竜の契約者

ホワイトエンド

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4章 聖人と少女と暗殺者

第90話 暴走妖精

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テントから出たディレードは声をかけられた。
「ディレード団長お疲れ様です」
「おや?どうりでいないと思っていたら水を汲みに行っていたのですかフルルさん。」
ディレードが振り返るとそこには桜色の髪の少女がいた。
彼女はフルル・ブレカ。騎士団の前線戦闘担当だ。彼女は髪を短いボブに切り揃えていて、身長はそこまで高くないディレードからしてみても見下ろすことになるくらいだ。だがその小さい見た目に反し両手には成人男性(少なくともディレードには無理)でも辛い量の水をバケツいっぱいに入れて持っている。
「はいいつもより助けられた女性が多かったので見積もりが少々ずれましたので」
「なるほど。…水汲みならそこら辺にいる男の一人にでも声をかければ良かったのでは?」
「団長…わざと言ってます?」
「もちろん冗談ですよ。」
フルルは男性団員とは女性団員の中でもトップクラスに中が悪い。その可愛らしい見た目から初めてあった団員に舐められる可能性十割を誇る彼女は舐めた団員をボコボコにするため男性団員からは妖精のような可愛らしい見た目の可愛らしさの無い女と言われている。
男性団員限定で〘暴走妖精〙と呼ばれている。

「それなら団長が手伝って…邪魔になる未来しか見えないですね手伝わないでください」
「まあ、そうですね。こういった作業は貴女に任せましょうか。」
「了解しました私にはあんな感じになった女の人の相手なんて出来ないですしこちらの方が楽でいいです」
「まあ、かなり面倒見が良くないと相手出来ないですからね。」

肩を竦めながらディレードは言う。
「はぁ…それはそうと…」
くいくいと手招きをする。屈めという合図だ。
それに従いディレードが屈むと彼女は耳打ちをしてきた。
「(それで…いつもの報酬はちゃんとあるんだよね?)」
「(ああ、あれですか。ありますから安心してください。)」
それを聞くと安心して距離を離した。
を渡さないようならそれこそこのあと森に来てもらう予定でしたがしなくて良くなって安心しました」
「貴女に殴られるとしばらく立ち上がれなくなるんで出来るだけやめてほしいのでやらなきゃだめですね。」
「はいそうしてください」
笑顔で圧を飛ばしながら笑ったあとテントの中に入っていった。
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