異世界転移で巣ごもりごはん

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これからのこと

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で、これからどうするかって話になったんだけど。

「互いに互いの世界や情報に干渉が難しいようになっている……とのお話でしたので、基本的にはそこまで気にせず、自由に過ごしてもらうことになりそうです」

城側……というか、異世界側のスタンスは、この、セオドア……さん? を通して聞いてみるとこんな感じだった。
この辺りは、夢の中で神様……というか観測者が言っていた通り、こっちの世界でも似たような釘が刺されてると思って間違いがなさそうだ。

「ただ、客人と言えど城には入室不可の場所も多く、また双方何事もないよう常時幾人かの護衛が付くことになりますが」

指先で眼鏡のブリッジをあげる文官。で、まあ。悲しいかな、なんとなく悟ってしまった。

「自由にとか言いつつ、あんま出歩かれると困っちゃう感じ……?」

「ははは」

おい笑って誤魔化そうとするな。ていうか声とは裏腹に一切顔が笑ってなくて怖い。せめて口だけでも笑って。
うーん、確認するまでもなく、俺の召喚って結構な厄介ごとなんだろうなあ……。
俺としても、無闇にトラブル起こしたくないし。……ま、部屋に居ればいいか。どうせ今日は一日そのつもりだったんだ。部屋の外はだいぶ変わったみたいだけど。

「分かった、なるべく一か所にいるようにする」

「……ご協力、大変に感謝します」

目の前の、多少慇懃無礼のきらいがある男がふと息を吐いた。……たぶんこれは心からだろうなと思ってしまったのは、気のせいなんだろうか。

「出来ればあの部屋で過ごしてたいんだけど、それって出来んの?」

「部屋はこちらで用意しますが」

「いや……肩こりそうだしさ……」

せっかくと言うか何ていうか、どうせ一緒に来ちゃったんだから活用したっていいだろ。申し出もせっかくなんだけど、もしかしたら長居する場所になるかもしれないから、ここは辞退させて頂くことにする。
セオドアは顎に指関節をあてて考えるそぶりを見せた。

「そうですか。こちらとしてもあの部屋は保存しておきたい……それでは、あの部屋ごと場所を移しましょう」

「移す……部屋ごと? そんなこと出来るのか?」

あの大きさを丸ごと……って話であってるんだろうか。驚く俺に、文官は口許だけで笑んで頷く。

「神殿……あの石造りの空間を、一応空にしておきたいんですよ。またこんなことが起きるかも分からないし……もし今事が起これば、ケンジさんの部屋がどうなるか」

「移動しようぜ!!」

勢い込んで俺は言う。今またミスが起こらないって保証はない。
その時に、まだあの空間を俺の部屋が陣取ってたとしたら……後から来た大きな物体に圧し潰されるとか、もし小さくても変に合体するとか、そういう事故が起こるかもしれない。勘弁してくれ。
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