【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい

寿明結未

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130 焼肉屋の為の雇用と。

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――カイルside――


二日連続での休日は――夢となって終わった。
ライトから各店舗の収支計算報告書などの計算及び記録を任されたからだ。
朝から机に向かい黙々と数字と戦い、間違いないかどうかを何度もチェックする。
毎回ライトはこの仕事を苦にもせずやってのけていたのだから凄い奴だと思うが、終わる頃には頭から湯気が出そうだった……。


「お……終わった……」


力尽きるように椅子にダラリと座ると、大きく溜息を吐いた。
朝から始めて終わったのが夕方の夕日が見える時間帯。ライトなら午前中の間に終わった事だろう。
改めて弟の凄さを知った。
肩も凝り固まり、終わった事を報告ついでに温泉に入りに行こうとすると、ノックをする音が聞こえた為声を出すと、入ってきたのはライトだった。


「終わりましたか?」
「ああ、たった今終わった所だ。やっぱりライトは凄いな……これを午前中のうちに終わらせることが出来るんだから」
「収支や各店舗の給料等、難しいですからね。リディアお姉さんからのお願いで年に二回、ボーナス支給も考えると大変ですよ」
「ボーナスなぁ……。初めて聞いたときは驚いたもんだぞ」


そう、リディアは全従業員に対し、年二回のボーナスを出すと言う契約を行っている。
ボーナスは月給料の三か月分だが、それを全従業員に払うようにしているのだ。
お陰でサルビアで働きたい庶民はとても多く、サルビアで働いていることは一種のステータスになり始めている。


「そう言えば、昨夜は伝え忘れていましたが、今後ダンノージュ侯爵領の宿屋協会と連携していく事になりました事と、商店街の建物の解体は一カ月を目途に終わるそうです。また、兄さんが買ったお店は痛みが激しい箇所が多い為、伐採師さんたちが暫く仕事が無そうなので、彼らに伐採して貰った木を使って建築士に頼んで店を綺麗にすることをお勧めします」
「弟が有能過ぎて辛い……」
「何を仰るんです。今後兄さんこそ裏側ばかりではなく表舞台に出て貰いますからね。今回は仕方なくです。下半身が爆発しそうだったんでしょう?」
「疲れが爆発もしたんだ。下半身は割とよく爆発している」
「私もいずれ兄さんのようになるんでしょうか……」
「いや、本当一人でするより、」
「兄さん、私は結婚もまだしていないリディア姉さんが妊娠することの方が心配です」
「うっ!」
「男は出すだけと言う事もありますが、女性はその後の事もあるんです。お忘れなきように」
「はい……」
「低能になることだけは無きようにお願いしますね」


弟の冷たい視線が突き刺さる……。
俺は何て愚かだったんだっ! リディアに昨日あんなことを言われても仕方ない事をしてしまった!!
きっとロキシー辺りから聞いたんだろう……ライトが俺を見る目が下衆を見る目に近いっ


「それから急ぎ、ほっかりシリーズを作って頂いていますが、ダンノージュ侯爵領でも後に使う事を考え、大急ぎで作って貰っています。折を見て皆さんに労いをお願いします」
「はい……」
「調理師も先に王太子領だけでも雇って直ぐに仕事が出来るようにして下さい。今からでも商業ギルドに向かい、明日の面接に備えて欲しいですね」
「行ってきます……」
「それが終わり次第食事、そして温泉で疲れを取ってください。では連絡は以上です。書類有難うございました」


そう言うとライトはお辞儀して部屋を出ていった。
俺が獣のようにリディアを抱いたことを知ってのあの態度だと思うが……実の弟に「低能になる事だけは無いように」と釘を刺される程、俺の信頼度がダダ下がってしまった。

いけない。このままじゃダメだ。
兄としての威厳も、婚約者としての威厳も取り戻さねば!
そうと決まれば、急ぎ着替えて見た目を整えてから王太子領の商業ギルドに明日行う調理師とウエイトレスやウエイターを雇う為の求人をして……時間が余れば少しジューダスの所を覗いて来よう。
そう決まれば後は早かった。
急ぎ身支度を整えると「ちょっと商業ギルドに行ってくる!」と伝えてから箱庭から出て、急ぎまだ開いている商業ギルドへと向かった。


「これはカイル様」
「すまない。明日、調理師を50人程雇いたいんだ。ウエイターやウエイトレスは合計で60人いれば何とかなると思うが、頼めそうか?」
「分かりました。直ぐに手配します。また、前回のようなことが無いよう、シッカリと募集項目を読んだ者を選ばせて頂きます」
「そうしてくれると助かる。王太子領に既に店は出来ているんだが、人が入らないと何ともできなくてな」
「新しい商売でしたか、わかりました。急ぎ用意しましょう」
「それと、後日また調理師とウエイトレスを雇おうと思う。今すぐと言う訳ではまだないが、近々頼みに来るからそっちも検討しておいていくれ」
「畏まりました」
「出来れば貴族屋敷で働いていたものを雇いたい。メイドだった者や執事だった者を頼む」
「お任せくださいませ」


商業ギルドでは伝えるだけの事は伝え、その足で酒場にいるジューダスの元へと急いだ。
最近は忙しくて中々行けていなかったが、酒場に入るといつも通りシン……としていた。
だが、ジューダスは俺が来たことに気が付くと、「よう」と声を掛けてくれた為、近況を聞こうとジューダスの元へと向かった。

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