近未来小説自動運転使用許可証


「今ね、テレビで、50年前の出来事っていう番組をやってたの」
と、おばあさんは、真剣な顔をしながら、続けてしゃべりかけた。
「97歳の男が、軽自動車を運転して、歩道を数十メートル走行してね、歩道にいた女の人をはねて死亡させてしまったんですって」
「あー、そうかい、大変だったねー、むかしは」
と、おじいさんは、新聞から目をはなして、おばあさんの顔を見て言った。
「今は、30年ほど前に自動運転車ができてから、運転免許証を持っている人で、自分の運転に自信がなくなってきたら、むかしからある運転免許証の返納というものの他に、自動運転車使用許可証に交換できるような制度になったから、ここの日光のような車がないと不便なところに住んでいる人は、みんな自動運転車使用許可証に交換して、自動運転車に乗るようになっているから、そのような事故は、起きないよね、おばあさん」
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,754 位 / 193,754件 SF 5,462 位 / 5,462件

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

長く短い真夏の殺意

神原オホカミ【書籍発売中】
SF
人間を襲わないはずのロボットによる殺人事件。その犯行の動機と真実―― とある真夏の昼下がり、惨殺された男性の死体が見つかった。 犯人は、人間を襲わないはずの執事型ロボット。 その犯行の動機と真実とは……? ◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。 ◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。 ◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。 ◆アルファポリスさん/エブリスタさん/カクヨムさん/なろうさんで掲載してます。 〇構想執筆:2020年、改稿投稿:2024年

No.72【短編】宵に酔って妖

鉄生 裕
SF
僕の前に現れたのは、上から目線で喋り方の癖が強い、おかっぱ頭の女の子だった。 そんな彼女には『顔』が無かった。

銀河太平記

武者走走九郎or大橋むつお
SF
 いまから二百年の未来。  前世紀から移住の始まった火星は地球のしがらみから離れようとしていた。火星の中緯度カルディア平原の大半を領域とする扶桑公国は国民の大半が日本からの移民で構成されていて、臣籍降下した扶桑宮が征夷大将軍として幕府を開いていた。  その扶桑幕府も代を重ねて五代目になろうとしている。  折しも地球では二千年紀に入って三度目のグローバリズムが破綻して、東アジア発の動乱期に入ろうとしている。  火星と地球を舞台として、銀河規模の争乱の時代が始まろうとしている。

エンシェント・テイル・オンライン

日白
SF
8年前に発売されて以降、今なお絶大な人気を誇るVRMMORPG「エンシェント・テイル・オンライン(通称ATO)」 この物語は、そのゲームをたまたま商店街の福引で本体ごと手に入れたサラリーマンの藤堂 真吾が楽しくプレイする物語である。

宇宙を渡る声 大地に満ちる歌

広海智
SF
九年前にUPOと呼ばれる病原体が発生し、一年間封鎖されて多くの死者を出した惑星サン・マルティン。その地表を移動する基地に勤務する二十一歳の石一信(ソク・イルシン)は、親友で同じ部隊のヴァシリとともに、精神感応科兵が赴任してくることを噂で聞く。精神感応科兵を嫌うイルシンがぼやいているところへ現れた十五歳の葛木夕(カヅラキ・ユウ)は、その精神感応科兵で、しかもサン・マルティン封鎖を生き延びた過去を持っていた。ユウが赴任してきたのは、基地に出る「幽霊」対策であった。

性転換タイムマシーン

廣瀬純一
SF
バグで性転換してしまうタイムマシーンの話

処理中です...