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第四章 生まれ変わるジュノリス大国とジュノリス王!

104 今後の事業展開と、困っている問題を少しずつ片付け。

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 一つ目の議題として、ミルクを沢山出す魔獣を冒険者にドンドン集めて貰い、オスは少なめでメスを多く捕まえるように指示を出すことが決まったようだ。
 その上で畜産用の村を作る事となり、ジュノリス大国の首都からほど近い場所に畜産加工所を作る事になった。
 それは俺のスキルでなんとかしよう。
 冷たいお菓子でクールダウンした後は、次の議題へと移って行く――。

 最後の議題にて、国を挙げての事業で『孤児院』と『老人たちの終の棲家』の設立の話が出た。
 貧困層にまで目を配らねば今後工場が作れないと言う理由もあったが、国営にすることで孤児達に教育の機会を与え、老人達には静かな余生を与えることが出来る。
 また、貧困層からも彼らの世話をする人間を雇う他、まだ先になるが【ジュノリス大国のストレリチア村】を俺が作ろうと思っていることを伝えると、噂では聞いたことのある【ストレリチア村】に貴族たちは興味津々だった。


「ストレリチア村は貧困層の家族層を狙って移住して貰おうと思っています。彼らに仕事を与え、自分たちで金を得るように成れば貧困からも抜け出せるでしょう」
「ノスタルミア王国のストレリチア村は村と言いつつ街程の大きさはあるのです。最初が村からのスタートでしたのでそのまま【ストレリチア村】と呼んでいるんです。」
「そんなに広い村なのか。温泉と言うものや、魚が釣れる場所があると聞いたことがある」
「ええ、それはこちらで作る村でも準備する予定です。他に安全に水遊びが出来るプールと言う施設も作る予定です」
「「「「おおお」」」」
「ターゲットは貴族層になるでしょうが、少なくとも一度は行ってみたいと言う場所にしようと思います。無論貴族が列をなして訪れるのは問題ですので、貴族の中でも俺に最も近しい者に人を選ぶ権限を与えようと思います」
「なるほど……確かにそれは名案ですな」
「本当は公爵家か侯爵家にお願いしようと思っていたのですが、公爵家は先ほど出て行かれたので、ワイズ侯爵家に任せようかと思います」
「私に……ですか?」
「ええ、その際はと思っております。ワイズ侯爵は奥様や娘さんは?」
「ええ、おりますが」
「ストレリチア村にある温泉は、女性にとても人気があり、美容やダイエットに適しているとさえ言われています」
「「「「!?」」」」
「ですので、貴族が挙って来られても入れる人数は限られていますので」
「その為に我がワイズ侯爵家が貴族の盾となる訳ですな?」
「その通りです。貴方なら私を裏切らないでしょう」
「ウン! オジサンハ ウラギラナイヨ」
「と、ニノッチも言ってますので」
「光栄な限りです。その時は是非、頑張らせて頂きたい」
「よろしくお願いします」


 と、【ジュノリス大国のストレリチア村】に関してはOK。
 また、孤児院や終の棲家を国営で作るのも了承して貰えた。
 会議が始まる前に出て行った者達がいたらとてもじゃないが此処まで話は進まなかっただろう。
 すると――。


「時に王太子よ。農地は作れるのだよな?」
「ええ、作れます」
「畜産用の家畜の餌を作る場所が欲しいのだが、農地を用意はしては貰えまいか」
「致しましょう。何を植えましょうか」
「あの魔物は木の実や果物を好んで食べると言う。果物を植えれたら最高なのだが」
「出来ますよ。ただ魔物を鑑定してから餌となる物を選びたいですね」
「そうだな、是非そうしてくれ」
「分かりました。明日は銭湯を作りに行くので、その後はどちらから進めましょうか」
「貧困層に噂を流す必要がある。それまでは畜産の方を頼みたい」
「一つ確認なのですが、ミルクを出す魔物だけの畜産でいいのですか? 卵を産む魔物は?」
「ああ、鳥系の魔物も畜産として飼っているが、鶏舎の老朽化が進んでいると言う話がある、そちらを先に直して貰ってからでいいか?」
「畏まりました」


 こうして明日は銭湯、次は卵を産む魔物の鶏舎などの建て替えだ。
 やる事は多いが遣り甲斐はある。
 その間カナエは式までそう時間がない為日焼け防止の為に一人で過ごすことになるが、久々にモルダバルド侯爵夫人のナディア様に教えを乞うと言う事だったので大丈夫だろう。

 会議も終わり重鎮たちが出て行った後、ジュノリス王が俺に一つお願いをしてきた。
 と言うのも、騎士団の兵士たちが使う風呂場の老朽化が進んでおり、そこを銭湯に出来ないかと言うものだった。
 それは簡単には出来るが、身体を洗うボディーソープや頭を洗うシャンプーなどはあるのかと聞くと、各自使っている物を持って来ているらしい。
 それなら何とかなりそうだ。


「ランディール、兵士たちが風呂を使わない時間帯は?」
「昼の今からですね」
「食事の前に済ませてくるよ。脱衣所も見て決めたい」
「ご案内します」
「ではカナエはワシと食事とするか。アツシの話でもしながら食べよう」
「でも、それだとアツシさんが一人で食べることになるわ」
「直ぐ行くから先に食べてていいぞ」
「そう? 分かったわ」


 こうしてランディールに案内され、城の一階にある風呂場へと向かうと中に誰も入っていないのを確認して女湯から進める。
 脱衣所は鍵等ロッカーもなく、ただローマの映画でみたような作りになっており、此処はそのままの姿を活用し、床と壁を綺麗にして籠も新しくすることにした。
 お風呂は広かったがやはり水風呂が多く、ぬるま湯も人気だそうだ。


「ジュノリス大国ではまずぬるま湯で身体を洗い温めた後、水風呂で身体を冷やすと言う方法が取られています」
「なるほど」
「出来そうですか?」
「ああ、問題はない。一気に進めよう」


 こうして脱衣所から進め足元は銭湯でも使う珪藻土の常に清潔マットを使用し綺麗に作り変え、一応あった方が良いだろうと鏡の場所、。髪を乾かしたり化粧をしたりする化粧台も用意した。
 続いて風呂場は形はもう決まっているのでその形で中くらいの銭湯を作り、何時もなら熱い湯を用意する所だが、ぬるま湯と水風呂を二つ大きく用意する。
 掛け湯も出来るようにし、身体を洗う場所も銭湯と同じ仕組みだ。
 使い方はいつも通り書いてあるので大丈夫だろう。
 そしてぬるま湯にはあのクールに感じる入浴剤を数粒入れて丁度良くスッキリする感じに作り、男湯も同じように作った。
 時間にして10分程度だろうか?


「アツシ様、慣れておられますね」
「結構作ったからな。やはりそれなりに慣れるよ」
「此処は水の入れ替えは」
「必要ない、常に綺麗に保つようになっている。床や備品の掃除は必要だが湯船に関しては放置でいいぞ」
「それは助かります」
「さ、ジュノリス王にカナエが余計な事を話す前に食事に行こう」
「ははは! カナエ様が惚気てるだけかもしれませんよ」
「ソレはソレで恥ずかしいじゃないか」


 そう言いつつ食事をする部屋に入ると、二人は丁度笑っていて俺の登場に「お帰りなさい」と声を掛けてくれた。


「もう終わったのか」
「ええ、慣れておりますので。詳しくはランディールから聞いて下さい」
「そうしよう。今日の食事はパスタだが中々美味いぞ」
「ありがたいですね」


 こうしてミートソースパスタを食べつつ焼き立てのパンを食べ、食べ終わると俺と陛下は珈琲を、カナエは紅茶を飲み談笑しながら次に進む為の一歩が出来たと笑いあった。
 次の会議では専門家も交えての話し合いとなるだろうとの事で楽しみだ。
 市民街に銭湯を作ったら畜産課のフォシューと言う男性と共にあっちこっち行かねばならないが、その時もランディールはついてくるとの事だったのでしっかりついて来て貰おうと思う。


「会議も早く終わり午後の時間が空いてしまったので午後は市民街に銭湯を作りに行きますよ」
「そうか? 働き過ぎではないか?」
「これくらいは普通です」


 こうして食後、商業ギルドにランディールと向かう事になり、その日は夕方まで銭湯を作り、商業ギルドには各銭湯に交代制で従業員を雇い入れるように頼んだのは言うまでもなく、次の日には従業員は集められるとの事で、明日は銭湯の説明をしてから畜産課のフォシューと共に鶏舎を直す作業から進めることになったのだが――。

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