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第一章 要らないと言うのなら旅立ちます。探さないで下さい。
10 その頃オスカール王国では?(井上side)
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――オスカール王国に残った三人(井上)side――
雑魚な先生と同級生が居なくなって清々しつつ、俺と菊池、水野は歓迎の晩餐会に呼ばれた。
美味いものが食えると三人して喜んだのに……味が薄い。
「え、ナニコレ」と思わず口から出た程だ。
「お口に合いませんでしたかな? 最高級のもてなしだったんですが」
「いや、あんまりにもあんまりでしょう? 味は薄いしスープも旨味もないし」
「はぁ……ですが我が王国ではこれが最高の料理でして」
「え――……マジかよ」
「お腹満たされなーい」
「精進料理かよ」
そう文句を言うと、何でも塩や砂糖、胡椒と言った物はとても高価なのだと聞いた。
それでと思ったが、それにしても酷い。
歓迎の晩餐は料理が殆ど食べれないまま終わった。
それからの日々は、俺は剣を、菊池が攻撃魔法を、水野が回復魔法を練習しつつ実践出来る所まで練習する日々が続くようになった。
俺の剣の腕前はレベル7だ。
中々高いようで、剣の先生にも褒められた。
「剣スキル10の奴とかっているのかな」
「そうですね、探せばいるかも知れませんが余り聞いたことがないですな」
「へ――」
なら異世界チョロいじゃん。
ホクホクな気持ちで剣の修行を進めたが、スキルアップはしなかった。
魔法を使う菊池も同じようでスキルアップがしなかったらしく、水野もそうだった。
モンスターを倒す以外に方法が無いのかも知れない。
そうなると実践が必要になってくるが、何とかやるしかないだろう。
そんな俺達異世界の勇者って奴はモテるようで、熱い視線を貰う事が多い。
第一王女と第二王女は俺と菊池に夢中だし、王太子は水野に夢中だ。
激しい練習が終わった後、湯あみをしてからの休憩時間にやってくる彼等と、果物を食べながら会話をする。
「そう言えば、なんで先生達のスキルは読めなかったのかしら?」
「バグかなんかか?」
「そうですね、一般的にはこの世界にない物が表示されて見えなくなる……もしくは読めなくなると言う事はあるそうです」
「「「へ――」」」
それって……レアスキルだったりしないよな?
少しの不安が胸を過る。
もしレアスキル持ちだったとしたら、それはかなり此方の痛手になる。
先生にどんなスキルがあるのか聞けば良かった。
直ぐ調子に乗って雑魚呼ばわりしたから怒ってるかもな……。
「王太子、その――……追放した二人が今どこにいるか分かりますか?」
「何故ゴミスキルを気にするのかな?」
「一応どんなスキルを持っていたのか知りたくて」
「ふむ、確かに一理あるな」
「確かに! レアスキル持ちとかだったら困るし~」
「宿屋にいるでしょうから、宿屋を調べて見つけたらご報告しましょう」
「ありがとう御座います」
「ですが、宿屋にいないとしたら……ジュノリス大国に向かった可能性はありますね」
「ジュノリス大国……」
「安いお金で入国出来て、仕事も色々ありますから」
「なるほど」
「先生達ってお金余り持ってないでしょ? ならジュノリス大国に向かったかもね」
「だろうなぁ……。生きてくには金が要るし」
「冒険者ギルドで護衛でも雇って向かったかもな」
そう考えるのが普通だよなぁ……。
金になりそうなスキルとかがあれば違うんだろうけど、クソ、聞いておけばよかった。
レアスキルがあったなら手元に置いて奴隷にでもしておけば色々楽だったのに。
「そう言えば、スキルが上がらないんですが実践が必要ですかね?」
「そうだね、実践は必要かもしれない。近々周辺の森でシルバーウルフの群れの討伐がある。それに参加してみるかい?」
「お願いします」
「強くなりたいんで」
「私怖くて動けるかなぁ……」
「大丈夫、ミズノはきちんとできるよ」
「そっかな?」
「うん」
「えへへ」
そう言って水野を応援する王太子。
流石一国の王太子ともなるとスマートだねぇ。
でもこの王太子って、婚約者いなかったか?
いや、そもそも王女たちにも婚約者がいたような気がする。
まぁ、勇者側についつい魅力を感じてくるのは仕方ない。
性として諦めよう!
「取り敢えず、明日の朝十時から魔物討伐体が出発するんだ。君たちもそれに着いて行くと言い」
「明日十時だな。分かった」
「取り敢えず頑張ろうぜ」
「そうね」
そう語った翌日の朝九時には、まさか先生とカナエが獣人の子供二人を連れて、キャンピングカーに乗って違う国に向かったとは露知らず――。
俺達は破滅への一歩を踏み出した事にも気づかず……ただ、自分が死ぬ筈ないと言う、謎の自信だけがあって……それが後に痛い思いをするとは、この時誰も思っていなかった――。
雑魚な先生と同級生が居なくなって清々しつつ、俺と菊池、水野は歓迎の晩餐会に呼ばれた。
美味いものが食えると三人して喜んだのに……味が薄い。
「え、ナニコレ」と思わず口から出た程だ。
「お口に合いませんでしたかな? 最高級のもてなしだったんですが」
「いや、あんまりにもあんまりでしょう? 味は薄いしスープも旨味もないし」
「はぁ……ですが我が王国ではこれが最高の料理でして」
「え――……マジかよ」
「お腹満たされなーい」
「精進料理かよ」
そう文句を言うと、何でも塩や砂糖、胡椒と言った物はとても高価なのだと聞いた。
それでと思ったが、それにしても酷い。
歓迎の晩餐は料理が殆ど食べれないまま終わった。
それからの日々は、俺は剣を、菊池が攻撃魔法を、水野が回復魔法を練習しつつ実践出来る所まで練習する日々が続くようになった。
俺の剣の腕前はレベル7だ。
中々高いようで、剣の先生にも褒められた。
「剣スキル10の奴とかっているのかな」
「そうですね、探せばいるかも知れませんが余り聞いたことがないですな」
「へ――」
なら異世界チョロいじゃん。
ホクホクな気持ちで剣の修行を進めたが、スキルアップはしなかった。
魔法を使う菊池も同じようでスキルアップがしなかったらしく、水野もそうだった。
モンスターを倒す以外に方法が無いのかも知れない。
そうなると実践が必要になってくるが、何とかやるしかないだろう。
そんな俺達異世界の勇者って奴はモテるようで、熱い視線を貰う事が多い。
第一王女と第二王女は俺と菊池に夢中だし、王太子は水野に夢中だ。
激しい練習が終わった後、湯あみをしてからの休憩時間にやってくる彼等と、果物を食べながら会話をする。
「そう言えば、なんで先生達のスキルは読めなかったのかしら?」
「バグかなんかか?」
「そうですね、一般的にはこの世界にない物が表示されて見えなくなる……もしくは読めなくなると言う事はあるそうです」
「「「へ――」」」
それって……レアスキルだったりしないよな?
少しの不安が胸を過る。
もしレアスキル持ちだったとしたら、それはかなり此方の痛手になる。
先生にどんなスキルがあるのか聞けば良かった。
直ぐ調子に乗って雑魚呼ばわりしたから怒ってるかもな……。
「王太子、その――……追放した二人が今どこにいるか分かりますか?」
「何故ゴミスキルを気にするのかな?」
「一応どんなスキルを持っていたのか知りたくて」
「ふむ、確かに一理あるな」
「確かに! レアスキル持ちとかだったら困るし~」
「宿屋にいるでしょうから、宿屋を調べて見つけたらご報告しましょう」
「ありがとう御座います」
「ですが、宿屋にいないとしたら……ジュノリス大国に向かった可能性はありますね」
「ジュノリス大国……」
「安いお金で入国出来て、仕事も色々ありますから」
「なるほど」
「先生達ってお金余り持ってないでしょ? ならジュノリス大国に向かったかもね」
「だろうなぁ……。生きてくには金が要るし」
「冒険者ギルドで護衛でも雇って向かったかもな」
そう考えるのが普通だよなぁ……。
金になりそうなスキルとかがあれば違うんだろうけど、クソ、聞いておけばよかった。
レアスキルがあったなら手元に置いて奴隷にでもしておけば色々楽だったのに。
「そう言えば、スキルが上がらないんですが実践が必要ですかね?」
「そうだね、実践は必要かもしれない。近々周辺の森でシルバーウルフの群れの討伐がある。それに参加してみるかい?」
「お願いします」
「強くなりたいんで」
「私怖くて動けるかなぁ……」
「大丈夫、ミズノはきちんとできるよ」
「そっかな?」
「うん」
「えへへ」
そう言って水野を応援する王太子。
流石一国の王太子ともなるとスマートだねぇ。
でもこの王太子って、婚約者いなかったか?
いや、そもそも王女たちにも婚約者がいたような気がする。
まぁ、勇者側についつい魅力を感じてくるのは仕方ない。
性として諦めよう!
「取り敢えず、明日の朝十時から魔物討伐体が出発するんだ。君たちもそれに着いて行くと言い」
「明日十時だな。分かった」
「取り敢えず頑張ろうぜ」
「そうね」
そう語った翌日の朝九時には、まさか先生とカナエが獣人の子供二人を連れて、キャンピングカーに乗って違う国に向かったとは露知らず――。
俺達は破滅への一歩を踏み出した事にも気づかず……ただ、自分が死ぬ筈ないと言う、謎の自信だけがあって……それが後に痛い思いをするとは、この時誰も思っていなかった――。
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