと、温泉チケットを一週間分送ったのは言う迄もない。
「それと、こちら私と契約している印刷会社の若社長のカネーヤさんですわ」
「初めましてカズマ様にマリリン様。この様な素晴らしいパーティーに出席できるとは思っていませんでしたが……印刷会社をしているカネーヤと申します」
「貴族ではないようですね。僕も冒険者なので貴族ではありませんが」
「はい、しがない印刷屋を営む庶民です」
そう穏やかに答えたカネーヤに何となく親近感を覚える。
今、『ミセス・マッチョス』の本の印刷を一手に引き受けている印刷会社であり、様々な言語が使える人員を増やして他国にも本を出しているらしい。
他国でも僕たちの本は売れているそうで、嬉しい悲鳴だと言っていた。
「ダメリシア様及び、ダメージョ伯爵家からは沢山の支援を頂いて……是非この恩をお返しするべく、邁進してまいります」
「楽しみにしていますわ」
「はい!」
どうやら良い仲の様だ。
ダメリシアもダリュシアーンの傍では随分と気を張っていたのだなと伝わってくる。
今の彼女こそが、本来の姿なのかもしれない。
「しかし、あの『ミセス・マッチョス』と専属で契約したダメリシアの手腕も凄いな!! 彼女たちは我々の事に関して殊更厳しいだろう?」
「約、500ページに及ぶ感想を送りましたわ。一冊ずつ」
「「お、おう」」
「それで認められたのです」
それは流石に普通の令嬢及び、他の追随を許さないレベルだっただろう。
なるほど、それならば『ミセス・マッチョス』が納得するのも頷ける。
「私の熱意を理解して下さったのです。これは正に神の采配。私にしか出来ない事ですわ。必ずカネーヤとやり遂げて見せます」
そう熱意を見せたダメリシアに応援の言葉を返し、美味しくワインを飲んでいる時だった。
一人の令嬢がニコニコしながら近づいて来たのである。
「あの、その……カズマ様ですわよね?」
「そうですが貴女は?」
「ヨクリー男爵の……ヨクミアと申します」
そう言って照れて声を掛けてくるヨクミアだったが、庇護欲を誘うような見た目と声、だが僕の心は一切動かない。
「お二人の仲は本で沢山読んだんですが……」
「ですが、何でしょう?」
「一人の女性にそこまで一途になれるって、凄いことだと思います! 私もカズマ様に一途に思われてみたいです! キャッ! 言っちゃった……」
「そうですか、ですが貴女は僕のタイプとは随分とかけ離れているのでありえませんね」
「そ、そうですかぁ?」
「僕の好みは妻だけですから」
鉄壁である。
こんな下心丸見えの女性等毒婦以外の何者でもないだろう。
マリリンも僕の言葉に嬉しそうだし、お互い手を握り合い見つめ合うと、ヨクミアは「あ、でも、でも!」と声を掛けてきた。
所が――。
「貴女、カズマ様に粉でも掛けに来ましたの?」
「え?」
「だとしたら、痛い目を見ますわよ」
「ひ、酷い! 私そんなつもりじゃ……」
「カズマ様とマリリン様の仲を羨ましいと思うのは自由です。寧ろ当たり前です。でも、自分もカズマ様に愛されたいと思う等、言語道断! 恥を知りなさいませ」
「――!」
そう声を掛けたダメリシアに、ヨクミアは大粒の涙を零しながら「わたくし、そんなつもりじゃ……」と声を上げている。
ああ、庇護欲を誘う姿だけど、全く心が靡かない。
こうなることも予想済みって感じだ。
ともすれば、間違いなくダメリシアに男性陣からの冷たい視線が来るだろう。
面倒な女だな。
「ヨクミア様は、何か勘違いしておられますね」
「え?」
「僕の故郷の話を、本を読んでいるのなら知っている筈ですよ」
「えっと……」
「もしやご存じない? 何の本を読まれたんです?」
「えっと」
「大体殆どの本に記載されている事ですが?」
「…………」
「その様子だと、本は読まれていませんね?」
「よ、読んでるわ!!」
「では、何故知らないんです?」
大体すべての本に『カズマの故郷は規律が厳しく、一夫一妻制を重んじるのである』と記載されているのだ。
それを理解していない所を見ると、本を読んでいないのだろう。
「どうやら、話にならないようですね」
「その様ですわね」
「本は持っていても読んだことにはならんぞ!」
「~~失礼します!」
そう言うと去っていったヨクミアに、僕たちは溜息を吐いて「色んな人間がいますね」と苦笑いしたのであった。
その後パーティーは問題が起きずに終わり、馬車に乗って自宅である邸宅へと戻る。
すると――。
「その――なんだ。あの時言った通り……なのか?」
「ふふ、期待してます?」
「ンン!!」
「幸い明日は休みです。タップリ愛し合いましょうね?」
そう告げるとマリリンは真赤になりながらも、その夜は燃え上がったのだった。
王族主催のパーティーにしか出席しないと決めているが、他国の王族も多い為気が抜けない。
すると――。
「カズマ様、マリリン様、ご機嫌麗しゅうですわ!」
「「ダメリシア様」」
なんと、『ミセス・マッチョス』と唯一契約したダメリシアがやってきて、ニコニコ笑顔で話しかけてきた。
昔はとりまきを連れてきていたが、今は大勢のファンがついてきている様だ。
今では僕たちと同じ時の人であるダメリシアだが、昔のようにツンツンしている訳では無く、大分落ち着いているように見える。
「ミセス・マッチョスさん達はお元気ですか?」
「ええ、現在クエストを達成させつつ、本の作成に取り掛かっておりますわ」
「あまり身体を酷使するなと伝えてくれ。冒険者も小説家も体が資本だろうからな!」
「ええ、伝えますわ」
マリリンですら不安になる程の忙しさの『ミセス・マッチョス』の三人だが、時折手紙が来るが「萌えが燃えてモエモエなんです」と来ていたので、元気なのだろう。
今度温泉でゆっくり執筆活動が出来るようにと、温泉チケットを一週間分送ったのは言う迄もない。
「それと、こちら私と契約している印刷会社の若社長のカネーヤさんですわ」
「初めましてカズマ様にマリリン様。この様な素晴らしいパーティーに出席できるとは思っていませんでしたが……印刷会社をしているカネーヤと申します」
「貴族ではないようですね。僕も冒険者なので貴族ではありませんが」
「はい、しがない印刷屋を営む庶民です」
そう穏やかに答えたカネーヤに何となく親近感を覚える。
今、『ミセス・マッチョス』の本の印刷を一手に引き受けている印刷会社であり、様々な言語が使える人員を増やして他国にも本を出しているらしい。
他国でも僕たちの本は売れているそうで、嬉しい悲鳴だと言っていた。
「ダメリシア様及び、ダメージョ伯爵家からは沢山の支援を頂いて……是非この恩をお返しするべく、邁進してまいります」
「楽しみにしていますわ」
「はい!」
どうやら良い仲の様だ。
ダメリシアもダリュシアーンの傍では随分と気を張っていたのだなと伝わってくる。
今の彼女こそが、本来の姿なのかもしれない。
「しかし、あの『ミセス・マッチョス』と専属で契約したダメリシアの手腕も凄いな!! 彼女たちは我々の事に関して殊更厳しいだろう?」
「約、500ページに及ぶ感想を送りましたわ。一冊ずつ」
「「お、おう」」
「それで認められたのです」
それは流石に普通の令嬢及び、他の追随を許さないレベルだっただろう。
なるほど、それならば『ミセス・マッチョス』が納得するのも頷ける。
「私の熱意を理解して下さったのです。これは正に神の采配。私にしか出来ない事ですわ。必ずカネーヤとやり遂げて見せます」
そう熱意を見せたダメリシアに応援の言葉を返し、美味しくワインを飲んでいる時だった。
一人の令嬢がニコニコしながら近づいて来たのである。
「あの、その……カズマ様ですわよね?」
「そうですが貴女は?」
「ヨクリー男爵の……ヨクミアと申します」
そう言って照れて声を掛けてくるヨクミアだったが、庇護欲を誘うような見た目と声、だが僕の心は一切動かない。
「お二人の仲は本で沢山読んだんですが……」
「ですが、何でしょう?」
「一人の女性にそこまで一途になれるって、凄いことだと思います! 私もカズマ様に一途に思われてみたいです! キャッ! 言っちゃった……」
「そうですか、ですが貴女は僕のタイプとは随分とかけ離れているのでありえませんね」
「そ、そうですかぁ?」
「僕の好みは妻だけですから」
鉄壁である。
こんな下心丸見えの女性等毒婦以外の何者でもないだろう。
マリリンも僕の言葉に嬉しそうだし、お互い手を握り合い見つめ合うと、ヨクミアは「あ、でも、でも!」と声を掛けてきた。
所が――。
「貴女、カズマ様に粉でも掛けに来ましたの?」
「え?」
「だとしたら、痛い目を見ますわよ」
「ひ、酷い! 私そんなつもりじゃ……」
「カズマ様とマリリン様の仲を羨ましいと思うのは自由です。寧ろ当たり前です。でも、自分もカズマ様に愛されたいと思う等、言語道断! 恥を知りなさいませ」
「――!」
そう声を掛けたダメリシアに、ヨクミアは大粒の涙を零しながら「わたくし、そんなつもりじゃ……」と声を上げている。
ああ、庇護欲を誘う姿だけど、全く心が靡かない。
こうなることも予想済みって感じだ。
ともすれば、間違いなくダメリシアに男性陣からの冷たい視線が来るだろう。
面倒な女だな。
「ヨクミア様は、何か勘違いしておられますね」
「え?」
「僕の故郷の話を、本を読んでいるのなら知っている筈ですよ」
「えっと……」
「もしやご存じない? 何の本を読まれたんです?」
「えっと」
「大体殆どの本に記載されている事ですが?」
「…………」
「その様子だと、本は読まれていませんね?」
「よ、読んでるわ!!」
「では、何故知らないんです?」
大体すべての本に『カズマの故郷は規律が厳しく、一夫一妻制を重んじるのである』と記載されているのだ。
それを理解していない所を見ると、本を読んでいないのだろう。
「どうやら、話にならないようですね」
「その様ですわね」
「本は持っていても読んだことにはならんぞ!」
「~~失礼します!」
そう言うと去っていったヨクミアに、僕たちは溜息を吐いて「色んな人間がいますね」と苦笑いしたのであった。
その後パーティーは問題が起きずに終わり、馬車に乗って自宅である邸宅へと戻る。
すると――。
「その――なんだ。あの時言った通り……なのか?」
「ふふ、期待してます?」
「ンン!!」
「幸い明日は休みです。タップリ愛し合いましょうね?」
そう告げるとマリリンは真赤になりながらも、その夜は燃え上がったのだった。
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