神様から無限の力をもらったので、異世界で無双して世界を救います！

星宮　嶺

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第14話　炎竜帝国との交渉と試練

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真夏の炎天下、寛人たちは炎竜帝国の首都・灼熱城に到着した。
真っ赤な岩で造られた城は、まさに炎の如く輝いていた。周囲には常に活動する火山が連なり、街全体が灼熱の中に包まれている。

「うっ...暑すぎる」
リリアが額の汗を拭う。彼女の金髪が、熱気で少し縮れている。

「暑いよ～」
ミーナが頬を膨らませる。彼女の翅は、熱で少しシナっている。

「我慢するのよ」
エリザベートが諭すように言う。しかし、彼女自身も顔を真っ赤にしていた。

「むげんちゃん、大丈夫？」
ミーナが心配そうに寛人を見上げる。

寛人は微笑んで答えた。

「ああ、問題ない。むしろ...この熱さが心地いいくらいだ」

仲間たちが驚いた顔で寛人を見つめる。

「さすがは無限の力を持つ者ね...」
フレイヤが感心したように呟く。

一行は、灼熱城の中心にそびえ立つ炎帝の宮殿へと向かった。
道中、彼らは街の様子を観察する。

鍛冶屋の音が絶え間なく響き、至る所で赤熱した金属が打ち鍛えられている。
空には、時折巨大な竜が飛翔する姿が見える。

「あれが噂の竜騎士団ね...」
エリザベートが空を見上げながら呟く。

ついに宮殿に到着した一行。
彼らは謁見の間へと案内された。

そこで彼らを待っていたのは——

「よくぞ参られた、エターナリアの若き指導者よ」

炎竜帝国の皇帝、イグニス・ドラゴーンだった。
赤い鎧に身を包み、まるで人間の姿をした龍のような威厳を放っている。
その目は、燃え盛る炎のように激しく輝いていた。

寛人は丁重に挨拶し、彼らの理想と大陸統一の構想を説明した。
イグニスは黙って聞いていたが、その表情からは何も読み取ることができない。

説明が終わると、イグニスは深く考え込んだ様子で黙り込む。
緊張が場を支配する。

そして——

「面白い」

彼は突如として大きな声で笑い出した。

「若者よ、その理想、私も共感する」
「だが、言葉だけでは人は動かん」

イグニスは立ち上がり、寛人に詰め寄る。

「我が国の伝統では、力こそが全て」
「お主の力、この私に示してみよ！」

次の瞬間、イグニスの拳が炎に包まれ、寛人に向かって突き出された。

ドゴォォン！

衝撃波が走る。
リリアたちが驚いて後ずさる。

しかし——

「おお！」

イグニスの拳は、寛人の掌で完全に止められていた。

「これは...」

イグニスの目が驚きで見開かれる。

「陛下、私たちは戦いに来たのではありません」
寛人は冷静に言う。

「ですが、もし力で示せというのなら...」

ビュンッ

寛人の姿が消え、次の瞬間イグニスの背後に現れた。

「こんなものでしょうか」

イグニスは全身を震わせ、そして——

「ガハハハ！素晴らしい！」

大きな笑い声を上げた。

「よかろう。我が炎竜帝国は、汝の理想に賛同しよう」

こうして、炎竜帝国との同盟が成立した。

しかし、イグニスはさらに言葉を続けた。

「だが、お主にはある試練を乗り越えてもらわねばならん」

「試練、ですか？」
寛人が尋ねる。

「そうだ。我が国最高の鍛冶場、"炎獄の間"で、竜鱗の剣を鍛えてもらう」

「剣を...鍛える？」
リリアが驚いた様子で声を上げる。

イグニスは頷く。

「竜鱗の剣は、我が国の象徴。それを鍛えられるかどうかが、お主の資質を測る試金石となろう」

寛人は決意の表情で答えた。

「分かりました。お受けします」

翌日、寛人は"炎獄の間"へと案内された。
そこは文字通り、地獄のような熱気に包まれていた。

「むげんちゃん、頑張って！」
ミーナが励ます。

「私たちは、ここで待っているわ」
リリアが優しく微笑む。

寛人は頷き、炎獄の間へと足を踏み入れた。

灼熱の中、寛人は必死に剣を鍛える。
彼の"全知全能の智"により、鍛冶の技術は瞬時に習得。
しかし、問題は耐久力だった。

「くっ...」

汗が滝のように流れる。
皮膚が焼けるような痛みを感じる。

（これが試練か...）

寛人は歯を食いしばる。

時間が過ぎていく。
一時間、二時間...

そして——

カンカンカン！

澄んだ金属音が響き渡る。

「できた...！」

寛人の手には、美しく輝く竜鱗の剣が。

炎獄の間から出てきた寛人を、仲間たちが駆け寄って出迎えた。

「むげんちゃん！」
ミーナが寛人に飛びつく。

「よくやったな」
イグニスが満足げに頷く。

「これで、我が国は正式にお主の同盟国となった」

寛人は感謝の意を述べ、そして決意を新たにした。

こうして、寛人たちの大陸征服の第一歩が踏み出された。

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