竜の契約者

ホワイトエンド

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5章 天衣無縫の少女と欲望の町

第206話 見張り仕事

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眠りについたエリリスを眺めることはや一時間。
ハリエスは無心で窓を睨み続けていた。
実際、見張り任務に着くことはハリエスは多い。
魔物のアジト、盗賊団のアジトなどを見つけた場合最初に呼ばれるのがハリエスなのだ。そしてそこで判断し応援を呼ぶか呼ばないかを決めるのも彼の仕事だ。応援が来るのを待つ間、動きがあれば即座に対応出来るように部下と交代で見張りをするのだ。 
そこでハリエスはそれまで止まっていた体を動かしストレッチをある程度済ませたところで、控えめなコン、コンとノックが響いた。
それを聞いて、ハリエスは扉まで歩いて行った。ハリエスが扉を開けるとそこにはいくつかの菓子を入れたカゴを持ったサヤが立っていた。

「騎士ハリエス様、お疲れ様です。」
「お疲れ様です。交代お願いします。」
「はい、こちら休憩の間おつまみ下さい。」
「ん、ありがとうございます。出来るだけ窓に気を付けて。」
「はい、お任せ下さい。」

部屋から出たハリエスは部屋の前に置いておいた、まだ少し温もりのある椅子に座った。
「ん、これは…クッキーですか。片手で摘める物を用意してくるのも流石ですね。」
カゴを膝の上に置き、中に入ってあったクッキーを口に頬張る。
休憩、とは言ったが物音を出せるというだけで、好き勝手に動けるかは別である。部屋の前で見張りをし、襲撃があった場合エリリスを抱えて逃げるのが中の人の仕事だが、外の人間は時間を稼ぐのが仕事だ。なので出来るだけ結界をはれたり時間を稼ぐのが得意な人間が外にいるのがいい。
そうして、改めて体をほぐしながらちょっとした休憩時間を過ごしたのだった。
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