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第4章 浮気者は叩き潰してやる
―残り5日―
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朝になった。
昨日、晩御飯のお皿の片付けをしに行くアリアに付き添ってジンクくんがいる部屋に行くと、ジンクくんはまるで犬のように食事をしており、部屋に入った私とアリアと目があったジンクくんの顔は口をポカーンと開けており、頬や鼻にはソースが付いている。
「あ、いや。これは・・・」
ジンクくんがハッとすると、頬に冷や汗を垂らしながら言い訳じみた事を言い始める、が口が上手く回らないのか特に何も言えないでいる。
「・・・ふふふ」
「・・・ぷっふふ」
アリアが堪えきれずに笑ってしまい、自分もつい釣られてしまった。
ジンクくんは再び顔を赤くしている。
だが、そんな真っ赤な顔から睨んでいる瞳はとても力強かった。
「ジ、ジンク・・・ふふふ」
「ア、アリア・・・失礼、よ、ぷふふ」
なんだろう、少し既視感がある。
と、そういえばジンクくんが転けた時もこんな感じだったような。
つい、その事を思い出してしまい、笑いは止まることを知らないように出ていく。
その後も、笑ったりアリアがからかったりして、一日を終えた。
ベッドから起き上がり、一通りの事をこなすと、ジンクくんが泊まっている(拘束している)部屋へと向かった。
「ジンクくん! 入ってもいいかな?」
部屋の前について、ノックを3回、その後声をかけた。
すると、中からガタッと少し大きな音が聞こえて中に入ると、ベッドで足のみ拘束していたジンクくんはベッドの傍でまた転けていた。
「また、お前、か~!?」
そういえば、私や、アリアがある前でよくそういうことが起きるな~と考えていたが、もしかしたら正解かもしれない。
私は吹き出しそうだったのを何とか堪えて、一言声をかける。
「あ、朝ごはん、食べれそ、う?」
「おめぇ、笑いを堪えるならいっその事大笑いしやがれ」
もう慣れたのか、昨日ほど真っ赤な顔ではないにしろ、それでも十分に赤い顔をしてジンクくんはそっぽを向く。
「ふふ、でどう? 食べれそうかしら?」
「そう、だな。頂けるか?」
「えぇ、アリアに伝えておくわね」
そう言って私は部屋を出た。
ジンクくんと会ってから面白いことばかりだった。
ふと、そういえば結婚まで残り5日だなぁ、思いふける。
アリアの言う通り私はいまこんなことをしている暇などはないはず。それなのに私は・・・。
アリアに迷惑をかけてばかりなのは気づいている。
でも、それでもアリアはそんな私を受け入れてくれている。だから私はアリアに甘えているんだろう。
だから日頃の感謝を込めて――
「アリア、いつもありがとう」
アリアはボーッとしてしまったが、横を通り過ぎ食堂へ向かおうとする。
「あ、そういえば、ジンクくん朝ごはん食べれるみたい。持って行ってあげて」
「わ、かりました」
ジンクくんのこともあるが、今は自分のこともしなくてはいけないな。
よし!
「アリアと計画でもたーてよ!」
軽いように言ってはいるが、その目は本気だった。
昨日、晩御飯のお皿の片付けをしに行くアリアに付き添ってジンクくんがいる部屋に行くと、ジンクくんはまるで犬のように食事をしており、部屋に入った私とアリアと目があったジンクくんの顔は口をポカーンと開けており、頬や鼻にはソースが付いている。
「あ、いや。これは・・・」
ジンクくんがハッとすると、頬に冷や汗を垂らしながら言い訳じみた事を言い始める、が口が上手く回らないのか特に何も言えないでいる。
「・・・ふふふ」
「・・・ぷっふふ」
アリアが堪えきれずに笑ってしまい、自分もつい釣られてしまった。
ジンクくんは再び顔を赤くしている。
だが、そんな真っ赤な顔から睨んでいる瞳はとても力強かった。
「ジ、ジンク・・・ふふふ」
「ア、アリア・・・失礼、よ、ぷふふ」
なんだろう、少し既視感がある。
と、そういえばジンクくんが転けた時もこんな感じだったような。
つい、その事を思い出してしまい、笑いは止まることを知らないように出ていく。
その後も、笑ったりアリアがからかったりして、一日を終えた。
ベッドから起き上がり、一通りの事をこなすと、ジンクくんが泊まっている(拘束している)部屋へと向かった。
「ジンクくん! 入ってもいいかな?」
部屋の前について、ノックを3回、その後声をかけた。
すると、中からガタッと少し大きな音が聞こえて中に入ると、ベッドで足のみ拘束していたジンクくんはベッドの傍でまた転けていた。
「また、お前、か~!?」
そういえば、私や、アリアがある前でよくそういうことが起きるな~と考えていたが、もしかしたら正解かもしれない。
私は吹き出しそうだったのを何とか堪えて、一言声をかける。
「あ、朝ごはん、食べれそ、う?」
「おめぇ、笑いを堪えるならいっその事大笑いしやがれ」
もう慣れたのか、昨日ほど真っ赤な顔ではないにしろ、それでも十分に赤い顔をしてジンクくんはそっぽを向く。
「ふふ、でどう? 食べれそうかしら?」
「そう、だな。頂けるか?」
「えぇ、アリアに伝えておくわね」
そう言って私は部屋を出た。
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アリアの言う通り私はいまこんなことをしている暇などはないはず。それなのに私は・・・。
アリアに迷惑をかけてばかりなのは気づいている。
でも、それでもアリアはそんな私を受け入れてくれている。だから私はアリアに甘えているんだろう。
だから日頃の感謝を込めて――
「アリア、いつもありがとう」
アリアはボーッとしてしまったが、横を通り過ぎ食堂へ向かおうとする。
「あ、そういえば、ジンクくん朝ごはん食べれるみたい。持って行ってあげて」
「わ、かりました」
ジンクくんのこともあるが、今は自分のこともしなくてはいけないな。
よし!
「アリアと計画でもたーてよ!」
軽いように言ってはいるが、その目は本気だった。
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