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第一章 要らないと言うのなら旅立ちます。探さないで下さい。
26 週休二日制にして、子供達との時間も作りたいし休みが欲しい!
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「実は、明後日にはオスカール王国に行く事が決まっておりまして」
「オスカール王国ですか」
「そちらで茶葉缶と角砂糖を売りたいのですが、明後日までに数は各種500個、用意できますでしょうか。無論無理なお願いをしているのは分かっているのですが」
「いえ、大丈夫です。では、明日の朝取りに来て頂いて良いでしょうか? 応接室に段ボールを置いて中身が何か記載しておきますので」
「ありがとう御座います……っ! 必ず宣伝してきますので!」
「こちらこそありがとう御座います」
「では次に私の話を聞いていただきたいですわ」
そう声を上げたのは、ディア様だった。
なんでも、王都に来れるのは年数回しかないらしく、出来ればシズリー辺境伯領に支店を
出して欲しいと言う要望だった。
ここから馬車で五日程らしいが、流石に今この王都を離れるわけにはいかない。
「申し訳ありませんが、今は手一杯なんですよ」
「ソコをどうにか!!」
「商品をお届けするような手段とかは無いですか?」
「そこはボルドーナ商会に依頼すれば……支店は無理なのでしょうか?」
「残念ながら……」
「むう。代金は銀行支払いに、荷物はボルドーナ商会に運んで貰えればと思いましたが…」
「銀行はあるんですか?」
「ありますよ。良ければ後でご案内しましょうか?」とボルドさん。
「是非お願いします。それと、奴隷でも銀行口座を作れるでしょうか?」
「奴隷では無理ですねぇ」
「そうですか……」
ならば金庫を我が家の皆に一人ずつ買おう。
それに毎月給金を入れていけば何時かは何とかなる筈だ。
「では、此方から聞きたいことが数点あるので宜しいでしょうか?」
「何なりと」
「まず一つですが、店を週二回休もうと思っています。子供達もいますので休みは必要かと思いまして」
「それはお店は個人でやっておられますから大丈夫ですが……休むなら平日が宜しいかと。土日は人出が増えますからね」
「分かりました、平日二日ほど休ませて貰います。そうですね、木金と休んでいいでしょうか? それを後で商業ギルドマスターに伝えに行ってきます。後、床屋を紹介して欲しいんですが」
「床屋でしたら、ノマンノ美容室が宜しいかと。腕は確かですよ」
「獣人も切って貰えるでしょうか?」
「追加料金は掛かりますが、大丈夫です」
「分かりました、木曜か金曜のどちらかで予約を取りに行ってきます。それと、もう一つですが、獣人は毎日お風呂に入るそうです。こちらの国では毎日お風呂に入る習慣はあるのでしょうか?」
「私達のような富裕層ですと毎日入浴しますが、庶民の方はシャワーで済ませるか、濡れたタオルで拭く位が普通かと」
「なるほど。それと、獣人が沢山この国に入ってきてますよね? どこかに避難所はあるのでしょうか?」
「はい、避難所はあります。ですが数が余りにも多くて……いっそ村か町にしようかと言う話も出ているのですが、代表のなり手が居なくて話が進まないんですよ」
「と言うと、村長になりたいと言う人間がいないと」
「そう言う事になります」
「でしたら、俺が村長になっても良いですよ」
「「「え!?」」」
そう言うと三人は驚いた様子で俺の方を見た。
それに、獣人だらけというのならこちらも子供たちは獣人だらけだし、これならカナエのホームセンターも活用できるだろう。
「ただ、なり方が分からないので何とも言えませんが」
「いえいえ、私の方から陛下にお伝えしましょう」
「宜しいのですか? 好き勝手に村の中をしますけど、いいんですか?」
「犯罪めいた事はしないでしょう?」
「当たり前です。彼らに農作物を育てて貰ったり、それを商売にするのも一つの手だと考えています。とは言っても、まだまだやる事があるので今すぐは無理ですが」
「ふむ」
「せめて半年、色々試したいことをしてからにしたいと思っているんですが、もしかしたら、時期が早まる可能性もあります」
「なるほど」
「貴殿は獣人を恐れないのか?」
「うちの従業員は全員獣人ですよ。俺は差別をしません」
「なんて出来たお方……結婚して欲しいですわ!」
その声にバタン!! とドアが開き、カナエが笑顔でズンズン歩いてきた。
トレイで紅茶を運んでいるが一滴も零れてはいない。
一人ずつ紅茶をお出しし、角砂糖を置いた途端――。
「失礼ですが、先生と結婚するのは私です! お取り置きされておりますので!」
「なっ!?」
「それに先生はこの国のこの場所が仕事場なんです。辺境の地には行きません」
「だ、だけど、」
「貴女と結婚したら辺境伯になるのでしょう? 困ります」
「う……」
「と、言う事で話はコレでお終いですね? 先生には次のお客様が待っていらっしゃるのでそろそろお暇して頂けたら助かります」
「そ、そうか。紅茶を頂いてから帰ろう」
「そ、そうですわね」
「むう……まさか既に妻となる人が居たとは……何とかならないものでしょうか」
「お嬢様、諦めたほうが宜しいかと」
「くう……紅茶が目に染みる!」
「お嬢様っ! おいたわしやっ!」
こうして彼らが帰った所で、カナエから先ほど『ストレリチア』からセバスディさんが来ていたとかで、確認に行く事になった。
その前にカナエに仕事の割り振りを頼んだが、数分後に戻ってきたので大丈夫だろう。
ボルドさんは後で銀行を教えてくれるとの事だったので、後ほど伺いますねと伝えてから店に行くと、店先は既に馬車が渋滞状態。
朝から相当な人数が来ているようだ。
カナエとディア様と執事さん共に店に入ると、セバスディさんが駆けつけてきた。
「オーナー、お待ちしておりました」
「何か困った事でもありましたか?」
「まずは奥へ」
そう言って店の裏手、冷蔵庫がある場所に移動すると――。
「今朝出勤したらこうなっていたのでビックリしました。まだ商品に余裕はありますが、これ以上は流石に無理ですよね?」
「そうですね……売り切れ御免にして、もし商品が早く無くなれば店を閉めて頂いて構いません。その時はご一報ください」
「畏まりました」
「それと、今から商業ギルドに行くんですが、その際店の定休日を週二回取ろうと思ってます。木曜と金曜で考えてますので」
「ありがとう御座います……ここまで忙しいと流石に身体が持たない所でした」
「すみません、こんなになるとは思わず」
「ドンドン売りますので、ご期待ください」
「お願いします。では俺達は商業ギルドに向かいますので」
「はい、お気をつけて」
こうして女性客の間を縫って外に出ると、俺とカナエは商業ギルドへと向かった。
仕事の方は頼んできてあるので大丈夫だ。
「おはようございます、リウスさんに御用があって参ったのですが」
「『ストレリチア』のアツシ様ですね。直ぐギルドマスターを呼んでまいります」
「ありがとう御座います」
たったの一日で話が既にここまで来たんだろうか?
ああ、そう言えばストレリチアの従業員はギルマスから貸して貰ったんだった。
知っていて当然か……と思っていると、直ぐに受付嬢が飛んできて、応接室へと招かれた。
「おはようございます。ストレリチアのアツシ様とそのお弟子様」
「おはようございます。実は折り入ってご相談がありまして」
「なんでしょうか」
「要件は三つ程ですが、まず一つは店の定休日を週休二日制にしようと思っています。子供達との時間も作りたいですし、既にガッツリ儲けてしまっているので焦ることは無いかと」
「なるほど、確かにうちの従業員もグッタリでしたからね。土日は人出が多くなりますので、もし休むのでしたら木曜日と金曜日がお勧めです」
「では当初の予定通り木曜と金曜にしましょう。それをセバスディさん達にお伝えして頂けますか?」
「承りました。必ず伝えます」
「それからもう一つは、住民居住地に少し大きな土地は無いでしょうか」
「住民居住地に、ですか?」
「ええ、安く入れるお風呂を用意する事が出来ますので、それに伴い従業員で女性のお年寄りで計算が出来る方を一人、掃除要員で女性一人、男性一人雇いたいのですが」
「それなら三日から一週間待っていただけたらご用意できます」
「土地の方は早めに欲しいんですが」
「それなら……」
そう言って住民居住地を調べながら、良い土地が空いている事を教えてくれた。
何でも家が六軒燃えてしまった広い土地が空いているらしい。
道路に面していて、直ぐ家を建てようかと思っていたそうだが、俺に貸した方が得策だと考えたようだ。
「ではそちらの土地をお借りします」
「ありがとう御座います。契約されて行かれますか?」
「ええ、ギルドマスターを信用してますから。裏切られた場合は……」
「裏切る真似なんてできませんよ! たった一日であれだけの売り上げなんて普通あり得ませんからね!?」
「今日はもっと人が入っているそうですよ。私も見てきましたけど凄かったです」
「どこまでストレリチアは伸びるんでしょうかねぇ……恐ろしいです」
「それと、最後の要件ですが」
――そう言うと俺は襟を正してリウスさんと向き合った。
「オスカール王国ですか」
「そちらで茶葉缶と角砂糖を売りたいのですが、明後日までに数は各種500個、用意できますでしょうか。無論無理なお願いをしているのは分かっているのですが」
「いえ、大丈夫です。では、明日の朝取りに来て頂いて良いでしょうか? 応接室に段ボールを置いて中身が何か記載しておきますので」
「ありがとう御座います……っ! 必ず宣伝してきますので!」
「こちらこそありがとう御座います」
「では次に私の話を聞いていただきたいですわ」
そう声を上げたのは、ディア様だった。
なんでも、王都に来れるのは年数回しかないらしく、出来ればシズリー辺境伯領に支店を
出して欲しいと言う要望だった。
ここから馬車で五日程らしいが、流石に今この王都を離れるわけにはいかない。
「申し訳ありませんが、今は手一杯なんですよ」
「ソコをどうにか!!」
「商品をお届けするような手段とかは無いですか?」
「そこはボルドーナ商会に依頼すれば……支店は無理なのでしょうか?」
「残念ながら……」
「むう。代金は銀行支払いに、荷物はボルドーナ商会に運んで貰えればと思いましたが…」
「銀行はあるんですか?」
「ありますよ。良ければ後でご案内しましょうか?」とボルドさん。
「是非お願いします。それと、奴隷でも銀行口座を作れるでしょうか?」
「奴隷では無理ですねぇ」
「そうですか……」
ならば金庫を我が家の皆に一人ずつ買おう。
それに毎月給金を入れていけば何時かは何とかなる筈だ。
「では、此方から聞きたいことが数点あるので宜しいでしょうか?」
「何なりと」
「まず一つですが、店を週二回休もうと思っています。子供達もいますので休みは必要かと思いまして」
「それはお店は個人でやっておられますから大丈夫ですが……休むなら平日が宜しいかと。土日は人出が増えますからね」
「分かりました、平日二日ほど休ませて貰います。そうですね、木金と休んでいいでしょうか? それを後で商業ギルドマスターに伝えに行ってきます。後、床屋を紹介して欲しいんですが」
「床屋でしたら、ノマンノ美容室が宜しいかと。腕は確かですよ」
「獣人も切って貰えるでしょうか?」
「追加料金は掛かりますが、大丈夫です」
「分かりました、木曜か金曜のどちらかで予約を取りに行ってきます。それと、もう一つですが、獣人は毎日お風呂に入るそうです。こちらの国では毎日お風呂に入る習慣はあるのでしょうか?」
「私達のような富裕層ですと毎日入浴しますが、庶民の方はシャワーで済ませるか、濡れたタオルで拭く位が普通かと」
「なるほど。それと、獣人が沢山この国に入ってきてますよね? どこかに避難所はあるのでしょうか?」
「はい、避難所はあります。ですが数が余りにも多くて……いっそ村か町にしようかと言う話も出ているのですが、代表のなり手が居なくて話が進まないんですよ」
「と言うと、村長になりたいと言う人間がいないと」
「そう言う事になります」
「でしたら、俺が村長になっても良いですよ」
「「「え!?」」」
そう言うと三人は驚いた様子で俺の方を見た。
それに、獣人だらけというのならこちらも子供たちは獣人だらけだし、これならカナエのホームセンターも活用できるだろう。
「ただ、なり方が分からないので何とも言えませんが」
「いえいえ、私の方から陛下にお伝えしましょう」
「宜しいのですか? 好き勝手に村の中をしますけど、いいんですか?」
「犯罪めいた事はしないでしょう?」
「当たり前です。彼らに農作物を育てて貰ったり、それを商売にするのも一つの手だと考えています。とは言っても、まだまだやる事があるので今すぐは無理ですが」
「ふむ」
「せめて半年、色々試したいことをしてからにしたいと思っているんですが、もしかしたら、時期が早まる可能性もあります」
「なるほど」
「貴殿は獣人を恐れないのか?」
「うちの従業員は全員獣人ですよ。俺は差別をしません」
「なんて出来たお方……結婚して欲しいですわ!」
その声にバタン!! とドアが開き、カナエが笑顔でズンズン歩いてきた。
トレイで紅茶を運んでいるが一滴も零れてはいない。
一人ずつ紅茶をお出しし、角砂糖を置いた途端――。
「失礼ですが、先生と結婚するのは私です! お取り置きされておりますので!」
「なっ!?」
「それに先生はこの国のこの場所が仕事場なんです。辺境の地には行きません」
「だ、だけど、」
「貴女と結婚したら辺境伯になるのでしょう? 困ります」
「う……」
「と、言う事で話はコレでお終いですね? 先生には次のお客様が待っていらっしゃるのでそろそろお暇して頂けたら助かります」
「そ、そうか。紅茶を頂いてから帰ろう」
「そ、そうですわね」
「むう……まさか既に妻となる人が居たとは……何とかならないものでしょうか」
「お嬢様、諦めたほうが宜しいかと」
「くう……紅茶が目に染みる!」
「お嬢様っ! おいたわしやっ!」
こうして彼らが帰った所で、カナエから先ほど『ストレリチア』からセバスディさんが来ていたとかで、確認に行く事になった。
その前にカナエに仕事の割り振りを頼んだが、数分後に戻ってきたので大丈夫だろう。
ボルドさんは後で銀行を教えてくれるとの事だったので、後ほど伺いますねと伝えてから店に行くと、店先は既に馬車が渋滞状態。
朝から相当な人数が来ているようだ。
カナエとディア様と執事さん共に店に入ると、セバスディさんが駆けつけてきた。
「オーナー、お待ちしておりました」
「何か困った事でもありましたか?」
「まずは奥へ」
そう言って店の裏手、冷蔵庫がある場所に移動すると――。
「今朝出勤したらこうなっていたのでビックリしました。まだ商品に余裕はありますが、これ以上は流石に無理ですよね?」
「そうですね……売り切れ御免にして、もし商品が早く無くなれば店を閉めて頂いて構いません。その時はご一報ください」
「畏まりました」
「それと、今から商業ギルドに行くんですが、その際店の定休日を週二回取ろうと思ってます。木曜と金曜で考えてますので」
「ありがとう御座います……ここまで忙しいと流石に身体が持たない所でした」
「すみません、こんなになるとは思わず」
「ドンドン売りますので、ご期待ください」
「お願いします。では俺達は商業ギルドに向かいますので」
「はい、お気をつけて」
こうして女性客の間を縫って外に出ると、俺とカナエは商業ギルドへと向かった。
仕事の方は頼んできてあるので大丈夫だ。
「おはようございます、リウスさんに御用があって参ったのですが」
「『ストレリチア』のアツシ様ですね。直ぐギルドマスターを呼んでまいります」
「ありがとう御座います」
たったの一日で話が既にここまで来たんだろうか?
ああ、そう言えばストレリチアの従業員はギルマスから貸して貰ったんだった。
知っていて当然か……と思っていると、直ぐに受付嬢が飛んできて、応接室へと招かれた。
「おはようございます。ストレリチアのアツシ様とそのお弟子様」
「おはようございます。実は折り入ってご相談がありまして」
「なんでしょうか」
「要件は三つ程ですが、まず一つは店の定休日を週休二日制にしようと思っています。子供達との時間も作りたいですし、既にガッツリ儲けてしまっているので焦ることは無いかと」
「なるほど、確かにうちの従業員もグッタリでしたからね。土日は人出が多くなりますので、もし休むのでしたら木曜日と金曜日がお勧めです」
「では当初の予定通り木曜と金曜にしましょう。それをセバスディさん達にお伝えして頂けますか?」
「承りました。必ず伝えます」
「それからもう一つは、住民居住地に少し大きな土地は無いでしょうか」
「住民居住地に、ですか?」
「ええ、安く入れるお風呂を用意する事が出来ますので、それに伴い従業員で女性のお年寄りで計算が出来る方を一人、掃除要員で女性一人、男性一人雇いたいのですが」
「それなら三日から一週間待っていただけたらご用意できます」
「土地の方は早めに欲しいんですが」
「それなら……」
そう言って住民居住地を調べながら、良い土地が空いている事を教えてくれた。
何でも家が六軒燃えてしまった広い土地が空いているらしい。
道路に面していて、直ぐ家を建てようかと思っていたそうだが、俺に貸した方が得策だと考えたようだ。
「ではそちらの土地をお借りします」
「ありがとう御座います。契約されて行かれますか?」
「ええ、ギルドマスターを信用してますから。裏切られた場合は……」
「裏切る真似なんてできませんよ! たった一日であれだけの売り上げなんて普通あり得ませんからね!?」
「今日はもっと人が入っているそうですよ。私も見てきましたけど凄かったです」
「どこまでストレリチアは伸びるんでしょうかねぇ……恐ろしいです」
「それと、最後の要件ですが」
――そう言うと俺は襟を正してリウスさんと向き合った。
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