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第四章 生まれ変わるジュノリス大国とジュノリス王!
99 自分たちの時代での宰相候補と、ニノの異変。
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結婚式まであと少し。
ティアラは出来上がったと言う話は既に聞いている。
後は結婚指輪を選ぶだけなのだが、今日選ぶ事になっている。
久々の休みだ。
練習が終わったらストレリチア村にある俺と二人だけのあの家で選ぶ予定だ。
誓いのキスは本番にとなり終わりとなったが、その足で馬車に乗り込みジュノリス城に帰ると、陛下に「暫く休憩してまいります」と伝えてからストレリチア村へと戻った。
二人きりの家はやはり良い。
王族としての食事などの作法は覚えなくてはならないが、その時になったらモルダバルド侯爵夫人のナディア様にナノと三人で教えて貰う手筈になっている。ありがたい。
早速珈琲とカフェオレを用意してくれたカナエと二人で結婚指輪を選ぶ訳だが、王族の指輪とはかなりゴツイものが多いらしい。
だが、俺達は生粋の王族ではないので自由に選んで良いとの事だったので、カナエと二人で好きな結婚指輪を選ぶ事にしている。
「俺はこれとか良いと思うけどな」
「確かにダイヤがちりばめられてるけど、私は一つくらいがいいわ」
「だとしたらこのデザインは?」
等と会話しつつ、結局カナエの選んだものにしようと思い隣で真剣な表情で選ぶカナエを見つめつつ、暫くすると一つの指輪に行きついたようだ。
「この指輪良いかも」
「どれどれ?」
そう言って指輪を見るとシンプルな指輪だが綺麗なダイヤが一つ付いており、裏面には青いダイヤが入った一品。
ダイヤも良い物を使っているらしく、婚約指輪よりは安いが中々のお値段だ。
「カナエは宝石を見る目があるな」
「そ、そうかな?」
「ダイヤのカットが普通とは違うらしい。凄く輝くらしいぞ」
「へ――……それでこんなに高いのね」
「それに純プラチナで作られた指輪だから高いんだろうな。よし、これにしよう」
「いいの?」
「俺もここ最近国の事業に関わってかなりお金が入ったんでな」
「なるほど」
そう言うと金貨をジャラジャラっと入れて「買うぞ?」と再度確認してから購入。
サイズもピッタリな指輪が段ボールに入ってやってきて、ケースすら豪華だった。
後はウエディングドレスを着た時につけるアクセサリーだが、何でも高級シルクをふんだんに使ったフワフワのドレスらしい。
それでも夏の大陸での結婚式な為、首元には余り物がないのだと言う。
その上ベールは長く、それに合う宝石となると――真珠だろう。
ダイヤは別の時にまた買えばいい。
純真珠のイヤリングにネックレスを購入すると、それも凄いケースでやってきたが、こちらはカナエに手渡して置く。
「もう直ぐ試しに着るだろう?」
「その時はアツシさんも着るでしょう?」
「そうだが」
「その時に私に渡して欲しいわ」
「ふむ、それが良いなら無論渡そう」
「ありがとう」
こうして俺の空間収納に結婚指輪とイヤリングとネックレスを入れ込み、他に買う物は無さそうだ。
夏の大陸であるジュノリス大国では水着もよく見かけるが、お洒落な水着と言う物は無かった。
プールはあるが老朽化が進んでいるので今度作り直す予定らしい。
スキルで作れなくはないが、作るのなら自分達の夏用ユートピアを作る時で良いと思っているし、既に工事を担当する人たちと話もついているので口出し無用だ。
ここ最近は忙しかったのもあって、ストレリチア村に顔を出しても塩などを納品した後は温泉に入る時間も取れず後にしていた、……カナエと二人でゆっくりする時間も取れていなかった。
擦り寄ってくるカナエを見るとドキドキする……。
手を出していいのだろうかとか色々悩んでいるとカナエの方から誘ってきた為、寝室で愛し合ってから暫くゆっくりと過ごし、夕飯も久々にカナエの作った手料理を食べて幸せをチャージし、ストレリチア村の二人の家に泊まってから、翌朝ジュノリス城に戻ると、ジュノリス王が呼んでいると言う事だったので向かう事になった。
執務室にて仕事をしていると言うのでそちらに向かうと、朝の挨拶をしてから二つの報告があった。
一つは、ノスタルミア王国からで開発から約半年、冷蔵の魔石が出来たらしく、現在量産体制に入ったらしい。
また、その冷蔵機能はジュノリス大国では『冷房機』として売りに出される事も決まったらしく、そちらへの改良も進めているらしい。
それは喜ばしい事だ。
この方法で『暖房機』も作れるようになればダングル王国でも売れるかも知れない。
そんな事を思いつつ話を聞いて喜んでいると、俺と年の変わらない一人の男性ともう一人の女性が入ってきた。
「おお、よく来たな。アツシよ、お前専用の宰相候補のランディールだ」
「俺の時代になった時の宰相候補ですか。ですが代替わりはもっと先だと聞いておりますが?」
「今から色々な事を学習させるのも大事な事だ。それにジュノリス大国にいる時にしかこの二人はついて行けないだろう? それに色々改革をするにしてもお前たちのスキルをよく知っている者がいないと何かと不便だからな」
「なるほど」
「女性の方はメルディール。ランディールの双子の妹でカナエの護衛兼メイド長となる者だ」
「「以後お見知りおきを」」
そう言って深々と挨拶した二人には悪いが、俺達について来れるのだろうか?
別の意味で不幸があったとは言え、ピシエールさんですらついて来れなかったんだぞ?
「アツシです。色々ご苦労を掛けるとは思いますが」
「未知なることへの挑戦は大好きなんです! よろしくお願いします!」
「アツシ様、ランディールを胃痛で悩ませるくらい色々してあげてください。カナエ様、メルディールと申します。どうぞよろしくお願い致しますね」
「ええ、此方こそよろしくね」
「二人は基本的にワシの宰相補佐、メイド長補佐をして貰いながら学習しつつ、お主たちがこのジュノリス大国で改革を行う際はドンドン着いて行かせる。元々優秀な二人だ、そう苦労はしまい」
「「ありがとう御座います」」
確かに此方で働く際には必要な人材だろうが一つ気になる事がある。
「すみませんが、スキルを鑑定させて頂いても?」
「「構いませんよ」」
こうして二人を鑑定すると――。
【ランディール:悪意察知7・危険察知7・護衛術6・知識5・回復魔法5・空間収納大】
【メルディール;悪意察知6・危険察知7・護衛術6・知識5・回復魔法5・空間収納大】
普通じゃ強くならないと言われている悪意察知と危険察知が高すぎる。
一体どういう生活をしてきたんだ!?
「一つ伺いますが、お二人の悪意察知と危険察知はどうやって上がったんですか?」
「職業柄、陛下の傍にいることが多く、護衛術も覚えましたので相乗効果で上がりました」
「私も兄と同じです」
「ジュノリス王の危険察知と悪意察知はどれ程の物です?」
「ワシはそう高くはない。少なくとも二人よりは低いじゃろう」
「ふむ……分かりました。これから色々と苦労する事も多いでしょうがどうぞよろしくお願いします。まだこちらでの作業に掛かるのに時間が掛かりますので、まずは近々ある結婚式の準備の際に位でしょうか」
「「分かりました」」
「ドレスの試着は明日出来るらしい。今日はやるべきことをやってくるといい」
「ええ、そうします。暫くミスアーナにある家にも帰っていませんので帰ろうかと」
「そうね、ニノちゃんに飴を報酬で上げないとね」
「ニノが好みそうな飴を沢山あげないとな」
こうして王太子用の部屋から二人に見送られ何時ものミスアーナの家に帰ると、俺達を待っていたかのように子供たちが駆け寄ってきた。
「先生大変なの!!」
「どうした!?」
「ニノちゃんが昨日からずっと震えてて……」
「「ニノが!?」」
「作業もストップしてて、急いで視て上げて!!」
その言葉に作業部屋に入るとニノは小さくなってプルプル震えている。
慌てて駆けより手で救い上げ「ニノ!!」と叫ぶと「アル……ジ……」と震えつつ声を掛けてくる。
一体何が起きようとしてるんだ!?
ティアラは出来上がったと言う話は既に聞いている。
後は結婚指輪を選ぶだけなのだが、今日選ぶ事になっている。
久々の休みだ。
練習が終わったらストレリチア村にある俺と二人だけのあの家で選ぶ予定だ。
誓いのキスは本番にとなり終わりとなったが、その足で馬車に乗り込みジュノリス城に帰ると、陛下に「暫く休憩してまいります」と伝えてからストレリチア村へと戻った。
二人きりの家はやはり良い。
王族としての食事などの作法は覚えなくてはならないが、その時になったらモルダバルド侯爵夫人のナディア様にナノと三人で教えて貰う手筈になっている。ありがたい。
早速珈琲とカフェオレを用意してくれたカナエと二人で結婚指輪を選ぶ訳だが、王族の指輪とはかなりゴツイものが多いらしい。
だが、俺達は生粋の王族ではないので自由に選んで良いとの事だったので、カナエと二人で好きな結婚指輪を選ぶ事にしている。
「俺はこれとか良いと思うけどな」
「確かにダイヤがちりばめられてるけど、私は一つくらいがいいわ」
「だとしたらこのデザインは?」
等と会話しつつ、結局カナエの選んだものにしようと思い隣で真剣な表情で選ぶカナエを見つめつつ、暫くすると一つの指輪に行きついたようだ。
「この指輪良いかも」
「どれどれ?」
そう言って指輪を見るとシンプルな指輪だが綺麗なダイヤが一つ付いており、裏面には青いダイヤが入った一品。
ダイヤも良い物を使っているらしく、婚約指輪よりは安いが中々のお値段だ。
「カナエは宝石を見る目があるな」
「そ、そうかな?」
「ダイヤのカットが普通とは違うらしい。凄く輝くらしいぞ」
「へ――……それでこんなに高いのね」
「それに純プラチナで作られた指輪だから高いんだろうな。よし、これにしよう」
「いいの?」
「俺もここ最近国の事業に関わってかなりお金が入ったんでな」
「なるほど」
そう言うと金貨をジャラジャラっと入れて「買うぞ?」と再度確認してから購入。
サイズもピッタリな指輪が段ボールに入ってやってきて、ケースすら豪華だった。
後はウエディングドレスを着た時につけるアクセサリーだが、何でも高級シルクをふんだんに使ったフワフワのドレスらしい。
それでも夏の大陸での結婚式な為、首元には余り物がないのだと言う。
その上ベールは長く、それに合う宝石となると――真珠だろう。
ダイヤは別の時にまた買えばいい。
純真珠のイヤリングにネックレスを購入すると、それも凄いケースでやってきたが、こちらはカナエに手渡して置く。
「もう直ぐ試しに着るだろう?」
「その時はアツシさんも着るでしょう?」
「そうだが」
「その時に私に渡して欲しいわ」
「ふむ、それが良いなら無論渡そう」
「ありがとう」
こうして俺の空間収納に結婚指輪とイヤリングとネックレスを入れ込み、他に買う物は無さそうだ。
夏の大陸であるジュノリス大国では水着もよく見かけるが、お洒落な水着と言う物は無かった。
プールはあるが老朽化が進んでいるので今度作り直す予定らしい。
スキルで作れなくはないが、作るのなら自分達の夏用ユートピアを作る時で良いと思っているし、既に工事を担当する人たちと話もついているので口出し無用だ。
ここ最近は忙しかったのもあって、ストレリチア村に顔を出しても塩などを納品した後は温泉に入る時間も取れず後にしていた、……カナエと二人でゆっくりする時間も取れていなかった。
擦り寄ってくるカナエを見るとドキドキする……。
手を出していいのだろうかとか色々悩んでいるとカナエの方から誘ってきた為、寝室で愛し合ってから暫くゆっくりと過ごし、夕飯も久々にカナエの作った手料理を食べて幸せをチャージし、ストレリチア村の二人の家に泊まってから、翌朝ジュノリス城に戻ると、ジュノリス王が呼んでいると言う事だったので向かう事になった。
執務室にて仕事をしていると言うのでそちらに向かうと、朝の挨拶をしてから二つの報告があった。
一つは、ノスタルミア王国からで開発から約半年、冷蔵の魔石が出来たらしく、現在量産体制に入ったらしい。
また、その冷蔵機能はジュノリス大国では『冷房機』として売りに出される事も決まったらしく、そちらへの改良も進めているらしい。
それは喜ばしい事だ。
この方法で『暖房機』も作れるようになればダングル王国でも売れるかも知れない。
そんな事を思いつつ話を聞いて喜んでいると、俺と年の変わらない一人の男性ともう一人の女性が入ってきた。
「おお、よく来たな。アツシよ、お前専用の宰相候補のランディールだ」
「俺の時代になった時の宰相候補ですか。ですが代替わりはもっと先だと聞いておりますが?」
「今から色々な事を学習させるのも大事な事だ。それにジュノリス大国にいる時にしかこの二人はついて行けないだろう? それに色々改革をするにしてもお前たちのスキルをよく知っている者がいないと何かと不便だからな」
「なるほど」
「女性の方はメルディール。ランディールの双子の妹でカナエの護衛兼メイド長となる者だ」
「「以後お見知りおきを」」
そう言って深々と挨拶した二人には悪いが、俺達について来れるのだろうか?
別の意味で不幸があったとは言え、ピシエールさんですらついて来れなかったんだぞ?
「アツシです。色々ご苦労を掛けるとは思いますが」
「未知なることへの挑戦は大好きなんです! よろしくお願いします!」
「アツシ様、ランディールを胃痛で悩ませるくらい色々してあげてください。カナエ様、メルディールと申します。どうぞよろしくお願い致しますね」
「ええ、此方こそよろしくね」
「二人は基本的にワシの宰相補佐、メイド長補佐をして貰いながら学習しつつ、お主たちがこのジュノリス大国で改革を行う際はドンドン着いて行かせる。元々優秀な二人だ、そう苦労はしまい」
「「ありがとう御座います」」
確かに此方で働く際には必要な人材だろうが一つ気になる事がある。
「すみませんが、スキルを鑑定させて頂いても?」
「「構いませんよ」」
こうして二人を鑑定すると――。
【ランディール:悪意察知7・危険察知7・護衛術6・知識5・回復魔法5・空間収納大】
【メルディール;悪意察知6・危険察知7・護衛術6・知識5・回復魔法5・空間収納大】
普通じゃ強くならないと言われている悪意察知と危険察知が高すぎる。
一体どういう生活をしてきたんだ!?
「一つ伺いますが、お二人の悪意察知と危険察知はどうやって上がったんですか?」
「職業柄、陛下の傍にいることが多く、護衛術も覚えましたので相乗効果で上がりました」
「私も兄と同じです」
「ジュノリス王の危険察知と悪意察知はどれ程の物です?」
「ワシはそう高くはない。少なくとも二人よりは低いじゃろう」
「ふむ……分かりました。これから色々と苦労する事も多いでしょうがどうぞよろしくお願いします。まだこちらでの作業に掛かるのに時間が掛かりますので、まずは近々ある結婚式の準備の際に位でしょうか」
「「分かりました」」
「ドレスの試着は明日出来るらしい。今日はやるべきことをやってくるといい」
「ええ、そうします。暫くミスアーナにある家にも帰っていませんので帰ろうかと」
「そうね、ニノちゃんに飴を報酬で上げないとね」
「ニノが好みそうな飴を沢山あげないとな」
こうして王太子用の部屋から二人に見送られ何時ものミスアーナの家に帰ると、俺達を待っていたかのように子供たちが駆け寄ってきた。
「先生大変なの!!」
「どうした!?」
「ニノちゃんが昨日からずっと震えてて……」
「「ニノが!?」」
「作業もストップしてて、急いで視て上げて!!」
その言葉に作業部屋に入るとニノは小さくなってプルプル震えている。
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◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
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