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5章 天衣無縫の少女と欲望の町
第217話 ゴーストアーム
しおりを挟む「騎士団員さんよぉ、英雄気取りはいいがこの数をどうにか出来るのか?」
ハリエスを見て、周りの男達のリーダーだろう男の言葉がそれだった。
それを聞いてハリエスは表情を変えず淡々と言い返す。
「今、表から援軍が来ます。私一人では無理でもそこまで時間稼ぎが出来れば私が息絶えても、私の勝ちです。」
「ちっ…!」
リーダーの男の表情が変わる。
「ならてめぇを倒しててめぇを人質に逃げるしかねぇな!てめぇらかかれ!」
その言葉で周りの黒い鎧の男達が武器を持って襲いかかる。
「後ろから出ないでください。」
そう言ったあと詠唱を始める。
「『実態なき腕よ。我の新たな腕となりその力を奮え!』、『ゴーストアーム』!」
その魔法が完成した瞬間彼の後ろから出てきた半透明の腕が襲いかかろうとした男達を壁に叩きつけた。
「ぐぅ…その魔法は…」
「魔法『ゴーストアーム』。腕の数がその熟練度よって変わるという魔法だ。」
彼の周りを見ると男達を掴んでいる腕を引いてもこの場にいる男性全員を掴んでも余りがあるくらいの量が並んでいた。
「この数を見ればわかるだろ?お前達では全員がかりでは私には勝てない。」
「ぬっ、ぅ…」
ハリエスの言葉どうりなのだ。『ゴーストアーム』で掴む腕の力は全てが術者の掴む力と同じだ。この腕は簡単な指示なら魔力をわずかに流し続けるだけでそれを実行し続ける。故に例え数だけが増えても指示を出す為の魔力消費が多少増えるだけで簡単に制圧出来てしまうだろう。
だが…
「なら格上が来た場合は別だよな?」
「!」
その言葉が辺りに響いた瞬間ハリエスは手を十字に構え目前にあった武器を受け止めた。
「ぬぐ、ぐ…」
「受け止めたか。俺の事には注意してたらしいな。」
「あの時は圧倒されましたからね。」
「そうかよ、ならよ…」
ハリエスの目の前の男がニヤァと笑いながら魔力を放出する。
「俺の金の為に死んでくれや!」
ドン!という音が幻聴出来るくらいの魔力が部屋中に放たれ、エリリスや周りの男達を含めた全員を壁面に叩きつけた。
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設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
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