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第一章 要らないと言うのなら旅立ちます。探さないで下さい。
11 新しい国、ノスタルミア王国に入る前にまずはキャンプ!
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ノスタルミア王国の街道脇をキャンピングカーで走らせる事五時間。
時間は既に夜八時を回っていて、カナエの「ご飯にしましょ~」の声に俺の腹が鳴る。
流石に今日は此処までだなと思い、室内に入ると脇に寄せられた子供達の仕事ぶりに「おお」と声が出る。
「沢山出来たなぁ」
「がんばりました!」
「途中カナエ姉さんから瓶も出して貰って頑張りました」
「ありがとう、これだけあれば暫くは胡椒と砂糖は大丈夫そうだ」
「明日からはどうしましょうか?」
「明日は違う物を詰め替えて欲しいかな。塩が無いのはアレだし、カナエ、後で塩を売ってくれないか?」
「良いですよ。それに瓶もですよね?」
「ああ、頼む」
配膳の準備をしているカナエには悪いが、俺も今日二人がした仕事をチェックしてノートに書かねばならない。
その間にシュウとナノは配膳の手伝いに行ったようで、美味しそうな匂いがしてくる。
「先生、仕事は後にしましょ?」
「そうだな、先に食べるか」
そう言われ苦笑いをしながら手を洗ってから席に付き、「頂きます」をしてから二日目の出来たてそのままのポトフを頂く。
うん、二日目のポトフはやはり美味い!
これは美味い!!
パンもトースターで焼いてくれたようで香ばしくて美味しい!!
「うまいな!!」
「おいしい!」
「二日目になると味が馴染んでるというか……」
「美味しいでしょ?」
「「はい!」」
「うまいな!!」
「そう言えば先生、このキャンピングカーってナビついてないんですね」
「ああ、俺も探したが無かった。レベルが上がればナビもつきそうだがが」
「何にしても、商売ですね!」
「そうだな!」
「俺達もお手伝いします!」
「わたしも!」
「うむ! 期待してるぞ!」
こうして美味しく食事が終わった後は、二人にノートと鉛筆と消しゴムを手渡し、文字と算数を教えていく。
本当に簡単な計算ならシュウは出来るらしく、パパッとノートに小学校1年生がやる最初の算数を書いて解かせつつ、ナノには文字を見ながら書くというのをやらせた。
俺はと言うと、赤ペンを取り出し採点係だ。
その間カナエはというと、生活魔法で洗濯をしてくれていて助かる。
本当は室外でしたいらしいが、夜と言う事もあり室内で回数を増やしてやって貰っている。
「そうだ、この字は特に上手いぞ」
「ほんとう?」
「ああ、この字みたいに綺麗に書いてみよう」
「はい先生」
「あの、先生この計算なんですが」
「うん」
と、子供たちに勉強を教える時間は楽しい。
運転の疲れもあるが、教師をしている気分になる。
だが、一時間も勉強すれば俺も子供たちも疲れた為、お風呂に入って早めに休むことにした。
四人で二階のベッドルームに登り、子供たちを挟んで眠りにつく。
今日も沢山運転したなぁ……そう思いグッスリと眠りについたのだが――。
翌朝、子供たちも一緒に起きて階段を降り一人ずつ顔を洗い歯磨きをして着替えを済ませた頃、なんとなく車に違和感を感じた。
「どうしたんですか先生」
「いや、誰かにノックされてるようだ」
「え」
「ちょっとドアを開けて様子を見てくる」
「はい」
そう言うとゆっくりとドアを開けると、一人の貴族が立っていた。
いや、見た目的に言えば執事だろうか?
「すみません、この妙な物は貴方様の持ち物でしょうか?」
「いいえ、俺のスキルです」
「おお、レアスキルなのですね。それならば、宜しければ我が主人が貴方様を雇いたいと仰せなのですが」
「断ります。俺には家族もいますし」
「むう、しかし」
「金は要りません、俺は商人ですので」
「むう……」
「どこかで御縁がありましたら、是非またお声掛け下さい。ですが俺を雇う事などは考えないようにお願いしたい。家族を心配させたくはないので。あ、これは詫びの印です」
そう言って鞄からさも今出しましたと言わんばかりの小さな箱を取り出し手渡すと、ラッピングされているので中身は分からない。
だが、貴族ならこれで喜ぶはずだ。
アレだ。
カナエと話していた――賄賂用の角砂糖だ。
「それでは俺達は此れで」
「仕方ありませんな。ノスタルミア王国に行かれるのでしたら何時か会うでしょう。私はシズリー辺境伯の執事でゼバズと申します」
「俺はアツシと申します。あの、ノスタルミア王国の首都に行くには後どれくらい掛かるでしょか?」
「そうですね、馬車で一日半かと」
「分かりました。ありがとう御座います」
そう言うと扉を閉め、フーと息を吐くとカナエ達が不安そうにしていたが「賄賂が役に立った」と笑うとホッと安堵したようだ。
馬車はまだ動いていなかったが、このまま外に出て運転席に行くのは危険だと判断し、車内から運転席に乗り込みシートベルトを締め、サングラスを付けると車を走り出させる。
馬車に乗っていた人は驚いていたが、気にせず走り出しCDだって流して走る。
「俺の事は気にせず朝ごはんは食べておいてくれ。出来ればカナエ、俺に手づかみで食べれるサンドイッチを買ってくれると助かる」
「はーい。後珈琲ですね」
「うむ、頼む」
そう言うと子供達は朝食の準備を手伝い、子供たちが食べている間に俺の元にハムと卵のサンドイッチと珈琲が届けられた。
それをペリッと開けつつサンドイッチを食べ、珈琲も器用に開けて飲む。
朝から予想外の事は起きたが、これからはもっと柔軟に動いた方が良さそうだ。
どの道このキャンピングカーは目立つ。
それを最大限に生かした商売や理由を考えればいい。
アピールポイントと言えば分かりやすいか。
早く移動できるからこそ仕入れしやすいとかな。
それに欲しい情報もある。
シュウとナノの奴隷の印を消す事だ。
大金が掛かってでも二人を自由にしてやりたい。
その上で、俺達に着いてくるのなら受け入れたい。
そう思いながら車を走らせる事――六時間。
大きな塀が見えて来て、やっとノスタルミア王国の首都に到着したのだと理解した。
塀の近くには森もある……そこをキャンプ地としよう。
「よし、此処から歩いて一旦森に入るぞ」
「分かりました」
「はーい」
「森には魔物が居るので注意が必要ですね」
「そうだな……この刀を使わないで良いならそれに越したことは無いが」
「戦闘を楽しむ先生ではないものね」
「まぁな」
そう言って森の中の開けた所で拠点を出すと、中に皆で入りホッと安堵する。
靴を脱いで背伸びをしながら身体をストレッチさせると、カナエも子供たちも真似していた。
「長時間車に乗ると疲れますね~」
「運転してる方はもっと疲れるぞ」
「ですよね」
「今日はシュウを入れた後はのんびり風呂に浸からせて貰うぞ?」
「良いですよ」
こうして、明日の朝にはノスタルミア王国の首都に入国出来る様でホッと安堵しつつ、二人が仕事をした時間と内容を書き込み、それから一時間先生をやってからご飯を食べ、風呂に入りユッタリ一人の時間を過ごしてから部屋で熟睡した次の日、俺達はついにノスタルミア王国の首都、ミスアーナに入るのだったが――。
時間は既に夜八時を回っていて、カナエの「ご飯にしましょ~」の声に俺の腹が鳴る。
流石に今日は此処までだなと思い、室内に入ると脇に寄せられた子供達の仕事ぶりに「おお」と声が出る。
「沢山出来たなぁ」
「がんばりました!」
「途中カナエ姉さんから瓶も出して貰って頑張りました」
「ありがとう、これだけあれば暫くは胡椒と砂糖は大丈夫そうだ」
「明日からはどうしましょうか?」
「明日は違う物を詰め替えて欲しいかな。塩が無いのはアレだし、カナエ、後で塩を売ってくれないか?」
「良いですよ。それに瓶もですよね?」
「ああ、頼む」
配膳の準備をしているカナエには悪いが、俺も今日二人がした仕事をチェックしてノートに書かねばならない。
その間にシュウとナノは配膳の手伝いに行ったようで、美味しそうな匂いがしてくる。
「先生、仕事は後にしましょ?」
「そうだな、先に食べるか」
そう言われ苦笑いをしながら手を洗ってから席に付き、「頂きます」をしてから二日目の出来たてそのままのポトフを頂く。
うん、二日目のポトフはやはり美味い!
これは美味い!!
パンもトースターで焼いてくれたようで香ばしくて美味しい!!
「うまいな!!」
「おいしい!」
「二日目になると味が馴染んでるというか……」
「美味しいでしょ?」
「「はい!」」
「うまいな!!」
「そう言えば先生、このキャンピングカーってナビついてないんですね」
「ああ、俺も探したが無かった。レベルが上がればナビもつきそうだがが」
「何にしても、商売ですね!」
「そうだな!」
「俺達もお手伝いします!」
「わたしも!」
「うむ! 期待してるぞ!」
こうして美味しく食事が終わった後は、二人にノートと鉛筆と消しゴムを手渡し、文字と算数を教えていく。
本当に簡単な計算ならシュウは出来るらしく、パパッとノートに小学校1年生がやる最初の算数を書いて解かせつつ、ナノには文字を見ながら書くというのをやらせた。
俺はと言うと、赤ペンを取り出し採点係だ。
その間カナエはというと、生活魔法で洗濯をしてくれていて助かる。
本当は室外でしたいらしいが、夜と言う事もあり室内で回数を増やしてやって貰っている。
「そうだ、この字は特に上手いぞ」
「ほんとう?」
「ああ、この字みたいに綺麗に書いてみよう」
「はい先生」
「あの、先生この計算なんですが」
「うん」
と、子供たちに勉強を教える時間は楽しい。
運転の疲れもあるが、教師をしている気分になる。
だが、一時間も勉強すれば俺も子供たちも疲れた為、お風呂に入って早めに休むことにした。
四人で二階のベッドルームに登り、子供たちを挟んで眠りにつく。
今日も沢山運転したなぁ……そう思いグッスリと眠りについたのだが――。
翌朝、子供たちも一緒に起きて階段を降り一人ずつ顔を洗い歯磨きをして着替えを済ませた頃、なんとなく車に違和感を感じた。
「どうしたんですか先生」
「いや、誰かにノックされてるようだ」
「え」
「ちょっとドアを開けて様子を見てくる」
「はい」
そう言うとゆっくりとドアを開けると、一人の貴族が立っていた。
いや、見た目的に言えば執事だろうか?
「すみません、この妙な物は貴方様の持ち物でしょうか?」
「いいえ、俺のスキルです」
「おお、レアスキルなのですね。それならば、宜しければ我が主人が貴方様を雇いたいと仰せなのですが」
「断ります。俺には家族もいますし」
「むう、しかし」
「金は要りません、俺は商人ですので」
「むう……」
「どこかで御縁がありましたら、是非またお声掛け下さい。ですが俺を雇う事などは考えないようにお願いしたい。家族を心配させたくはないので。あ、これは詫びの印です」
そう言って鞄からさも今出しましたと言わんばかりの小さな箱を取り出し手渡すと、ラッピングされているので中身は分からない。
だが、貴族ならこれで喜ぶはずだ。
アレだ。
カナエと話していた――賄賂用の角砂糖だ。
「それでは俺達は此れで」
「仕方ありませんな。ノスタルミア王国に行かれるのでしたら何時か会うでしょう。私はシズリー辺境伯の執事でゼバズと申します」
「俺はアツシと申します。あの、ノスタルミア王国の首都に行くには後どれくらい掛かるでしょか?」
「そうですね、馬車で一日半かと」
「分かりました。ありがとう御座います」
そう言うと扉を閉め、フーと息を吐くとカナエ達が不安そうにしていたが「賄賂が役に立った」と笑うとホッと安堵したようだ。
馬車はまだ動いていなかったが、このまま外に出て運転席に行くのは危険だと判断し、車内から運転席に乗り込みシートベルトを締め、サングラスを付けると車を走り出させる。
馬車に乗っていた人は驚いていたが、気にせず走り出しCDだって流して走る。
「俺の事は気にせず朝ごはんは食べておいてくれ。出来ればカナエ、俺に手づかみで食べれるサンドイッチを買ってくれると助かる」
「はーい。後珈琲ですね」
「うむ、頼む」
そう言うと子供達は朝食の準備を手伝い、子供たちが食べている間に俺の元にハムと卵のサンドイッチと珈琲が届けられた。
それをペリッと開けつつサンドイッチを食べ、珈琲も器用に開けて飲む。
朝から予想外の事は起きたが、これからはもっと柔軟に動いた方が良さそうだ。
どの道このキャンピングカーは目立つ。
それを最大限に生かした商売や理由を考えればいい。
アピールポイントと言えば分かりやすいか。
早く移動できるからこそ仕入れしやすいとかな。
それに欲しい情報もある。
シュウとナノの奴隷の印を消す事だ。
大金が掛かってでも二人を自由にしてやりたい。
その上で、俺達に着いてくるのなら受け入れたい。
そう思いながら車を走らせる事――六時間。
大きな塀が見えて来て、やっとノスタルミア王国の首都に到着したのだと理解した。
塀の近くには森もある……そこをキャンプ地としよう。
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「分かりました」
「はーい」
「森には魔物が居るので注意が必要ですね」
「そうだな……この刀を使わないで良いならそれに越したことは無いが」
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「まぁな」
そう言って森の中の開けた所で拠点を出すと、中に皆で入りホッと安堵する。
靴を脱いで背伸びをしながら身体をストレッチさせると、カナエも子供たちも真似していた。
「長時間車に乗ると疲れますね~」
「運転してる方はもっと疲れるぞ」
「ですよね」
「今日はシュウを入れた後はのんびり風呂に浸からせて貰うぞ?」
「良いですよ」
こうして、明日の朝にはノスタルミア王国の首都に入国出来る様でホッと安堵しつつ、二人が仕事をした時間と内容を書き込み、それから一時間先生をやってからご飯を食べ、風呂に入りユッタリ一人の時間を過ごしてから部屋で熟睡した次の日、俺達はついにノスタルミア王国の首都、ミスアーナに入るのだったが――。
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