上 下
23 / 66
第二章 新天地、ムギーラ王国にて!!

第24話 たまに帰る実家での会話と、今後に想いを馳せる

しおりを挟む
 マリリンと僕が一旦里帰りすると、両親は嬉しそうに出迎えてくれた。
 土産として持ってきた異世界のアイテムや異世界の服、そして異世界の食べ物は両親にとっては刺激的であり、何よりのお土産の様だ。
 それに、異世界での僕の活躍は両親にとって、とても大事な事でもあった。


「そうか、雇用形態を……」
「犯罪が減ることはとても良いことだわ」
「ええ、こちらの世界とは違い、あちらの世界での弱者と言うのはトコトンまで搾り取られる状態だったので、そこの改善には力を入れました」


 誘拐、物乞い、年を取れば家から追い出され路上で死ぬ者も多かった。
 それらを改善したことは奇跡的ともいえるのだとマリリンは語る。


「カズマは国からの信頼も高く、カズマが居てくれることでムギーラ王国の信頼度もあがり、信用ある国として、そして世界の模範ともなる国としての地位を確立し始めている。何とも頼りがいのある夫だ!」
「マリリンにそう言ってもらえると嬉しいよ」
「全て事実だ! 全く何度惚れ直せば気が済むのか!」
「ははは! 何度でもお互いに惚れ直そう」


 夫婦仲は良好。
 後はマリリンとの間に子供が出来れば更に盤石なものとなるだろうと両親は感慨深そうだ。


「此れであとは、初孫を見せて貰えたら言うことは無いわね!」
「そうだな、男の子か女の子か、きっと可愛いらしい孫が生まれるだろう」
「そうだね、僕もそろそろ本腰を入れようかな」
「も……もうカズマったら!!」


 事実、僕とマリリンは次の社交界が始まって暫くしたら式を挙げ、そこで大手を振って初めての子作りに励もうと話し合っていた。
 その為のウエディングドレスもこちらの世界で既に注文しており、出来上がるのが楽しみである。
 無論、マリリンの換金スキルで手に入れたお金が元でだが。

 流石にドラゴンのツノを換金したら、1000臆を超える金が降ってきた。
 それをウエディングドレスと社交用ドレスに使う予定である。
 そして、安定のオリハルコンは異世界で使う日用品や必要な物として物資として持って行っているのも事実であった。
 既にムギーラ王国の教会は押さえており、社交シーズンが終われば結婚式だ。
 やっと、シッカリと形として夫婦になるのは互いに嬉しい事でもあった。


「結婚式には私たちも参加して良いのかしら?」
「そうだな、一級品の異世界の服装で是非お越しいただきたい」
「僕は他国より訪れた冒険者になってるから、日本の着物とかは良いかもしれないね」


 こうして、結婚式についても話が弾み、両親も急ぎ結婚式用の服を注文することになった様だ。
 とは言え、社交シーズンは2か月。
 シッカリとした礼服が用意できそうである。
 問題はマリリンのドレスだが、前回里帰りした際に既にいくつかの注文を済ませていた為、今回は3着ほど新たに作る程度で済みそうだ。


「カズマ。マリリンさんをシッカリと守り、良き夫、良き父となる事を望んでいるよ」
「父さん、ありがとう」
「是非、マリリンちゃんが妊娠したら直ぐにでも教えて欲しいわ! お母さん色々調べておくから!」
「それは頼もしい!!」


 こうして、里帰りは平和に終わり、前もって頼んで貰っていた商品をアイテムボックスに入れてから一泊して異世界へと戻り、社交シーズン前にもう一度戻ってマリリンと自分用の服を取りに来る予定を立てた。


 こうして、素晴らしい箱に入ったマリリンの服とアクセサリーや靴、そして必要物資を異世界に戻って各所に配っていると、僕の許に一通の手紙が届いた。

 それは、ムギーラ王国に来る前にいたマリリンを道具のように扱っていた国からの手紙で、次の社交シーズンにムギーラ王国にやってくる旨を書いた手紙であり、その王女が二人だけで非公式で会いたいと言う内容だった。

 碌な内容ではないだろうと言う事と、今更何の用だと言う違和感から、いい話ではないだろう。と言うのは容易に想像でき、マリリンとジャック、マイケルと相談の上、非公式で合う事は拒否する旨を返事として出した。

 その上で、社交シーズンが終わり次第、マリリンと結婚式を挙げる為忙しいので時間が取れないと言う、尤もらしい理由も付け加えているので、向こうは引き下がるしかないだろう。


 僕と非公式で会いたいと言う手紙や、自分の娘を第二夫人にと言う手紙は多く寄せられる嫌な手紙だ。
 一つ一つに返事を出すのが面倒な為、これはマイケルが返事を一任している形になっている。
 僕が有名になればなるほど、そう言う輩は多く出るのは致し方ないだろう。


「全く! 私の夫だと言っているのに群がる女たちは何を考えているのやら!」
「全くだね、野菜に好かれてもしょうがないと言うのに」
「これは一つ、社交シーズンではこれまで以上にいちゃついて貰って、結婚式はドーンとやって、早々に子供を作るしかないだろう」
「二人の間に入る隙がまだあると考えている、頭がお花畑な家が多いということだ」
「隙間はギッチリとつまっているんだがな!!」


 憤慨するマリリンにカズマも頷きつつ、今後の予定として、結婚式が終わった際には温泉に新婚旅行に行く事や、マリリンの仕事を減らしてもらう事など提案し、やはり、マリリンとの子作りを本格的に僕は提案した。


「マリリンにはあまり負担を掛けたくはないけれど、出来れば2,3人は少なくとも子供は欲しいと思っているので、暫くはレディー・マッスルに所属する冒険者達に頑張ってもらいたいと思っています」
「カ……カズマッ」
「妊娠中何が起きるかは分かりませんからね。出来るだけ激しい事は避けて、万全を期して出産に臨んでもらいたいので」
「無論だともカズマ殿」
「マリリンも一人の体ではなくなるのか……感慨深いな!」
「ええ、結婚式が楽しみです」


 アワアワと照れまくる世紀末覇者を他所に、僕はとてもいい笑顔で頷いて見せた。
 さて、生まれてくる子供は、カズマのような美青年か、はたまた世紀末覇者のような風貌か。
 こればかりは――神のぞみが知るのであった。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります

京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。 なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。 今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。 しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。 今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。 とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。  その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。  すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。 「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」  これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。 ※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

処理中です...