黒猫と12人の王

病床の翁

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偶然

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 俺達が魔術大国マジックヘブンに到着したのは港町フォートを出てから1カ月とちょっと経過した頃だった。
 海賊に襲われたあとも何度か空飛ぶ魔物や海から上がってくる魔物と対峙した。
 時にはクラーケンと呼ばれる大型の船の船体ほどもある大型のイカのような化け物も出てきたが、白狐がその足を切り飛ばし、紫鬼がその足を引きちぎっているうちに逃げていった。
 残ったのは巨大な以下の足であり、俺達はそれをカレーに入れて食った。
 なかなかいい味だしていたので今度はもっと海の幸を入れてシーフードカレーにするのもいいかもしれない。
 そんなこんなでマジックヘブンに着いた俺達はまたタバコを咥えている船長に礼を言うとさまざまな魔道具が並ぶ商店街へとやって来ていた。
「タワーに行くにしても目的の人物を探すのに時間がかかるでしょうし。まずは宿屋を探しません?」
 白狐の提案により俺達は宿屋を目指すことにした。
 途中気になる魔道具を売っている店もあったが買物はあとにする。
 宿屋が立ち並ぶ区画に来るとその中でもひときわ大きな宿屋を目指す白狐。
 高級宿屋に泊まる気まんまんらしい。
 確かに俺達は結構な金持ちである。
 海賊から入手した貨幣もそれなりの額であるので金銭的な心配はないのだ。

 目的の宿屋の前に着くと、なんと扉が自動で開いた。
 これも魔道具らしく人が来ると勝手に開閉する仕組みらしい。
 珍しいものに驚きつつ、中に入る。
「いらっしゃいませ。お泊りですか?」
 感じのよい妙齢の女性が声をかけてくる。
 清楚な感じのこの女性はここの女将らしい。
「はい。3名なんですがお部屋空いてますか?」
 白狐が率先して交渉し始めた。
 俺達は黙って後ろに待機する。
 が宿屋の中にも見たことのない魔道具で溢れていた。
 室内を照らす魔道灯はもちろん完備、それに荷物を運ぶための中空に浮いた台車などもある。
「さすが魔術大国ってだけはあるな。知らない魔道具がいっぱいだ。」
「ワシも初めて見るもんばっかりじゃ。凄いのぅ魔道具っちゅうのは。」
 俺と紫鬼がそんな感想を言い合っていると白狐が振り向いて言った。
「3人で1泊大銀貨1枚ですって。7連泊すれば大銀貨6枚でいいとの事ですが7連泊でいいですよね?どの程度ここにいるかまだわかりませんし。」
「あぁ。今回は全員別々の部屋なのか?」
「はい。そこは3部屋用意してくださるそうです。」
「なら7連泊でいいだろう。」
 そう言っておれは金貨1枚と大銀貨8枚を女将に渡す。
「毎度ありがとうございます。ではさっそくお部屋にご案内致します。」
 女将は俺達を部屋まで案内してくれた。
 2階の端から3部屋連続して取れたらしい。
 ごゆっくりと言われた俺達だったがまずはタワーに行ってみる事にした。
 部外者がいきなり行っても大丈夫なものなのかすらわからないからだ。

 タワーはその名の通り10階建てのタワーだった。
 上に行くほど小さくなっていき、四角錐のような形をしている不思議な建物だった。
 そもそも3階建て以上の建物なんてみた事もない。
 紫鬼もここまで高い建物を見るのは初めてだったらしく驚いていた。
 タワーの入り口には特に門番などはおらず、誰でも中に入れるようだ。
 入口の扉はもちろん自動開閉するあれだ。
 中に入るとすぐに受付のような場所があり、2名の女性が座っていた。
「タワーで一番不老不死の研究をされている方にお会いしたいのですが?」
 白狐が受付嬢に言う。
「不老不死の研究者ですか?しばらくお待ちください。」
 受付嬢は言うと手元にある水晶に手をかざして話始めた。
 あの水晶で離れた場所と会話が出来るようだ。
 魔道具すげぇと思いながら平静を装う俺。
 素直に驚いている紫鬼。
 白狐はその存在を知っていたようで特に驚いた様子はない。
「研究者に話を通しましたが、今は研究に忙しいため3日後に改めて来て欲しいとの事です。」
「わかりました。3日後ですね。よろしくお伝えください。」
 白狐は言うと俺達を伴ってタワーを出る。
「やっぱり7連泊にしておいて正解でしたね。」
 白狐の言う通りである。

 時間の出来た俺達は魔道具が並ぶ商店街に戻ってきた。
 気になる魔道具があったのだ。
「おぉ!これは2口の魔道コンロじゃないか!」
 俺は前々から欲しかった1品を見つけて興奮していた。
 2口あればカレーを作りながら別の調理も出来るため、今までもずっと欲しかったのだ。
「その魔道コンロなら大銀貨7枚ってところだな。」
 店主が言う。
「買った!」
 俺は即断で購入する。
 購入した魔道コンロは影収納に仕舞う。
 これでもともと持っていた1口の魔道コンロと合わせて3口である。
 料理の幅が広がるってもんだ。
 白狐は別の店で小さい水晶を眺めていた。
「なにか欲しいものでもあったか?」
 俺が尋ねると白狐は言う。
「いえね。この水晶、離れた位置にいる相手と通話ができるらしいんですよ。ただ小型化したせいで値段があがってて金貨2枚するそうなんです。なにかの時には役に立ちそうなんですが今すぐに必要かと言われたら必要ではないかなって。」
「万が一はぐれても通信出来るって事か。いいじゃないか。買おう。」
 俺は3人分の水晶を購入し、白狐と紫鬼に渡す。
 店主曰く、離れた相手でもその相手を思い浮かべながら手をかざせば相手との通話が可能だそうだ。大変便利である。
 金貨6枚かかったがいい買い物だったと思う。
「紫鬼はなにか気になる商品はなかったのか?」
「ワシはこういうもんには疎くてな。便利なんだろうが自分で持つとなるとなんか違うのよ。」
『クロよ。儂はあの音が出る箱が気になるぞ。』
 珍しくヨルが俺の肩に乗って前方を指す。
 そこの店には小さい箱が沢山並んでおり、それぞれが別々の音楽を奏でるようだ。
「ヨルは音楽とか聴くタイプだったのか?」
『儂は常に癒しを求めておるのだ。一つ買ってくれ。』
 ということで俺は一つ買い与えた。
 なんとも静かなせせらぎのような音楽を奏でるそれをヨルは大事そうに抱えて俺の外套のフードに入り込んだ。
 せせらぎのような音楽がしばらく俺の頭のうしろから流れ続けた。

 翌日も翌々日も魔道具の店を回って時間をつぶして約束の3日後となった。
 俺達は改めてタワーに向かうと受付嬢に訪問の理由を伝える。
 すると受付嬢はまた手元の水晶に手をかざし、誰かと話し始めた。
「お待たせしました。担当の者がご案内致します。」
 俺達は小さな部屋に案内された。
 10人は入れるかどうかってくらいの小ささだ。
 案内人は入口の扉を閉めるとなにやらボタンを押している。
 何事かと思っていると一瞬浮遊感を感じた。
 次の瞬間入口は空いて案内人に外に出るように言われた。
「今のなんだったんだ?」
「ふふっ。外を見てみればわかりますよ。」
 俺と紫鬼は白狐に言われた通り窓から外を見る。
 すると先ほどまで1階にいたはずなのに目線が高い事に気が付いた。
「おー見ろ黒猫!高いところに移動しておるぞ!」
「あれはエレベータっていう魔道具です。高さを移動できる箱らしいですよ。」
 白狐が説明してくれる。
「はい。こちらは等の10階になります。」
 案内人が教えてくれた。
 10階といえば最上階である。
 そんな位置に陣取るような人物となればよほど大物に違いない。
 俺は少し緊張してきた。
「こちらの部屋になります。」
 案内人は1つの部屋の前で立ち止まり俺達を誘導する。
「ではわたくしはこれで。」
 いうなり案内人は去っていった。
 できれば人物紹介までして欲しかったが仕方ない。
 俺達は扉をノックする。
「どうぞー」
 高めの声で返答があった。
 俺達は扉を開け部屋の中に入る。
「3日もお待たせして申し訳なかったね。」
 目の前には小さな子供がいた。
 返事をしたのはこの子供のようだが周りを見ても他に誰かいる様子はない。
「ん?俺達は不老不死の研究者を訪ねてきたんだが?留守か?」
 俺は思わず目の前の子供に問いかける。
「ん?だからオイラの元に来たんだろ?」
「は?どういうことだ?お前みたいな子供が研究者だってのか?」
「子供とはなんだ!オイラはもう12歳だ!立派な大人だぞ!」
「いや12歳はまだ子供だろうに。成人は18歳からだぞ?」
「ええい。うるさい!用があると言うから会う時間を作ってやったと言うのに。オイラをバカにしに来たなら帰ってくれ!」
 目の前の子供が言う。
 こいつが研究者で間違いないらしい。
「すいませんね。うちの人が。貴方が不老不死の研究者で合ってますか?」
「そうだ。オイラは橙犬とうけん。魔導神の加護を持つ立派な研究者だ!」
 おっと聞き流せないことを言いだした。
 魔導神の加護持ちだと?
「神の加護持ちってことはお前さんも神徒なのか?」
 紫鬼が問いかける。
「も?もしかしてお前達も神の加護持ちなのか?もしかしてオイラを連れ出しに来たのか?」
 話がよくわからん。
 俺は話を整理することにした。
「ちょっと待て。お前は不老不死の研究者で、神の加護を持つ神徒ってことでいいのか?」
「あぁ。オイラの研究の邪魔をしに来たんだろう?帰れ!オイラは研究がしていたいんだ。邪神なんか知らない!」
 あぁ。これは神託を受けたが神の依頼を断ったってことなんだろう。
 俺は話を続ける。
「お前が神徒だってのは知らなかった。俺達は不老不死研究をしている研究者に用があったんだ。」
「なに?オイラを連れ出しに来たんじゃないのか?」
「あぁ。まずは不老不死研究者としてのお前に聞きたいことがある。」
「なんだ。そうか。ならどういう話なのか聞いてやらないこともないぞ。」
 橙犬は偉そうに言う。
 が子供の言うことだ。
 俺は冷静に話し始める。
 まず俺がヨルという化け猫の取り憑かれた事。
 そしてその取り憑いた化け猫が今度は俺の体から抜け出せなくなったこと。
 俺の体の中に俺自身の霊体とヨルの霊体が同居してしまっている事を説明した。
「なんだって?化け猫に取り憑かれただと?そんな人間に会うのは初めてだ。1つの肉体に複数の霊体がある状態だなんて、素晴らしい研究材料じゃないか。」
 橙犬は目を輝かせながら言う。
「いや研究材料とかじゃなくて、肉体から霊体を取り出す方法を知らないか?」
「なに?そんなことが出来ていたら年老い人間の霊体を若い人間の体に移植するなんてことが可能になってしまうかもしれない。そしたら今頃権力者達がこぞってその方法を使うだろうさ。あいつらは権力に取り憑かれているからな。」
「ということは…霊体を取り出す方法は知らないと?」
「あぁ。そんな方法は研究対象としていなかった。オイラはあくまで不老不死の研究者だ。1つの肉体が老いず死なない方法がないか、そんな魔術を研究している。」
「そうか。ヨル。無駄足だったようだ。お前の取り出し方はわからないとさ。」
『むむむ。どうしたものか。困ったな。』
 俺とヨルが悩み始めたところで紫鬼が話始めた。
「じゃあ次はワシの用件じゃ。ワシは鬼王。鬼神の加護を持つ神徒じゃ。でこっちのヨルは暗黒神の加護持ちで、こっちの白狐は破壊神の加護持ちじゃ。ワシらは神託により邪神の復活を阻止しようと考えておる。お前さんも魔導神の加護持ちなんじゃろ?ワシらと一緒に来てはくれんか?」
「嫌だ!オイラは研究がしていたいんだ。邪神復活とかは他のやつらでどうにかしてくれよ。」
「そう言わずにな?そうじゃ。クロとヨルを研究するってのはどうじゃ?さっき素晴らしい研究材料とか言っておったじゃろ?」
 橙犬は少し反応した。
 キラキラした目で俺とヨルを交互に見る。
「いいのか?1つの体に複数の霊体がある素体なんて他にはいないだろうし、研究のし甲斐もあるな。」
「じゃろ?どうじゃ?一緒に来るか?」
 紫鬼が交渉するが白狐が疑問を口にする。
「ねぇ。紫鬼さん。いくら神徒だからって子供を連れていくのはどうかと思うんです。足手まといにしかならないでしょう?」
 それを聞いた橙犬が激高する。
「オイラが足手まといだって!?オイラは魔術に呪術、召喚術まで極めた天才だぞ!戦闘だって問題なく出来る!」
 それを聞いた紫鬼が畳みかける。
「ならワシ達と一緒に来ても問題ないな。どうじゃ?来てくれんか?」
 橙犬はしばらく悩むとぼそりと言った。
「そっちの黒髪が研究に協力するってんならいいよ。」
 俺に話が振られた。
 そもそもが俺はここでヨルと分かれて別行動するつもりでいた。
 が、ヨルの霊体が俺の体にある以上、紫鬼達についていかないければならなくなった。
 俺は諦めて言う。
「あぁ。研究材料だろうがなんだろうがやってやるよ。」
「よし。じゃあ決まりじゃな。ワシらもすでに4人の王を集めたことになる。順調な旅じゃ。」
 紫鬼は上機嫌である。
「ここでサヨナラってわけにはいかなくなりましたね。旦那様?」
「う…。責任は取るって言っただろ?もちろん一緒に行くさ。」
 俺は胸の内を白狐に見透かされたようでドギマギしたが態度には出てなかったと思う。
 大丈夫だろう。

 ということで俺とヨルはこのまま、かつ1人神徒が増えた俺達は4人と1匹となった。
 ひとまずの目的地でのやる事は終わった。
 次の神徒はどこにいるのか?どこに向かうべきか?目的地が決まらないのであれば他の神徒・王の噂話があればそちらに向かうべきだろう。
 ということになり、俺達は酒場で聞き込みを行った。
 噂話は酒場に限る。
 誰かが凄い魔術道具を完成させただの誰それの魔術は大したことないだの、魔術に関する噂話が多い中、唯一ピンときた話が聞けた。
 なんでも帝国の闘技場には無敗の王がいるという。
 ここ数カ月の間に急に現れ、すぐに闘技場のトップに躍り出たという。
 時期的にも神託が下った時期と被る。
 もしかしたらその王は神の加護を持つ王って意味かもしれない。
 俺達はその噂に飛びついた。
 次の目的地は東の帝国の首都、ゼーテとなった。
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