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どこにでもいる普通の高校2年生(2)
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「トラック転生‥‥、トラック転生だ!」
「うるさいっ!君ら日本人は死ぬとすぐに転生したいと騒ぎおってからに。もっとドラゴンカーセックスが見たい!とかメジャーな願望にしておきなさい」
「ドラゴンカーセックスが、メジャーな願望?‥‥はっ、そんなことより、僕はこれからどうなるんでしょうか」
「お主にはこれから異世界転生ではなく、剣と魔法の世界へと転移してもらう」
「やったぁ!」
「そんなことも言ってられんぞ。この異世界転移は恐らくお主の期待するようなものではない」
「いきなり高難度モンスターの生息する森の奥地に転移させられるとか?」
「転移先は大きめの街になる予定じゃよ。問題なのは、日本人がやたらと期待するチートについてなんじゃが」
「もしかして僕はチートが貰えないってことですか?」
「端的にいうとそうなるんじゃ」
「それは、ちょっと、いやかなりショックですが転移先で頑張れば大丈夫ですよね」
サトウはこれまでの人生。何かに苦戦した覚えがない。
勉強、スポーツ、人間関係、バイトに趣味、今まで微塵も努力せずに高く評価されてきた。
転移先では多少の苦戦はあっても、少し頑張ればこれまで通り普通の人生が送れるだろう。
「かなり必死になって頑張らんといかんぞ」
「必死とは」
「お主にチートはやれんし。地球に居た時のステータスがオールSだとすると、全ステータスがGかFまで下がるはずじゃの」
「パワプロの基礎能力みたいになってる!」
「ど、どうして?どうしてそんなに弱くなるんですか!」
「実はな」
サトウが息を飲む。
チートも貰えず、今までの自分のステータスから弱体化。これまで通り普通の人生なんて送れるわけがない。
「そもそも地球に居た時が、チート盛々状態だったんじゃよ」
「そんなわけが!」
「心当たりがないか?ステータスオールSよ」
心当たり?いったい何のことを言ってるんだ?
俺はどこにでもいる普通の高校2年生だ。確かに、うっかり女の子のスカートの中に顔を突っ込んでも頬を赤らめながら叱られるぐらいで済む点は運が良いと言えなくもないのか?
と、チート盛々だったなんて全く心当たりの無いサトウは頭を抱える。
「僕が弱体化状態で転移することになる理由を教えていただいても?」
「異世界ならともかく、地球にはステータスオールSの人物なぞ配置する予定は無かったんじゃ。そんなお主という異常を無害な状態にしたいのが弱体化の理由。‥‥そして魅力までもSのお主が、今日一緒におった女子全員と子をなす可能性が高かったのが転移の理由かの」
「あの中には義母もいたんですが」
「地球上最強のお主には、そんな些事は関係あらんよ」
「特に危険視されたのは、ステータスオールSの遺伝子を受け継いだお主の子孫。計算上、孫世代になるとその知識と地球の科学力によって、わしらが住まう神界を観測・干渉してくるやもと結果が出た」
「僕の孫がそんなことを」
「この結果から、幸運にも本日死亡が予見されたサトウタケルを念のため弱体化した後、異世界に転移させることを神界は決定したのじゃ」
「幸運にも?」
「さ、これで説明は終いじゃ。これでようやっと仕事に忙殺される日々から開放されるわい。サトウよ、せいぜい長生きするんじゃぞ」
転移が始まるのか、サトウの足元が光り初める。
その様子を神は顎髭を撫でながら見送った。
「うるさいっ!君ら日本人は死ぬとすぐに転生したいと騒ぎおってからに。もっとドラゴンカーセックスが見たい!とかメジャーな願望にしておきなさい」
「ドラゴンカーセックスが、メジャーな願望?‥‥はっ、そんなことより、僕はこれからどうなるんでしょうか」
「お主にはこれから異世界転生ではなく、剣と魔法の世界へと転移してもらう」
「やったぁ!」
「そんなことも言ってられんぞ。この異世界転移は恐らくお主の期待するようなものではない」
「いきなり高難度モンスターの生息する森の奥地に転移させられるとか?」
「転移先は大きめの街になる予定じゃよ。問題なのは、日本人がやたらと期待するチートについてなんじゃが」
「もしかして僕はチートが貰えないってことですか?」
「端的にいうとそうなるんじゃ」
「それは、ちょっと、いやかなりショックですが転移先で頑張れば大丈夫ですよね」
サトウはこれまでの人生。何かに苦戦した覚えがない。
勉強、スポーツ、人間関係、バイトに趣味、今まで微塵も努力せずに高く評価されてきた。
転移先では多少の苦戦はあっても、少し頑張ればこれまで通り普通の人生が送れるだろう。
「かなり必死になって頑張らんといかんぞ」
「必死とは」
「お主にチートはやれんし。地球に居た時のステータスがオールSだとすると、全ステータスがGかFまで下がるはずじゃの」
「パワプロの基礎能力みたいになってる!」
「ど、どうして?どうしてそんなに弱くなるんですか!」
「実はな」
サトウが息を飲む。
チートも貰えず、今までの自分のステータスから弱体化。これまで通り普通の人生なんて送れるわけがない。
「そもそも地球に居た時が、チート盛々状態だったんじゃよ」
「そんなわけが!」
「心当たりがないか?ステータスオールSよ」
心当たり?いったい何のことを言ってるんだ?
俺はどこにでもいる普通の高校2年生だ。確かに、うっかり女の子のスカートの中に顔を突っ込んでも頬を赤らめながら叱られるぐらいで済む点は運が良いと言えなくもないのか?
と、チート盛々だったなんて全く心当たりの無いサトウは頭を抱える。
「僕が弱体化状態で転移することになる理由を教えていただいても?」
「異世界ならともかく、地球にはステータスオールSの人物なぞ配置する予定は無かったんじゃ。そんなお主という異常を無害な状態にしたいのが弱体化の理由。‥‥そして魅力までもSのお主が、今日一緒におった女子全員と子をなす可能性が高かったのが転移の理由かの」
「あの中には義母もいたんですが」
「地球上最強のお主には、そんな些事は関係あらんよ」
「特に危険視されたのは、ステータスオールSの遺伝子を受け継いだお主の子孫。計算上、孫世代になるとその知識と地球の科学力によって、わしらが住まう神界を観測・干渉してくるやもと結果が出た」
「僕の孫がそんなことを」
「この結果から、幸運にも本日死亡が予見されたサトウタケルを念のため弱体化した後、異世界に転移させることを神界は決定したのじゃ」
「幸運にも?」
「さ、これで説明は終いじゃ。これでようやっと仕事に忙殺される日々から開放されるわい。サトウよ、せいぜい長生きするんじゃぞ」
転移が始まるのか、サトウの足元が光り初める。
その様子を神は顎髭を撫でながら見送った。
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