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第四章 生まれ変わるジュノリス大国とジュノリス王!
90 ついに動き出したジュノリス大国。
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こうして、思わぬ方向からの攻撃に対し、三国は非常に腹を立てていることは理解出来たし、女王陛下もまた笑顔で「貴方の事は三国が守ります」とハッキリ宣言した。
そして程なくして三国による俺に対するジュノリス大国とテリサバース教会への異議申し立てが行われたのは言う間でもなく――。程なくしてジュノリス大国とテリサバース教会は次の事を三国に通達。
【一、異端者の考えに染まっているのは三国ではないのか】
【二、アツシを異端者審問に掛ける事の何が不満であるのか】
【三、異世界から来た者は異端者である。平和の礎は我々が作り出したものだ】
と言う返答が返って来たらしく、それに対して三国は以下の事をジュノリス大国へ通達。
【一、テリサバース宗教はこの四つの国を治める為に作られた宗教で、法律を作ったのもテリサバース宗教である。テリサバース宗教の最たる教えは戦争をしてはいけないという考えで、我々三国は今もその教えを守ろうと努力している】
【二、ナカゾノ アツシも戦争をしてはいけないという教えを理解し、自分の命も仲間の命も他者の命も大切にしている。現にバルガス元国王の刺客に狙われた時も相手の命を奪うことはなかった。そして今の三国の平和の礎を築いたのはナカゾノ アツシである。それなのに異端者審問に掛けるとは卑劣極まりない】
【三、異世界から来た者は異端者と言うが、それならばナカゾノ アツシ以前に異世界から来た者も全員異端者である。何故その時異端者審問を行わなかったのか、召喚の儀式を法で禁止とし、それでも召喚を行った国や国王を取り締まる事を何故しなかったのか、理由を説明せよ】
と言う事を通達すると、流石にジュノリス大国も言葉が出なかったようで、暫し連絡は途切れた。
説明したくても説明できないのだろう。
しかも三国同時に言われてはジュノリス大国もテリサバース教会も中々声を大にして言えない。
確かに戦争をしてはならないと言う法律を作ったのはテリサバース宗教であるのは事実。
だが三国同士が戦争をせず平和になる為の知識を与えたのは俺だ。
故にジュノリス大国はそれを覆す程の事を言う事が出来ないでいる。
大国と言え、ジュノリス大国を囲うようにある三つの国から言われては立場がない。
それから暫く平和な日常が続いていたある日、ジュノリス大国はついに動き出した。
【一度ナカゾノ アツシと言う者と話がしたい。三国の王も交えジュノリス大公の元へ来るように】と言うお達しが来たのだ。
「ついに動き出しましたね」
「その様ですね」
「どの様な難癖をつけてくるんでしょね」
そう語るのは何故か我が家で寛いでいる三国の王である。
女王陛下は紅茶を飲み、シュウは牛乳を飲み、ラスカール王は珈琲を飲みながら寛いでいる。
うちは何時から溜まり場になったんだ……と思ったがグッと堪えた。
ちなみに女王陛下は馬車で来た、お忍びである。
ラスカール王が「国の報告会」を俺の家でしていると女王陛下に漏らし、「国の報告会」の日に必ず女王陛下がお忍びで我が家に来るようになったのだ。こんな事になるとは思っておらずラスカール王も当初はすまなそうにしていた。
近隣の人たちは「貴族が来ている」と思っているようだが、ボルドーナ商会のボルドさんや商業ギルドのリウスさんなど、秘密に気がついた人はひっくり返って泡を吹いたと聞いている。
俺も是非ともそうしたい。
子供達と3時のおやつ時間ではおやつを食べて幸せそうにしている姿など、国民は想像すらしないだろう。
ナノも女王陛下に懐いており、ナディア様と女王陛下は姉妹会話で盛り上がる事もある。
そして愚痴を言い出すのだ。
「お姉様少しお窶れになりました?」
「ええ、最近バカなジュノリス大公の所為で胃がキリキリするわ」
「本当、あの方昔から頭堅いですわよね。だから禿げてるのよ」
「本当に……あなた方男性陣も頭皮には気を付けたほうが良くってよ」
「俺はまだ若いですので!」
「わ、私も頭皮には気を使っております!」
「禿げたら毛生え薬がありますよ」
「「神よ……」」
と言う会話もいつも通りである。
だが話題は専らジュノリス大公の事で、皆会った事があるそうだがとても頭の固そうなお方らしい。
跡継ぎであらせられた王太子が亡くなってからは特に頭が固くなったそうで、何故亡くなったのかと言うと、好きな女性と結婚出来ない事を嘆いて相手と池に入水したそうだ。
相手の女性もそれなりに権力のある家の女性だったそうだが、ジュノリス大公が許さなかったらしい。
結婚はお互いの恋愛ではなく、国の為にすべきだと言って聞かなかったのだとか。
その結果がたった一人の子である王太子の入水自殺とあっては、殻に閉じこもるのも仕方ない結果の様に思える。
次世代となる人物はまだ出来ておらず、派閥争いが耐えないらしい。
そんな中での俺の登場は、本当に胃が痛い思いだろうなと我ながら思ってしまう。
「その亡くなった王太子はどんな方だったんです?」
「とても聡明な方だったわよ」
「ええ、どことなくアツシ様に似ていらっしゃるかしら?」
「俺に、ですか?」
「生きておられたら貴方くらいの年齢ですし、確かにご存命なら瓜二つかも知れませんわね」
「はぁ……」
「先生イケメンですからね。学校でも一番人気の先生でしたし」
「女子生徒には良く声を掛けて貰っていた気がするが、そんな事は無かったぞ」
「でも女子から良く言われてたっすよ? 先生と比べると俺達は物足りないって、なぁ?」
「言われてたよなぁ。地味に凹んだな、その言葉」
「確かに先生は頭の回転早いし、授業も面白いし、エネルギーがあるっていうか、生気に満ち溢れてるっていうか。オーラが俺達とは違うっすね」
「んふふ、私の先生だもの。当たり前でしょ?」
「カナエにそう言われると嬉しいが」
「「甘いなぁ」」
そう男子二人に拗ねられ俺は苦笑いしか出ない訳だが、変な方向にジュノリス大公が走らなければいいが。
生きて帰って来たかのような息子と同じ顔がいたら、頭が混乱するんじゃないか?
何はともあれ、来週ジュノリス大国に出発な訳だが――しかも馬車で。
一思いに車を走らせて終わらせたいが、そう言う訳にも行かないらしい。
「ジュノリス大国に三国の王が集まるだけでも、ここ数百年の間に無かった事」
「仰々しくなるのは致し方ないね」
「先生は誰と一緒に行かれるんですか?」
「それはわたくしとでしょうね。アツシ殿はノスタルミア王国を拠点としていますから」
「女王陛下が羨ましい」
「拠点を変えるなら是非ダングル王国に!!」
「それならラスカール王国だって名乗り出たい!」
「店もあるしストレリチア村もあるから無理だな」
「「はぁ~~……」」
そう断ると落ち込むシュウとラスカール王。
俺と移動したところで……甘い物が狙いか?
思わず遠目をしそうになった。
「先生と二人でこれからの国の未来を話し合えると言う貴重な時間を……」
「まさにそれだ。何という有意義な時間を過ごせると思う……」
「ほほほ。その有意義な時間を、私が独占してしまって申し訳ないのう?」
「「くっ!!」」
「先生を一ヶ月単位で国に貸し出すってなったら、凄い金額が動きそうっすね」
「こら、先生を売るんじゃない」
「それ凄く良いアイディアです!!」
「ああ、素晴らしいアイディアだ!!」
「先生がって事は、カナエ姉さんも来るんですよね!」
「当たり前でしょう? 婚約者だもの!」
「一ヶ月貸し出し……金貨300万枚かのう」
「「借りましょう!」」
「待て待て。そして女王陛下も俺を簡単に売らないで下さい」
そんなやり取りをしながらカナエはクスクスと笑い、「お金を出さなくても何時でも会えるだろう?」と伝えると「朝から寝る前まで一緒に居られるんですよ!?」とシュウに言われ「どれだけ国の利益になると思っているのか先生は分かっておられない!」と言われて溜息が零れそうになった。
確かにそうかも知れないが、「国の事は国が何とかするしかないだろう?」と告げるとシューンとなってしまった。
「ですので、女王陛下も下手に俺を売らないで下さい」
「ほほほ、大変ですわね、アツシさん?」
「慕われるとは良い事ではないか?」
「限度があります限度が」
「それに、先生を一番独占していいのは婚約者の私ですし?」
「「それもそうだわ、ほほほほほ!」」
と、女王陛下姉妹は声を出して笑い、男性陣はシューンと萎んでしまった。
しかし――。
「でも、カナエお姉ちゃんがせんせいのあかちゃんうんだら、おにいちゃんとけっこんできる?」
「「!?」」
「らすかーる王さまはむりだけど、おにいちゃんはいけるんじゃないの?」
「ナノ、なんて素晴らしい案なんだ!!」
「えらい?」
「とっても偉い!!」
「私がもう少し若ければ!! 若返りの薬は売ってないのか先生!」
「無いです」
「先生、カナエ姉さん。是非娘を、娘を産んでください! そして俺の嫁に!!」
「シュウ落ち着け」
「嫌です! こんな素晴らしい案を何故俺は見過ごしていたのか! 義父様と呼びたい!」
「ナノ、せんせいのおとこのこのあかちゃんとけっこんするね?」
「いや、だから」
「若いとはいい事よのう?」
「「ほほほほほ!!」」
俺達の未来の息子と娘が狙われてしまった。
いや、シュウとナノは良い子なので問題は無いと思うが、恋愛結婚をさせたい親としては!
「ん――、じゃあ娘と息子がシュウ君とナノちゃんに惚れたらあり得る話だよ? その為には国をより豊かにして、ナノちゃんはもっと女性らしくならないとね」
「「目標が高い」」
「君たちは年齢的に行けるかもしれないが、私ではどう足掻いても……国民からロリコン王等と呼ばれてしまう!!」
「「「死活問題」」」
そんな事を語り合いつつ、一週間後の出発が気怠いと思いながらも準備は進めるしか他無く……。こうして一週間後、俺とカナエは女王陛下の乗る馬車に乗り、ジュノリス大国に向かう事になった――。
そして程なくして三国による俺に対するジュノリス大国とテリサバース教会への異議申し立てが行われたのは言う間でもなく――。程なくしてジュノリス大国とテリサバース教会は次の事を三国に通達。
【一、異端者の考えに染まっているのは三国ではないのか】
【二、アツシを異端者審問に掛ける事の何が不満であるのか】
【三、異世界から来た者は異端者である。平和の礎は我々が作り出したものだ】
と言う返答が返って来たらしく、それに対して三国は以下の事をジュノリス大国へ通達。
【一、テリサバース宗教はこの四つの国を治める為に作られた宗教で、法律を作ったのもテリサバース宗教である。テリサバース宗教の最たる教えは戦争をしてはいけないという考えで、我々三国は今もその教えを守ろうと努力している】
【二、ナカゾノ アツシも戦争をしてはいけないという教えを理解し、自分の命も仲間の命も他者の命も大切にしている。現にバルガス元国王の刺客に狙われた時も相手の命を奪うことはなかった。そして今の三国の平和の礎を築いたのはナカゾノ アツシである。それなのに異端者審問に掛けるとは卑劣極まりない】
【三、異世界から来た者は異端者と言うが、それならばナカゾノ アツシ以前に異世界から来た者も全員異端者である。何故その時異端者審問を行わなかったのか、召喚の儀式を法で禁止とし、それでも召喚を行った国や国王を取り締まる事を何故しなかったのか、理由を説明せよ】
と言う事を通達すると、流石にジュノリス大国も言葉が出なかったようで、暫し連絡は途切れた。
説明したくても説明できないのだろう。
しかも三国同時に言われてはジュノリス大国もテリサバース教会も中々声を大にして言えない。
確かに戦争をしてはならないと言う法律を作ったのはテリサバース宗教であるのは事実。
だが三国同士が戦争をせず平和になる為の知識を与えたのは俺だ。
故にジュノリス大国はそれを覆す程の事を言う事が出来ないでいる。
大国と言え、ジュノリス大国を囲うようにある三つの国から言われては立場がない。
それから暫く平和な日常が続いていたある日、ジュノリス大国はついに動き出した。
【一度ナカゾノ アツシと言う者と話がしたい。三国の王も交えジュノリス大公の元へ来るように】と言うお達しが来たのだ。
「ついに動き出しましたね」
「その様ですね」
「どの様な難癖をつけてくるんでしょね」
そう語るのは何故か我が家で寛いでいる三国の王である。
女王陛下は紅茶を飲み、シュウは牛乳を飲み、ラスカール王は珈琲を飲みながら寛いでいる。
うちは何時から溜まり場になったんだ……と思ったがグッと堪えた。
ちなみに女王陛下は馬車で来た、お忍びである。
ラスカール王が「国の報告会」を俺の家でしていると女王陛下に漏らし、「国の報告会」の日に必ず女王陛下がお忍びで我が家に来るようになったのだ。こんな事になるとは思っておらずラスカール王も当初はすまなそうにしていた。
近隣の人たちは「貴族が来ている」と思っているようだが、ボルドーナ商会のボルドさんや商業ギルドのリウスさんなど、秘密に気がついた人はひっくり返って泡を吹いたと聞いている。
俺も是非ともそうしたい。
子供達と3時のおやつ時間ではおやつを食べて幸せそうにしている姿など、国民は想像すらしないだろう。
ナノも女王陛下に懐いており、ナディア様と女王陛下は姉妹会話で盛り上がる事もある。
そして愚痴を言い出すのだ。
「お姉様少しお窶れになりました?」
「ええ、最近バカなジュノリス大公の所為で胃がキリキリするわ」
「本当、あの方昔から頭堅いですわよね。だから禿げてるのよ」
「本当に……あなた方男性陣も頭皮には気を付けたほうが良くってよ」
「俺はまだ若いですので!」
「わ、私も頭皮には気を使っております!」
「禿げたら毛生え薬がありますよ」
「「神よ……」」
と言う会話もいつも通りである。
だが話題は専らジュノリス大公の事で、皆会った事があるそうだがとても頭の固そうなお方らしい。
跡継ぎであらせられた王太子が亡くなってからは特に頭が固くなったそうで、何故亡くなったのかと言うと、好きな女性と結婚出来ない事を嘆いて相手と池に入水したそうだ。
相手の女性もそれなりに権力のある家の女性だったそうだが、ジュノリス大公が許さなかったらしい。
結婚はお互いの恋愛ではなく、国の為にすべきだと言って聞かなかったのだとか。
その結果がたった一人の子である王太子の入水自殺とあっては、殻に閉じこもるのも仕方ない結果の様に思える。
次世代となる人物はまだ出来ておらず、派閥争いが耐えないらしい。
そんな中での俺の登場は、本当に胃が痛い思いだろうなと我ながら思ってしまう。
「その亡くなった王太子はどんな方だったんです?」
「とても聡明な方だったわよ」
「ええ、どことなくアツシ様に似ていらっしゃるかしら?」
「俺に、ですか?」
「生きておられたら貴方くらいの年齢ですし、確かにご存命なら瓜二つかも知れませんわね」
「はぁ……」
「先生イケメンですからね。学校でも一番人気の先生でしたし」
「女子生徒には良く声を掛けて貰っていた気がするが、そんな事は無かったぞ」
「でも女子から良く言われてたっすよ? 先生と比べると俺達は物足りないって、なぁ?」
「言われてたよなぁ。地味に凹んだな、その言葉」
「確かに先生は頭の回転早いし、授業も面白いし、エネルギーがあるっていうか、生気に満ち溢れてるっていうか。オーラが俺達とは違うっすね」
「んふふ、私の先生だもの。当たり前でしょ?」
「カナエにそう言われると嬉しいが」
「「甘いなぁ」」
そう男子二人に拗ねられ俺は苦笑いしか出ない訳だが、変な方向にジュノリス大公が走らなければいいが。
生きて帰って来たかのような息子と同じ顔がいたら、頭が混乱するんじゃないか?
何はともあれ、来週ジュノリス大国に出発な訳だが――しかも馬車で。
一思いに車を走らせて終わらせたいが、そう言う訳にも行かないらしい。
「ジュノリス大国に三国の王が集まるだけでも、ここ数百年の間に無かった事」
「仰々しくなるのは致し方ないね」
「先生は誰と一緒に行かれるんですか?」
「それはわたくしとでしょうね。アツシ殿はノスタルミア王国を拠点としていますから」
「女王陛下が羨ましい」
「拠点を変えるなら是非ダングル王国に!!」
「それならラスカール王国だって名乗り出たい!」
「店もあるしストレリチア村もあるから無理だな」
「「はぁ~~……」」
そう断ると落ち込むシュウとラスカール王。
俺と移動したところで……甘い物が狙いか?
思わず遠目をしそうになった。
「先生と二人でこれからの国の未来を話し合えると言う貴重な時間を……」
「まさにそれだ。何という有意義な時間を過ごせると思う……」
「ほほほ。その有意義な時間を、私が独占してしまって申し訳ないのう?」
「「くっ!!」」
「先生を一ヶ月単位で国に貸し出すってなったら、凄い金額が動きそうっすね」
「こら、先生を売るんじゃない」
「それ凄く良いアイディアです!!」
「ああ、素晴らしいアイディアだ!!」
「先生がって事は、カナエ姉さんも来るんですよね!」
「当たり前でしょう? 婚約者だもの!」
「一ヶ月貸し出し……金貨300万枚かのう」
「「借りましょう!」」
「待て待て。そして女王陛下も俺を簡単に売らないで下さい」
そんなやり取りをしながらカナエはクスクスと笑い、「お金を出さなくても何時でも会えるだろう?」と伝えると「朝から寝る前まで一緒に居られるんですよ!?」とシュウに言われ「どれだけ国の利益になると思っているのか先生は分かっておられない!」と言われて溜息が零れそうになった。
確かにそうかも知れないが、「国の事は国が何とかするしかないだろう?」と告げるとシューンとなってしまった。
「ですので、女王陛下も下手に俺を売らないで下さい」
「ほほほ、大変ですわね、アツシさん?」
「慕われるとは良い事ではないか?」
「限度があります限度が」
「それに、先生を一番独占していいのは婚約者の私ですし?」
「「それもそうだわ、ほほほほほ!」」
と、女王陛下姉妹は声を出して笑い、男性陣はシューンと萎んでしまった。
しかし――。
「でも、カナエお姉ちゃんがせんせいのあかちゃんうんだら、おにいちゃんとけっこんできる?」
「「!?」」
「らすかーる王さまはむりだけど、おにいちゃんはいけるんじゃないの?」
「ナノ、なんて素晴らしい案なんだ!!」
「えらい?」
「とっても偉い!!」
「私がもう少し若ければ!! 若返りの薬は売ってないのか先生!」
「無いです」
「先生、カナエ姉さん。是非娘を、娘を産んでください! そして俺の嫁に!!」
「シュウ落ち着け」
「嫌です! こんな素晴らしい案を何故俺は見過ごしていたのか! 義父様と呼びたい!」
「ナノ、せんせいのおとこのこのあかちゃんとけっこんするね?」
「いや、だから」
「若いとはいい事よのう?」
「「ほほほほほ!!」」
俺達の未来の息子と娘が狙われてしまった。
いや、シュウとナノは良い子なので問題は無いと思うが、恋愛結婚をさせたい親としては!
「ん――、じゃあ娘と息子がシュウ君とナノちゃんに惚れたらあり得る話だよ? その為には国をより豊かにして、ナノちゃんはもっと女性らしくならないとね」
「「目標が高い」」
「君たちは年齢的に行けるかもしれないが、私ではどう足掻いても……国民からロリコン王等と呼ばれてしまう!!」
「「「死活問題」」」
そんな事を語り合いつつ、一週間後の出発が気怠いと思いながらも準備は進めるしか他無く……。こうして一週間後、俺とカナエは女王陛下の乗る馬車に乗り、ジュノリス大国に向かう事になった――。
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