黒猫と12人の王

病床の翁

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休息

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 俺達が街に戻ると1人の兵士に案内されて会議室に通された。
 そこにはこの街の領主と思しき貴族と先ほどの兵士長ミジャーノの姿もあり、あの勇者パーティーも在席していた。
 俺達は改めて自己紹介した。
「俺様達は傭兵の金獅子、銀狼、蒼龍、紅猿、黄豹、紫鬼、橙犬、黒猫だ。」
 代表して金獅子が言う。
 これに対して貴族の男が言う。
「私はここ城塞都市モーリスの領主、カイゼス・ミルファだ。先ほどの戦いにて敵将を討ち取ったとか。その働きに感謝する。」
「私からも感謝を。敵がなぜか戦力を一括投入して来なかった為、ここ数日は耐えられましたが、流石にあの数のオーガやトロールが攻め込んでたら全滅していたでしょう。それにしてもお強い。まさかあれ程の数をたった8名で制してしまうとは恐れ入りました。」
 兵士長ミジャーノが続ける。
 すると勇者パーティーの戦士ライオネルが声を荒げる。
「おい!なぜコイツらばかりに例を言う!ゴブリンキングを倒したのはバッシュ様だぞ!誰のお陰でここ数日戦況を保ってられたと思っている!すべては勇者様のお陰だろうが!」
 勇者パーティーの魔術師ドリストルも喚く。
「そうだよ!あたし達の支援がなければとっくにあんたらやられてたんだからね!」
「そうですよ!もっと勇者様を讃えなさい!」
 勇者パーティーの聖女サーファも言う。
 当の本人はと言えばそんな3人を宥めるでもなく領主カイゼスを凝視している。
「あぁ。勇者様達にも大変助けられました。改めて御礼申し上げます。」
 兵士長ミジャーノが言う。
 その言葉を受け流すように勇者バッシュが言う。
「そちらの領主からは何無いのか?」
 領主は姿勢を正して言う。
「勇者様におかれましても大変なご活躍を頂いたようで。街を代表して御礼申し上げます。」
 俺達への言葉遣いと違う。
 相手が帝国第三皇子だと言う事で気を遣っているのだろうと思われた。
 勇者バッシュが言う。
「まぁ前線にオーガ達が来ていても僕ならば対処出来ただろうねぇ。」
「ははっ流石勇者様だぜ!」
 ライオネルが続ける。
 俺達8人はそれを白い目で見るのであった。

 一通り落ち着いたところで銀狼が問う。
「ところで今回攻め込んで来たのはあの鬼種だけだったのか?空飛ぶ眼球やら1つ目の化け物は?」
 これにはミジャーノが答える。
「はい。今回攻め込んできたのはゴブリンにホブゴブリン、オーガにトロールと言った鬼種ばかりでした。」
「そうか。単眼の魔物は出てこなかったか」
 銀狼は呟き黙り込む。
 きっと団員達の仇である一つ目の魔人について考えているのだろう。
「九大魔将と言っていたからな。銀狼が探す魔人の他にも7人魔将がいると言う事だろうな。」
 金獅子が言う。
「あのような怪物があと8人も?」
 ミジャーノが言う。
「まだまだ魔族軍の数は多いはずだ。この街の防備も、更に強化した方が良いだろう。」
 金獅子からの忠告を聞いてミジャーノが席を立つ。
「そう言う事なら私は兵士達の様子を見て参ります。それに砲弾などの在庫確認も行わなければ。では失礼致します。」
 そう言うなり会議室を出て行った。
 後に残された領主カイゼスは俺達に問う。
「それで貴方方はいつまでこの街に逗留されるご予定で?」
「僕達は後から来る帝国軍と合流するまでは残るさ。軍と合流したら今度はこちらから魔族領に乗り込むつもりなのさ。」
 バッシュが言う。
「そうだ!今度はこっちから行ってやる!」
「そうだよ!あたし達がいれば問題ないんだからね!」
「流石は勇者様ですわ。私、惚れ直しましたわ。」
 ライオネル、ドリストル、サーファが続ける。
「そうですか。勇者様方は帝国軍が来るまで。そちらの金獅子殿達はどの様な予定で?」
 カイゼスが金獅子に問う。
「うむ。俺様達にはまだ、仲間がいてな。それらが後から来る事になっておる。まずは仲間達の合流までは滞在する予定だ。」
「そうか。仲間が来るまで。その後は何処かに行ってしまうのか?」
 相手が一国の王とは知らずに話続けるカイゼス。
 もし会話の相手が獣王国の王だと知ればまた口調も変わってくるだろう。
 ただ今回俺達は傭兵として来ている。
 別に指摘するまでもない。
「うむ。それは仲間達が来てから決める。」
 金獅子が答えると落胆したかのように肩を下げるカイゼス。
 恐らくはまた魔族侵攻に遭った時の為に俺達には居続けて欲しいのだろう。
 だがカイゼスはそれ以上何も言わずに会議は終了となった。

 領主邸を出た俺達は街を歩く。
 ひとまず危機は去った為し、避難していた住民達も家々に戻っていくようだ。
 まずは手頃な宿泊先を探す。
 老舗らしき宿屋が1泊2食付で1人銀貨1枚だと言うので、そこを逗留先と決めて、俺達はひとまず部屋に入り荷物を置くと、またエントランスに集合した。
「オレは聖王達が来てもわかるように南門の門番にここの事を伝えてくる。」
 そう言うと銀狼は出て行った。
 逗留中は特にする事も決まっておらず、まずは先程の戦いの傷を癒す事にする。
 特に紫鬼などは体中に痣が出来ており、王鎧の上からのダメージが体にまで届いていた事がわかる。
「ワシはしばらくは静養する。何かあったら声をかけてくれ」
 紫鬼はそう言って部屋に戻って行った。紅猿は、
「拙者も部屋で瞑想するのである。」
 と言って部屋に戻った。
 残ったのは俺、金獅子、蒼龍、黄豹、橙犬である。
 ちょうどいいから俺は黄豹に聞く。
「お前の持ってるあの武器は何て言うんだ?」
 戦闘中に見て気になっていたのだ。
「武器?トンファーだよ」
 黄豹は何でも無い事のように答える。
「いやいや。トンファーにはあんな刃付いてないって。特注品か?」
「うん。殴るだけじゃなく斬れるように両刃の剣をくっつけて貰った。」
「やっぱり特注品か。道理で見た事ないなと思ったんだよ。」
「なに?僕の装備に興味あるの?」
「あぁ。なんな武器見た事ないからなもっとじっくり観察したいくらいだ。」
「なら僕の部屋に来なよ。見せてあげる。」
「ホントか?」
 って事で俺と黄豹は他の面々を残して黄豹の部屋へと向かった。

 なぜか橙犬が付いてきた。
 また研究させろーとか言い出すのかと思ったが単純にヨルと遊びたかっただけらしい。
 黄豹の部屋の床に座っていつもの猫じゃらしでヨルと遊び始めた。
「これが僕のトンファーだよ。」
 黄豹が自身の武器を見せてくれる。
「へー。持ち手とかは鉄なんだな。長柄の部分にだけ刃が付いてるのか。今まで対峙してきた奴等にもこんな武器持ってる奴はいなかったぜ。」
「今まで対峙してきた奴等?」
 黄豹に問われて俺は自身の生い立ちから始まる昔話をする。
「って訳で今は盗賊だけど、その前は殺し屋をやってたのさ。」
「元殺し屋か。僕は今も殺し屋だよ。この旅の間だけ休業中なんだ。」
 それから俺達は今まで対峙してきた殺し屋や傭兵について話し合った。
 1番面倒な相手は鞭使いだとか、1番多い長剣持ちにはどう対処するのがいいだとか、相手が複数いた場合の立ち回り方だとか、話は結構盛り上がった。
 そこで橙犬に声をかけられる。
「おい。研究材料。オイラお腹すいたぞ。影収納からオイラのバックを出してくれ。」
 俺は言われるがままにバックを影収納から出してやる。
 すると橙犬は1番大きなバックからお菓子を取り出しヨルと一緒に食べ始めた。
「だから夕飯近くにお菓子を食べるなって」
 まるでできの悪い弟に注意するように俺は言う。
「もー!お前はオイラのパパでもママでもないだろ?うるさいこと言うなよ。」
「お菓子ばっかり食べてると夕飯食べられなくなって大きくなれないぞ。」
「う。大きくなれないのは困るぞ。僕は180㎝くらいまでは成長する予定なんだから。」
「ならお菓子じゃなくて飯を食えめしを。」
「うぅ。わかったぞ。これで終わりにする。」
 そう言って広げていたお菓子をバックに仕舞い始めた。
 また影収納に仕舞うよう頼まれたのでそうしてやる。
 それからまた俺と黄豹は雑談を続け夕食と時になったので1階の食堂に全員集まって一緒に食事をした。
 こうして城塞都市モーリスでの1日目は過ぎていった。

 モーリスでの2日目である。
 白狐達がいつ来るのかがわからない為、今日も待機となる。
 この日も紫鬼はまだ傷が癒えていないとの事で1人部屋で静養中である。
 紅猿もまた瞑想すると言うので聞いてみた。
「瞑想って具体的には何をするんだ?」
「ふむ。若い言葉で言えばイメージトレーニングと言うやつだ。昨日の戦闘を思い出し己の動きを確認する。また強者と出会った際の戦闘方法などを考えるのである。まさに昨日の九大魔将は良いイメージ相手となるのである。」
 との事だった。
 正直イメージして何が変わるのかわからなかったが俺は部屋に戻る紅猿を見送った。

 他の面々は特にやる事がないと言うので皆で街に出る事にした。
 もちろんまた次にいつ新たな魔族軍がやってくるかわからないので、全員武装状態である。
 武装した男6人が束になって歩く様は若干威圧的だったらしくまた魔族がやってきたのかと慌てる住民もいた。
 そのため俺達は二手に分かれる事にした。
 メンバー割りは以前一緒に旅をしたメンツの方が気が楽だろうと言う事で、銀狼と金獅子と蒼龍、俺と橙犬と黄豹となった。
 黄豹とは昨日思う存分話をしたのですでに打ち解けている。
 夕飯時には宿屋の食堂に集合する事にして銀狼達と分かれた俺達は様々な店を見て回る。
 俺は八百屋に足を止める。
 そろそろ以前から考えていたスープカレーを作ってみようかと思ったのだ。
 手頃な野菜を購入し、次は肉屋に向かう。
 土地が違う為出没する魔物、魔獣が違うのか今まで見た事のない肉が売っていた。
 主に取り扱っているのはオークと言う豚頭の魔獣の肉らしい。
 俺は脂身の少ないロースと言う部位の肉を買った。
 これで今日の昼食はスープカレーで決定だ。
 カレーと一緒に食べるパンも数点購入して宿屋の自室に戻った。

 黄豹は料理している所を見るのは初めてだと言う事で俺の調理の様子を眺めている。
 橙犬と言えば今日も飽きもせず猫じゃらしで、ヨルと遊んでいる。
 俺はカレーにとろみが出ないようにじゃがいもは別鍋で蒸かしながら鍋で肉や、野菜を炒めてから水を多めに入れる。
 しばらく煮込み灰汁が出たら取っていく。
 灰汁が出なくなった頃合いでスパイス類を入れて更に煮詰めていく。
 やがて出来たカレーは想定通りカレー味のスープになった。
 俺は蒸かしたじゃがいもを後乗せしてパンと共に黄豹と橙犬に振る舞う。
 橙犬は以前にもカレーライスを食べた事があった為、
「何これ。カレーがスープになってるじゃないか。ふむふむ。これはこれで美味しいぞ。」
 と中々の高評価。
 初めてカレーを食べると言う黄豹は、
「何これ。辛い。でも、慣れてきたら美味しいかも。」
 とこちらも高評価。
 俺は明日の昼には他の面々にも振る舞ってやろうと、カレーの残った鍋を影収納に格納した。
 こういう時に時間経過がない影収納の中は大変便利である。
 作りたてのまま格納しておけば取り出した時にも作りたての状態のままになる。
 午後も3人で街を散策し、夕飯時には全員合流した。
 食堂で夕飯を食べてから各自部屋へと戻ったのだった。

 モーリスでの3日目である。
 まだ白狐達はやってこない。
 この日も特段やる事はなかった為、午前中は街を散策、昼には全員集めてスープカレーを振る舞った。
 橙犬と黄豹は2日目連続だが文句も言わずに食べている。
 初めて俺の手料理を食べた銀狼達は、
「おぉ?とても辛いが辛さの中に旨味もあるな。獣王国でも食べられるといいな。後でレシピを教えてくれ。」
「我もこのような食べ物は初めてだ。この辛さが癖になるな。」
「オレはカレーライスを、食べた事はあったがこの様なスープ状の物は初めて食べる。これもなかなかいけるな。」
 全員から高評価を貰って俺は内心ガッツポーズをした。
 午後はそれぞれ好きな事をして過ごす。
 まだ白狐達も到着しておらず、魔族軍の侵攻もない。
 特に問題もなくその日1日は終わった。

 モーリスでの4日目である。
 この日の昼頃ようやく白狐達がモーリスへと到着した。
 緑鳥の義足の調整に時間がかかったようだ。その手には2m近い錫杖が握られており、それを杖替わりにして歩いているようだ。
 俺達が泊まる宿屋へとやってきた緑鳥が言う。
「大変お待たせしました。わたしのせいで時間がかかってしまいました。」
「いや。特に問題はなかった。無事に合流出来て良かった。」
 銀狼が代表して答える。
 と、そこで緑鳥は紫鬼の体の痣に気がついた。
「その傷は魔族軍との戦闘で?酷い怪我じゃないですか。少々お待ちください。今聖術で癒やしの奇跡を。」
 と言うと呪文を唱え始める。
「親愛なる聖神様、その比護により目の前の傷つきし者に癒やしの奇跡を起こし給え。ヒーリング!」
 緑鳥がそう言うと手にした錫杖にはまる魔石が輝き出した。
 そして紫鬼の体を温かい光が包み込む。
 するとみるみるうちに紫鬼の痣は消えていった。
「ふむ。体の痛みがなくなったわ。聖術と言うのは凄いもんじゃな。戦闘前よりも心なしか体が軽くなったぞい。」
 紫鬼が言う。
 俺も聖術を見るのは初めてだった。
 あれだけの傷をすぐ治してしまうとは凄いとしか言い様がない。

 その後白狐達も同じ宿屋に泊まる事にして今後について皆で話し合った。
 相変わらず銀狼、金獅子、紫鬼、紅猿などは魔族領へと攻め込む方に1票。
 白狐、橙犬、灰虎、蒼龍などはここモーリスで護りを固めるほうに1票。
 ヨルに黄豹、緑鳥については多数の意見に従うと言う。
 また俺の1票で決まると言う状況。
 そこで俺は兵士長ミジャーノと昨日話した事を思い出す。
 今回の魔族侵攻で兵士に多数の死傷者が出て、今は住民から勇士を募って空いた穴を埋めようと画策しているらしい。
 住民が兵士の真似事をしてもすぐに死んでしまうだろう。
 ミジャーノ達もそれがわかっていながらひとまずは数を揃えたいとの事だった。
 またここモーリスを戦地にしたらその住民達は真っ先に、死んでしまうだろう。
 死人は少しでも少ない方が良い。
 俺達が魔族領に進みその侵攻を止める事が出来れば街に被害もなく済むのではないかと思い始めた。
 だから俺も魔族領へと攻め込む方に1票を投じた。
 そして今日1日最後の休息を取って明日朝一でモーリスを出る事に決まった。

 その日は全員で夕飯を食べてから各自の部屋へと移動した。
 が、しばらくすると白狐が部屋を訪ねてきた。
 白狐が言う。
「橙犬から聞きましたよ。新しい形のカレーを皆に振る舞ったんですってね。あーあ。私も食べたかったですぅ。」
 俺は答える。
「また今度作って白狐にも食べさせるさ。」
 すると白狐が人の顔をじっと見つめながら言う。
「なんかクロさん、最初に逢った時から雰囲気変わりましたよね」
 白狐に言われた。
「変わった?何が?」
「んー何て言うんでしょう。丸くなったと言うか砕けてきたと言うか、そう!協調性が高くなりましたよね。」
「協調性か。」
 そう言われてみれば白狐に逢った頃は俺は親父くらいしか接する相手はいなかった。
 他に接するのは殺しのターゲットだけ。
 ヨルや白狐に会い初めて親父以外に接した。
 そして他の皆とも出会って、一緒に旅をしながら戦闘して、もちろん戦闘中は連携など今まで気にもしていなかった事を気にするようになり始めて、今ここにいる。
 他者ときちんと交わったのは初めての事だ。
「なぁ。それって俺が“普通“になってきたって事かな?」
 白狐に問う。
「ん?そうですね。猫又に取り憑かれてたり、神様のお使いに駆り出されたり、色々ありますがクロさんは普通ですよ。」
「そうか。俺は“普通“か。」
 俺は独り言ちる。

 親父、俺、普通になってきたよ。
 親父の言う“普通“とはちょっと違うかもしれないけど。

 そうして城塞都市モーリスでの最後の夜はふけていった。
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