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5章 天衣無縫の少女と欲望の町
第214話 役割
しおりを挟む「了解、あとは任せてくれ。」
入り口の正面にある建物の屋根の上に騎士団服の壮年の男性の姿があった。
ルガードだ。彼は3つに分けたグループの中でハリエスの援護に回るこの班に立候補していた。
娘と同じ班ではない理由はもう一つの班、つまり制圧班には人手が必要で他の騎士団員を集めるなら顔が一番知れ渡っているガレルと見た目が分かりやすすぎるフルルが一番向いていたからだ。
「はぁ、にしてもハリエスくんの侵入のしかたは相変わらず正面突破だな。…いやディレードが裏口を攻めるのが好きすぎるから面倒くさがってハリエスくんが正面から行くようになっちゃったんだけどな。」
そんな独り事を呟きながら倒れた男達を路地に引きずり込んでいく。
「ディレードくんの作戦の癖がフルルに移って欲しくはないが…」
建物を見上げながらそんなことを言うルガード。腰から出した葉巻に火を点ける。
「そんじゃ、まあここから誰も逃げないようにするとしようか。若者が後ろを気にしないようにするのも老人の仕事だからな。」
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