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第一章 異世界人現る!!
第9話 異世界に戻ったマリリンを待ち構えていたのは――
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――マリリンside――
その頃、我は自室にある鏡からニョッコリ出てくると、鼻歌を歌いながらギルドマスター専用の部屋へと歩いていった。
急ぎ仕事を終わらせ、カズマから頼まれたあちらのアイテムの換金を行い、それらの通貨の記録をとって……そう考えながらギルマスの部屋を開けると――大量の書類が山積みになっていた。
「ホァ!?」
思わず変な声が出たが、周りに兄であるジャックの姿もマイケルの姿もない。何か急ぎの討伐でも入ったのだろうか?
一瞬呆然とはしたものの、直ぐに我に返り椅子に腰かけたその時だった。
勢いよく扉が開き、流れ込んできたのは【レディー・マッスル】に所属している冒険者たちだ。
「リーダー帰ってきたんですね!」
「急に連絡もなしに一週間もいなくなったから皆探し回っていたんですよ!?」
「急ぎの依頼だったんですか? 一体何が……」
流れ込んできたギルメンは我の髪、そして肌を見て目を見開いた。
艶やかな金色の髪、そして以前では信じられない程の透明感のある美しい肌……しかも匂いだって違う。華やかな香りに身を包んだ我を見つめ、ギルメンたちは言葉を呑み込んだ。
――と、同時に部屋に入ってきたのは兄のジャックと友人のマイケルである。
一週間前に命の危機を感じ暫く国から依頼される討伐を行っていたが、久しぶりに戻ってきたのだ。
そして、一週間ぶりに見た妹の我は――とても美しくなって帰ってきていたのである。驚いて当然である!!
動悸を抑えきれないジャックは両膝をつき我を見つめ、友人に妹の身に何が起きたのか理解できない【レディー・マッスル】の参謀マイケルは、唯々呆然としている。
「おお、兄さんにマイケルも帰ってきたか!」
我が動くたびにフワリと香る華やかな花の香に、二人はやっと意識を戻すことに成功し二人は物凄い形相で我に詰め寄った。
「マリリン! 一週間もどこに行っていたんだい!? 国からの依頼? それともどこぞの貴族からの依頼かい!? 兄さんたちに一言も告げずに旅に出るなんて酷いじゃないか!」
「そうだぞマリリン、せめて一言声はかけるべきだ。見ろ、お前が一週間もいないとは思わなかったから書類が雪崩を起こしているじゃないか」
既に机の上から確認事項必須の書類は雪崩を起こし散乱し最早足の踏み場もないが、そんな事を言ってのける我を含めた三人は重要書類を踏みつけて立っている。各国の王からの書類もあったが、そんなことは全く気にしていない三人だ。
「はっはっは! すまないな兄さん達。だが、我はこんな国の依頼などと言う極めて小さい依頼よりも、もっと優先せねばならない依頼を受けてきたんだ。そう……我には国王の命より重要で大事な依頼がある!」
この一言にジャックとマイケルは目を見開き、我は机の上に乱雑に散らばっていた書類を更に払いのけると、ギルドマスターの椅子に堂々と座り、ニヤリ……と不敵な笑みを浮かべた。
舞い散る書類さえも今の我の前では紙吹雪にすら見えるのだ。
「単刀直入に言おう」
「な……何を……」
「我は、異世界で、最愛の夫となる男性を見つけた」
その一言に、我の言葉を聞いていた兄のジャックは目を見開いて固まり、マイケルは暫く悩んでから「え!?」と驚き、ギルメンたちは我が言った言葉の意味を理解できないでいた……。
しかし!!
「誰かお医者様を呼んできてくれ!! きっと秘薬を飲んでも治らない病かも知れない!」
「やめろ! 妄言ではない!!」
「大丈夫だマリリン、必ず兄さんが元に戻してやるからな!!」
「だから妄言ではないといっているだろう!?」
妹の精神状態を心配する兄ジャックだったが、その後、怒り狂った我の右ストレートを眉間に喰らい、蘇生用の秘薬を使われることになったのは言うまでもない。
その頃、我は自室にある鏡からニョッコリ出てくると、鼻歌を歌いながらギルドマスター専用の部屋へと歩いていった。
急ぎ仕事を終わらせ、カズマから頼まれたあちらのアイテムの換金を行い、それらの通貨の記録をとって……そう考えながらギルマスの部屋を開けると――大量の書類が山積みになっていた。
「ホァ!?」
思わず変な声が出たが、周りに兄であるジャックの姿もマイケルの姿もない。何か急ぎの討伐でも入ったのだろうか?
一瞬呆然とはしたものの、直ぐに我に返り椅子に腰かけたその時だった。
勢いよく扉が開き、流れ込んできたのは【レディー・マッスル】に所属している冒険者たちだ。
「リーダー帰ってきたんですね!」
「急に連絡もなしに一週間もいなくなったから皆探し回っていたんですよ!?」
「急ぎの依頼だったんですか? 一体何が……」
流れ込んできたギルメンは我の髪、そして肌を見て目を見開いた。
艶やかな金色の髪、そして以前では信じられない程の透明感のある美しい肌……しかも匂いだって違う。華やかな香りに身を包んだ我を見つめ、ギルメンたちは言葉を呑み込んだ。
――と、同時に部屋に入ってきたのは兄のジャックと友人のマイケルである。
一週間前に命の危機を感じ暫く国から依頼される討伐を行っていたが、久しぶりに戻ってきたのだ。
そして、一週間ぶりに見た妹の我は――とても美しくなって帰ってきていたのである。驚いて当然である!!
動悸を抑えきれないジャックは両膝をつき我を見つめ、友人に妹の身に何が起きたのか理解できない【レディー・マッスル】の参謀マイケルは、唯々呆然としている。
「おお、兄さんにマイケルも帰ってきたか!」
我が動くたびにフワリと香る華やかな花の香に、二人はやっと意識を戻すことに成功し二人は物凄い形相で我に詰め寄った。
「マリリン! 一週間もどこに行っていたんだい!? 国からの依頼? それともどこぞの貴族からの依頼かい!? 兄さんたちに一言も告げずに旅に出るなんて酷いじゃないか!」
「そうだぞマリリン、せめて一言声はかけるべきだ。見ろ、お前が一週間もいないとは思わなかったから書類が雪崩を起こしているじゃないか」
既に机の上から確認事項必須の書類は雪崩を起こし散乱し最早足の踏み場もないが、そんな事を言ってのける我を含めた三人は重要書類を踏みつけて立っている。各国の王からの書類もあったが、そんなことは全く気にしていない三人だ。
「はっはっは! すまないな兄さん達。だが、我はこんな国の依頼などと言う極めて小さい依頼よりも、もっと優先せねばならない依頼を受けてきたんだ。そう……我には国王の命より重要で大事な依頼がある!」
この一言にジャックとマイケルは目を見開き、我は机の上に乱雑に散らばっていた書類を更に払いのけると、ギルドマスターの椅子に堂々と座り、ニヤリ……と不敵な笑みを浮かべた。
舞い散る書類さえも今の我の前では紙吹雪にすら見えるのだ。
「単刀直入に言おう」
「な……何を……」
「我は、異世界で、最愛の夫となる男性を見つけた」
その一言に、我の言葉を聞いていた兄のジャックは目を見開いて固まり、マイケルは暫く悩んでから「え!?」と驚き、ギルメンたちは我が言った言葉の意味を理解できないでいた……。
しかし!!
「誰かお医者様を呼んできてくれ!! きっと秘薬を飲んでも治らない病かも知れない!」
「やめろ! 妄言ではない!!」
「大丈夫だマリリン、必ず兄さんが元に戻してやるからな!!」
「だから妄言ではないといっているだろう!?」
妹の精神状態を心配する兄ジャックだったが、その後、怒り狂った我の右ストレートを眉間に喰らい、蘇生用の秘薬を使われることになったのは言うまでもない。
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