9 / 132
第一章 要らないと言うのなら旅立ちます。探さないで下さい。
09 いよいよ出発! キャンピングカーを走らせ色々あったが無事ノスタルミア王国へ!
しおりを挟む
――翌朝。
まだ眠っているシュウを起こさないようにベッドから降り、顔を洗って歯磨きをしているとカナエも起きてきたようだ。
シルクのパジャマは最高だった……。
昨日は全員シルクのパジャマを寝て、最高に贅沢をした気分だ。
髭剃りまで終わって顔を整えて男用の化粧水をつけると、カナエがクスクスと笑っている。
「おはよう、どうした?」
「先生寝癖ついてて可愛い」
「むう、俺の髪は結構撥ねるんだ」
「無造作ヘアーって奴ですね」
「それが許されるのは若い奴までだぞ」
「良いじゃないですか、此処は異世界ですし」
「まぁ、そうだな。朝ごはんを食べたらキャンピングカーで一気にノスタルミア王国にまで行けたらいいが、何分距離が分からない。数日は掛かると思ってくれ」
「分かりました」
「ただ、俺達が行く方法は、入国料が高いんだ。一人に付き金貨10枚かかる」
「結構大きいですね」
「多分、そっちの道を行くのは大きな商家か貴族くらいだろう。だから余り気にせず走ろうと思う」
「そうなんですね」
「貴族に売れと言われても売れるものではないしな」
そう言って部屋に戻り、着替えを済ませるとシュウが起きてきた。
まだ寝ぼけているが可愛らしい寝ぼけ姿だ。
「おはようシュウ」
「おはようございます」
「顔を洗って歯磨きしといで」
「はーい」
寝ぼけ姿のシュウは意外と可愛い。
子供らしい姿で笑顔が零れるが、どうやらナノも起きてきたようだ。
二人揃って顔を洗い歯磨きをし、部屋に戻って着替えを済ませるとリビングにやってきた。
その間カナエは朝ごはんの支度をしていて、ネットスーパーをフルに使い出来るだけ手作りのご飯を作ろうとしてくれる。
朝はロールパンのサンドイッチに野菜たっぷりのコンソメスープだった。
「頂きます」をしてから食べ始めたのだが――。
「昨日は野菜成分が少なかったので、ちょっと反省したんです」
「いや、だがこのスープは美味いぞ」
「お野菜苦手だけど美味しいです」
「おいしい~」
「スープの出汁が違うんでしょうか……シッカリ味があって旨味があって」
「こっちの料理を食べたことは無いが、どんな感じなんだ?」
「正直、この料理を食べた後だと……貴族の料理を食べたくはないですね」
「そこまでか」
「もしお二人が食べる時があるなら、覚悟はした方がいいかと」
そこまで念押しされ、俺達はこの世界の食生活について一つの不安が過っていた。
俺達と別れた、井上に水野に菊池の事だ。
日本の食生活に慣れていたら、此方の世界の食生活は辛いだろう。
まぁ、もう彼らは巣立ったんだ。
気にするだけ時間の無駄か。
食後の珈琲を飲みつつそんな事を考えていると、気合を入れて「よし!」と口にする。
「食器を洗ったら早速キャンピングカーで出発しよう。余り長居すると碌なことが起きない気がする」
「分かりました。先生の危険察知ですね?」
「ああ、早めに洗って貰えるか?」
「もうすぐ終わりますから」
「分かった。二人は自分の着替えを持っておいで。俺の空間収納に入れておくから」
「「はい」」
こうしてバタバタとし始め、二人分の着替えを空間収納に入れると洗い物を終わらせたカナエと共に外に出て拠点を消し、四人で街道を歩いて、国から真っすぐ向かうジュノリス大国方面は人が多かったが、ノスタルミア王国方面は人通りも無く、少し離れた所でキャンピングカーを出し三人が乗ったのを確認して車を走らせる。
道路は石畳なので撥ねるかと思いきや、そうでもない。
意外とキャンピングカーの性能は良い様だ。
カナエは二人に使い方を教えてくれたようで、助手席に座ってきた。
「シートベルトは着けてくれよ」
「つけますとも。こっちの街道は人気が無いですね」
「一人金貨10枚なら流石にな」
「そうですね、遠回りしてでも安い方に行ってからがお財布に優しいですし」
「が、俺達はそうも言ってられない」
「シュウちゃんたちがいるからですか?」
「それもあるが、井上たちが何かしてきそうな気がしたんでな。危険察知だ」
「ああ……」
「子供たちは何をしてる?」
「今はリビングで寛いでます。初めてのキャンピングカーで驚いてるみたいで」
「そうか、昼休みになったら俺も昼飯食いに行くから、その時は車を停めるし、空間収納からアイテムを出して詰め替え作業をして貰おう」
「そうですね、その時は私も後ろに移ります」
「頼んだぞ」
そう言いながら車は結構な速度を出して走っているが馬車も人通りも見当たらない。
国の面積がどれ位あるか等は分からないが、只管車を走らせる。
CDが聴ける車だった為、カナエはネットスーパーで自分の好きな歌手の歌を購入し、音楽を流し始める。
これに反応したのは子供達だ。
「凄い、この動く家っておうたも流れるのね!」
「ははは! ナノはこういう歌好きか?」
「好き――!」
「確かに音楽を聴きながらと言うのは良いですね」
「眠くならない音楽なら大歓迎だ」
「確かに運転してると眠くなるってお父さんが言ってました」
腕時計をチラッと見ると、朝八時から走り出してまだ一時間。
暫くは音楽を聴きながら休憩タイムだなと思いながら走り続け、昼になった時点でも人気は無く、車の中での食事となった。
前もって早めに料理を始めていたカナエのお陰で、シッカリとした食事がとれて満足だし、その間にと開いたスペースに昨日の続きをして貰うべく道具を出して子供たちに頼むと、二人は直ぐに作業を始めた。
このペースで簡単なものからドンドンお願いしよう。
一時間休憩を取ったらもう一度運転席に座り車は走りだす。
今日一日でどれだけ走れるかは分からないが、結果二日目に突入し、二日目ともなると馬車を見ることが増えてきた為、街道ではなく余り整備されていない地面を走った。
それでも揺れは殆ど無く、やはりこのキャンピングカー凄いと思いながら走る事九時間。
昼のおやつを食べ終わる頃塀が見えて来て、車を停めて室内に入ると手を洗い顔を洗ってから「此処からは歩いて行こう」と告げ、俺達は外に出るとキャンピングカーを消してから歩き出す。
走った距離にして九州から大阪くらいの距離だろうか……意外と大きい国だったんだな。
そんな事を考えながら馬車用の入り口と、申し訳なさ程度に作られた人用の入り口があり、俺達は人用の入り口に向かうと――。
「一人金貨10枚だよ」
「こちらに用意してます」
「ん? よく見たらその子供たちは獣人じゃないか」
「獣人の入国は認められてるはずですが?」
「獣人なら追加金貨5枚だ」
「理由は?」
「アンタ何も知らないんだな。最近獣人がノスタルミア王国に流れ込んでるんだよ。戦争が始まるかも知れないからって。それで入国料が高くなったんだ」
「なるほど、では二人分追加で金貨10枚で宜しいですね」
「ああ、構わない。入国を許可する」
「ありがとう御座います。それで、首都はどちらの道を進めばいいですか?」
「この街道を真っ直ぐだ。途中小さな村や町もあるがな」
「ありがとう御座います」
こうして無事ノスタルミア王国に入国できた俺達は、ホッと安堵の息を吐きまた暫く歩きながらさっきの言葉を思い出す。
――戦争が始まりそうだと言っていたな。
だが、大国がそれを良しとしてない筈だ。
取り合えずは安全なノスタルミア王国に入った事で大丈夫とは思うが、少し離れた場所でキャンピングカーを出すともう一度走り出す。
道中野党に襲われている貴族がいたりとか、商人が襲われていたりとか、そう言うハプニングも特になく、平和な道が続いていた――。
まだ眠っているシュウを起こさないようにベッドから降り、顔を洗って歯磨きをしているとカナエも起きてきたようだ。
シルクのパジャマは最高だった……。
昨日は全員シルクのパジャマを寝て、最高に贅沢をした気分だ。
髭剃りまで終わって顔を整えて男用の化粧水をつけると、カナエがクスクスと笑っている。
「おはよう、どうした?」
「先生寝癖ついてて可愛い」
「むう、俺の髪は結構撥ねるんだ」
「無造作ヘアーって奴ですね」
「それが許されるのは若い奴までだぞ」
「良いじゃないですか、此処は異世界ですし」
「まぁ、そうだな。朝ごはんを食べたらキャンピングカーで一気にノスタルミア王国にまで行けたらいいが、何分距離が分からない。数日は掛かると思ってくれ」
「分かりました」
「ただ、俺達が行く方法は、入国料が高いんだ。一人に付き金貨10枚かかる」
「結構大きいですね」
「多分、そっちの道を行くのは大きな商家か貴族くらいだろう。だから余り気にせず走ろうと思う」
「そうなんですね」
「貴族に売れと言われても売れるものではないしな」
そう言って部屋に戻り、着替えを済ませるとシュウが起きてきた。
まだ寝ぼけているが可愛らしい寝ぼけ姿だ。
「おはようシュウ」
「おはようございます」
「顔を洗って歯磨きしといで」
「はーい」
寝ぼけ姿のシュウは意外と可愛い。
子供らしい姿で笑顔が零れるが、どうやらナノも起きてきたようだ。
二人揃って顔を洗い歯磨きをし、部屋に戻って着替えを済ませるとリビングにやってきた。
その間カナエは朝ごはんの支度をしていて、ネットスーパーをフルに使い出来るだけ手作りのご飯を作ろうとしてくれる。
朝はロールパンのサンドイッチに野菜たっぷりのコンソメスープだった。
「頂きます」をしてから食べ始めたのだが――。
「昨日は野菜成分が少なかったので、ちょっと反省したんです」
「いや、だがこのスープは美味いぞ」
「お野菜苦手だけど美味しいです」
「おいしい~」
「スープの出汁が違うんでしょうか……シッカリ味があって旨味があって」
「こっちの料理を食べたことは無いが、どんな感じなんだ?」
「正直、この料理を食べた後だと……貴族の料理を食べたくはないですね」
「そこまでか」
「もしお二人が食べる時があるなら、覚悟はした方がいいかと」
そこまで念押しされ、俺達はこの世界の食生活について一つの不安が過っていた。
俺達と別れた、井上に水野に菊池の事だ。
日本の食生活に慣れていたら、此方の世界の食生活は辛いだろう。
まぁ、もう彼らは巣立ったんだ。
気にするだけ時間の無駄か。
食後の珈琲を飲みつつそんな事を考えていると、気合を入れて「よし!」と口にする。
「食器を洗ったら早速キャンピングカーで出発しよう。余り長居すると碌なことが起きない気がする」
「分かりました。先生の危険察知ですね?」
「ああ、早めに洗って貰えるか?」
「もうすぐ終わりますから」
「分かった。二人は自分の着替えを持っておいで。俺の空間収納に入れておくから」
「「はい」」
こうしてバタバタとし始め、二人分の着替えを空間収納に入れると洗い物を終わらせたカナエと共に外に出て拠点を消し、四人で街道を歩いて、国から真っすぐ向かうジュノリス大国方面は人が多かったが、ノスタルミア王国方面は人通りも無く、少し離れた所でキャンピングカーを出し三人が乗ったのを確認して車を走らせる。
道路は石畳なので撥ねるかと思いきや、そうでもない。
意外とキャンピングカーの性能は良い様だ。
カナエは二人に使い方を教えてくれたようで、助手席に座ってきた。
「シートベルトは着けてくれよ」
「つけますとも。こっちの街道は人気が無いですね」
「一人金貨10枚なら流石にな」
「そうですね、遠回りしてでも安い方に行ってからがお財布に優しいですし」
「が、俺達はそうも言ってられない」
「シュウちゃんたちがいるからですか?」
「それもあるが、井上たちが何かしてきそうな気がしたんでな。危険察知だ」
「ああ……」
「子供たちは何をしてる?」
「今はリビングで寛いでます。初めてのキャンピングカーで驚いてるみたいで」
「そうか、昼休みになったら俺も昼飯食いに行くから、その時は車を停めるし、空間収納からアイテムを出して詰め替え作業をして貰おう」
「そうですね、その時は私も後ろに移ります」
「頼んだぞ」
そう言いながら車は結構な速度を出して走っているが馬車も人通りも見当たらない。
国の面積がどれ位あるか等は分からないが、只管車を走らせる。
CDが聴ける車だった為、カナエはネットスーパーで自分の好きな歌手の歌を購入し、音楽を流し始める。
これに反応したのは子供達だ。
「凄い、この動く家っておうたも流れるのね!」
「ははは! ナノはこういう歌好きか?」
「好き――!」
「確かに音楽を聴きながらと言うのは良いですね」
「眠くならない音楽なら大歓迎だ」
「確かに運転してると眠くなるってお父さんが言ってました」
腕時計をチラッと見ると、朝八時から走り出してまだ一時間。
暫くは音楽を聴きながら休憩タイムだなと思いながら走り続け、昼になった時点でも人気は無く、車の中での食事となった。
前もって早めに料理を始めていたカナエのお陰で、シッカリとした食事がとれて満足だし、その間にと開いたスペースに昨日の続きをして貰うべく道具を出して子供たちに頼むと、二人は直ぐに作業を始めた。
このペースで簡単なものからドンドンお願いしよう。
一時間休憩を取ったらもう一度運転席に座り車は走りだす。
今日一日でどれだけ走れるかは分からないが、結果二日目に突入し、二日目ともなると馬車を見ることが増えてきた為、街道ではなく余り整備されていない地面を走った。
それでも揺れは殆ど無く、やはりこのキャンピングカー凄いと思いながら走る事九時間。
昼のおやつを食べ終わる頃塀が見えて来て、車を停めて室内に入ると手を洗い顔を洗ってから「此処からは歩いて行こう」と告げ、俺達は外に出るとキャンピングカーを消してから歩き出す。
走った距離にして九州から大阪くらいの距離だろうか……意外と大きい国だったんだな。
そんな事を考えながら馬車用の入り口と、申し訳なさ程度に作られた人用の入り口があり、俺達は人用の入り口に向かうと――。
「一人金貨10枚だよ」
「こちらに用意してます」
「ん? よく見たらその子供たちは獣人じゃないか」
「獣人の入国は認められてるはずですが?」
「獣人なら追加金貨5枚だ」
「理由は?」
「アンタ何も知らないんだな。最近獣人がノスタルミア王国に流れ込んでるんだよ。戦争が始まるかも知れないからって。それで入国料が高くなったんだ」
「なるほど、では二人分追加で金貨10枚で宜しいですね」
「ああ、構わない。入国を許可する」
「ありがとう御座います。それで、首都はどちらの道を進めばいいですか?」
「この街道を真っ直ぐだ。途中小さな村や町もあるがな」
「ありがとう御座います」
こうして無事ノスタルミア王国に入国できた俺達は、ホッと安堵の息を吐きまた暫く歩きながらさっきの言葉を思い出す。
――戦争が始まりそうだと言っていたな。
だが、大国がそれを良しとしてない筈だ。
取り合えずは安全なノスタルミア王国に入った事で大丈夫とは思うが、少し離れた場所でキャンピングカーを出すともう一度走り出す。
道中野党に襲われている貴族がいたりとか、商人が襲われていたりとか、そう言うハプニングも特になく、平和な道が続いていた――。
263
お気に入りに追加
4,145
あなたにおすすめの小説
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
【完結】天候を操れる程度の能力を持った俺は、国を富ませる事が最優先!~何もかもゼロスタートでも挫けずめげず富ませます!!~
udonlevel2
ファンタジー
幼い頃から心臓の悪かった中村キョウスケは、親から「無駄金使い」とののしられながら病院生活を送っていた。
それでも勉強は好きで本を読んだりニュースを見たりするのも好きな勤勉家でもあった。
唯一の弟とはそれなりに仲が良く、色々な遊びを教えてくれた。
だが、二十歳までしか生きられないだろうと言われていたキョウスケだったが、医療の進歩で三十歳まで生きることができ、家での自宅治療に切り替わったその日――階段から降りようとして両親に突き飛ばされ命を落とす。
――死んだ日は、土砂降りの様な雨だった。
しかし、次に目が覚めた時は褐色の肌に銀の髪をした5歳くらいの少年で。
自分が転生したことを悟り、砂漠の国シュノベザール王国の第一王子だと言う事を知る。
飢えに苦しむ国民、天候に恵まれないシュノベザール王国は常に飢えていた。だが幸いな事に第一王子として生まれたシュライは【天候を操る程度の能力】を持っていた。
その力は凄まじく、シュライは自国を豊かにするために、時に鬼となる事も持さない覚悟で成人と認められる15歳になると、頼れる弟と宰相と共に内政を始める事となる――。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載中です。
無断朗読・無断使用・無断転載禁止。
「くっ、殺せ!」と屈服した女騎士を拾ったので虐待することにした。
歩く、歩く。
ファンタジー
魔王が女騎士を拾った。「くっ、殺せ!」と言うものだから、望み通り虐待してやる事にした。
騎士に呪いをかけて魔界へ連れ込み、薬品を入れた風呂に浸けてのお湯責め。その後、騎士が絶句するような服を着せ、この世のものとは思えぬ食事を与えてやった。
粗末な部屋に閉じ込めて一夜を過ごさせ、民衆の前で引き回しの刑にしてやる。合間に部下を𠮟りつけ、女騎士に威厳を示すのも忘れない。
その後魔王は、女騎士に一生働くよう奴隷契約を結ばせた。あまりの条件に女騎士は打ちのめされ、魔王からの虐待に心が折れて、人間界への帰還を諦めてしまう。
やがて数々の虐待に屈した女騎士は、魔王に絶対服従を誓ってしまった。
彼女はその後の生涯を、魔王の孕み袋として生きるしかなくなったのであった。
※あらすじは大体合っています。
【完】前世で種を疑われて処刑されたので、今世では全力で回避します。
112
恋愛
エリザベスは皇太子殿下の子を身籠った。産まれてくる我が子を待ち望んだ。だがある時、殿下に他の男と密通したと疑われ、弁解も虚しく即日処刑された。二十歳の春の事だった。
目覚めると、時を遡っていた。時を遡った以上、自分はやり直しの機会を与えられたのだと思った。皇太子殿下の妃に選ばれ、結ばれ、子を宿したのが運の尽きだった。
死にたくない。あんな最期になりたくない。
そんな未来に決してならないように、生きようと心に決めた。
パーティー会場で婚約破棄するなんて、物語の中だけだと思います
みこと
ファンタジー
「マルティーナ!貴様はルシア・エレーロ男爵令嬢に悪質な虐めをしていたな。そのような者は俺の妃として相応しくない。よって貴様との婚約の破棄そして、ルシアとの婚約をここに宣言する!!」
ここ、魔術学院の創立記念パーティーの最中、壇上から声高らかに宣言したのは、ベルナルド・アルガンデ。ここ、アルガンデ王国の王太子だ。
何故かふわふわピンク髪の女性がベルナルド王太子にぶら下がって、大きな胸を押し付けている。
私、マルティーナはフローレス侯爵家の次女。残念ながらこのベルナルド王太子の婚約者である。
パーティー会場で婚約破棄って、物語の中だけだと思っていたらこのザマです。
設定はゆるいです。色々とご容赦お願い致しますm(*_ _)m
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる