9 / 55
第一章 国民が飢えることなく、まずはそこを目標に!
09 まずは食糧事情をよくする為に、必要な人材集めと金を作る!
しおりを挟む
――翌日、急ぎの便で商業ギルドマスターのデッドリーから人員に関する書簡が届いた。
どうやら仕事を探している人間は山のようにいるようで、鉱山夫になりたい者や、木の伐採をしたい人員。そして女性の人員として漁業に携わる人間は多数用意する事が可能だと言う知らせを受け、来週頭に人材をまずは30人ずつ雇いたい事を告げ、漁業に関しては子供も含めていいので150人用意して欲しい事を告げた。
魚の干物が食べられると言うだけで、随分と食糧事情が変わるからだ。
竿はオアシスでも使っている為売っているし藁や網籠は用意できるが、その上での天日干しや一夜干しとなりそうだ。多めに発注を掛けて纏めて国で買い取ろう。
また、アイテムボックス持ちならば、大なり小なり構わないので全員雇いたい旨も書いた。
それらを記した書状を作るとテリオットに手渡し、直ぐに商業ギルドマスターの元に行く事と、必要なモノを手配するよう頼むと駆け足で出かけて行った。
購入したものは元闘技場に持っていく様に伝えていたので大丈夫だろう。
「まずは一つずつだな」
「アイテムボックスを持っている者は少ないですから今いる人数が多ければいいのですが」
「どこでもアイテムボックス持ちは引っ張りだこだからな」
「彼らがいるだけで作業速度が随分と変わりますからねぇ」
「それより、木材を乾かす土地は選べたか?」
「はい兄上。王都からそう離れておらず、警備もとなると廃村となりますがそこが空いております」
「ああ、大飢饉に見舞われて廃村になった地だな。そこを広く使おう。木材倉庫も直ぐに手配をして作るよう建築師に頼むとしよう」
「そうですね、まずは石の建物で宜しいですか?」
「ああ、まずは石の建物からでいい。乾燥した木材を加工する為には必要だ」
「畏まりました」
こうして着実に一歩ずつ改革、改善は進んで行く。
シュリウスを学園に入れるだけのお金だって用意できているのだが、「兄上が行っていないのに自分が行くつもりはありません。今の方が充実しています」と言って学園には通いたがらない。
「貴族とのパイプを作るには丁度いい機会だが」とは言ったものの、「今が忙しいのです。俺の手助けは必要でしょう?」と断固として譲らなかった為、諦めてシュリウスも補佐官のターバンを付けて仕事をしている。
僅か10歳がだ。
兄を支えたくて学園に行く事も、遊ぶことも辞めたのだ。
こんな国にした元愚王――両親やその先祖には恨み言くらいは言いたくなったが、「せめて俺達の子供の世代は学園に通わせたいな」と言うと「兄上は良いお嫁さんを貰わねばですね」と言われ苦笑いが零れた。
学園にも通っていない、国王にはなっているが若干の15歳では、貴族連中も自分の娘を――とは言いにくい。
ましてやトコトン馬鹿にして来ていたのだ。
それを掌返しで言って来ても、どんな罰を受けるか分かったものではないのだろう。
それに、俺としても今は婚約者だ妻だと言っている場合ではなく、国を安定させることに尽力している。
全てが落ち着いてからでも問題なかった。
そんな事を考えていた午後――商業ギルドマスターのデッドリーが自分の持つ兵士を連れてやってきて、シュリウスとサファール宰相、それにテリオットと共に宝物庫へと向かう。
売りに出せば国が安定しただろうに、国王たちは少しの財産でチマチマと金銀財宝を集めて来たのだ。
まるでドラゴンの習性かのように。
王族しか持つ事の許されない鍵を手にドアを開け、中を見ると待っていたのは溢れんばかりの金銀財宝。
金もないのにコツコツ祖先たちが集めた物ばかりだった。
「これは……凄いですな。隠し財産と言う奴ですか」
「第一陣としてこの中から5つの財宝をオークションにかける。これとこちら……あとはこの三つだな。最低価格はどれ位になる?」
「最低価格はこれだと最低金貨80枚からかと……実に素晴らしいものですよ? 本当に売っていいのですか?」
「一つ金貨200枚以上に変わってくれれば御の字だ。今は民を富ませる為には手段を選んではいられない」
「シュノベザール王家は元々ドラゴンの末裔だと言われているので、金がなくとも金銀財宝をため込んだんでしょうね」
「こんな宝物庫があと5つもある……全く、金はもっと違う事に使えばいいものを」
そう言って溜息を吐くと、「後5つも」と驚きを隠せないデッドリーだったが、シュノベザール王家は何かと財宝をため込む習性があるのは確かだった。
「国が富まねばここにある国の財産など価値は無い。後はこの5つをいい感じに釣り上げて売って来てくれ」
「畏まりました」
「それで得た金で苗と種を買い、国をまずは富ませていかねば……明日には頼んでいた人数は揃いそうか?」
「既に通達はしているので来られるかと」
「では後は大臣たちに働いて貰い頑張って貰おう。オークションの金が入るのはオークションが終わった翌日だったな」
「はい、必ず持って参ります」
「是非そうしてくれ。翌日にはネバリ王国から商隊がくるからな。買えるだけの種と苗を買いたいし蚕も買いたい」
「畏まりました」
「後は緑の魔石を買わねばならないから、そっちは足りなければ俺の持っている金を使う」
「緑化の魔道具に使う特別な魔石ですね」
「ああ、サファール宰相、魔石商に連絡をしておいてくれ」
「畏まりました」
こうして宝物庫に鍵をかけ、布に包んだ財宝を数名掛かりで運びながら後は任せ、俺達の取り敢えず出来る事は終わった。
また、テリオットにラシュリオを呼んでくるように頼むと、ラシュリオは直ぐにやってきて「明日から箱庭の漁業と林業を動かす。諸々必要なものは用意しているが、監督にあたれ」と命令し、ラシュリオは深々と頭を下げて部屋を出て行った。
「兄上の仕事はスピード感がありますね」
「時間は有限、しかも出来上がるのに時間がかかるものも多い。後は仮の市場の建設だな」
「干物を売るんでしたね」
「魚屋があればそこと契約するが、生憎この国に魚屋は無い。漁業関連の大臣を作らねばならんな」
「海のある国ならば魚ギルドがあるそうですが……」
「ギルドを呼び寄せるか……デッドリーがまだいるなら直ぐに連絡を、後手になって申し訳ないが、魚ギルドを呼び寄せて欲しいと伝えてくれ」
「畏まりました!」
そういうと物凄い走りでテリオットが走って行き、テリオットの働きのお陰で帰りがけのデッドリーに魚ギルドを呼んで欲しいと言う通達が出来たが、それならば、理由などを記した書簡を俺から書いて魔道具で送ってくれることになった。
魚ギルドが来るまでの間は、その間出来上がった干物は国で売るしかない。
その為の人材確保や場所確保に翻弄されながら――ついにオークションは開催され、金を持っている貴族からたんまりと金を巻き上げ、その金で苗や種を買える事になった。翌日ついにネバリ王国から商隊が訪れ、多くの作物用箱庭師が並ぶ中、【箱庭師大臣】ラシュリオと、【箱庭農業大臣】モザーラがいる中、商談が始まるのである――。
どうやら仕事を探している人間は山のようにいるようで、鉱山夫になりたい者や、木の伐採をしたい人員。そして女性の人員として漁業に携わる人間は多数用意する事が可能だと言う知らせを受け、来週頭に人材をまずは30人ずつ雇いたい事を告げ、漁業に関しては子供も含めていいので150人用意して欲しい事を告げた。
魚の干物が食べられると言うだけで、随分と食糧事情が変わるからだ。
竿はオアシスでも使っている為売っているし藁や網籠は用意できるが、その上での天日干しや一夜干しとなりそうだ。多めに発注を掛けて纏めて国で買い取ろう。
また、アイテムボックス持ちならば、大なり小なり構わないので全員雇いたい旨も書いた。
それらを記した書状を作るとテリオットに手渡し、直ぐに商業ギルドマスターの元に行く事と、必要なモノを手配するよう頼むと駆け足で出かけて行った。
購入したものは元闘技場に持っていく様に伝えていたので大丈夫だろう。
「まずは一つずつだな」
「アイテムボックスを持っている者は少ないですから今いる人数が多ければいいのですが」
「どこでもアイテムボックス持ちは引っ張りだこだからな」
「彼らがいるだけで作業速度が随分と変わりますからねぇ」
「それより、木材を乾かす土地は選べたか?」
「はい兄上。王都からそう離れておらず、警備もとなると廃村となりますがそこが空いております」
「ああ、大飢饉に見舞われて廃村になった地だな。そこを広く使おう。木材倉庫も直ぐに手配をして作るよう建築師に頼むとしよう」
「そうですね、まずは石の建物で宜しいですか?」
「ああ、まずは石の建物からでいい。乾燥した木材を加工する為には必要だ」
「畏まりました」
こうして着実に一歩ずつ改革、改善は進んで行く。
シュリウスを学園に入れるだけのお金だって用意できているのだが、「兄上が行っていないのに自分が行くつもりはありません。今の方が充実しています」と言って学園には通いたがらない。
「貴族とのパイプを作るには丁度いい機会だが」とは言ったものの、「今が忙しいのです。俺の手助けは必要でしょう?」と断固として譲らなかった為、諦めてシュリウスも補佐官のターバンを付けて仕事をしている。
僅か10歳がだ。
兄を支えたくて学園に行く事も、遊ぶことも辞めたのだ。
こんな国にした元愚王――両親やその先祖には恨み言くらいは言いたくなったが、「せめて俺達の子供の世代は学園に通わせたいな」と言うと「兄上は良いお嫁さんを貰わねばですね」と言われ苦笑いが零れた。
学園にも通っていない、国王にはなっているが若干の15歳では、貴族連中も自分の娘を――とは言いにくい。
ましてやトコトン馬鹿にして来ていたのだ。
それを掌返しで言って来ても、どんな罰を受けるか分かったものではないのだろう。
それに、俺としても今は婚約者だ妻だと言っている場合ではなく、国を安定させることに尽力している。
全てが落ち着いてからでも問題なかった。
そんな事を考えていた午後――商業ギルドマスターのデッドリーが自分の持つ兵士を連れてやってきて、シュリウスとサファール宰相、それにテリオットと共に宝物庫へと向かう。
売りに出せば国が安定しただろうに、国王たちは少しの財産でチマチマと金銀財宝を集めて来たのだ。
まるでドラゴンの習性かのように。
王族しか持つ事の許されない鍵を手にドアを開け、中を見ると待っていたのは溢れんばかりの金銀財宝。
金もないのにコツコツ祖先たちが集めた物ばかりだった。
「これは……凄いですな。隠し財産と言う奴ですか」
「第一陣としてこの中から5つの財宝をオークションにかける。これとこちら……あとはこの三つだな。最低価格はどれ位になる?」
「最低価格はこれだと最低金貨80枚からかと……実に素晴らしいものですよ? 本当に売っていいのですか?」
「一つ金貨200枚以上に変わってくれれば御の字だ。今は民を富ませる為には手段を選んではいられない」
「シュノベザール王家は元々ドラゴンの末裔だと言われているので、金がなくとも金銀財宝をため込んだんでしょうね」
「こんな宝物庫があと5つもある……全く、金はもっと違う事に使えばいいものを」
そう言って溜息を吐くと、「後5つも」と驚きを隠せないデッドリーだったが、シュノベザール王家は何かと財宝をため込む習性があるのは確かだった。
「国が富まねばここにある国の財産など価値は無い。後はこの5つをいい感じに釣り上げて売って来てくれ」
「畏まりました」
「それで得た金で苗と種を買い、国をまずは富ませていかねば……明日には頼んでいた人数は揃いそうか?」
「既に通達はしているので来られるかと」
「では後は大臣たちに働いて貰い頑張って貰おう。オークションの金が入るのはオークションが終わった翌日だったな」
「はい、必ず持って参ります」
「是非そうしてくれ。翌日にはネバリ王国から商隊がくるからな。買えるだけの種と苗を買いたいし蚕も買いたい」
「畏まりました」
「後は緑の魔石を買わねばならないから、そっちは足りなければ俺の持っている金を使う」
「緑化の魔道具に使う特別な魔石ですね」
「ああ、サファール宰相、魔石商に連絡をしておいてくれ」
「畏まりました」
こうして宝物庫に鍵をかけ、布に包んだ財宝を数名掛かりで運びながら後は任せ、俺達の取り敢えず出来る事は終わった。
また、テリオットにラシュリオを呼んでくるように頼むと、ラシュリオは直ぐにやってきて「明日から箱庭の漁業と林業を動かす。諸々必要なものは用意しているが、監督にあたれ」と命令し、ラシュリオは深々と頭を下げて部屋を出て行った。
「兄上の仕事はスピード感がありますね」
「時間は有限、しかも出来上がるのに時間がかかるものも多い。後は仮の市場の建設だな」
「干物を売るんでしたね」
「魚屋があればそこと契約するが、生憎この国に魚屋は無い。漁業関連の大臣を作らねばならんな」
「海のある国ならば魚ギルドがあるそうですが……」
「ギルドを呼び寄せるか……デッドリーがまだいるなら直ぐに連絡を、後手になって申し訳ないが、魚ギルドを呼び寄せて欲しいと伝えてくれ」
「畏まりました!」
そういうと物凄い走りでテリオットが走って行き、テリオットの働きのお陰で帰りがけのデッドリーに魚ギルドを呼んで欲しいと言う通達が出来たが、それならば、理由などを記した書簡を俺から書いて魔道具で送ってくれることになった。
魚ギルドが来るまでの間は、その間出来上がった干物は国で売るしかない。
その為の人材確保や場所確保に翻弄されながら――ついにオークションは開催され、金を持っている貴族からたんまりと金を巻き上げ、その金で苗や種を買える事になった。翌日ついにネバリ王国から商隊が訪れ、多くの作物用箱庭師が並ぶ中、【箱庭師大臣】ラシュリオと、【箱庭農業大臣】モザーラがいる中、商談が始まるのである――。
51
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!
naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』
シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。
そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─
「うふふ、計画通りですわ♪」
いなかった。
これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である!
最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~
愛山雄町
ファンタジー
エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。
婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる