丸本印の子種飴

日菜太

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子種飴について

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何もないこの町だか、一つ菓子屋さんがあった
松丸製菓といい店舗と工場がある
そこでは和菓子専門であるが飴で子種飴という袋入りのものが
売られていた 透明の砂糖の飴玉の中に甘い練乳が入っており
子供から大人まで食べられており、特に滋養という意味で母親の
子を授かる栄養としてその名前が付いていたと言われていた
しかし最近は町の住人は高齢者が多数を占めており
売り上げは減っていった 子種飴を販売して60年目の
節目で社長の松丸和樹は中止を考えていたのだが
そこで年配の女性から本物の子種飴を食べたい
昔あった本物の子種飴を食べたい ほろ苦い独特の味の飴を食べたい
と言う声を知ることになった
過去の経緯を調べると、戦前は結婚したばかりの若い男女が子作り
で営んだ時に出た液体を飴玉の中に詰めて
近所の高齢の女性や年配の女性が好んで食していた
男性の精子中心に生命誕生の力が宿っている液として
滋養に良い、若返りに美容に良いとされていた
独特な匂い、色も特徴であった
しかし戦後しばらくは風習として残ったが
男女の営みでしかできないため
若い男女からも提供することを嫌がられ
また衛生問題もあり廃れていった
代わりとして練乳入りの飴を近世販売することになった
ただ高齢者から喜ばれるものとして、地域の風習の復活として
本物の子種飴として世に出すことはできないかと考えることになった
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