6 / 66
第一章 異世界人現る!!
第6話 カメラは偉大で、アルバムはもっと偉大である!
しおりを挟む
――カメラを異世界に持っていったらどうだ?
という話をしたのは、つい数十分前の事だ。
そして我が家にあった一般的なデジカメと一緒に母が持ってきたのは、僕の幼い頃から現在に至るまでの数冊のアルバムである。
ちなみに父は現在、別室にて僕の今までの写真からイイものをチョイスしたミニアルバムを制作中の様で、あとでマリリンの雄叫びが近所に響き渡りそうな予感がする。
「おお愛しき君よ!! 嗚呼! こんなにも愛らしい時期もあったなんて……これは最早国宝だ!! 国宝にすべきものだ!! 神殿を建て、あらゆる防御魔法を屈し、そこで全世界の者たちに我の夫の素晴らしさを伝える為に存在すると言っても過言ではない!!」
「母さん、僕いつの間にマリリンの夫になったの?」
「何時だったかしら~?」
このマリリンの様子からして僕はある事を悟った。
そう――オリハルコンを越える物は、こちらの世界には一般人が手に入れるには無理な話だと。
その上で考え付いたのが、こちらの世界でお手軽に手に入るアイテム、香辛料や砂糖や塩といった生活に根付いた物を浸透させていった場合、色々な場面で有利になるのは異世界ではなくこちらの世界ではないかと。
無論、それらはマリリンと言う世界最強冒険者と言う後ろ盾が無ければ成立はしないだろうし、マリリンなしでは僕自信が生き残れる可能性は極めて低いと言える。
異世界相手を掴むなら胃袋から……とも言えるだろうか?
無論、世界の半分を手に入れたいというのなら、美容関連の物を売りに出せば簡単に世界の半分は手に入るだろうが。
事実、マリリンがこちらの世界で生活し始め、母がマリリンの為に用意したシャンプーや美容液や洗顔などを使い始めてからというもの、彼女の荒れていた髪や肌がみるみる美しくなったのは紛れもない事実である。
「おお……おお!! 愛しのカズマとの子をなせたら、この様な天使が世界に誕生するのかっ! そうなれば生誕祭だ!! 人類全てが祝福し、生きとし生きる者全てが頭を垂れるだろう!!」
「どこぞの国王じゃないんだから……」
想像して感涙するマリリンンに僕は小さく溜息を吐きつつも、見た目はゴッツイ兄さんで女性らしい胸のふくらみ極小な彼女に対し、少なからずの可愛さと言う物を感じつつあった。ただし、マスコット的な意味合いでだが。
感涙するマリリンを僕と母とで見守る事数十分――父は一冊のアルバムを手に現れた。
「マリちゃん」
「何でしょう義父様」
「君の真摯な気持ちに答えてあげたくてね。コレを君にあげよう」
そう言って受け取ったアルバムを開いた瞬間、人間には聞こえない周波数の叫び声を上げたマリリンと同時に、森が一斉に騒めいた。
その日の夜――。
地元のニュースでは、一般道に多くの野生動物が出現し話題をさらっていった。
暫し興奮冷めやらぬマリリンをそのままに、僕は「オリハルコンのようなレアは無理でも、異世界の胃袋を掴むことは可能である」と両親に話し、両親もまた考えに同意した。
無論――世界の半分も諦めてはいなかった。
斎藤家……意外に強かであった。
という話をしたのは、つい数十分前の事だ。
そして我が家にあった一般的なデジカメと一緒に母が持ってきたのは、僕の幼い頃から現在に至るまでの数冊のアルバムである。
ちなみに父は現在、別室にて僕の今までの写真からイイものをチョイスしたミニアルバムを制作中の様で、あとでマリリンの雄叫びが近所に響き渡りそうな予感がする。
「おお愛しき君よ!! 嗚呼! こんなにも愛らしい時期もあったなんて……これは最早国宝だ!! 国宝にすべきものだ!! 神殿を建て、あらゆる防御魔法を屈し、そこで全世界の者たちに我の夫の素晴らしさを伝える為に存在すると言っても過言ではない!!」
「母さん、僕いつの間にマリリンの夫になったの?」
「何時だったかしら~?」
このマリリンの様子からして僕はある事を悟った。
そう――オリハルコンを越える物は、こちらの世界には一般人が手に入れるには無理な話だと。
その上で考え付いたのが、こちらの世界でお手軽に手に入るアイテム、香辛料や砂糖や塩といった生活に根付いた物を浸透させていった場合、色々な場面で有利になるのは異世界ではなくこちらの世界ではないかと。
無論、それらはマリリンと言う世界最強冒険者と言う後ろ盾が無ければ成立はしないだろうし、マリリンなしでは僕自信が生き残れる可能性は極めて低いと言える。
異世界相手を掴むなら胃袋から……とも言えるだろうか?
無論、世界の半分を手に入れたいというのなら、美容関連の物を売りに出せば簡単に世界の半分は手に入るだろうが。
事実、マリリンがこちらの世界で生活し始め、母がマリリンの為に用意したシャンプーや美容液や洗顔などを使い始めてからというもの、彼女の荒れていた髪や肌がみるみる美しくなったのは紛れもない事実である。
「おお……おお!! 愛しのカズマとの子をなせたら、この様な天使が世界に誕生するのかっ! そうなれば生誕祭だ!! 人類全てが祝福し、生きとし生きる者全てが頭を垂れるだろう!!」
「どこぞの国王じゃないんだから……」
想像して感涙するマリリンンに僕は小さく溜息を吐きつつも、見た目はゴッツイ兄さんで女性らしい胸のふくらみ極小な彼女に対し、少なからずの可愛さと言う物を感じつつあった。ただし、マスコット的な意味合いでだが。
感涙するマリリンを僕と母とで見守る事数十分――父は一冊のアルバムを手に現れた。
「マリちゃん」
「何でしょう義父様」
「君の真摯な気持ちに答えてあげたくてね。コレを君にあげよう」
そう言って受け取ったアルバムを開いた瞬間、人間には聞こえない周波数の叫び声を上げたマリリンと同時に、森が一斉に騒めいた。
その日の夜――。
地元のニュースでは、一般道に多くの野生動物が出現し話題をさらっていった。
暫し興奮冷めやらぬマリリンをそのままに、僕は「オリハルコンのようなレアは無理でも、異世界の胃袋を掴むことは可能である」と両親に話し、両親もまた考えに同意した。
無論――世界の半分も諦めてはいなかった。
斎藤家……意外に強かであった。
62
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る
電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。
女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。
「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」
純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。
「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる