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7章 勇者と魔王の正義
第290話 宿屋
しおりを挟むその後二人は少女から感謝とお礼の品を受け取り宿泊のため宿屋に来ていた。
女将から部屋の鍵を貰い部屋に入って軽く荷物を広げている中でニイからミーリアに話しかけた。
「そういえばお前の家は教団の寮なんだっけか?」
「はい、なのでこうやって宿屋に泊まることにしたんです。」
「女将さんも慣れてるみたいだったしいつものことみたいだな。」
「はい、私は元々寮に帰らずに調査をすることも多かったのでここにはお世話になっていたんです。」
「へぇ。」
魔法でしまっていた荷物をミーリアに渡し装備を改めて整える。
「さっきの犯人、なんですが…」
「なんというか子供みたいなやつだったな。」
「勇者様も感じましたか…」
「ああ。」
頭の中に一瞬の青年の攻撃を思い出す。
型もなにもない拳をただ振るだけの攻撃。
それだけなら他のことを考えられない人間ということで話は終わるのだが、そういう人間は喧嘩慣れしているせいか本当の意味でボコボコにされるまで逃げないという特徴がある。
だが彼は一撃殴られたあとあっという間に逃げていった。
それがどこか幼さを感じさせたのだ。
「やつはなんなんだ?」
「私は見たことが無いのでここ2ヶ月の事件の犯人何でしょうけど…」
『ふむ、まあ我等の目的にはあまり関係なさそうだから町で出逢えば撃退するでいいのではないか?』
「それもそうだな。」
「勇者様、今度は突っ込んで行かないで下さい。それで見つかってしまえば町から逃げることになると思います。」
「…努力する。」
「はい、めいいっぱい努力してくださいね。」
笑顔での威圧に少し負けてしまったニイは荷物を片付けて部屋の外に向かう。
「そろそろ日が暮れてきた改めて情報収集に行こうか。」
「分かりました。夜の方が騎士団員は多いはずなのでお気をつけを。」
『では出発!だな。』
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