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第三章 ラスカール王国とダングル王国に光を!!
83 急いでやらねばならない復興と、奴が遺した負の状態と。
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王の帰還で祝いの宴を本来なら催す所だが、今はその段ではないと判断し、シュウは国をまず安定させることからスタートした。
特に畜産がどうなっているのか気になるらしい。
そこで畜産関係の担当であるブースと言う男がやってくると、顔を青くしながら「実は」と語り始める。
その内容に俺達は大きく溜息を吐くことになるのだが――。
「バルガスは畜産に対して大きな打撃を与えました。メスの肉の方がうまいと言って、オスを殆ど残し、メスの肉を食べていたんです」
「なんだって!?」
「それで畜産の方も今は必死に数を増やそうと努力しているのですが、増えるにはまだ時間が掛かりそうで」
「それは肉となる魔物全般にか?」
「はい、そうで御座います」
「悪食な……。それでは現在の畜産は殆どバルガスに食い散らかされた後と言う事か」
「オスはそれなりに残っていると言う状態ですが、メスが少なく」
「時間は掛かるが増やしていくしかない……。オスの方は種用を残して肉にする事は可能か?」
「それでも国民全員に行き届くのは無理かと。バルガスは兎に角よく食べ、良く残し、それを処分して自分が如何に裕福かを楽しんでいましたから」
「最悪だな……」
「ええ……」
「それで飢えに苦しんでいる民が多いと言う事か……納得した。作物の方はどうだ?」
「バルガスは作物を食べませんでしたので、そちらは何とか。国民に配るだけの麦やトウモロコシはありますが、正にその程度で」
「ジャガイモやカボチャはどうした?」
「それもまだ数は何とかなります」
「暫く国民には野菜や大豆ミートで飢えを凌いで貰うしかない……それでも魔物の数が増えるのには時間が掛かるけれど」
確かに頭の痛い問題だ。
まさかバルガスがそこまでの屑だとは……死んで当たり前だなと改めて理解した。
「バルガスは魔物は肉を食べる事にしか興味がなく、繁殖や飼育場所や餌などには全く興味がありませんでした。畜産小屋は修繕が必要です」
「そうか……修繕はアツシ殿にお願いすることになりそうだが、大丈夫だろうか?」
「ああ、ツケになるが買い取って貰う事にすれば何とかなる」
「ありがたいです」
「後、農業用のガラスハウスも相当痛んでおりまして……、ガラスが割れたハウスはそのまま放置されていますし、今は保っていても次の大雪に耐えられないハウスもあると思います」
「嗚呼……頭の痛い問題だな」
「今後の為にも畜産小屋と農業用ハウスの修繕が先決だな。後は収穫した作物を保管する倉庫はどうなっているんですか?」
「そちらも同じような状態です。なにせ金も資材も人材も何もかも不足していて……」
「うう……アツシ殿」
「はぁ……こうなるのは何となく理解していた。シュウの後ろ盾ならそれくらいはもうタダでしてやるから落ち込むな。直ぐに移動して直したい。誰か案内を頼む」
「では俺もついて行きます」
「そうだな、次の大雪が降る前に――、今日中に終わらせよう」
「あの、今日中に終わらせられるのでしょうか?」
「アツシ殿はソレだけのレアスキルを持っているからね」
そう言って俺たちはブースの案内の元、先ずは農業用ガラスハウスへと向かった。
雪は多かったがモコモコのダウンを着れば何とか凌げる。
慣れない雪に足を取られながら着いた先のハウスの数は兎に角多かった。
一面ハウスと言った感じだが話に聞いていたとおりガラスが割れていたりと修繕する必要がありそうだ。
無事なハウスあり、その中では作物がきちんと手入れをされていたようだ。
大きめのハウスは何棟かに纏めた方がいいな。
そう思った俺は20棟あるうちのハウスを10棟にわけて作る事を提案し、大丈夫かと言う宰相の言葉に笑顔で「大丈夫ですよ」と声を掛けて作物を10棟のハウスに纏めた。
しかも雪に強い作りのハウスに。
その他おまけに作ったハウスには、中にはヒーターが入っている為、これは魔素で動いており、常春のような気温と常夏の気温の栽培がこれで出来るようになった。
野菜を余り食べない獣人族だが、ストレリチアの村で果物が好きな獣人が多い事を知っている。
そこで人気だったイチゴハウスとして一つを作り替え、もう一つにリンゴとバナナを植樹し育てやすくした。
緑の手の持ち主が国民にいるからこそこれだけの農地があるのだろうし、それならば他の作物も育つはずだ。
「果物など」
「そうですか? ストレリチアの村にいる獣人達の好きな果物を植えてみたんですが」
「食べるのですか? 獣人が?」
「食べてみます?」
そう言ってイチゴとリンゴ、そしてバナナを取り出すと宰相であるノーズさんに渡し、食べて貰う事になった。すると目を輝かせて食べていたので美味しかったのだろう。
「甘い!! 砂糖がなくともこんなに甘い物が!?」
「ええ、野菜を取らないと摂取できない栄養も多いんです。そこで少しでもサポートできたらと思いまして」
「ありがたい……バルガスの時代に緑の手の者たちを殺せと言われましたが、実は匿っておりまして。皆無事なのです」
「それなら沢山育てられますね。国民全員になるまでは少しだけ時間は掛かるでしょうが」
「でも宜しいのですか? これはストレリチア村の特産品です」
「ええ、なのでこの国だけで消費して貰えればいいぞ」
「――ありがとう御座います!!」
そう言って嬉しそうにするシュウの頭を撫でると「ああ、王の頭を撫でるなど」と言っていたが、俺が命の恩人だと言う事を理解している獣人達は涙を流していた。
次に畜産の方だが、凄く広かったのでまず鳥の魔獣の方からやっていく。
オス、メス、ヒナで分けて兎に角広い大型畜産ファームが持っているような畜舎を作っていく。
餌置き場を確保し、水は巡回して魔素で出るようにしている為、飲み物は凍らず飲むことが出来る。
その事も説明しつつ唖然としていたノーズさんだったが、俺は気にせずその後も同じように畜舎を何棟も建てて増やした。これで魔物が増えたとしてもストレスなく過ごせるだろう。畜舎の外の柵は電気が通っていて柵の外に出ようとするとビリッとくるのだ。
そこも説明し、柵の棘には触らないようにと注意する。
最後は倉庫だ。
飼料用倉庫を牛、豚、鳥の魔獣用に作り、野菜関係の倉庫も冷えて凍らない程度に冷房が効いた倉庫を20棟ずつ作った。
これで当面は大丈夫だろう。
作物が育ちすぎても、来年まで持ち越せる備蓄倉庫にもなるようにしたので、その辺りも説明しシュウを除く皆が呆然としていた。
「取り敢えずこんなところかね」
「でも先生、本当にお金は良いんでしょうか?」
「おう、賢王になってから何かしらの形で返してくれれば良いぞ」
「では、そうなれるように頑張ります!」
「アツシ殿……なんと心の広い」
「ああ、流石シュナイダー王が懐いておられるお方だ」
「命の恩人ばかりか、国の恩人になられるとは……」
「シュウやナノの為なら仕方ないよな。まぁ成人するまでは色々手助けするさ。そう言う約束だったもんな」
「先生……」
「有効だろう?」
「はい!」
こうしてまず食べ物関係は安心として、次にするべき事の為に城に戻り、大臣たちを交えて話し合いが行われた。
バルガスが滅茶苦茶にしたダングル王国の法を、父王が生きていた頃の法に戻し、緑の手を持つ者たちは農業に励み、テイマーの力を持つ者たちは畜産で働いて貰う事が決まり、またシュウの護衛として王国騎士団の中でも強い者が三名選ばれた。
無論ナノにも女性騎士が選ばれたらしい。
すると、シュウは意外な所から俺にお願いをしてきた。
何だろうかと思っていると――。
特に畜産がどうなっているのか気になるらしい。
そこで畜産関係の担当であるブースと言う男がやってくると、顔を青くしながら「実は」と語り始める。
その内容に俺達は大きく溜息を吐くことになるのだが――。
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「なんだって!?」
「それで畜産の方も今は必死に数を増やそうと努力しているのですが、増えるにはまだ時間が掛かりそうで」
「それは肉となる魔物全般にか?」
「はい、そうで御座います」
「悪食な……。それでは現在の畜産は殆どバルガスに食い散らかされた後と言う事か」
「オスはそれなりに残っていると言う状態ですが、メスが少なく」
「時間は掛かるが増やしていくしかない……。オスの方は種用を残して肉にする事は可能か?」
「それでも国民全員に行き届くのは無理かと。バルガスは兎に角よく食べ、良く残し、それを処分して自分が如何に裕福かを楽しんでいましたから」
「最悪だな……」
「ええ……」
「それで飢えに苦しんでいる民が多いと言う事か……納得した。作物の方はどうだ?」
「バルガスは作物を食べませんでしたので、そちらは何とか。国民に配るだけの麦やトウモロコシはありますが、正にその程度で」
「ジャガイモやカボチャはどうした?」
「それもまだ数は何とかなります」
「暫く国民には野菜や大豆ミートで飢えを凌いで貰うしかない……それでも魔物の数が増えるのには時間が掛かるけれど」
確かに頭の痛い問題だ。
まさかバルガスがそこまでの屑だとは……死んで当たり前だなと改めて理解した。
「バルガスは魔物は肉を食べる事にしか興味がなく、繁殖や飼育場所や餌などには全く興味がありませんでした。畜産小屋は修繕が必要です」
「そうか……修繕はアツシ殿にお願いすることになりそうだが、大丈夫だろうか?」
「ああ、ツケになるが買い取って貰う事にすれば何とかなる」
「ありがたいです」
「後、農業用のガラスハウスも相当痛んでおりまして……、ガラスが割れたハウスはそのまま放置されていますし、今は保っていても次の大雪に耐えられないハウスもあると思います」
「嗚呼……頭の痛い問題だな」
「今後の為にも畜産小屋と農業用ハウスの修繕が先決だな。後は収穫した作物を保管する倉庫はどうなっているんですか?」
「そちらも同じような状態です。なにせ金も資材も人材も何もかも不足していて……」
「うう……アツシ殿」
「はぁ……こうなるのは何となく理解していた。シュウの後ろ盾ならそれくらいはもうタダでしてやるから落ち込むな。直ぐに移動して直したい。誰か案内を頼む」
「では俺もついて行きます」
「そうだな、次の大雪が降る前に――、今日中に終わらせよう」
「あの、今日中に終わらせられるのでしょうか?」
「アツシ殿はソレだけのレアスキルを持っているからね」
そう言って俺たちはブースの案内の元、先ずは農業用ガラスハウスへと向かった。
雪は多かったがモコモコのダウンを着れば何とか凌げる。
慣れない雪に足を取られながら着いた先のハウスの数は兎に角多かった。
一面ハウスと言った感じだが話に聞いていたとおりガラスが割れていたりと修繕する必要がありそうだ。
無事なハウスあり、その中では作物がきちんと手入れをされていたようだ。
大きめのハウスは何棟かに纏めた方がいいな。
そう思った俺は20棟あるうちのハウスを10棟にわけて作る事を提案し、大丈夫かと言う宰相の言葉に笑顔で「大丈夫ですよ」と声を掛けて作物を10棟のハウスに纏めた。
しかも雪に強い作りのハウスに。
その他おまけに作ったハウスには、中にはヒーターが入っている為、これは魔素で動いており、常春のような気温と常夏の気温の栽培がこれで出来るようになった。
野菜を余り食べない獣人族だが、ストレリチアの村で果物が好きな獣人が多い事を知っている。
そこで人気だったイチゴハウスとして一つを作り替え、もう一つにリンゴとバナナを植樹し育てやすくした。
緑の手の持ち主が国民にいるからこそこれだけの農地があるのだろうし、それならば他の作物も育つはずだ。
「果物など」
「そうですか? ストレリチアの村にいる獣人達の好きな果物を植えてみたんですが」
「食べるのですか? 獣人が?」
「食べてみます?」
そう言ってイチゴとリンゴ、そしてバナナを取り出すと宰相であるノーズさんに渡し、食べて貰う事になった。すると目を輝かせて食べていたので美味しかったのだろう。
「甘い!! 砂糖がなくともこんなに甘い物が!?」
「ええ、野菜を取らないと摂取できない栄養も多いんです。そこで少しでもサポートできたらと思いまして」
「ありがたい……バルガスの時代に緑の手の者たちを殺せと言われましたが、実は匿っておりまして。皆無事なのです」
「それなら沢山育てられますね。国民全員になるまでは少しだけ時間は掛かるでしょうが」
「でも宜しいのですか? これはストレリチア村の特産品です」
「ええ、なのでこの国だけで消費して貰えればいいぞ」
「――ありがとう御座います!!」
そう言って嬉しそうにするシュウの頭を撫でると「ああ、王の頭を撫でるなど」と言っていたが、俺が命の恩人だと言う事を理解している獣人達は涙を流していた。
次に畜産の方だが、凄く広かったのでまず鳥の魔獣の方からやっていく。
オス、メス、ヒナで分けて兎に角広い大型畜産ファームが持っているような畜舎を作っていく。
餌置き場を確保し、水は巡回して魔素で出るようにしている為、飲み物は凍らず飲むことが出来る。
その事も説明しつつ唖然としていたノーズさんだったが、俺は気にせずその後も同じように畜舎を何棟も建てて増やした。これで魔物が増えたとしてもストレスなく過ごせるだろう。畜舎の外の柵は電気が通っていて柵の外に出ようとするとビリッとくるのだ。
そこも説明し、柵の棘には触らないようにと注意する。
最後は倉庫だ。
飼料用倉庫を牛、豚、鳥の魔獣用に作り、野菜関係の倉庫も冷えて凍らない程度に冷房が効いた倉庫を20棟ずつ作った。
これで当面は大丈夫だろう。
作物が育ちすぎても、来年まで持ち越せる備蓄倉庫にもなるようにしたので、その辺りも説明しシュウを除く皆が呆然としていた。
「取り敢えずこんなところかね」
「でも先生、本当にお金は良いんでしょうか?」
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「では、そうなれるように頑張ります!」
「アツシ殿……なんと心の広い」
「ああ、流石シュナイダー王が懐いておられるお方だ」
「命の恩人ばかりか、国の恩人になられるとは……」
「シュウやナノの為なら仕方ないよな。まぁ成人するまでは色々手助けするさ。そう言う約束だったもんな」
「先生……」
「有効だろう?」
「はい!」
こうしてまず食べ物関係は安心として、次にするべき事の為に城に戻り、大臣たちを交えて話し合いが行われた。
バルガスが滅茶苦茶にしたダングル王国の法を、父王が生きていた頃の法に戻し、緑の手を持つ者たちは農業に励み、テイマーの力を持つ者たちは畜産で働いて貰う事が決まり、またシュウの護衛として王国騎士団の中でも強い者が三名選ばれた。
無論ナノにも女性騎士が選ばれたらしい。
すると、シュウは意外な所から俺にお願いをしてきた。
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